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公開番号2025132192
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029594
出願日2024-02-29
発明の名称管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法
出願人足立建設工業株式会社
代理人個人
主分類E03F 7/00 20060101AFI20250903BHJP(上水;下水)
要約【課題】 老朽化した既設管の内部に更正管としてのライニング管を挿入設置するライニング施工において、両管の間の裏込め空間にセメントミルクの裏込め材が一定の圧力で注入されるが、セメントミルクの注入量の管理、ライニング管の変形・破損等の裏込め材の圧力管理が困難であったが、この難点を解消して裏込め注入の施工性の向上を図ること。
【解決手段】 裏込め注入を伴う管渠内ライニング施工において、管渠P内にライニング管Rを設置し、ライニング管R及び裏込め空間Kの上下流の管口部を密封した後、上流側からの流水Wをライニング管R内へ圧力をもって封入注水するとともに、該注水圧力(内圧)を裏込め材Mの注入圧力(外圧)と共に高め、大きな圧力で裏込め注入を行い、かつライニング管Rを介してなす流水Wの排出を継続すること。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
円形断面管渠内において連続して送り出される帯状部材を螺旋状に捲回して円形断面のライニング管を形成し、前記管渠と前記ライニング管との間隙の裏込め空間に流動性の裏込め材を圧送注入してなる裏込め注入を伴う管渠内ライニング施工方法において、
前記ライニング管の上流及び下流の管口部において、前記ライニング管及び前記裏込め空間のそれぞれを密封すると共に、前記ライニング管の下流側からの一定量の排出を許容し、
前記ライニング管内へ上流側からの流水を圧力をもって封入注水するとともに、該注水圧力を前記裏込め材の増圧された裏込め材注入圧力に対抗し、かつ該ライニング管を介してなす流水を継続する、
ことを特徴とする管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
矩形断面、馬蹄形断面の非円形断面管渠内において連続して送り出される帯状部材を螺旋状に捲回して円形断面のライニング管を形成し、前記管渠と前記ライニング管との間隙の裏込め空間に流動性の裏込め材を圧送注入してなる裏込め注入を伴う管渠内ライニング施工方法において、
前記ライニング管の上流及び下流の管口部において、前記ライニング管及び前記裏込め空間のそれぞれを密封すると共に、前記ライニング管の下流側からの一定量の排出を許容し、
前記ライニング管内へ上流側からの流水を圧力をもって封入注水するとともに、該注水圧力を前記裏込め材の増圧された裏込め材注入圧力に対抗し、かつ該ライニング管を介してなす流水を継続する、
ことを特徴とする管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、円形・矩形断面管渠内において連続して送り出される帯状部材を螺旋状に捲回して円形断面のライニング管を形成し、該管渠とライニング管との間隙の裏込め空間に裏込め材を圧送注入してなるライニング施工における裏込め充填施工方法に関する。特には、小口径円形断面管渠に適用して好適な、更には元押し式製管機を用いてなされる元押し製管方式に好適なライニング施工における裏込め充填施工方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
既設管渠内にライニング管を挿入設置して行ういわゆる管渠内ライニング施工において、該既設管とライニング管との間隙の裏込め空間にセメントミルクの裏込め材を注入する裏込め注入は従来より実施されている。
そして、当該ライニング管の現場での製管方式には円形断面・小口径用としての元押し式製管方式、矩形断面・中大口径用としての自走式製管方式の2方式がある(元押し式態様:人孔内に設置した製管機より製管し、管渠内に押し込んでゆく製管方式。自走式態様:管渠内に製管機を設置し、該製管機により製管を行うとともに当該製管機の回転自走により製管する方式)。
以下に、元押し式、小口径円形断面管渠において実施される裏込め材の注入について述べる。
この裏込め材の注入には注入ポンプの内蔵された注入プラントを用いて一定の圧力で注入作業が実施されるが、その注入圧力はライニング管の座屈変形を来さない範囲内とされる。ライニング区間が短いときには大きな注入圧力とはならずライニング管の変形もないが、ライニング区間が長くなる(例えば管径φ500mm、管長L20m)と大きな注入圧力(例えば10.0m水頭圧)になり、ライニング管の許容強度を超え、その結果、裏込めの延長が短くなる、セメントミルクの含水比率を高める必要があり固結期間が長期化する、等の対応を余儀なくされ、結果的に施工性の悪化を招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-126647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記実情に鑑み、上記した従来の裏込め充填施工法の改善を図り、裏込め注入圧の増大化を実現することにより、ライニングの長大化をなすと共に、裏込め注入の迅速化をなし、結果としてライニング施工の効率化をなすことを目的とする。
本発明はそのため、ライニング管の座屈変形要因となる裏込め材の注入圧力(裏込め注入圧力)すなわち外圧に対し、ライニング管内に圧力水(これを内圧という。)を封入し、この内圧をもって外圧に対抗させ、ライニング管の座屈変形要因を解消させることによりこの目的を達成し得るとの知見に基づきなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法は、上記目的を達成するため具体的には以下の構成を採る。
(第1発明)
本発明の第1は円形断面管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法に係り、請求項1に記載のとおり、
円形断面管渠内において連続して送り出される帯状部材を螺旋状に捲回して円形断面のライニング管を形成し、前記管渠と前記ライニング管との間隙の裏込め空間に流動性の裏込め材を圧送注入してなる裏込め注入を伴う管渠内ライニング施工方法において、
