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公開番号
2025123926
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-25
出願番号
2024019719
出願日
2024-02-13
発明の名称
飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現改善用剤
出願人
太陽化学株式会社
,
国立大学法人三重大学
,
学校法人常翔学園
代理人
個人
主分類
A23L
33/125 20160101AFI20250818BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】 新規な飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現を改善する腸内抗菌ペプチド発現改善用剤などを提供すること。
【解決手段】 飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現を改善するために飲酒前に用いられるものであって、グアーガム分解物を含み、前記グアーガム分解物は、平均分子量が1.0×10
3
~2.0×10
5
、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるものであり、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下であって、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.3~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%含有することを特徴とする腸内抗菌ペプチド発現改善用剤によって達成される。
【選択図】 図4
特許請求の範囲
【請求項1】
飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現を改善するために飲酒前に用いられるものであって、グアーガム分解物を含み、前記グアーガム分解物は、平均分子量が1.0×10
3
~2.0×10
5
、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるものであり、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下であって、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.3~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%含有することを特徴とする腸内抗菌ペプチド発現改善用剤。
続きを表示(約 47 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の腸内抗菌ペプチド発現改善用剤を含有する飲食品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現改善用剤に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
飲酒は、先進国における慢性肝疾患や腸疾患の主な原因の1つである。アルコールに関連する肝臓疾患は、アルコール関連肝疾患(Alcohol-associated liver disease:ALD)と呼ばれる。アルコールを摂取する全ての者が、肝炎や肝硬変を発症するわけではないが、その前兆でもあるアルコール性脂肪肝を予防することは重要である。
近年、腸および腸内の各種の因子(腸内細菌叢や腸内代謝物、あるいは腸における遺伝子発現など)と肝臓との関係が、腸肝軸(Gut-Liver Axis)として認識されている。この双方向コミュニケーションの代表例として、腸上皮バリアは腸内細菌叢からの肝門脈を通した代謝産物または細菌体関連分子パターン(pathogen-associated molecular patterns:PAMPs)の移行を調節する。そのため、腸内遺伝子発現の調節は腸-肝軸を介して肝臓における代謝の調節や脂肪肝を含む疾患の進行にまで影響を及ぼしうると考えられる。
【0003】
アルコールの摂取によって、腸内遺伝子発現が変動し、それがALD悪化に寄与する可能性があることが示唆されている。治療面では、プロバイオティクス等の摂取が肝臓の代謝調節を促進し、肝疾患の改善に関連するとの報告がある。このため、腸-肝軸の調節因子の一つである抗菌ペプチドの発現をコントロールできれば、ALDの予防に有望な方法と成り得る。
部分加水分解グアーガム(partially hydrolyzed guar gum:PHGG)はプレバイオティクスの一種として広く食品に使用されており、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)に対する保護を含む健康上の利点と関連付けられている。
しかし、ALD及び飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現に対するPHGGの効果を評価した例は少なく(特許文献1)、更なる研究の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-010348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現を改善する剤などを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、特定のグアーガム分解物を含有するものには、飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現を改善する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
こうして、本願発明に係る飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現改善用剤は、飲酒前に用いられるものであって、グアーガム分解物を含み、前記グアーガム分解物は、平均分子量が1.0×10
3
~2.0×10
5
、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるものであり、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下であって、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.3~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%含有することが好ましい。
【0007】
また、本発明においては、飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現改善用剤を含む飲食品または医薬品を提供できる。飲食品は、食品と飲料を含むものであり、例えば、栄養補助食品、健康食品、特定保健用食品、機能性表示食品、食事療法用食品、総合健康食品、サプリメント、茶飲料、コーヒー飲料、ジュース、清涼飲料、ドリンク剤、米飯、パン、麺類、乳製品、卵加工品、水産・畜産加工食品、菓子、油脂及び油脂加工食品、調味料、惣菜などが例示される。医薬品は、医薬品又は医薬部外品を含むものであり、経口製剤、又は経腸製剤であることが好ましく、液剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤などの形態とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飲酒時の腸内抗菌ペプチド発現を改善する新規な腸内抗菌ペプチド発現用剤などを提供できる。遺伝子発現を調節する抗菌ペプチドは特に限定しないが、ディフェンシン、カテリシジン、アンジオゲニンなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
コントロール群(C)、アルコール投与群(A)及びアルコール+PHGG前投与群(AP)の3群について、肝組織中の脂肪蓄積を解析した結果を示す図である。(A)ImageJ2/Fijiソフトウェア(×100)を使用して、オイルレッドOおよびヘマトキシリンで染色した代表的な肝臓切片と2値化処理された脂肪領域を示す顕微鏡写真図、(B)肝臓切片画像におけるオイルレッドO染色領域の割合を調べた結果を示す棒グラフである。データは平均値±標準誤差で示した。有意性は、一元配置分散分析後のテューキー(Tukey)のHSD(honestly significant difference)によって決定した。
3' mRNA-seqトランスクリプトーム分析の結果を示す図である。A群のG7は、技術的な誤りに起因すると推測される異常な遺伝子発現パターンを示した。ヒートマップを生成するために、尤度検定を用いたANOVA様の検定で有意に異なる発現遺伝子が選択された。
【0010】
3群において、遺伝子発現の相違を調べた結果を示す図である。(A)70個の遺伝子のヒートマップ、(B)差次的発現遺伝子(DEG)の同定と検出を行った結果を示すボルケーノプロット、(C)DEGとして特定された6個の遺伝子の発現量を3群で比較したグラフである。
3個のアンジオゲニン遺伝子の発現量を3群で比較したグラフである。
3群間において、遺伝子の発現量を3' mRNA-seqとRT-qPCRによって確認した結果を示す棒グラフである。(A)Ang4の発現量変化、(B)Mcpt1の発現量変化、(C)Mcpt2の発現量変化をそれぞれ調べた結果を示した。3個のDEGの変化倍数は、両方の分析方法で同じ傾向を示した。A群とAP群の間のqPCRデータの有意性は、ウェルチのt検定を用いて確認した。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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