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公開番号
2025132267
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024029699
出願日
2024-02-29
発明の名称
表面欠陥予測方法、鋼帯の製造方法及び表面欠陥予測装置
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B21B
38/00 20060101AFI20250903BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約
【課題】酸洗工程以前の操業パラメータを用いて冷間圧延後に顕在化する鋼帯の表面欠陥の有無を予測できる表面欠陥予測方法を提供する。
【解決手段】二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して製造される鋼帯の表面欠陥予測方法であって、二次精錬装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、連続鋳造装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、熱間圧延装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、酸洗装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、を取得するパラメータ取得ステップと、パラメータ取得ステップで取得したパラメータを含む入力データを表面欠陥予測モデルに入力し、冷間圧延後の鋼帯における表面欠陥の有無を出力させて表面欠陥の発生の有無を予測する表面欠陥予測ステップと、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して製造される鋼帯の表面欠陥予測方法であって、
前記二次精錬装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記連続鋳造装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記熱間圧延装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記酸洗装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、を取得するパラメータ取得ステップと、
前記パラメータ取得ステップで取得したパラメータを含む入力データを表面欠陥予測モデルに入力し、前記冷間圧延後の鋼帯における表面欠陥の有無を出力させて前記表面欠陥の発生の有無を予測する表面欠陥予測ステップと、
を有する、表面欠陥予測方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記パラメータ取得ステップでは、転炉還元時間を含む二次精錬装置の操業パラメータと、鋳型電流値を含む連続鋳造装置の操業パラメータと、加熱炉から抽出されたスラブの角温度及び粗圧延機の平均荷重を含む熱間圧延装置の操業パラメータと、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を含む酸洗装置の操業パラメータと、を取得する、請求項1に記載の表面欠陥予測方法。
【請求項3】
前記酸洗装置の操業パラメータとして、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を組み合わせた組み合わせパラメータを用いる、請求項2に記載の表面欠陥予測方法。
【請求項4】
二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して鋼帯を製造する鋼帯の製造方法であって、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表面欠陥予測方法における前記表面欠陥予測ステップで表面欠陥が発生しないと予測された酸洗装置の操業パラメータを特定するパラメータ特定ステップと、
前記パラメータ特定ステップで特定された酸洗装置の操業パラメータを含む製造条件で前記鋼帯を製造する鋼帯の製造ステップと、
を有する、鋼帯の製造方法。
【請求項5】
前記表面欠陥予測ステップで表面欠陥が発生しないと予測された酸洗装置の操業パラメータのうち、酸洗速度が最も速く、酸温度、酸濃度及び浸漬率が最も低くなるように酸洗装置の操業パラメータを特定する、請求項4に記載の鋼帯の製造方法。
【請求項6】
前記表面欠陥予測ステップでは、同じ製造設備で製造される鋼種が異なる複数の鋼帯のそれぞれについて表面欠陥の発生の有無を予測し、
前記パラメータ特定ステップでは、鋼種が異なる複数の鋼帯のそれぞれについて前記表面欠陥予測ステップで表面欠陥が無いと予測された酸洗装置の操業パラメータを特定し、
特定された酸洗装置の操業パラメータのうち、前記複数の鋼帯について共通する酸洗装置の操業パラメータを特定する、請求項4に記載の鋼帯の製造方法。
【請求項7】
前記パラメータ特定ステップでは、前記共通する酸洗装置の操業パラメータのうち、酸洗速度が最も速く、酸温度、浸漬率及び酸濃度が最も低くなるように酸洗装置の操業パラメータを特定する、請求項6に記載の鋼帯の製造方法。
【請求項8】
