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公開番号2025135956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034063
出願日2024-03-06
発明の名称冷却水系の薬注制御方法および冷却水系の薬注制御装置
出願人オルガノ株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類C02F 5/00 20230101AFI20250911BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】冷却塔と冷凍機を備える冷却水系における循環冷却水への薬剤の注入量の制御において、循環冷却水の水温変動に追随して効率的な薬剤の注入を行うことができる冷却水系の薬注制御方法および冷却水系の薬注制御装置を提供する。
【解決手段】循環冷却水を用いて熱交換を行う冷却塔10と、循環冷却水と冷媒との熱交換を行うための凝縮器24を備える冷凍機12と、を備える冷却水系1を制御する冷却水系の薬注制御方法であって、循環冷却水の所定の第1の温度における第1最適薬剤注入量と、第1の温度よりも高い所定の第2の温度における第2最適薬剤注入量と、に基づいて、循環冷却水への薬剤の注入量を比例的に制御する、冷却水系の薬注制御方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
循環冷却水を用いて熱交換を行う冷却塔と、前記循環冷却水と冷媒との熱交換を行うための前記循環冷却水用の入口および出口と前記冷媒用の入口および出口とを有する凝縮器を備える冷凍機と、を備える冷却水系を制御する冷却水系の薬注制御方法であって、
前記循環冷却水の所定の第1の温度における第1最適薬剤注入量と、前記第1の温度よりも高い所定の第2の温度における第2最適薬剤注入量と、に基づいて、前記循環冷却水への薬剤の注入量を比例的に制御することを特徴とする冷却水系の薬注制御方法。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の冷却水系の薬注制御方法であって、
さらに、前記凝縮器における前記冷媒の出口温度と前記循環冷却水の出口温度とから[冷媒の出口温度-循環冷却水の出口温度]として算出したLTD値の上昇傾向が所定時間続いた場合、前記循環冷却水への薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行うことを特徴とする冷却水系の薬注制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の冷却水系の薬注制御方法であって、
前記薬剤として、スケール抑制剤および防食剤を含む第1薬剤と、スライム抑制剤を含む第2薬剤と、を用い、
前記第2薬剤は、前記第2薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御する、
または、
前記第2薬剤は、前記第2薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御し、さらに、前記凝縮器における前記冷媒の出口温度と前記循環冷却水の出口温度とから[冷媒の出口温度-循環冷却水の出口温度]として算出したLTD値の上昇傾向が所定時間続いた場合、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行う、
ことを特徴とする冷却水系の薬注制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載の冷却水系の薬注制御方法であって、
前記薬剤として、スケール抑制剤および防食剤を含む第1薬剤と、スライム抑制剤を含む第2薬剤と、を用い、
前記第1薬剤は、前記第1薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第1薬剤の注入量を比例的に制御し、
前記第2薬剤は、前記第2薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御し、さらに、前記凝縮器における前記冷媒の出口温度と前記循環冷却水の出口温度とから[冷媒の出口温度-循環冷却水の出口温度]として算出したLTD値の上昇傾向が所定時間続いた場合、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行う、
ことを特徴とする冷却水系の薬注制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の冷却水系の薬注制御方法であって、
前記第1薬剤は、トレーサー物質を含み、
前記トレーサー物質の濃度を測定することによって前記第1薬剤の濃度を測定し、測定した前記第1薬剤の濃度と、前記第1の温度における第1最適薬剤濃度に基づく前記第1最適薬剤注入量と、前記第1の温度よりも高い所定の前記第2の温度における第2最適薬剤濃度に基づく前記第2最適薬剤注入量と、に基づいて、前記循環冷却水への前記第1薬剤の注入量を比例的に制御する、
または、
前記第2薬剤についての前記第1の温度における第1最適薬剤注入時間に基づく前記第1最適薬剤注入量と、第1の温度よりも高い所定の前記第2の温度における第2最適薬剤注入時間に基づく前記第2最適薬剤注入量と、に基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御する、
ことを特徴とする冷却水系の薬注制御方法。
【請求項6】
循環冷却水を用いて熱交換を行う冷却塔と、前記循環冷却水と冷媒との熱交換を行うための前記循環冷却水用の入口および出口と前記冷媒用の入口および出口とを有する凝縮器を備える冷凍機と、を備える冷却水系を制御する冷却水系の薬注制御装置であって、
前記循環冷却水の所定の第1の温度における第1最適薬剤注入量と、前記第1の温度よりも高い所定の第2の温度における第2最適薬剤注入量と、に基づいて、前記循環冷却水への薬剤の注入量を比例的に制御する制御手段を備えることを特徴とする冷却水系の薬注制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の冷却水系の薬注制御装置であって、
