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公開番号2025123267
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2025096541,2023125871
出願日2025-06-10,2013-07-30
発明の名称角膜内皮ECM治療薬
出願人京都府公立大学法人,学校法人同志社,千寿製薬株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 31/4439 20060101AFI20250815BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、TGFβシグナル阻害剤を含む、角膜内皮の細胞外マトリクス(ECM)異常に関連する疾患、障害または状態の処置または予防薬を提供する。
【解決手段】より詳細には、この疾患、障害または状態は、フックス角膜内皮ジストロフィに関する障害である。このような障害としては、羞明、霧視、視力障害、眼痛、流涙、充血、疼痛、水疱性角膜症、眼の不快感、コントラスト低下、グレア、角膜実質の浮腫、水疱性角膜症および角膜混濁等が挙げられる。好ましいTGFβシグナル阻害剤としては、4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミドが含まれる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の組成物等。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜内皮の細胞外マトリクス(ECM)異常に関連する疾患、障害または状態
の処置または予防するための技術、方法、ならびにそのための薬剤等に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
視覚情報は、眼球の最前面の透明な組織である角膜から取り入れられた光が、網膜に達して網膜の神経細胞を興奮させ、発生した電気信号が視神経を経由して大脳の視覚野に伝達することで認識される。良好な視力を得るためには、角膜が透明であることが必要である。角膜の透明性は、角膜内皮細胞のポンプ機能とバリア機能により、含水率が一定に保たれることにより保持される。
【0003】
ヒトの角膜内皮細胞は、出生時には1平方ミリメートル当たり約3000個の密度で存在しているが、一度障害を受けると再生する能力は極めて限定的である。フックス角膜内皮ジストロフィは、角膜の内側の内皮細胞が異常を来して角膜の浮腫を生じたりする疾患であり、その原因は不明である。フックス角膜内皮ジストロフィでは、コラーゲン等の細胞外マトリクスが角膜の後部にあるデスメ膜の後面の一部分に沈着しグッテー(Corneal guttae)およびデスメ膜の肥厚を生じる。グッテー(Corneal guttae)およびデスメ膜の肥厚はフックス角膜内皮ジストロフィ患者における羞明、霧視の原因であり患者のQOLを著しく損なう。フックス角膜内皮ジストロフィは角膜移植以外に有効な治療法はないとされるが、日本での角膜提供は不足しており、角膜移植の待機患者約2600人に対し、年間に国内で行われている角膜移植件数は1700件程度である。
【0004】
フックス角膜内皮ジストロフィについては、フックス角膜患者由来の角膜内皮細胞の培養(非特許文献1および3)や不死化の報告(非特許文献2)があるが、細胞外マトリックスの過剰産生を伴うなどの疾患の特徴を維持した、治療薬、進行予防薬のスクリーニングに適切な細胞の報告はないため、その治療薬の開発には限界があり、現在のところ臨床で使用されている治療薬は存在せず角膜移植に頼らざるを得ない。
【0005】
また特許文献1は、角膜の線維症および/または濁りを治療するためのTGF-β1インヒビターペプチドを開示する。特許文献2はTGF-β1,2,3に結合する抗体を開示する。特許文献3は、角膜内皮障害の治療にNrf2アゴニストまたはアクチベーターが使用され得ること角膜内皮障害の治療にNrf2アゴニストまたはアクチベーターが使用され得ることを開示する。特許文献4は、トランスフォーミング増殖因子TGF-β1(TGF-β1)と結合することができ、かつ、サイトカインとの直接的結合によりTGF-β1の生物活性の強力な阻害剤となるペプチドを開示する。特許文献5は、BMP‐7ポリペプチドを含む瘢痕形成抑制剤を開示する。特許文献6は、TGFβ阻害作用が治療上または予防上有効である疾患として、角膜障害を概括的に記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2013-520405公報
国際公開2012/167143号パンフレット
国際公開2012/009171号パンフレット
特表2007-525204号公報
特表2006-508169号公報
国際公開2004/018430号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
Zaniolo K, et al. Exp Eye Res.;94(1):22-31. 2012
Azizi B, et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2;52(13):9291-9297. 2011
