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公開番号2025132079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029412
出願日2024-02-29
発明の名称水溶性フィルム、当該水溶性フィルムを用いた水溶性包装体並びにその製造方法、提供方法及び服用方法
出願人株式会社クラレ
代理人
主分類A61K 9/70 20060101AFI20250903BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】溶解性及び強度のバランスに優れるとともに、薬剤を包装可能な水溶性フィルム、当該薬剤を当該水溶性フィルムで包装した水溶性包装体、及び当該水溶性包装体の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の薬剤を包装する水溶性フィルムであって、37℃の脱イオン水中での完溶時間が120秒以下であり、23℃-50%RHでの破断伸度が100%以上である、水溶性フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1種の薬剤を包装する水溶性フィルムであって、37℃の脱イオン水中での完溶時間が120秒以下であり、23℃-50%RHでの破断伸度が100%以上である、水溶性フィルム。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
ポリビニルアルコールを含み、前記ポリビニルアルコールの含有量が50質量%越えである、請求項1に記載の水溶性フィルム。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコールが無変性ポリビニルアルコール及びカルボン酸変性ポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載の水溶性フィルム。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコールのけん化度が63~98モル%である、請求項2又は3に記載の水溶性フィルム。
【請求項5】
植物由来の成分を含む、請求項1~3のいずれかに記載の水溶性フィルム。
【請求項6】
前記植物由来の成分が、デンプン、セルロース系高分子、ゼラチン、アミロース、プルラン、カゼイン、ツェイン、セラック及びサンダラックからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5に記載の水溶性フィルム。
【請求項7】
可塑剤を含む、請求項1~3のいずれかに記載の水溶性フィルム。
【請求項8】
前記完溶時間が1~30秒である、請求項1~3のいずれかに記載の水溶性フィルム。
【請求項9】
少なくとも1種の薬剤を、請求項1~3のいずれかに記載の水溶性フィルムで包装した、水溶性包装体。
【請求項10】
前記薬剤の形態がカプセル、錠剤、散剤、液体及びジェルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項9に記載の水溶性包装体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は水溶性フィルム、当該水溶性フィルムを用いた水溶性包装体並びにその製造方法、提供方法及び使用方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、調剤薬局においては、医療機関が発行する処方箋情報に基づき、カプセル、錠剤、散剤(粉薬)等の形態の薬剤を、分包紙を用いて患者の1回服用分毎に手作業又は分包機により分包することが行われている。このような分包機として、例えば特許文献1には、同一患者に対する薬剤であって1包あたりの分量が異なる処方を有する場合であっても効率よく分包処理を行うことができる薬剤分包機が記載されている。
【0003】
他方、特に高齢の患者においては、上記のように分包された薬剤の飲み忘れや誤飲が少なくない頻度で発生している。そのため、例えば特許文献2には、患者の服薬管理を確実且つ容易にするツールとして、「患者毎に日付又は曜日と時間帯により特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した収容部を、1日当たり3回又は4回などの複数回分として例えば4週間分などとなる例えば計21回又は計28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応するように、縦及び横方向に並べて配置したお薬カレンダー」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-086898号公報
特開2020-110233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、分包紙で分包された薬剤は、お薬カレンダーに収容した場合であっても、患者が薬剤を服用する際に分包紙から薬剤を取り出す必要がある。その際、高齢の患者の中には手の力が弱くなり、分包紙を破りづらい、もしくは分包紙を破った際に、中の薬
