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公開番号2025123709
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019337
出願日2024-02-13
発明の名称微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置
出願人三菱ケミカル株式会社,学校法人 中央大学
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20250818BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】培養液中で濃度が上昇した溶存酸素を確実に培養液から放出できる、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置の提供。
【解決手段】一実施形態例において、微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給すること、前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための密閉型の培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させること、前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の溶存酸素濃度を測定すること、前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力を測定すること、および、前記密閉型の培養部で溶存酸素を前記培養液から気化させるように、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御すること、を採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給工程と、
前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための密閉型の培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させる循環工程と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素測定工程と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力を測定する圧力測定工程と、
前記密閉型の培養部で溶存酸素を前記培養液から気化させるように、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する制御工程と、
を有する、微細藻類の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記制御工程では前記培養液の循環流量を制御するための流量バルブの開度によって、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記培養液の前記溶存酸素濃度が予め設定した設定値より高い場合、前記制御工程では前記流量バルブの開度を小さくする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力が予め設定した設定値より高い場合、前記制御工程では前記流量バルブの開度を小さくする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記制御工程では、前記流量バルブの開度によって前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御するとともに、前記循環ポンプの出力を調整する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記制御工程では、前記流量バルブの開度を小さくするとともに、前記循環ポンプの出力を高くする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記微細藻類が、クロレラ属に属する微細藻類である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
微細藻類を含む培養液が貯留されるバッファータンクと、
前記微細藻類を培養するための密閉型の培養部と、
前記培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給部と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させるための循環ポンプと、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素測定計と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力を測定する圧力測定計と、
前記密閉型の培養部で溶存酸素を前記培養液から気化させるように、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する制御部と、
を有する、微細藻類の製造装置。
【請求項9】
前記培養液の循環流量を制御するための流量バルブをさらに有する、請求項8に記載の製造装置。
【請求項10】
前記制御部が、前記流量バルブの開度によって、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する、請求項9に記載の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
微細藻類は他の植物に比べて増殖速度が速いこと、また、その細胞全体を利用できることから、近年、CO

の固定や有用物質の生産等の分野で注目されている。特に、光エネルギーにより二酸化炭素を固定化することでバイオ燃料に変換する能力を有する微細藻類の利用への期待が高まっている。
【0003】
微細藻類による光合成の進行に伴い酸素が生成されるため、微細藻類の培養液中では溶存酸素濃度が上昇する。また、微細藻類は二酸化炭素に加えて酸素を取り込む。微細藻類において、二酸化炭素の取り込みを要する光合成反応は、酸素の取り込みを伴う生化学的反応と競合する。そのため、溶存酸素濃度が高い状態を放置すると、微細藻類による二酸化炭素の取り込みが抑制される。結果、微細藻類の光合成および増殖が阻害される。
【0004】
以上の理由から、微細藻類の培養液中の溶存酸素濃度の管理が重要である。例えば、特許文献1では、培養液中で濃度が上昇した溶存酸素を気体透過性の面を透過させることで大気中に放出することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-76060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者の検討によれば、特許文献1に記載の手法では、培養液中の溶存酸素を確実に大気中に放出できないことがある。
【0007】
本発明は、培養液中で濃度が上昇した溶存酸素を確実に培養液から放出できる、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記の態様を有する。
[1]微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給工程と、
前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための密閉型の培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させる循環工程と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素測定工程と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力を測定する圧力測定工程と、
前記密閉型の培養部で溶存酸素を前記培養液から気化させるように、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する制御工程と、
を有する、微細藻類の製造方法。
[2]前記制御工程では前記培養液の循環流量を制御するための流量バルブの開度によって、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する、[1]に記載の製造方法。
[3]前記培養液の前記溶存酸素濃度が予め設定した設定値より高い場合、前記制御工程では前記流量バルブの開度を小さくする、[2]に記載の製造方法。
[4]前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力が予め設定した設定値より高い場合、前記制御工程では前記流量バルブの開度を小さくする、[2]または[3]に記載の製造方法。
[5]前記制御工程では、前記流量バルブの開度によって前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御するとともに、前記循環ポンプの出力を調整する、[2]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記制御工程では、前記流量バルブの開度を小さくするとともに、前記循環ポンプの出力を高くする、[5]に記載の製造方法。
[7]前記微細藻類が、クロレラ属に属する微細藻類である、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
【0009】
[8]微細藻類を含む培養液が貯留されるバッファータンクと、
前記微細藻類を培養するための密閉型の培養部と、
前記培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給部と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させるための循環ポンプと、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素測定計と、
前記バッファータンクと前記密閉型の培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力を測定する圧力測定計と、
前記密閉型の培養部で溶存酸素を前記培養液から気化させるように、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する制御部と、
を有する、微細藻類の製造装置。
[9]前記培養液の循環流量を制御するための流量バルブをさらに有する、[8]に記載の製造装置。
[10]前記制御部が、前記流量バルブの開度によって、前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御する、[9]に記載の製造装置。
[11]前記培養液の前記溶存酸素濃度が予め設定した設定値より高い場合、前記制御部は、前記流量バルブの開度を小さくする指示を出す、[10]に記載の製造装置。
[12]前記培養液が流れる配管内の前記培養液の圧力が予め設定した設定値より高い場合、前記制御部は、前記流量バルブの開度を小さくする指示を出す、[10]または[11]に記載の製造装置。
[13]前記制御部は、前記流量バルブの開度によって前記密閉型の培養部の配管内の圧力を制御するとともに、前記循環ポンプの出力を調整する、[10]~[12]のいずれかに記載の製造装置。
[14]前記制御部は、前記流量バルブの開度を小さくする指示を出すとともに、前記循環ポンプの出力を高くする指示を出す、[13]に記載の製造装置。
[15]前記微細藻類が、クロレラ属に属する微細藻類である、[8]~[14]のいずれかに記載の製造装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、培養液中で濃度が上昇した溶存酸素を確実に培養液から放出できる、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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