Kelliher C. et al. Exp Eye Res Vol.93(6), 880-888, 2011
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)経路を阻害することにより、フックス角膜内皮ジストロフィ等に見られる、コラーゲン等の細胞外マトリクス(ECM)の沈着を抑えることができることを見出し、ECM関連の障害を処置または予防しうる技術を見出し、本発明を完成した。したがって、本願発明は以下のような発明を提供する。
(1)TGFβシグナル阻害剤を含む、角膜内皮の細胞外マトリクス(ECM)異常に関連する疾患、障害または状態の処置または予防薬。
(2)前記疾患、障害または状態は、フックス角膜内皮ジストロフィに関する障害である、項目1に記載の処置または予防薬。
(3)前記疾患、障害または状態は、フックス角膜内皮ジストロフィにおける羞明、霧視、視力障害、眼痛、流涙、充血、疼痛、水疱性角膜症、眼の不快感、コントラスト低下、グレア、角膜実質の浮腫、水疱性角膜症および角膜混濁からなる群より選択される少なくとも1つを含む、項目1または2に記載の処置または予防薬。
(4)前記TGFβシグナル阻害剤は、4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミド、BMP-7、抗TGF-β抗体、抗TGF-βレセプター抗体、TGF-βのsiRNA、TGF-βレセプターのsiRNA、TGF-βのshRNA、TGF-βレセプターのshRNA、TGF-βのアプタマー、TGF-βレセプターのアプタマー、TGF-βのアンチセンスオリゴヌクレオチド、6,7-ジメトキシ-2-((2E)-3-(1-メチル-2-フェニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル-プロプ-2-エノイル))-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノロン、3-(6-メチル-2-ピリジニル)-N-フェニル-4-(4-キノリニル)-1H-ピラゾール-1-カルボチオアミド、2-(3-(6-メチルピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1,5-ナフチリジン、6-(4-(ピペリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)-3-(ピリジン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、2-(5-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-[(4-ピリジニル)アミノ]プテリジン、4-[3-(2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-キノリン、それらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはその薬学的に受容可能な塩の溶媒和物を少なくとも1種含む、項目1~3のいずれか1項に記載の処置または予防薬。
(5)前記TGF-βシグナル阻害剤は、4-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-
イル)-5-(2-ピリジニル)-1H-イミダゾール-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を含む、項目1~4のいずれか1項に記載の処置または予防薬。
(6)前記角膜内皮は霊長類のものである、項目1~5のいずれか1項に記載の処置または予防薬。
(7)前記角膜内皮はヒトのものである、項目1~6のいずれか1項に記載の処置または予防薬。
(8)さらなる医薬成分を含む、項目1~7のいずれか1項に記載の処置または予防薬。(9)点眼薬である、項目1~8のいずれか1項に記載の処置または予防薬。
(10)角膜内皮の細胞外マトリクス(ECM)異常に関連する障害の処置または予防のためのTGFβシグナル阻害物質。
(10A)前記TGFβシグナル阻害物質は、(1)~(9)のいずれか1項の阻害剤の特
徴を有する、(10)に記載のTGFβシグナル阻害物質。
(11)被験体における角膜内皮の細胞外マトリクス(ECM)異常に関連する障害の処置または予防のための方法であって、該方法は該被験体に対して有効量のTGFβシグナル阻害剤を投与する工程を包含する、方法。
【0009】
本発明において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供されうることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、従来角膜移植しか治療方法がなかったフックス角膜内皮ジストロフィのような細胞外マトリクス(ECM)異常に関連する疾患を処置または予防しうる医薬であって点眼薬等でも実現可能な技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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