二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して製造される鋼帯の表面欠陥予測装置であって、
前記二次精錬装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記連続鋳造装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記熱間圧延装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記酸洗装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、を取得するパラメータ取得部と、
前記パラメータ取得部が取得したパラメータを含む入力データを表面欠陥予測モデルに入力し、表面欠陥の有無を出力させて前記表面欠陥の発生の有無を予測する表面欠陥予測部と、
を有する、表面欠陥予測装置。
【請求項9】
前記パラメータ取得部は、転炉還元時間を含む二次精錬装置の操業パラメータと、鋳型電流値を含む連続鋳造装置の操業パラメータと、加熱炉から抽出されたスラブの角温度及び粗圧延機の平均荷重を含む熱間圧延装置の操業パラメータと、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を含む酸洗装置の操業パラメータと、を取得する、請求項8に記載の表面欠陥予測装置。
【請求項10】
前記パラメータ取得部は、酸洗装置の操業パラメータとして、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を組み合わせた組み合わせパラメータを用いる、請求項9に記載の表面欠陥予測装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼帯の表面欠陥の発生を予測できる表面欠陥予測方法、表面欠陥予測装置及び当該表面欠陥予測方法を用いる鋼帯の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ステンレス冷延焼鈍鋼帯の製造では、熱間圧延工程に続き焼鈍工程が実施され、その後、酸洗工程により鋼帯表面の酸化スケールが除去される。酸洗工程では、溶解量が増大するように酸洗条件を制御することで、製鋼工程及び熱間圧延工程で発生した鋼帯の表面欠陥を除去する。しかしながら、酸洗工程で溶解量を増大させると、鋼帯の歩留まりが低下したり、スラッジ生成量が増加する。このため、酸洗工程の溶解量を増大させることは好ましくなく、酸洗工程の溶解量は、表面欠陥が除去される範囲において最小とすることが好ましい。
【0003】
本来、表面欠陥の程度は製品毎に異なるので、酸洗装置の最適条件も製品毎に異なる。このように、表面欠陥の程度が製品毎に異なる鋼帯に対して、当該製品毎に酸洗装置の最適条件を見出すことは困難である。このような課題に対して、特許文献1には、中間製品の特性に基づいて最終製品の特性を予測し、所望の特性との偏差が閾値を超えると予測される場合は新規製造ルートを計算する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2022-515094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術を適用しても、中間製品の特性に基づいて冷間圧延後に顕在化する鋼帯の表面欠陥の有無を予測できないという課題がある。本発明は、酸洗工程以前の操業パラメータを用いて冷間圧延後に顕在化する鋼帯の表面欠陥の有無を予測できる表面欠陥予測方法、表面欠陥予測装置及び当該表面欠陥予測方法を用いる鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して製造される鋼帯の表面欠陥予測方法であって、前記二次精錬装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記連続鋳造装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記熱間圧延装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記酸洗装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、を取得するパラメータ取得ステップと、前記パラメータ取得ステップで取得したパラメータを含む入力データを表面欠陥予測モデルに入力し、前記冷間圧延後の鋼帯における表面欠陥の有無を出力させて前記表面欠陥の発生の有無を予測する表面欠陥予測ステップと、を有する、表面欠陥予測方法。
[2] 前記パラメータ取得ステップでは、転炉還元時間を含む二次精錬装置の操業パラメータと、鋳型電流値を含む連続鋳造装置の操業パラメータと、加熱炉から抽出されたスラブの角温度及び粗圧延機の平均荷重を含む熱間圧延装置の操業パラメータと、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を含む酸洗装置の操業パラメータと、を取得する、[1]に記載の表面欠陥予測方法。
[3] 前記酸洗装置の操業パラメータとして、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を組み合わせた組み合わせパラメータを用いる、[2]に記載の表面欠陥予測方法。
