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公開番号2025129902
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026871
出願日2024-02-26
発明の名称高炉スラグの改質方法、高炉スラグの改質装置及び改質高炉スラグの製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21B 3/06 20060101AFI20250829BHJP(鉄冶金)
要約【課題】高炉スラグを効率よく、かつ均一に改質することができる改質方法を提供する。
【解決手段】溶融高炉スラグに、加熱した塩基度調整剤を吹き付けることにより、前記溶融高炉スラグの塩基度を調整することを含む高炉スラグの改質方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶融高炉スラグに、加熱した塩基度調整剤を吹き付けることにより、前記溶融高炉スラグの塩基度を調整することを含む高炉スラグの改質方法。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
高炉に接続される出銑樋中の前記溶融高炉スラグに、前記塩基度調整剤を吹き付ける、請求項1記載の高炉スラグの改質方法。
【請求項3】
前記塩基度調整剤を前記溶融高炉スラグの上方から吹き付ける、請求項1記載の改質方法。
【請求項4】
前記塩基度調整剤を火炎で加熱しながら不活性ガスとともに吹き付ける、請求項1記載の高炉スラグの改質方法。
【請求項5】
前記火炎を燃料ガス及び支燃性ガスにより生成させ、前記燃料ガスの供給量(単位:Nm

/min)に対する前記塩基度調整剤の供給量(単位:kg/min)の比の値が70kg/Nm
3
以下である、請求項4記載の高炉スラグの改質方法。
【請求項6】
前記塩基度調整剤をバーナーランスにより加熱し、前記溶融高炉スラグに吹き付ける、請求項1記載の高炉スラグの改質方法。
【請求項7】
前記溶融高炉スラグの温度が1500℃以上である場所にて前記加熱した塩基度調整剤を吹き付ける、請求項1記載の高炉スラグの改質方法。
【請求項8】
溶融高炉スラグの塩基度を調整する高炉スラグの改質装置であって、塩基度調整剤を加熱する加熱手段と加熱後の前記塩基度調整剤の吹き付け手段とを備える、高炉スラグの改質装置。
【請求項9】
前記加熱手段及び前記吹き付け手段としてのバーナーランスを備える、請求項8記載の高炉スラグの改質装置。
【請求項10】
前記バーナーランスが、
前記塩基度調整剤及び不活性ガスを供給する内管と、
前記内管の径方向外側に設けられた、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管及び支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給管と、
前記燃料ガス供給管及び前記支燃性ガス供給管を内包する冷却管と、
を有する多重管構造を有する、請求項9記載の高炉スラグの改質装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉スラグの改質方法、高炉スラグの改質装置及び改質高炉スラグの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
高炉から排出された溶融高炉スラグの活用方法として、溶融高炉スラグに高圧水を吹きつけて、急冷、細粒化させた高炉水砕スラグとして、セメント原料や細骨材等の用途で使用することが知られている。ただし、高炉水砕スラグをセメント原料として使用する場合には、塩基度b(CaO+MgO+Al



