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公開番号2025124513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-26
出願番号2024020619
出願日2024-02-14
発明の名称ポリエチレン樹脂組成物、およびそれよりなるフィルムおよび医療容器
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08L 23/04 20060101AFI20250819BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 121℃での滅菌処理後も内面融着せず、弱シール強度の安定性に優れるポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるフィルム、本フィルムを用いた医療容器を提供する。
【解決手段】 下記特性(a)~(d)を満足する高密度ポリエチレン(A)60~95重量%および下記特性(e)~(g)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)5~40重量%を含む、ポリエチレン樹脂組成物。
(a)密度が955~970kg/m3
(b)190℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)が0.1~30g/10分
(c)炭素数がヘキシル基以上の長鎖分岐数が炭素数1000個当り0.5個未満
(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下
(e)密度が870~930kg/m3
(f)MFRが0.1~20.0g/10分
(g)Mw/Mnが3.0以下
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記特性(a)~(d)を満足する高密度ポリエチレン(A)60~95重量%および下記特性(e)~(g)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(B)5~40重量%((A)および(B)の合計は100重量%)を含む、ポリエチレン樹脂組成物。
(a)密度が955~970kg/m

(b)190℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が0.1~30g/10分である。
(c)
13
C-NMRスペクトルの測定から求められる炭素数がヘキシル基以上の長鎖分岐数(LCB)が炭素数1000個当り0.5個未満である。
(d)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
(e)密度が870~930kg/m

である。
(f)MFRが0.1~20.0g/10分である。
(g)ゲル・パーミエ―ション・クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
請求項1に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
【請求項3】
前記フィルム同士を熱融着(ヒートシール)してなるシール部(易剥離シール部)を有するフィルムを121℃での滅菌処理後、易剥離シール部のシール強度が1~4N/15mmを示すシール温度幅が5℃以上あり、かつ純水中、波長450nmで測定した光線透過率が60%以上である、請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
請求項2に記載のフィルムからなる弱ヒートシール層及び他の樹脂層を有する積層フィルム。
【請求項5】
他の樹脂層として、弱ヒートシール層に隣接する中間層及び該中間層に隣接する耐熱層を有し、中間層が密度870~920kg/m

であるポリエチレン系樹脂からなり、耐熱層が密度930~970kg/m

であるポリエチレン系樹脂からなる、請求項4に記載の積層フィルム。
【請求項6】
前記積層フィルムの弱ヒートシール層同士を熱融着(ヒートシール)してなるシール部(易剥離シール部)を有する積層フィルムを121℃での滅菌処理後、易剥離シール部のシール強度が1~4N/15mmを示すシール温度幅が5℃以上あり、かつ純水中、波長450nmで測定した光線透過率が60%以上である、請求項4に記載の積層フィルム。
【請求項7】
薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、請求項2又は3に記載のフィルムまたは請求項4~6のいずれかに記載の積層フィルムの弱ヒートシール層を内層とする袋状にした収容部を有する医療容器。
【請求項8】
前記収容部が、フィルムまたは積層フィルム同士を熱融着してなるシール部によって2以上に区画されている、請求項7に記載の医療容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるフィルム、本フィルムを用いた医療容器に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
医療分野では、複数の薬剤成分を混合した状態で生体内に投与することは、ごく一般的に行われているが、混合する薬液成分の組み合わせによっては保存中に化学反応等が生じて変質する場合があるため、1つのプラスチック製容器内に隔離手段を設けて各薬剤成分を別々の収容室保存しておき、投与する直前に混合することが多い。この場合、各収容室間を接着部により仕切り、使用直前に手または器具などで接着部を加圧剥離して、連通させることで薬剤を混合する易剥離性複室容器が、操作が簡便でかつ無菌的に行えるため注目されている。これらは輸液剤等の互いに反応する部分を隔離することで、混合する薬品の種類や量を誤らないこと、混合時の汚染を防止できること等の利点がある。
【0003】
このような医療容器を構成するフィルム(積層フィルム)は、輸送時や保管時には収容室間の接着部が安定で剥離し難く、使用時(混合時)には比較的容易に剥離できる必要がある。従って、輸液バッグの周縁部は薬剤が漏れないほどの十分なヒートシール強度(強シール性)、各収容室間の隔離部は手などで容易に開通させることができるヒートシール強度(易剥離性、弱シール性)が要求され、シール強度のコントロールが技術上の重要なポイントになっている。
【0004】
近年、特定形状の凹凸を付けた金型を用いて、ヒートシール部に強融着部と弱融着部を特定の面積比率で付与して、シール強度をコントロールする方法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照。)。しかしながら、これらの方法においても、強融着部と弱融着部を特定の位置関係に保持しないとシール強度のバランスが取り難いという煩雑さがある。また、加熱滅菌処理をした場合、強融着部、弱融着部の強度が変化して、シール強度のコントロールができなくなる問題があり、改良が望まれていた。
【0005】
また、相溶性に乏しく、かつ融点に比較的大きな差を有する樹脂同士(例えば、ポリエチレン系樹脂組成物とポリプロピレン系樹脂)のブレンド物を用いて、シーラント層に相分離構造を形成させ、低融点樹脂相のみが融解する温度でヒートシールすることで、シール界面における融着領域を制御してシール強度をコントロールする方法が提案されている(例えば、特許文献4~7参照。)。しかしながら、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合物をシーラント層にしたフィルムは、ポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムはポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムに比べて薬液中への微粒子の溶出等、クリーン性が悪化する問題がある。また、ポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムに比べて、材料コストが高くなるという不具合がある。
【0006】
また、特定の物性を有するポリエチレン系樹脂を含む材料により構成された樹脂を内層(シーラント層)に用いることで、121℃滅菌処理後も透明性、弱シール強度の安定性に優れた容器を得る方法が提案されている(例えば、特許文献8参照。)。この方法によれば、121℃滅菌処理後も弱シール強度の安定性を有するが、シール部以外の容器の接触する部分(容器の内層同士等)が融着することが判明したため、改良が必要である。
【0007】
上記のいずれの方法においても、加熱滅菌処理後にフィルムの内層同士が融着(内面融着)せず、高い透明性および弱シール強度の安定性(弱シール性)をバランスよく備えたものは提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平8-24314号公報
特開2004-476号公報
特許第4689416号公報
特許第2675075号公報
特許第3076862号公報
特開平8-229099号公報
特許第5144573号公報
特開2017-018290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、これら従来の欠点を解消したものであり、滅菌処理後も内面融着せず、弱シール強度の安定性に優れるポリエチレン樹脂組成物、それよりなるフィルム、およびこのフィルムを用いた医療容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の物性を有するポリエチレン系樹脂を特定量配合したポリエチレンを弱ヒートシール層とし、弱ヒートシール層を含む積層フィルムを医療容器とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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