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公開番号2025137253
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024036357
出願日2024-03-08
発明の名称ラクトフェリン加水分解物の製造方法
出願人森永乳業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12P 21/06 20060101AFI20250911BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを高含有し、かつアンジオテンシン変換酵素阻害活性を有する、ラクトフェリンの加水分解物を効率的に製造すること。
【解決手段】原料であるラクトフェリンに対してサーモライシンとリジルエンドペプチダーゼを用いることを特徴とする、Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを含むラクトフェリン加水分解物を製造する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを含むラクトフェリン加水分解物の製造方法であって、前記製造方法は、ラクトフェリンを酵素処理してラクトフェリン加水分解物を製造することを含み、前記酵素処理は、加水分解酵素として、サーモライシンおよびリジルエンドペプチダーゼを用い、且つ、前記サーモライシンを0.1~5質量%の濃度で、前記リジルエンドペプチダーゼを0.1~5質量%の濃度で反応させる酵素処理である、ラクトフェリン加水分解物の製造方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記ラクトフェリン加水分解物1gに対する前記Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドの含有量が1mg以上である、請求項1に記載のラクトフェリン加水分解物の製造方法。
【請求項3】
前記ラクトフェリン加水分解物の分解率が40%以下となるように前記酵素処理が行われる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ペプチドが、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有する、請求項1または2に記載のラクトフェリン加水分解物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本技術は、Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを含むラクトフェリン加水分解物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
食品蛋白質の機能特性の新たな発現や改良の手段の一つとして蛋白質加水分解酵素(プロテアーゼ)や酸を用いた限定加水分解(断片化)が行なわれている。この様にして得られたペプチドは、消化吸収の観点から、遊離アミノ酸混合物よりも吸収速度および吸収後のアミノ酸バランスにおいて優れていることが明らかにされている(非特許文献1)。しかしながら、限定加水分解(断片化)により苦味、えぐ味のある苦味ペプチドが生成し、呈味性の悪い、嗜好性に難のある素材になることが指摘されており、アミノ酸遊離率の極端に低い分解物は特に苦味を呈する場合が多く、摂取するときの障害となることがある。そのために利用が制限されているのも事実である。
一方、食餌蛋白質に起因するアレルギー患者が急増し、特に乳児においては、例えば乳清蛋白質、特にβ-ラクトグロブリンに起因するアレルギーが多発していることが明らかになっており(非特許文献1)、食品中の抗原性物質の低減や、蛋白質・ペプチドにおける抗原性の実質的除去が求められている。
このように、苦味等の不快味や抗原性が抑制され、食品加工において有用なペプチド素材の開発が待望されている。
【0003】
ラクトフェリンは、哺乳動物の乳汁、唾液、涙、精液、種々の粘液等に存在する、非ヘム鉄結合糖蛋白質であり、鉄吸着作用、細胞増殖促進作用、免疫調節作用、および抗菌作用を有する多機能蛋白質である。牛ラクトフェリンは、乳業工場で日常的に取扱う生脱脂乳またはチーズ・ホエイから容易に、かつ大量に得ることができ、商品として直ちに利用することができる。
【0004】
そして、ラクトフェリンを加水分解して得られるラクトフェリン加水分解物や、ラクトフェリン中の特定のアミノ酸配列を有するラクトフェリンペプチド、例えばラクトフェリシン(本出願人による登録商標)は、抗菌活性(特許文献1、非特許文献2)やチロシナーゼ活性(特許文献2)、アポトーシス誘導剤(特許文献3)、経口がん転移抑制剤(特許文献4)、肝機能改善剤(特許文献5)等の多くの生理活性が知られている。
【0005】
このようにラクトフェリン加水分解物やラクトフェリンペプチドは、化学物質および化学的に合成されたアミノ酸誘導体を含まない天然物由来のペプチドであるから、人および動物に対して健康的であり、かつ安全である。したがって、ラクトフェリン加水分解物やラクトフェリンペプチドは安全な、かつ有効な医薬、食品、飼料等として例えば、点眼剤、口腔剤、化粧品、皮膚剤、乳幼児用食品、臨床用食品、機能性食品、ペット用製品等の多種多様な商品に利用でき、極めて大きな価値を有している。
一方、種々のアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドが知られているが、これらのペプチド類では、未だ食品中の機能として、アンジオテンシン変換酵素阻害活性は不十分であった。
天然物由来で、一層高いアンジオテンシン変換酵素阻害活性を有し、かつ単純な構造を有するペプチドのより効率的な取得と、その食品または医薬等への応用が望まれているところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-124504号公報
特開平5-320068号公報
特開平10-45618号公報
特開平10-59864号公報
国際公開第00/06192号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
酪農科学・食品の研究、第39巻、第A-283ページ、1990年
アンチマイクロバイアル・エージェンツ・アンド・ケモセラピー(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)、第41巻、第1号、1997年、第54-59ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを高含有し、かつアンジオテンシン変換酵素阻害活性を有する、ラクトフェリンの加水分解物をさらに効率的に製造することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はLeu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを含むラクトフェリン加水分解物の製造方法であって、ラクトフェリンをサーモライシンおよびリジルエンドペプチダーゼを用い、酵素処理を行うことを特徴とする製造方法である。
【0010】
すなわち、本技術は以下を提供する。
[1]Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドを含むラクトフェリン加水分解物の製造方法であって、前記製造方法は、ラクトフェリンを酵素処理してラクトフェリン加水分解物を製造することを含み、前記酵素処理は、加水分解酵素として、サーモライシンおよびリジルエンドペプチダーゼを用い、且つ、前記サーモライシンを0.1~5質量%の濃度で、前記リジルエンドペプチダーゼを0.1~5質量%の濃度で反応させる酵素処理である、ラクトフェリン加水分解物の製造方法。
[2]前記ラクトフェリン加水分解物1gに対する前記Leu-Arg-Ile-Pro-Ser-Lysからなるペプチドの含有量が1mg以上である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記ラクトフェリン加水分解物の分解率が40%以下となるように前記酵素処理が行われる、[1]または[2]に記載のラクトフェリン加水分解物の製造方法。
[4]前記ペプチドが、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載のラクトフェリン加水分解物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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