/SiO

)の値がコンクリートの強度発現に対して大きな影響を及ぼすため、JIS A6206:2013 コンクリート用高炉スラグ微粉末において、b≧1.60とすることが決められている。
【0003】
ここで、高炉水砕スラグの塩基度を調整する方法として、例えば、特許文献1には、溶融高炉スラグを鍋型容器に貯留し、先端部に噴出孔を備えたランスを溶融高炉スラグに浸漬させ、溶融高炉スラグの温度を1400℃以上にして、酸素含有気体を用いてフライアッシュを酸化鉄含有ダストと共に混合粉として吹き込み、次いで所定の条件下で溶融高炉スラグの水砕を行う方法が提案されている。また、特許文献2には、所定量でCaO含有物を配合した石炭灰(フライアッシュ)からなる混合粉粒体である高炉スラグの改質材が提案され、改質材を溶融高炉スラグの上方から粉粒状で投入する方法及び粉体状態でスラグ中に吹き込む方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-315906号公報
特開2005-231918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に提案されている方法では、溶融高炉スラグ中にランスを浸漬させてフライアッシュ等を吹き込むため、ランスの損耗が大きく、頻繁にランスを交換する必要があるため効率的ではない。また、ランスにはレンガや金属が含まれており、スラグ中に欠損部分が取り込まれると、スラグ製品の品質が低下することが懸念される。
【0006】
また、特許文献2に提案されている方法では、実施例の高炉スラグの製造結果において、改質材(石炭灰)の未溶解比率が13%以上であることが示されている。この未溶解の改質材はセメントの品質ばらつきとなるため、コンクリートにしたときの圧縮強度のばらつきにも繋がり好ましくない。また、特許文献2では、常温の改質材が添加されていると解されるが、その場合、溶融高炉スラグの温度の低下が起きて粘性が上がるため、溶融高炉スラグの組成を均一化するのが難しくなる。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、高炉スラグを効率よく、かつ均一に改質することができる改質方法を、当該方法に用いることができる改質装置とともに提供することを目的とする。ここで「改質」とは塩基度の調整を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1]溶融高炉スラグに、加熱した塩基度調整剤を吹き付けることにより、前記溶融高炉スラグの塩基度を調整することを含む高炉スラグの改質方法。
[2]高炉に接続される出銑樋中の前記溶融高炉スラグに、前記塩基度調整剤を吹き付ける、[1]の高炉スラグの改質方法。
[3]前記塩基度調整剤を前記溶融高炉スラグの上方から吹き付ける、[1]又は[2]の高炉スラグの改質方法。
[4]前記塩基度調整剤を火炎で加熱しながら不活性ガスとともに吹き付ける、[1]~[3]のいずれかの高炉スラグの改質方法。
[5]前記火炎を、燃料ガス及び支燃性ガスにより生成させ、前記燃料ガスの供給量(単位:Nm

/min)に対する前記塩基度調整剤の供給量(単位:kg/min)の比の値が70kg/Nm
3
以下である、[4]の高炉スラグの改質方法。
[6]前記塩基度調整剤を、バーナーランスにより加熱し、前記溶融高炉スラグに吹き付ける、[1]~[5]のいずれかの高炉スラグの改質方法。
[7]前記溶融高炉スラグの温度が1500℃以上である場所にて前記加熱した塩基度調整剤を吹き付ける、[1]~[6]のいずれかの高炉スラグの改質方法。
[8]溶融高炉スラグの塩基度を調整する高炉スラグの改質装置であって、塩基度調整剤を加熱する加熱手段と加熱後の前記塩基度調整剤の吹き付け手段とを備える、高炉スラグの改質装置。
[9]前記加熱手段及び前記吹き付け手段としてのバーナーランスを備える、[8]の高炉スラグの改質装置。
[10]前記バーナーランスが、
前記塩基度調整剤及び不活性ガスを供給する内管と、
前記内管の径方向外側に設けられた、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給管と、
前記燃料ガス供給管及び前記支燃性ガス供給管を内包する冷却管と、
を有する多重管構造を有する、[9]の高炉スラグの改質装置。
[11]前記バーナーランスと吹き付け対象の表面との距離を、溶融高炉スラグの流量に応じて変動させる調整手段を有する、[9]又は[10]の高炉スラグの改質装置。
[12][1]~[7]のいずれかの改質方法により高炉スラグを改質する工程を含む、改質高炉スラグの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高炉スラグの改質方法及び改質装置により、高炉スラグを効率よく、かつ均一に改質することができる。本発明の高炉スラグの改質方法を経て得られる改質高炉スラグは、これを原料としたセメントの品質を安定化させ、セメントの品質を高度に制御することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
高炉及び高炉水砕スラグ製造設備の一部の模式図である。
バーナーランスである高炉スラグの改質装置の一例について、バーナーランスを側面からみた縦断面図である。
バーナーランスである高炉スラグの改質装置の一例について、バーナーランスを前方からみた縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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