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公開番号
2025128708
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-03
出願番号
2024025523
出願日
2024-02-22
発明の名称
磁気ヒートポンプ
出願人
大学共同利用機関法人自然科学研究機構
代理人
個人
主分類
F25B
21/00 20060101AFI20250827BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】 磁気作業物質に変動磁場を与えて冷却を行う際の省エネルギ化を実現する。
【解決手段】 超伝導コイル31の内部に磁気作業物質30を配置する。超伝導コイル31には、スイッチ36を介してコンデンサ32を直列に接続する。またスイッチ37を介して超伝導コイル31の両端を接続する。こうすることで、電源33から超伝導コイル31に電流を流した後、電源33を切断しても、LC共振回路によって超伝導コイル31への電流を周期的に変化させ、磁気作業物質30を発熱状態、冷却状態に切り換えることができる。また、超伝導コイル31の両端を接続して一定の電流が流れ続ける状態、超伝導コイル31およびコンデンサ32をいずれも切り離して電流が流れない状態をとることで、一層、効果的な熱交換を実現する。以上により、変動磁場による冷却の省エネルギ化を実現できる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
被冷却物からの熱輸送を行う磁気ヒートポンプであって、
磁場の変動に伴い発熱状態または吸熱状態となる磁気作業物質と、
前記磁気作業物質に対して磁場を与える超伝導コイルと、
前記超伝導コイルとコンデンサとを直列に接続したLC共振回路と、
前記磁気作業物質と前記被冷却物との間で熱交換を行う熱交換機構とを備える磁気ヒートポンプ。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1記載の磁気ヒートポンプであって、
前記LC共振回路は、
前記超伝導コイルを回路から切り離した第1の状態、
前記コンデンサを回路から切り離し、前記超伝導コイルを含む閉回路を構成した第2の状態、
前記超伝導コイルと前記コンデンサとを直列に接続した第3の状態を相互に切り替えるための1以上のスイッチを備える磁気ヒートポンプ。
【請求項3】
請求項2記載の磁気ヒートポンプであって、
前記LC共振回路における前記第1の状態を第1の保持時間だけ保持し、前記第2の状態を第2の保持時間だけ保持するように前記スイッチを制御するスイッチ制御部を備える磁気ヒートポンプ。
【請求項4】
請求項3記載の磁気ヒートポンプであって、
前記熱交換機構は、熱交換媒体を前記磁気作業物質との間で熱交換可能な流路で流す機構であり、
前記第1および第2の保持時間は、それぞれ前記熱交換媒体が、前記流路のうち、前記磁気作業物質と熱交換する部分を通過するのに要する時間以上となっている磁気ヒートポンプ。
【請求項5】
請求項3記載の磁気ヒートポンプであって、
前記スイッチは複数存在し、
前記スイッチ制御部は、前記第1~第3の状態の切り替えに際し、今まで開いていたいずれかの前記スイッチを閉じた後、今まで閉じていた前記スイッチを開くよう制御する磁気ヒートポンプ。
【請求項6】
請求項1記載の磁気ヒートポンプであって、
前記熱交換機構は、熱交換媒体を前記磁気作業物質との間で熱交換可能な流路で流す機構であり、
該流路は、
前記磁気作業物質が前記発熱状態にあるときの発熱時流路と、
前記磁気作業物質が前記吸熱状態にあるときの吸熱時流路とを備える磁気ヒートポンプ。
【請求項7】
請求項6記載の磁気ヒートポンプであって、
前記発熱時流路と前記吸熱時流路は、一部が共通の流路となっており、
前記流路は、さらに、前記発熱時流路と前記吸熱時流路とを切り替える切替弁を備える磁気ヒートポンプ。
【請求項8】
請求項6記載の磁気ヒートポンプであって、
前記超伝導コイルへの通電状態に連動させて、前記発熱時流路と、前記吸熱時流路を使い分ける流路制御部を備える磁気ヒートポンプ。
【請求項9】
請求項8記載の磁気ヒートポンプであって、
前記流路制御部は、前記超伝導コイルへの通電状態が、前記磁気作業物質を前記発熱状態にする通電状態から前記吸熱状態にする通電状態に変化するタイミングから、所定の時間遅らせて、前記発熱時流路から前記吸熱時流路への切り替えを行う磁気ヒートポンプ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気作業物質に対して、超伝導コイルを用いて生成される変動磁場を加えることで冷却を行う磁気ヒートポンプに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、液体ヘリウム以下の極低温に適用される冷凍機として、磁場に応じて発熱、吸熱を行う磁性材料(以下、「磁気作業物質」という。)を利用した磁気冷凍機が知られている。
