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公開番号2025132815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030628
出願日2024-02-29
発明の名称ポリアミド組成物、ポリアミド成形体及び複合体
出願人株式会社クラレ
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08L 77/06 20060101AFI20250903BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い接着強度を有し、耐熱変形性、耐熱老化性、及び剛性に優れるポリアミド組成物、並びに該ポリアミド組成物を有する複合体を提供する。
【解決手段】ポリアミド(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有するポリアミド組成物であって、前記ポリアミド(A)は、ジカルボン酸単位と、ジアミン単位とを含み、前記ジカルボン酸単位は、全ジカルボン酸単位100モル%に対し、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位を50モル%以上含み、前記ジアミン単位は、全ジアミン単位100モル%に対して、炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含み、前記エポキシ樹脂(B)のJIS K 7196:2012に準拠して得られる軟化点が、70℃以上110℃以下であり、前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、前記ポリアミド組成物中、0質量%超20質量%以下である、ポリアミド組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有するポリアミド組成物であって、
前記ポリアミド(A)は、ジカルボン酸単位と、ジアミン単位とを含み、
前記ジカルボン酸単位は、全ジカルボン酸単位100モル%に対し、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位を50モル%以上含み、
前記ジアミン単位は、全ジアミン単位100モル%に対し、炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含み、
前記エポキシ樹脂(B)のJIS K 7196:2012に準拠して得られる軟化点が、70℃以上110℃以下であり、
前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、前記ポリアミド組成物中、0質量%超20質量%以下である、ポリアミド組成物。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位が、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン及び1,12-ドデカンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
前記炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位が、1,9-ノナンジアミン及び2-メチル-1,8-オクタンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、1500g/eq以上3500g/eq以下である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項5】
前記ポリアミド組成物からなる試験片において、130℃で1000時間加熱処理を行った前後のISO527-1:2019に準拠して測定した引張強度の保持率が80%以上である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリアミド組成物から形成されるポリアミド成形体。
【請求項7】
表面に塗膜を有する、請求項6に記載のポリアミド成形体。
【請求項8】
外板部品である、請求項7に記載のポリアミド成形体。
【請求項9】
請求項6に記載のポリアミド成形体と、該ポリアミド成形体とは異なる成形体(X)を有する、複合体。
【請求項10】
前記成形体(X)は、有機材料、無機材料、及び金属材料からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項9に記載の複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド組成物、ポリアミド成形体及び複合体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
軽量化の観点から、スポーツ用品、自動車部品等、各種分野の部品として、ポリアミド組成物から形成される成形体が幅広く使用されている。このような成形体を部品として用いる場合、成形体表面に塗膜を施すことがある。
例えば、引用文献1には、特定の共重合ポリアミド樹脂を特定量含むポリアミド樹脂組成物が記載されており、当該ポリアミド樹脂組成物は、塗膜密着性に優れることが記載されている。
特許文献2には、結晶質ポリアミド樹脂、ポリアルコール、及びエポキシ樹脂を含むポリアミド樹脂組成物が記載されており、当該ポリアミド樹脂組成物は、塗膜密着性に優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-224288号公報
特表2010-532406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ポリアミド組成物から形成される成形体と、当該成形体とは異なる成形体を接合した複合体も、各種分野の部品として使用されている。このような複合体が有するポリアミド組成物から形成される成形体は、塗膜との密着性だけではなく、当該成形体とは異なる成形体との接着性も求められる。しかしながら、従来のポリアミド組成物から形成される成形体は、塗膜との密着性や当該成形体とは異なる成形体との接着性が満足できるものではなかった。その為、複合体の強度が不十分になるという課題があった。また、ポリアミド組成物が含有する樹脂の種類によっては、複合体が熱変形を生じる場合や、複合体の耐熱老化性が劣る場合があるという課題もあった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑み、高い接着強度を有し、耐熱変形性、耐熱老化性、及び剛性に優れるポリアミド組成物、該ポリアミド組成物から形成されるポリアミド成形体、並びに該ポリアミド組成物を有する複合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明を想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
【0007】
[1]ポリアミド(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有するポリアミド組成物であって、
前記ポリアミド(A)は、ジカルボン酸単位と、ジアミン単位とを含み、
前記ジカルボン酸単位は、全ジカルボン酸単位100モル%に対し、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位を50モル%以上含み、
前記ジアミン単位は、全ジアミン単位100モル%に対し、炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含み、
前記エポキシ樹脂(B)のJIS K 7196:2012に準拠して得られる軟化点が、70℃以上110℃以下であり、
前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、前記ポリアミド組成物中、0質量%超20質量%以下である、ポリアミド組成物。
[2]前記炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位が、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン及び1,12-ドデカンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、上記[1]に記載のポリアミド組成物。
[3]前記炭素数7~13の脂肪族ジアミン単位が、1,9-ノナンジアミン及び2-メチル-1,8-オクタンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、上記[1]又は[2]に記載のポリアミド組成物。
[4]前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が、1500g/eq以上3500g/eq以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[5]前記ポリアミド組成物からなる試験片において、130℃で1000時間加熱処理を行った前後のISO527-1:2019に準拠して測定した引張強度の保持率が80%以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載のポリアミド組成物から形成されるポリアミド成形体。
[7]表面に塗膜を有する、上記[6]に記載のポリアミド成形体。
[8]外板部品である、上記[6]又は[7]に記載のポリアミド成形体。
[9]上記[6]に記載のポリアミド成形体と、該ポリアミド成形体とは異なる成形体(X)を有する、複合体。
[10]前記成形体(X)は、有機材料、無機材料、及び金属材料からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[9]に記載の複合体。
[11]表面に塗膜を有する、上記[10]に記載の複合体。
[12]前記ポリアミド成形体と、前記成形体(X)との間に接着層を含む、上記[9]に記載の複合体。
[13]外板部品である、上記[9]に記載の複合体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い接着強度を有し、耐熱変形性、耐熱老化性、及び剛性に優れるポリアミド組成物、該ポリアミド組成物から形成されるポリアミド成形体、並びに該ポリアミド組成物を有する複合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例で作製した複合体を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施態様(以下、「本実施態様」と称すことがある。)の一例に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施態様は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下の記載に限定されない。
また本明細書において、実施態様の好ましい形態を示すが、個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、好ましい形態である。数値範囲で示した事項について、いくつかの数値範囲がある場合、それらの下限値と上限値とを選択的に組み合わせて好ましい形態とすることができる。
本明細書において、「XX~YY」との数値範囲の記載がある場合、「XX以上YY以下」を意味する。
また、本明細書において、「~単位」(ここで「~」は単量体を示す)とは「~に由来する構成単位」を意味する。例えば「ジカルボン酸単位」とは「ジカルボン酸に由来する構成単位」を意味し、「ジアミン単位」とは「ジアミンに由来する構成単位」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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