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公開番号2025135807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024033785
出願日2024-03-06
発明の名称制振装置
出願人大和ハウス工業株式会社,株式会社フジタ
代理人個人,個人
主分類F16F 15/02 20060101AFI20250911BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】環境振動に起因する建物の構成部材の振動を効果的に低減しつつ、環境振動に起因する構成部材の振動が収まった際には同調質量ダンパの振動を速やかに収束させることのできる、制振装置を提供すること。
【解決手段】制振装置80は、同調質量ダンパ30と、連結ユニット50と制御ユニット60にて形成される減衰切替ユニット70にて構成され、連結ユニット50は、同調質量ダンパ30と連結する第1連結部53と減衰材58と接触する第2連結部54と、双方の連結姿勢と連結解除姿勢を形成する連結手段52を備え、制御ユニット60は、環境振動に起因する構成部材20の振動に固有の周波数成分と対応する振幅に関する振幅閾値を記憶し、構成部材20の応答加速度波形を周波数分析し、構成部材20の振動に固有の周波数成分と振幅閾値を比較して連結手段52を動作させ、同調質量ダンパ30の振動の減衰と非減衰を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建物の構成部材に直接的もしくは間接的に設置される同調質量ダンパの振動の減衰と非減衰を実行する減衰切替ユニットを備えている制振装置であって、該同調質量ダンパは、架台と、該架台の上に設置されているばねと、ばねに支持されているマスとを備えている、制振装置において、
前記制振装置は、前記同調質量ダンパと、連結ユニットと、制御ユニットとを有し、該連結ユニットと該制御ユニットが前記減衰切替ユニットを構成しており、
前記連結ユニットは、
前記同調質量ダンパと連結する第1連結部と、該同調質量ダンパと連結せずに減衰材と接触する第2連結部と、該第1連結部と該第2連結部の間で連結姿勢と連結解除姿勢を形成させる連結手段とを備え、
前記制御ユニットは、
前記連結手段を動作させる際の目安となる、環境振動に起因する構成部材の振動に固有の周波数成分と、該周波数成分における振幅に関して、該環境振動に起因する構成部材の振動の有無を決定する振幅閾値を記憶し、振動センサから計測データを取得し、該計測データに基づいて前記構成部材の応答加速度波形を周波数分析し、該環境振動に起因する構成部材の振動に固有の周波数成分が前記振幅閾値未満となった際に該連結手段を動作し、前記連結姿勢を形成して前記同調質量ダンパの振動を減衰させ、該環境振動に起因する構成部材の振動に固有の周波数成分が前記振幅閾値以上となった際に該連結手段を動作し、前記連結解除姿勢を形成して該同調質量ダンパの振動を減衰させないことを特徴とする、制振装置。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記連結手段は、
前記マスに設けられている支点を中心に回動自在である、前記第1連結部の一部を押して該第1連結部を回動させる、回動駆動部と、
前記第1連結部と前記第2連結部の一方に設けられて他方に磁気吸着する、電磁石もしくは永久磁石とを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
前記連結手段は、
前記マスに取り付けられている前記第1連結部と、前記第2連結部の一方に設けられて他方に磁気吸着する、電磁石であることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
【請求項4】
前記架台に前記減衰材を収容する容器が設置され、該容器に前記第2連結部の一部が該減衰材と接触する姿勢で収容されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の制振装置。
【請求項5】
前記第2連結部における前記減衰材と接触する領域に、横方向に広がるフランジが設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の制振装置。
【請求項6】
前記架台もしくは該架台から上方に立設する立設材に対して、連結部材の一端が回動自在もしくは回動不可に取り付けられ、該連結部材の他端側が前記ばねに支持されており、
前記同調質量ダンパは、前記連結部材に対して前記マスが取り付けられている、キャンチレバー型の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
【請求項7】
前記架台に対して、複数の前記ばねが取り付けられ、前記マスが複数の該ばねに支持されている、平型の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
【請求項8】
前記構成部材が床であり、
前記環境振動が歩行振動であり、
