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公開番号
2025132375
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024029886
出願日
2024-02-29
発明の名称
重症筋無力症のバイオマーカー
出願人
デンカ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/6883 20180101AFI20250903BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】重症筋無力症のバイオマーカーを提供すること。
【解決手段】対象由来のサンプルにおいて特定のアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び特定の塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定することを含む、重症筋無力症の診断を補助する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定することを含む、重症筋無力症の診断を補助する方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定することを含む、重症筋無力症の診断のためのデータを取得する方法。
【請求項3】
対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定すること、並びに前記(a)及び/又は前記(b)が検出されたサンプルの由来である対象に対して、重症筋無力症の治療薬を投与すること、を含む、重症筋無力症の治療方法。
【請求項4】
前記サンプルにおいて前記(a)及び/又は前記(b)が検出された場合に、前記対象が重症筋無力症に罹患している可能性が高いことを示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプルにおいて前記(a)及び前記(b)が検出された場合に、前記対象が重症筋無力症に罹患している可能性が高いことを示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記(a)におけるタンパク質が、TCRαであり、前記(a)における核酸が、TCRαをコードする核酸である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記(b)におけるタンパク質が、TCRβであり、前記(b)における核酸が、TCRβをコードする核酸である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記(a)及び/又は前記(b)を測定することが、1つの細胞ごとに前記(a)及び前記(b)の両方を測定することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記(a)及び/又は前記(b)を測定することが、1つのタンパク質複合体が前記(a)及び前記(b)の両方を有するかを測定することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つのタンパク質複合体が、1つのTCRである、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、重症筋無力症のバイオマーカーに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)
【背景技術】
【0002】
重症筋無力症(Myasthenia Gravis、MG)は、神経筋接合部のシナプス後膜上の分子に対する臓器特異的自己免疫疾患である。重症筋無力症の主症状は、筋力低下及び易疲労性であり、それらは眼及びその周辺(眼瞼下垂、複視)並びに四肢及び体幹で中心的にみられる。重症筋無力症は、日本国において指定難病に指定されている。
【0003】
重症筋無力症においては、神経筋接合部のシナプス後膜に存在する分子であるアセチルコリン受容体(AChR)や筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)に対して患者体内で自己抗体が作られ、この抗体により神経伝達が阻害されることによって、種々の症状が発生する。重症筋無力症のうち、AChRに対する自己抗体を原因とするものが約80%を占めることが知られている。
【0004】
例えば、非特許文献1は、重症筋無力症患者のCD4陽性T細胞に発現するバイオマーカーを開示している。また、非特許文献2は、重症筋無力症に関連するT細胞の種類、及び重症筋無力症で発現が亢進しているサイトカインを開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
WanlinJin et al., "Single-cell RNA-Seq revealstranscriptional heterogeneity and immune subtypes associated with diseaseactivity in human myasthenia gravis", Cell Discov. 7:85 (2021).
SoniaBerrih-Aknin et al., "Myasthenia gravis: a comprehensive review of immunedysregulation and etiological mechanisms", Journal of Autoimmunity 52,90-100 (2014).
JezabelVarade et al., "Novel genetic loci associated HLA-B*08:01 positivemyasthenia gravis", Journal of Autoimmunity 88, 43-49 (2018).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
重症筋無力症に罹患した患者のうち、完治する患者の割合は、患者のわずか6%に留まっている。よって、残りの大多数の患者は、日常生活に復帰することができたとしても、治療を継続する必要がある。このように、重症筋無力症の治療法は確立されているとは言えない。また、継続して治療を行う必要がある場合が多いため、患者への負担が軽く、患者の生活の質(QOL)の低下を抑制できる治療レジメンの確立が求められている。
【0007】
重症筋無力症に現状用いられている治療薬としては、抗体医薬、免疫抑制薬、ステロイド及びコリンエステラーゼ阻害薬等が挙げられる。これらのうち、抗体医薬、免疫抑制薬及びステロイドは、正常の免疫系にも影響を及ぼす可能性がある医薬であるため、副作用が生じることが知られている。また、コリンエステラーゼ阻害薬は、症状の緩和には有効である一方で、原理上その効果は一時的なものであり、根治療法ではなく対処療法を目的とした医薬である。よって、症状の軽減及び副作用の抑制により患者の生活の質の低下を抑制しながら、重症筋無力症の完治を目指すためには、上述したような医薬を患者ごと、症状の進行状況ごとに合わせて適宜に選択することが重要であると考えられる。