前記ライニング管の上流及び下流の管口部において、前記ライニング管及び前記裏込め空間のそれぞれを密封すると共に、前記ライニング管の下流側からの一定量の排出を許容し、
前記ライニング管内へ上流側からの流水を圧力をもって封入注水するとともに、該注水圧力を前記裏込め材の増圧された裏込め材注入圧力に対抗し、かつ該ライニング管を介してなす流水を継続する、
ことを特徴とする。
(第2発明)
本発明の第2は矩形断面、馬蹄形断面管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法に係り、請求項2に記載のとおり、
矩形断面、馬蹄形断面の非円形断面管渠内において連続して送り出される帯状部材を螺旋状に捲回して円形断面のライニング管を形成し、前記管渠と前記ライニング管との間隙の裏込め空間に流動性の裏込め材を圧送注入してなる裏込め注入を伴う管渠内ライニング施工方法において、
前記ライニング管の上流及び下流の管口部において、前記ライニング管及び前記裏込め空間のそれぞれを密封すると共に、前記ライニング管の下流側からの一定量の排出を許容し、
前記ライニング管内へ上流側からの流水を圧力をもって封入注水するとともに、該注水圧力を前記裏込め材の増圧された裏込め材注入圧力に対抗し、かつ該ライニング管を介してなす流水を継続する、
ことを特徴とする。
上記において、
1)「一定量の排出」とはライニング管内の封入状態を損なわない流水量であって、該排出を許容するバルブの開度を適度に調整してなされる。
【0006】
(作用)
ライニング管の密封は膨径し取り外し可能な止水栓をもってなされると共に、下流側の止水栓は一定量の流水をなすことのできる流水弁を備え、裏込め空間の密封は付着性のシール材をもって現場でのシール作業によってなされる。
裏込め材の注入圧の増加は、ライニング管の満水状態をもってなされ、かつライニング管の座屈限界圧力の範囲内でなされる。
ライニング管内の封入圧は裏込め材の固化がなされるまで維持される。
裏込め材の注入作業中においても、上流側からライニング管内へ流入する流水は一定量の排水を維持する。
【発明の効果】
【0007】
裏込め材の注入圧力の増大化が図られ、この結果裏込め材の注入作業の迅速化、注入量の増加が達成され、裏込め施工の効率化がなされる。更にはライニング施工の長大化が実現できる。
裏込め工事中においても流水は継続してなされ、ライニング工事の進捗に支障を来さない。
更に、裏込め材の固化後は裏込め材に圧縮力(プレストレス)が導入され、管渠、裏込め層、ライニング管が一体化した複合管の強化がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の管渠内ライニング施工における裏込め材の内圧対抗充填施工方法を示す施工要領図。
本裏込め材の内圧対抗充填施工における管渠の横断面図。
(a) 図は止水栓の正面図((b) 図の3a方向矢視図)、(b) 図は止水栓の中央断面図((a) 図の3b-3b線断面図)。
(a) 図は上流側止水栓の機構構成図、(b) 図は下流側止水栓の機構構成図。
シール部上部の機構構成図。
(a) 図は本発明に使用される帯状部材の一態様を示す断面図、(b) 図はこの帯状部材の接合関係を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の管渠内ライニング工事における裏込め材の内圧対抗充填施工方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~図6は本発明の一実施形態を示し、円形断面管渠内におけるライニング管(更生管とも称される)の内圧対抗施工方法を示す。更にまた、本実施形態においては、いわゆる元押し式製管装置を用いてライニング管を成形する元押し式製管方式を示す。
すなわち、図1~図5は本内圧対抗施工の全体及び各部の構成を示し、図6は本発明に使用される帯状部材の一態様を示す。
これらの図において、Pは円形断面をなす管渠、Rは該管渠P内において製管されたライニング管を示す。Wは管渠P内を流下する液体(上水、下水、油等)であって、本発明においては下水を採る。
なお、管渠P内において製管されるライニング管Rの進行方向をもって、前部、後部とする。
【0010】
本発明の管渠内ライニング工事における内圧対抗施工方法は以下の施工工程(1) ~(5) 順に行われる。
帯状部材100
(図6参照)
本管渠内ライニング工事における内圧対抗施工方法の説明に先立って、本管渠内ライニング施工に使用される帯状部材について説明する。
図6は本実施形態の本管渠内ライニング施工方法に適用される帯状部材の一例を示す。
帯状部材100は本体が一定厚さの平板状をなし、その外面の長手方向に適宜数(図例では5、通常は3)の突条102が連続的に縦設される。突条102に先端部にはフランジ102aが形成される。突条102の相互間は溝104もしくは溝空間を形成する。内面106は実質的に平滑に形成される。
帯状部材100の両側には互いに内外に重合して係合する接合部100A,100Bが形成される。すなわち、前縁側接合部100Aはその前端部の突条102Aの基部が膨径され、その内面側より凹溝110が縦設され、更にこの突条102Aより張出し部112が連設される。後縁側接合部100Bは後端部の突条102Bより張出し部114が張設され、該張出し部114の端部寄りに前記前縁側接合部100Aの凹溝110に係合する凸条116が縦設される。
更に、本実施形態では張出し部112,114の当接部分にはシール材118が介装され、密封性を高める。該帯状部材は合成樹脂の素材をもって作成され、特に成形性の観点から押出し形成により連続的に成形できる塩化ビニール(PVC)樹脂が好適である。
接合時において、相隣れる帯状部材100の前縁部と後縁部とが重なり合い、前縁側接合部100Aに後縁側接合部100Bが後記する接合ローラ部の外面ローラと内面ローラとの挟着作用を受けて、凹溝110内に凸条116が、また、突条102Bのフランジ102a内に張出し部112の端部がそれぞれ嵌り込み、接合される。この場合、主たる係合は凹溝110と凸条116とによりなされ、張出し部112と突条102Bとは従たる係合をなすものである。
(【0011】以降は省略されています)

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