例えば、特許文献1は、超伝導コイルの中心部分に磁気作業物質を配置するとともに、超伝導コイルと磁気作業物質との間の空間に磁気遮蔽体を往復動させる静止型磁気冷凍機を開示している。当該技術では、磁気遮蔽体の往復動に応じて磁気作業物質に磁場を作用させたり遮断させたりすることにより、磁気作業物質の発熱/吸熱を変化させ、冷凍を実現する。
また、特許文献2は、超伝導コイルと、磁気遮蔽体とを積み重ね、その内部に磁気作業物質を配置した構造の磁気冷凍機を開示する。当該技術では、磁性遮蔽体を往復動させて、超伝導コイルの内部に配置した状態と、磁気遮蔽体の内部に配置した状態とを切り替えることにより、磁気作業物質の発熱/吸熱を変化させ、冷凍を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平4-273956号公報
特開平6-151983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の磁気冷凍技術では、超伝導コイルによる磁場の発生については、超伝導状態を維持するための冷却が必要となるが、通電損失がないことからエネルギ効率の向上が図られているものの、磁気遮蔽体または磁気作業物質の往復動自体にエネルギが必要となり、全体としてエネルギ効率について改善の余地が残されていた。従って、磁気作業物質に作用する磁場を省エネルギで変動させる技術が求められていた。
本発明は、かかる課題に鑑み、省エネルギで磁場を変動させ、磁気冷凍を実現可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
被冷却物からの熱輸送を行う磁気ヒートポンプであって、
磁場の変動に伴い発熱状態または吸熱状態となる前記磁気作業物質と、
前記磁気作業物質に対して磁場を与える超伝導コイルと、
前記超伝導コイルとコンデンサとを直列に接続したLC共振回路と、
前記磁気作業物質と前記被冷却物との間で熱交換を行う熱交換機構とを備える磁気ヒートポンプと構成することができる。
【0006】
本発明では、LC共振回路を備えるため、超伝導コイルに流れる電流が共振周波数に対応する周期で変動し、これによって磁気作業物質に加えられる磁界が変動するため、冷却を実現することができる。しかも、超伝導は電気抵抗がゼロとなるから、LC共振回路に流れる電流は、外からエネルギを与えなくても、理論的には、ほとんど減衰することなく継続して流れる。
従って、本発明によれば、磁気作業物質を用いた冷却に要するエネルギを非常に小さく抑えることが可能となるのである。
【0007】
本発明において磁気作業物質としては、ガドリニウム他、種々の物質を利用することができる。
また、熱交換機構において磁気作業物質との間で熱交換を実現する部分についての形状・構造も任意に決めることができる。例えば、熱交換機構の一部を磁気作業物質の塊で構成してもよいし、磁気作業物質を用いた細線をメッシュ状に編むなどして構成してもよい。かかる細線は、例えば、磁気作業物質を銅その他の熱伝導性の良い金属で包んだ、いわゆるパウダーインチューブ製造技術により製造してもよい。
熱交換機構において、被冷却物との間で熱交換を行う部分については、例えば、熱交換媒体を流す機構としてもよいし、金属その他の熱伝導を利用してもよい。その他種々の構成を適用可能である。
なお、LC共振回路は、熱交換を効果的に実現するよう共振周波数を設定し、それを実現するように超伝導コイルのインダクタンス、コンデンサの静電容量を設計すればよい。共振周波数は、任意に決めることができるが、例えば、0.1Hz程度に低い周波数とすることができる。
【0008】
本日発明において、
前記LC共振回路は、
前記超伝導コイルを回路から切り離した第1の状態、
前記コンデンサを回路から切り離し、前記超伝導コイルを含む閉回路を構成した第2の状態、
前記超伝導コイルと前記コンデンサとを直列に接続した第3の状態を相互に切り替えるための1以上のスイッチを備えても良い。
【0009】
こうすることにより、第1の状態では、超伝導コイルに電流が流れない状態を維持することが可能となる。第2の状態では、超伝導コイルに電流を一定方向に流し続けることが可能となる。第3の状態では、超伝導コイルに流す電流を変動させることができる。
このように、上記態様によれば、それぞれの状態を分けることにより、磁気作業物質に加える磁界を制御することが可能となる。
【0010】
第1~第3の状態を切換可能とする態様においては、
前記LC共振回路における前記第1の状態を第1の保持時間だけ保持し、前記第2の状態を第2の保持時間だけ保持するように前記スイッチを制御するスイッチ制御部を備えても良い。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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