前記歩行振動に固有の周波数成分が、1乃至3Hzの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制振装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
建物(もしくは建築物)を構成する床等の構成部材には、環境振動等の外乱に起因する振動(上下方向の振動や水平方向の振動)が生じる。より具体的には、常時において、鉄道を含む車両の走行による交通振動や工場設備等の稼働時の振動、風荷重による振動、さらには室内の歩行による振動などの、所謂環境振動に起因する常時微動が生じ、このような床における常時の微動レベルの揺れ(加速度)を低減するべく、床や床を支持する梁等に対して制振装置を構成する同調質量ダンパ(TMD:Tuned Mass Damper、チューンド・マス・ダンパ)が設置される場合がある。
【0003】
同調質量ダンパは、適切な減衰が付与されてロバスト性を有するように設計及び設定されるのが一般的であるが、この減衰量を可及的にゼロ(非減衰)に近づけることにより、床の揺れを最大限に小さくすることができる。例えば、環境振動の中でも設備振動等の振動源における振動数が一定の場合においては、このように非減衰に近い設定がなされた同調質量ダンパが効果的である。
【0004】
しかしながら、同調質量ダンパが非減衰に近い状態で設定されている場合に、歩行振動等の環境振動が収まったとしても同調質量ダンパは依然として揺れ続けることになり、逆に同調質量ダンパが床を揺らしてしまうといった現象が生じて好ましくない。従って、このような現象を防止するべく、結局は、制振装置を、同調質量ダンパと、同調質量ダンパの揺れを低減する減衰ユニットから構成し、同調質量ダンパに適切な減衰量を設定することになるため、床の振動を最大限に小さくすることができなくなる。
【0005】
以上のことから、環境振動に起因する建物の構成部材の振動を効果的に低減しつつ、環境振動に起因する構成部材の振動が収まった際には同調質量ダンパの振動を速やかに収束させることのできる、同調質量ダンパと減衰切替ユニットを備えた制振装置が望まれる。
【0006】
ここで、特許文献1には、床の制振装置が提案されている。この制振装置は、上下方向の振動が可能に支持されたレバーに重りが設置され、レバー又は重りは弾性支持部材により上下方向の振動が可能に支持されており、レバーの他端部にダンパが連結されており、床又は床と共通の振動系に設置されており、ダンパは粘性体ダンパであり、その粘性抵抗板の粘性体浸漬面積の増減により減衰力を調整可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平4-171337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の床の制振装置によれば、粘性体ダンパに浸漬される粘性抵抗板の粘性体浸漬面積の増減により、減衰力を調整することができるものの、環境振動に起因する建物の構成部材の振動を効果的に低減しつつ、環境振動に起因する構成部材の振動が収まった際には同調質量ダンパの振動を速やかに収束させることのできる手段を備えるものではない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、環境振動に起因する建物の構成部材の振動を効果的に低減しつつ、環境振動に起因する構成部材の振動が収まった際には同調質量ダンパの振動を速やかに収束させることのできる、制振装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく、本発明による制振装置の一態様は、
建物の構成部材に直接的もしくは間接的に設置される同調質量ダンパの振動の減衰と非減衰を実行する減衰切替ユニットを備えている制振装置であって、該同調質量ダンパは、架台と、該架台の上に設置されているばねと、ばねに支持されているマスとを備えている、制振装置において、
前記制振装置は、前記同調質量ダンパと、連結ユニットと、制御ユニットとを有し、該連結ユニットと該制御ユニットが前記減衰切替ユニットを構成しており、
前記連結ユニットは、
前記同調質量ダンパと連結する第1連結部と、該同調質量ダンパと連結せずに減衰材と接触する第2連結部と、該第1連結部と該第2連結部の間で連結姿勢と連結解除姿勢を形成させる連結手段とを備え、
前記制御ユニットは、
前記連結手段を動作させる際の目安となる、環境振動に起因する構成部材の振動に固有の周波数成分と、該周波数成分における振幅に関して、該環境振動に起因する構成部材の振動の有無を決定する振幅閾値を記憶し、振動センサから計測データを取得し、該計測データに基づいて前記構成部材の応答加速度波形を周波数分析し、該環境振動に起因する構成部材の振動に固有の周波数成分が前記振幅閾値未満となった際に該連結手段を動作し、前記連結姿勢を形成して前記同調質量ダンパの振動を減衰させ、該環境振動に起因する構成部材の振動に固有の周波数成分が前記振幅閾値以上となった際に該連結手段を動作し、前記連結解除姿勢を形成して該同調質量ダンパの振動を減衰させないことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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