剤をこぼしてしまうといった課題があった。
【0006】
このような課題に対し、本発明者らは鋭意検討し、分包紙の代わりに特定の特性を有する水溶性フィルムを用いることで、患者が薬剤を取り出す必要がなくなると考えた。すなわち、薬剤を特定の特性を有する水溶性フィルムで包装して水溶性包装体とすることで、患者が水溶性包装体から薬剤を取り出すことなく水溶性包装体ごと経口で服用することができる。このような水溶性包装体を得るためには、水溶性包装体ごと経口で服用した際に水溶性フィルムが口腔内で溶解するように、水溶性フィルムの溶解性が重要であると考えられる。また、水溶性包装体が破れることなく薬剤を保持するために、水溶性フィルムの強度も重要であると考えられる。
【0007】
そこで本発明の目的は、溶解性及び強度のバランスに優れるとともに、薬剤を包装可能な水溶性フィルム、当該薬剤を当該水溶性フィルムで包装した水溶性包装体、及び当該水溶性包装体の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、当該水溶性包装体の提供方法及び服用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の特性を有する水溶性フィルム、及び当該水溶性フィルムを用いた水溶性包装体により上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の[1]~[17]に関する。
[1]少なくとも1種の薬剤を包装する水溶性フィルムであって、37℃の脱イオン水中での完溶時間が120秒以下であり、23℃-50%RHでの破断伸度が100%以上である、水溶性フィルム。
[2]ポリビニルアルコールを含み、前記ポリビニルアルコールの含有量が50質量%越えである、[1]の水溶性フィルム。
[3]前記ポリビニルアルコールが無変性ポリビニルアルコール及びカルボン酸変性ポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[2]の水溶性フィルム。
[4]前記ポリビニルアルコールのけん化度が63~98モル%である、[2]又は[3]の水溶性フィルム。
[5]植物由来の成分を含む、[1]~[4]のいずれかの水溶性フィルム。
[6]前記植物由来の成分が、デンプン、セルロース系高分子、ゼラチン、アミロース、プルラン、カゼイン、ツェイン、セラック及びサンダラックからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[5]の水溶性フィルム。
[7]可塑剤を含む、[1]~[6]のいずれかの水溶性フィルム。
[8]前記完溶時間が1~30秒である、[1]~[7]のいずれかの水溶性フィルム。
[9]少なくとも1種の薬剤を、[1]~[8]のいずれかの水溶性フィルムで包装した、水溶性包装体。
[10]前記薬剤の形態がカプセル、錠剤、散剤、液体及びジェルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[9]の水溶性包装体。
[11]前記水溶性フィルムの表面に前記薬剤の処方箋情報が印字されている、[9]又は[10]の水溶性包装体。
[12]少なくとも1種の薬剤を、[1]~[8]のいずれかの水溶性フィルムで包装して水溶性包装体を製造する、水溶性包装体の製造方法。
[13]前記水溶性フィルムの表面に前記薬剤の処方箋情報を印字する工程を含む、[12]の水溶性包装体の製造方法。
[14]少なくとも1種の薬剤を、[1]~[8]のいずれかの水溶性フィルムで包装して水溶性包装体を製造する工程、前記薬剤を処方された患者に対して前記水溶性包装体を提供する工程を含む、水溶性包装体の提供方法。
[15]前記水溶性包装体を製造する工程において、少なくとも2種の薬剤を、手作業又は分包機で1回あたりの服用量に合わせて一括で包装する、[14]の水溶性包装体の提供方法。
[16]前記水溶性包装体を製造する工程の前後に、前記水溶性フィルムの表面に前記薬剤の処方箋情報を印字する工程を含む、[14]又は[15]の水溶性包装体の提供方法。
[17]少なくとも1種の薬剤を処方された患者が、前記薬剤を[1]~[8]のいずれかに記載の水溶性フィルムで包装した水溶性包装体を服用する際に、前記水溶性包装体ごと経口で服用する、水溶性包装体の服用方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、溶解性及び強度のバランスに優れるとともに、薬剤を包装可能な水溶性フィルム、当該薬剤を当該水溶性フィルムで包装した水溶性包装体、当該水溶性包装体の製造方法が提供される。また、本発明によれば、当該水溶性包装体の提供方法及び服用方法が提供される。本発明の水溶性フィルムは溶解性及び強度のバランスに優れるため、薬剤を水溶性フィルムで包装した水溶性包装体は、薬剤を保持する強度を維持しつつ、患者が水溶性包装体から薬剤を取り出すことなく水溶性包装体ごと経口で服用することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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