【0008】
本開示は、重症筋無力症のバイオマーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、CD8陽性のT細胞におけるT細胞受容体(TCR)の、α鎖(TCRα)及びβ鎖(TCRβ)のCDR3領域上に、重症筋無力症患者に特異的なバイオマーカーを見出した。
【0010】
本開示は、例えば以下に関する。
[1]対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定することを含む、重症筋無力症の診断を補助する方法。
[2]対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定することを含む、重症筋無力症の診断のためのデータを取得する方法。
[3]対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定することを含む、重症筋無力症の診断方法。
[4]上記サンプルにおいて上記(a)及び/又は上記(b)が検出された場合に、上記対象が重症筋無力症に罹患している可能性が高いことを示す、[1]~[3]のいずれか一つに記載の方法。
[5]上記サンプルにおいて上記(a)及び上記(b)が検出された場合に、上記対象が重症筋無力症に罹患している可能性が高いことを示す、[1]~[3]のいずれか一つに記載の方法。
[6]対象由来のサンプルにおいて(a)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸からなる群から選択される少なくとも一つ、を測定すること、並びに上記(a)及び/又は上記(b)が検出されたサンプルの由来である対象に対して、重症筋無力症の治療薬を投与すること、を含む、重症筋無力症の治療方法。
[7]上記(a)及び/又は上記(b)を測定することが、上記(a)及び上記(b)を測定することである、[1]~[6]のいずれか一つに記載の方法。
[8]上記(a)におけるタンパク質が、TCRαである、[1]~[7]のいずれか一つに記載の方法。
[9]上記(a)における核酸が、TCRαをコードする核酸である、[1]~[8]のいずれか一つに記載の方法。
[10]上記(b)におけるタンパク質が、TCRβである、[1]~[9]のいずれか一つに記載の方法。
[11]上記(b)における核酸が、TCRβをコードする核酸である、[1]~[10]のいずれか一つに記載の方法。
[12]上記(a)が配列番号1で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質を含み、上記(b)が配列番号3で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質を含む、[1]~[11]のいずれか一つに記載の方法。
[13]上記(a)が配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質を含み、上記(b)が配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質を含む、[1]~[11]のいずれか一つに記載の方法。
[14]上記(a)が配列番号5若しくは配列番号6で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸を含み、上記(b)が配列番号8若しくは配列番号9で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸を含む、[1]~[11]のいずれか一つに記載の方法。
[15]上記(a)が配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸を含み、上記(b)が配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸を含む、[1]~[11]のいずれか一つに記載の方法。
[16]上記(a)及び/又は上記(b)を測定することが、1つの細胞ごとに上記(a)及び上記(b)の両方を測定することを含む、[1]~[15]のいずれか一つに記載の方法。
[17]上記(a)及び/又は上記(b)を測定することが、1つのタンパク質複合体が上記(a)及び上記(b)の両方を有するかを測定することを含む、[1]~[16]のいずれか一つに記載の方法。
[18]上記1つのタンパク質複合体が、1つのTCRである、[17]に記載の方法。
[19]上記(a)及び上記(b)が、CD8陽性のT細胞に発現したものである、[1]~[18]のいずれか一つに記載の方法。
[20]上記重症筋無力症が、早期発症重症筋無力症である、[1]~[19]のいずれか一つに記載の方法。
[21]上記重症筋無力症が、抗アセチルコリン受容体抗体陽性である、[1]~[20]のいずれか一つに記載の方法。
[22]上記対象が、コーカソイドの対象である、[1]~[21]のいずれか一つに記載の方法。
[23]上記対象が、HLA-B*08:01、HLA-A*01:01、HLA-C*07:01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB3*01:01、HLA-DQA1*05:01及びHLA-DQB1*02:01からなる群から選択される少なくとも一つのHLAアレルを有する、[1]~[22]のいずれか一つに記載の方法。
[24]上記対象が、HLA-B*08:01のHLAアレルを有する、[1]~[23]のいずれか一つに記載の方法。
[25]上記重症筋無力症が、細胞性免疫の活性化を伴う重症筋無力症である、[1]~[24]のいずれか一つに記載の方法。
[26](a’)配列番号1若しくは配列番号2で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質に結合する抗体若しくはその抗原結合性断片及び配列番号5、配列番号6若しくは配列番号7で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーからなる群から選択される少なくとも一つ、及び/又は(b’)配列番号3若しくは配列番号4で示されるアミノ酸配列との配列同一性が90%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質に結合する抗体若しくはその抗原結合性断片及び配列番号8、配列番号9若しくは配列番号10で示される塩基配列との配列同一性が90%以上の塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーからなる群から選択される少なくとも一つ、を含有する、重症筋無力症の診断用キット。
[27][1]~[25]のいずれか一つに記載の方法において使用する旨が記載された添付文書をさらに含む、[26]に記載のキット。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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