前記制御手段は、さらに、前記凝縮器における前記冷媒の出口温度と前記循環冷却水の出口温度とから[冷媒の出口温度-循環冷却水の出口温度]として算出したLTD値の上昇傾向が所定時間続いた場合、前記循環冷却水への薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行うことを特徴とする冷却水系の薬注制御装置。
【請求項8】
請求項6に記載の冷却水系の薬注制御装置であって、
前記薬剤として、スケール抑制剤および防食剤を含む第1薬剤と、スライム抑制剤を含む第2薬剤と、を用い、
前記制御手段は、前記第2薬剤は、前記第2薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御する、
または、
前記制御手段は、前記第2薬剤は、前記第2薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御し、さらに、前記凝縮器における前記冷媒の出口温度と前記循環冷却水の出口温度とから[冷媒の出口温度-循環冷却水の出口温度]として算出したLTD値の上昇傾向が所定時間続いた場合、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行う、
ことを特徴とする冷却水系の薬注制御装置。
【請求項9】
請求項6に記載の冷却水系の薬注制御装置であって、
前記薬剤として、スケール抑制剤および防食剤を含む第1薬剤と、スライム抑制剤を含む第2薬剤と、を用い、
前記制御手段は、前記第1薬剤は、前記第1薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第1薬剤の注入量を比例的に制御し、
前記制御手段は、前記第2薬剤は、前記第2薬剤についての前記第1最適薬剤注入量と前記第2最適薬剤注入量とに基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御し、さらに、前記凝縮器における前記冷媒の出口温度と前記循環冷却水の出口温度とから[冷媒の出口温度-循環冷却水の出口温度]として算出したLTD値の上昇傾向が所定時間続いた場合、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行う、
ことを特徴とする冷却水系の薬注制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の冷却水系の薬注制御装置であって、
前記第1薬剤は、トレーサー物質を含み、
前記トレーサー物質の濃度を測定することによって前記第1薬剤の濃度を測定する薬剤濃度測定手段を備え、
前記制御手段は、薬剤濃度測定手段により測定された前記第1薬剤の濃度と、前記第1の温度における第1最適薬剤濃度に基づく前記第1最適薬剤注入量と、前記第1の温度よりも高い所定の前記第2の温度における第2最適薬剤濃度に基づく前記第2最適薬剤注入量と、に基づいて、前記循環冷却水への前記第1薬剤の注入量を比例的に制御する、
または、
前記制御手段は、前記第2薬剤についての前記第1の温度における第1最適薬剤注入時間に基づく前記第1最適薬剤注入量と、第1の温度よりも高い所定の前記第2の温度における第2最適薬剤注入時間に基づく前記第2最適薬剤注入量と、に基づいて、前記循環冷却水への前記第2薬剤の注入量を比例的に制御する、
ことを特徴とする冷却水系の薬注制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔と冷凍機を備える冷却水系の薬剤注入(薬注)を制御する薬注制御方法および薬注制御装置に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来の冷却塔と冷凍機を備える冷却水系では、循環冷却水の電気伝導率を監視することによる循環冷却水の濃縮に対する自動ブロー制御や、スライム抑制およびスケール抑制等のために所定の濃度設定による循環冷却水への薬剤注入等が行われている。
【0003】
また、冷凍機の凝縮器の汚れの状態を推定するために、凝縮器における循環冷却水の出口温度と冷媒の凝縮後の温度とを測定し、[冷媒の凝縮後の温度-循環冷却水の出口温度]として求められるLTD(Leaving Temperature Difference)値が大きくなったら熱交換器に汚れが発生したと推定し、スライム抑制剤やスケール抑制剤等を含む薬剤を循環冷却水に注入することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1には、LTD値に基づいて循環冷却水への薬剤の注入量を制御するとともに、循環冷却水の電気伝導率に基づいて冷却塔における補給水の供給および循環冷却水の排出を制御する冷却水系制御方法が記載されている。
【0005】
しかし、LTD値のみによる制御では、例えば、夏場等の循環冷却水の水温が高い場合にLTD値の上昇を十分に抑制することができない等、循環冷却水の水温変動に追随できない場合があった。
【0006】
特許文献2には、LTD値に基づいて循環冷却水への薬剤の注入量を制御し、LTD値が所定時間、上限値を超えた場合、循環冷却水への薬剤の注入量を所定時間高くする薬剤強制注入を行う冷却水系制御方法が記載されている。
【0007】
しかし、特許文献2の方法では、LTD値が上限値を大きく超えて上昇してしまうと、強制注入制御でもLTD値が低下しないという問題があった。
【0008】
特許文献3には、循環水(循環冷却水)の水温および/またはpH値に基づいて殺菌剤の添加量を制御すること、具体的には、循環水の水温が所定の範囲内にある場合には循環水に殺菌剤のみを添加すること、循環水へ添加する殺菌剤の量は、循環水の水温、循環水のpH値および循環水の滞留時間により総合的に決定すること、殺菌剤、スケール抑制剤および腐食抑制剤を含む水処理剤についてはこの制御を行わないことが記載されている。
【0009】
しかし、特許文献3の方法では、スケール抑制剤および腐食抑制剤を含む水処理剤については前述の制御を実施しないため、温度変動による腐食やスケール化の変動に対応ができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2022-042815号公報
特開2022-042816号公報
特開2011-127810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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