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公開番号2025123212
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2025020225
出願日2025-02-10
発明の名称うま味および/またはコクを増強するための剤および方法ならびに加工食品の製造方法
出願人Bフードサイエンス株式会社
代理人弁理士法人佐川国際特許商標事務所
主分類A23L 5/00 20160101AFI20250815BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 うま味物質の添加によることなく、タンパク質含有食品のうま味やコクを増強する技術を提供する。
【解決手段】 エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼを有効成分とする、タンパク質含有食品のうま味および/またはコクの増強剤。本発明によれば、タンパク質含有食品に、エンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼとを接触させるという簡便な工程により、うま味やコクを増強することができる。よって、タンパク質含有食品を用いる加工食品の商品価値の向上に寄与することができる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼを有効成分とする、タンパク質含有食品のうま味および/またはコクの増強剤。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
さらに有効成分として下記(ア)または(イ)の還元水飴を含有する、請求項1に記載の剤;
(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(イ)デキストロース当量が10以上36以下の水飴を還元してなる還元水飴。
【請求項3】
タンパク質含有食品が、肉類、魚介類、卵類、乳類および大豆加工品からなる群から選択される食品である、請求項1または2に記載の剤。
【請求項4】
タンパク質含有食品に、エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼを接触させる工程を有する、うま味および/またはコクの増強方法。
【請求項5】
さらに下記(ア)または(イ)の還元水飴をタンパク質含有食品に接触させる工程を有する、請求項4に記載の増強方法;
(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(イ)デキストロース当量が10以上36以下の水飴を還元してなる還元水飴。
【請求項6】
タンパク質含有食品が、肉類、魚介類、卵類、乳類および大豆加工品からなる群から選択される食品である、請求項4または5に記載の増強方法。
【請求項7】
タンパク質含有食品に、うま味および/またはコクを増強するためにエンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼを接触させる工程を有する、加工食品の製造方法。
【請求項8】
さらに下記(ア)または(イ)の還元水飴を、うま味および/またはコクを増強するために、タンパク質含有食品に接触させる工程を有する、請求項7に記載の製造方法;
(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(イ)デキストロース当量が10以上36以下の水飴を還元してなる還元水飴。
【請求項9】
タンパク質含有食品が、肉類、魚介類、卵類、乳類および大豆加工品からなる群から選択される食品である、請求項7または8に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼの新規用途に関し、詳細には、エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼを用いる、うま味および/またはコクの増強剤、うま味およびコクの増強方法ならびに加工食品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
「うま味」は、甘味、酸味、塩味および苦味に続く5番目の基本味(ほかの味を混ぜ合わせてもつくることのできない独立した味)であり、食味の重要な構成要素である。うま味は舌で感じる味であるが、このうま味を感じさせる原因物質(うま味物質)は、グルタミン酸(アミノ酸)やイノシン酸(核酸)、グアニル酸(核酸)にナトリウムやカリウムなどのイオンが結合した塩類(グルタミン酸ナトリウムなど)であることが知られている。その他、アスパラギン酸(アミノ酸)やアデニル酸(核酸)の塩類もうま味物質の一種であり、グルタミン酸に比べ、弱いうま味をもっている。また、コハク酸(有機酸)も貝の特徴的な味を構成している物質であり、うま味物質とする学説もある(非特許文献1)。
【0003】
一方、「コク(こく)」は、一説には、「味、香り、食感に関する複数の刺激で生ずるものであり、それらがバランスよく与えられ、濃厚感(複雑さ、あつみ:complexity)、持続性(lastingness)、および広がり(mouthfulness)がある時に感じられる味わい」と定義される(非特許文献2)。すなわち、コクは「複雑さ」、「広がり」および「持続性」を構成要素とする食味ということができる。コクを付与ないし増強する物質は、味、香り、食感のそれぞれに関して多数存在するが、少なくとも、味に関するものとして、うま味物質がコクを付与ないし増強することが知られている(非特許文献3)。
【0004】
食品にいかに好ましい食味を付与するかは、産業上重要な課題である。食品の中でも特に、肉類や魚介類、卵類、乳類、大豆加工品といったタンパク質を多く含む食品は、元来うま味を比較的多く有するため、これを用いる加工食品には、強いうま味が期待される場合が多い。従来、食品のうま味を増強するためには、グルタミン酸ナトリウム等のうま味物質を添加することが行われていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター、トップページ>うま味の知識>うま味の基本情報、[online]、[令和6年1月19日検索]、インターネット<https://www.umamiinfo.jp/what/whatisumami/>
西村敏英、江草(雜賀)愛:食べ物の「こく」とおいしさ-その定義と寄与成分-、月刊フードケミカル、2014年8月、第352号、第25-31頁
太陽化学株式会社、TOP>食と健康Lab>学術コラム>食べ物のおいしさを引き出す「こく」の定義と寄与成分、[online]、[令和6年1月19日検索]、インターネット<https://www.taiyokagaku.com/lab/column/18/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者らは、うま味物質の添加によることなく、タンパク質含有食品のうま味を向上することを課題とし、鋭意研究を行った。その結果、エンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼとを併用することにより、これら食品のうま味やコクを顕著に増強できることを見出した。さらに、エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼと低糖化還元水飴とを併用することにより、タンパク質含有食品のうま味やコクを顕著に増強できることを見出した。すなわち、本発明は、タンパク質含有食品のうま味やコクを増強する技術を提供することを課題とする。
【0007】
ここで、上述のように、グルタミン酸やアスパラギン酸といったアミノ酸の塩もうま味物質であることから、タンパク質を多く含む食品にエキソペプチダーゼを作用させてうま味が向上することは、予想されるところである。しかしながら、意外なことに、後述する実施例で示すように、エキソペプチダーゼのみを肉類に作用させてもうま味増強効果は得られず、エンドペプチダーゼを併用してはじめて、高いうま味増強効果が得られる。そこで、これらの知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係るタンパク質含有食品のうま味および/またはコクの増強剤(以下、「本剤」という場合がある。)は、エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼを有効成分とする。
【0009】
(2)本剤は、さらに有効成分として下記(ア)または(イ)の還元水飴を含有するものであってもよい;
(ア)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴(低糖化還元水飴)、
(イ)デキストロース当量が10以上36以下の水飴を還元してなる還元水飴(低糖化還元水飴)。
【0010】
(3)本発明において、タンパク質含有食品は、肉類、魚介類、卵類、乳類および大豆加工品からなる群から選択される食品であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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