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公開番号
2025122582
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-21
出願番号
2024018188
出願日
2024-02-08
発明の名称
筋分化促進用組成物、及び筋肉増強用組成物
出願人
株式会社明治
,
国立大学法人九州大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
A61K
31/352 20060101AFI20250814BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】カカオの成分であるプロシアニジンの新規用途を提供する。
【解決手段】プロシアニジンを、筋分化を促進するために使用される組成物(筋分化促進用組成物)、筋肉を増強するために使用される組成物(筋肉増強用組成物)、速筋線維の発現を促進するために使用される組成物(速筋線維発現促進用組成物)、及び筋肉の速筋化を促進するための組成物(筋肉速筋化促進用組成物)の有効成分として用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
プロシアニジンを有効成分として含む、筋分化促進用組成物。
続きを表示(約 180 文字)
【請求項2】
プロシアニジンを有効成分として含む、筋肉増強用組成物。
【請求項3】
プロシアニジンを有効成分として含む、速筋線維発現促進用組成物。
【請求項4】
プロシアニジンを有効成分として含む、筋肉速筋化促進用組成物。
【請求項5】
経口組成物である、請求項1~4のいずれかに記載する組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋分化促進作用を有し、筋肉を増強するために用いられる筋肉増強用組成物に関する。また本発明は、速筋線維の発現を促進する作用を有し、筋肉の速筋化を促進するために用いられる筋肉速筋化促進用組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
骨格筋は様々な生理学的プロセスに関与する多機能の組織である。例えば、骨格筋は、エネルギー代謝、糖等の体内への取り込み、並びに、歩行や姿勢の維持等の日常動作及び運動等の身体活動において重要な役割を担っている。骨格筋は、まず、筋衛星細胞が細胞分裂により筋芽細胞に分化し、次いで筋芽細胞が筋管細胞に分化し、筋管細胞が融合した筋線維となり、その細胞間を結合細胞が埋めて筋束を構成し、筋束が集まって、最終的に骨格筋が形成される。このため、骨格筋の基本単位となる筋線維の形成には、その形成過程において、筋衛星細胞及び筋芽細胞を効率よく分化させることが重要となる。
【0003】
またヒトの骨格筋は、様々なタイプの筋線維から構成されている。例えば、収縮および代謝特性に基づいて筋線維型は、I型(遅筋型)(slow-twitch, slow oxidative)とII型(速筋型)に分類され、さらにII型は、IIa型(fast-twitch, fast oxidative)、IIx型(fast-twitch, intermediate)、及びIIb型 (fast-twitch, fast glycolytic)の3つに分類される。遅筋線維は、収縮が遅く発揮する力は小さいものの、ミトコンドリアとミオグロビンの含有量が豊富で、長時間収縮できる性質を有し、高い持久力(疲労耐性)を有することを特徴とする。このため、有酸素運動で持久力が要求される運動に重要な筋線維である。一方、速筋線維はミトコンドリアとミオグロビンの含有量が少なく、持久力(疲労耐性)には劣るものの、収縮が素早く、高いパワーを発揮する性質を有する。このため、瞬発力が要求される運動に重要な筋線維である。
【0004】
筋線維は、例えば神経筋活動の増減、力学的負荷の増減、ホルモン分泌の変化(特に甲状腺ホルモン)、加齢等の様々な条件によって、その表現型が、速筋型から遅延型へ又は遅筋型から速延型へと、可変的に変化する動的な構造物である。
速筋線維は、前述するように、瞬間的に強い力を発揮することができるため、骨格筋線維の効率的な形成及び速筋線維への変換は、身体の健康増進のみならず、とりわけ瞬発力が必要とされる運動のパフォーマンス向上にとって重要である。また、加齢(老化)による筋肉の委縮(細くなる)は、速筋線維の減少により、瞬発的に大きな力を発揮する能力が先に衰えていく。老人が転倒しやすいのは、つまずいた時にもう一方の足が素早く反応出来ないことが一因である。このため、加齢に伴う筋能力の低下を抑制し、より長く健康的な日常生活をおくるうえでも、筋肉、特に速筋線維を強化し増やす必要性は大きい。
【0005】
従来、カテキンを主成分とする緑茶抽出物が脂質代謝を改善することによって、持久力を増強すること(非特許文献1)、また発酵茶から抽出される高分子ポリフェノールに筋肉遅筋化促進作用があること(特許文献1)が知られている。しかし、これらはいずれも遅筋線維を増やすものであり、速筋線維への分化を促進することで筋肉を増強することは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-37323号公報
【非特許文献】
【0007】
Murase T et al., Green tea extract improves endurance capacity and increase muscle lipid oxidation in mice. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 2005; 288; R708-715
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、筋分化を促進するために使用される組成物(筋分化促進用組成物)、筋肉を増強するために使用される組成物(筋肉増強用組成物)、速筋線維の発現を促進するために使用される組成物(速筋線維発現促進用組成物)、及び筋肉の速筋化を促進するための組成物(筋肉速筋化促進用組成物)を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、後述する実験例に示すように、カカオ由来成分であるプロシアニジンC1(PC1)が、腸管上皮を介して、筋分化マーカーとなる遺伝子(MyoD、Myogenin)の発現を誘導することを見出し、この知見から、PC1を経口摂取することにより、筋分化を促進することができ、その結果、筋肉(骨格筋)を増強できる可能性を見出した。さらに、本発明者らは、PC1が、腸管上皮を介して、速筋線維遺伝子(MyhcIIa)の発現を有意に誘導することを見出し、この知見から、PC1を経口摂取することにより、速筋線維の発現を促進することができ、その結果、筋肉の速筋化を促すこと(速筋型筋肉の増強)ができる可能性を見出した。
【0010】
これらの知見から、本発明者らは、当該プロシアニジンが筋分化促進用組成物、筋肉増強用組成物、速筋線維発現促進用組成物、及び筋肉速筋化促進用組成物の有効成分として有効であることを確認した。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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