[4] 二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して鋼帯を製造する鋼帯の製造方法であって、[1]から[3]のいずれかに記載の表面欠陥予測方法における前記表面欠陥予測ステップで表面欠陥が発生しないと予測された酸洗装置の操業パラメータを特定するパラメータ特定ステップと、前記パラメータ特定ステップで特定された酸洗装置の操業パラメータを含む製造条件で前記鋼帯を製造する鋼帯の製造ステップと、を有する、鋼帯の製造方法。
[5] 前記表面欠陥予測ステップで表面欠陥が発生しないと予測された酸洗装置の操業パラメータのうち、酸洗速度が最も速く、酸温度、酸濃度及び浸漬率が最も低くなるように酸洗装置の操業パラメータを特定する、[4]に記載の鋼帯の製造方法。
[6] 前記表面欠陥予測ステップでは、同じ製造設備で製造される鋼種が異なる複数の鋼帯のそれぞれについて表面欠陥の発生の有無を予測し、前記パラメータ特定ステップでは、鋼種が異なる複数の鋼帯のそれぞれについて前記表面欠陥予測ステップで表面欠陥が無いと予測された酸洗装置の操業パラメータを特定し、特定された酸洗装置の操業パラメータのうち、前記複数の鋼帯について共通する酸洗装置の操業パラメータを特定する、[4]に記載の鋼帯の製造方法。
[7] 前記パラメータ特定ステップでは、前記共通する酸洗装置の操業パラメータのうち、酸洗速度が最も速く、酸温度、浸漬率及び酸濃度が最も低くなるように酸洗装置の操業パラメータを特定する、[6]に記載の鋼帯の製造方法。
[8] 二次精錬装置で精錬された溶鋼を連続鋳造装置でスラブとし、前記スラブを熱間圧延装置で熱間圧延し、焼鈍装置で焼鈍し、酸洗装置で酸洗し、冷間圧延装置で冷間圧延して製造される鋼帯の表面欠陥予測装置であって、前記二次精錬装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記連続鋳造装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記熱間圧延装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、前記酸洗装置の操業パラメータのうちの1以上のパラメータと、を取得するパラメータ取得部と、前記パラメータ取得部が取得したパラメータを含む入力データを表面欠陥予測モデルに入力し、表面欠陥の有無を出力させて前記表面欠陥の発生の有無を予測する表面欠陥予測部と、を有する、表面欠陥予測装置。
[9] 前記パラメータ取得部は、転炉還元時間を含む二次精錬装置の操業パラメータと、鋳型電流値を含む連続鋳造装置の操業パラメータと、加熱炉から抽出されたスラブの角温度及び粗圧延機の平均荷重を含む熱間圧延装置の操業パラメータと、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を含む酸洗装置の操業パラメータと、を取得する、[8]に記載の表面欠陥予測装置。
[10] 前記パラメータ取得部は、酸洗装置の操業パラメータとして、酸洗速度、酸温度、浸漬率及び酸濃度を組み合わせた組み合わせパラメータを用いる、[9]に記載の表面欠陥予測装置。
[11] 前記表面欠陥予測部において表面欠陥が発生しないと予測された酸洗装置の操業パラメータを特定するパラメータ特定部をさらに有する、[9]又は[10]に記載の表面欠陥予測装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る表面欠陥予測方法を実施することで酸洗工程以前の操業パラメータに基づいて冷間圧延後に顕在化する鋼帯の表面欠陥の有無を予測できるようになる。そして、当該表面欠陥予測方法で表面欠陥が発生しないと予測された酸洗装置の操業パラメータを特定し、当該操業パラメータを含む操業条件で鋼帯を製造することで表面欠陥の発生を抑制しながら鋼帯を製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本実施形態に係る表面欠陥予測方法が実施できる表面欠陥予測装置を含むステンレス冷延焼鈍鋼帯の製造設備の一例を示す模式図である。
図2は、表面欠陥予測装置の構成例を示す模式図である。
図3は、連続鋳造装置の一例を示す断面模式図と、鋳型の斜視図である。
図4は、本実施形態に係る表面欠陥予測方法及び鋼帯の製造方法の一例を示すフロー図である。
図5は、酸洗装置の組み合わせパラメータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具現化するための装置や方法を例示するものであって、これらの実施形態によって、本発明は何ら限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る表面欠陥予測方法が実施できる表面欠陥予測装置24を含むステンレス冷延焼鈍鋼帯(以下、ステンレス冷延焼鈍鋼帯を「鋼帯」と記載する場合がある。)の製造設備100の一例を示す模式図である。鋼帯の製造は、精錬工程、連続鋳造工程、熱間圧延工程、焼鈍工程、酸洗工程及び冷間圧延工程を経て製造される。このため、鋼帯の製造設備100は、二次精錬装置10、連続鋳造装置12、熱間圧延装置14、焼鈍装置16、酸洗装置18、冷間圧延装置20、焼鈍酸洗装置21、プロセスコンピュータ22及び表面欠陥予測装置24を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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