特許ウォッチ

公開番号2025131992
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029281
出願日2024-02-29
発明の名称トイレ装置
出願人TOTO株式会社
代理人個人
主分類E03D 9/00 20060101AFI20250903BHJP(上水;下水)
要約【課題】プリズムで分散させた光を便鉢内に照射して排泄物の状態を判定するトイレ装置において、便鉢内のほこりが判定精度に与える影響を軽減する。
【解決手段】トイレ装置1は、便鉢21を有する大便器2と、便鉢21の上方に配置された便座6と、便鉢21内に向けて開設された開口を有し、該開口から便鉢21内の空気を吸引して脱臭する脱臭装置43と、光を出射する発光部481と、発光部481から出射された光を分散させて便鉢21内に照射するプリズム483と、便鉢21内の排泄物で反射した光を受け、該光に対応する受光信号を送信する受光部482と、受光部482から受光信号を受信して排泄物の状態を判定する状態判定制御を実行する制御装置41と、を備える。制御装置41は、状態判定制御の実行時の便鉢21内におけるほこりの浮遊を抑制するほこり抑制制御を実行する。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項１】
便鉢を有する大便器と、
前記便鉢の上方に配置された便座と、
前記便鉢内に向けて開設された開口を有し、該開口から前記便鉢内の空気を吸引して脱臭する脱臭装置と、
光を出射する発光部と、
前記発光部から出射された光を分散させて前記便鉢内に照射するプリズムと、
前記便鉢内の排泄物で反射した光を受け、該光に対応する受光信号を送信する受光部と、
前記受光部から受信する前記受光信号に基づいて排泄物の状態を判定する状態判定制御を実行する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記状態判定制御の実行時の前記便鉢内におけるほこりの浮遊を抑制するほこり抑制制御を実行することを特徴とする、トイレ装置。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
前記制御装置は、前記ほこり抑制制御において、前記状態判定制御の実行時に前記脱臭装置が吸引する空気の単位時間当たりの流量が、ゼロになるように、又は、前記状態判定制御の非実行時に前記脱臭装置が吸引する空気の単位時間当たりの流量よりも小さくなるように、前記脱臭装置を制御することを特徴とする、請求項１に記載のトイレ装置。
【請求項３】
前記大便器の近傍に人体が存在する場合に人体検知信号を前記制御装置に送信する人体検知センサを備え、
前記制御装置は、前記ほこり抑制制御において、前記人体検知信号の受信を開始したことに基づいて、第１流量の空気を吸引するように前記脱臭装置を動作させることを特徴とする、請求項２に記載のトイレ装置。
【請求項４】
使用者が前記便座に着座している場合に着座検知信号を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記ほこり抑制制御において、前記着座検知信号の受信を開始したことに基づいて、前記脱臭装置を停止させる、又は、前記第１流量よりも小さい第２流量の空気を吸引するように前記脱臭装置を動作させることを特徴とする、請求項３に記載のトイレ装置。
【請求項５】
前記制御装置は、前記着座検知信号の受信の開始から所定時間経過後に、前記脱臭装置を停止させる、又は、前記第２流量の空気を吸引するように前記脱臭装置を動作させることを特徴とする、請求項４に記載のトイレ装置。
【請求項６】
前記制御装置は、前記着座検知信号の受信を開始したことに基づいて、前記受光部を動作させることを特徴とする、請求項４に記載のトイレ装置。
【請求項７】
使用者の局部の洗浄のために水を吐出する局部洗浄ノズルを備え、
前記制御装置は、前記局部洗浄ノズルからの水の吐出が終了したことに基づいて、前記脱臭装置の動作を開始させる、又は、前記脱臭装置が吸引する空気の単位時間当たりの流量が前記ほこり抑制制御において前記脱臭装置が吸引する空気の単位時間当たりの流量よりも大きくなるように前記脱臭装置を動作させることを特徴とする、請求項２に記載のトイレ装置。
【請求項８】
排泄物の状態の判定を所望する使用者を認証する使用者認証手段を備え、
前記制御装置は、使用者の認証に成功した場合のみ、前記ほこり抑制制御を実行することを特徴とする、請求項２に記載のトイレ装置。
【請求項９】
前記受光部と前記脱臭装置の開口とは、互いに離間して配置されていることを特徴とする、請求項１に記載のトイレ装置。
【請求項１０】
前記便鉢内に水を供給する水供給装置を備え、
前記制御装置は、前記ほこり抑制制御において、前記水供給装置を動作させることを特徴とする、請求項１に記載のトイレ装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、トイレ装置に関する。
続きを表示（約 1,400 文字）【背景技術】
【０００２】
使用者の健康管理のために、排泄物の状態を判定する様々な装置が提案されている。例えば、特許文献１では、尿に含まれる糖の度合いを判定する尿糖計が提案されている。この尿糖計は、尿を透過する光の屈折率が尿中の糖の濃度に応じて変化するという特性を利用している。具体的には、当該尿糖計は、プリズムの表面に尿を付着させ、プリズムで分散した光がこの尿を透過するように構成されている。この尿糖計では、判定の度にプリズムの洗浄が必要となる。
【０００３】
特許文献２は、大便器の便鉢内を撮影し、取得した画像に基づいて、便鉢内の排泄物の状態を判定する便座装置を開示している。便座装置そのものは排泄物と接触しないため、判定の度に便座装置を洗浄する必要はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１２－１３４１９号公報
特開２０２１－５５５２２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に記載されている装置においても、特許文献２に記載されている装置同様に、排泄物と接触せず、判定の度に洗浄を要しない構成とすることが好ましい。このような要求を満たす構成として、プリズムの表面に排泄物を付着させる構成に代えて、プリズムで分散した光を便鉢内の排泄物に照射するものが考えられる。
【０００６】
しかしながら、便鉢内には、使用者の衣類から生じた化学繊維や、トイレットペーパーから生じたパルプ繊維が浮遊していることがあり、このような便鉢内の異物（以下、「ほこり」という。）は、光を散乱させ、判定精度を低下させるおそれがある。
【０００７】
上記課題に鑑み、本開示は、プリズムで分散させた光を便鉢内に照射して排泄物の状態を判定するトイレ装置において、便鉢内のほこりが判定精度に与える影響を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本開示の第１態様に係るトイレ装置は、便鉢を有する大便器と、便鉢の上方に配置された便座と、便鉢内に向けて開設された開口を有し、開口から便鉢内の空気を吸引して脱臭する脱臭装置と、光を出射する発光部と、発光部から出射された光を分散させて便鉢内に照射するプリズムと、便鉢内の排泄物で反射した光を受け、光に対応する受光信号を送信する受光部と、受光部から受信する受光信号に基づいて排泄物の状態を判定する状態判定制御を実行する制御装置と、を備え、制御装置は、状態判定制御の実行時の便鉢内におけるほこりの浮遊を抑制するほこり抑制制御を実行する。
【０００９】
この構成によれば、ほこり抑制制御の実行により、状態判定制御の実行時の便鉢内におけるほこりの浮遊が抑制される。これにより、便鉢内で浮遊するほこりが状態判定制御に与える影響を軽減し、排泄物の状態を高い精度で判定することが可能になる。
【００１０】
本開示の第２態様に係るトイレ装置では、制御装置は、ほこり抑制制御において、状態判定制御の実行時に脱臭装置が吸引する空気の単位時間当たりの流量が、ゼロになるように、又は、状態判定制御の非実行時に脱臭装置が吸引する空気の単位時間当たりの流量よりも小さくなるように、脱臭装置を制御する。
（【００１１】以降は省略されています）

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