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公開番号2025118711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025073295,2022513155
出願日2025-04-25,2020-08-28
発明の名称遺伝子発現を調節するためのシステム
出願人ベイラー カレッジ オブ メディスン,BAYLOR COLLEGE OF MEDICINE
代理人個人,個人
主分類C12N 15/115 20100101AFI20250805BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】遺伝子発現を調節するためのシステムの提供。
【解決手段】いくつかの実施形態では、遺伝子発現を調節するためのシステムであって、5’から3’の方向で、a)5’スプライスドナー部位と、b)操作されたイントロンと、c)第1の3’スプライスアクセプター部位と、d)1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、e)第2の3’スプライスアクセプター部位と、f)発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列と、を含む、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む、システムが提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月30日出願の米国仮出願第62/894,611号、2019年9月23日出願の米国仮出願第62/904,635号、及び2020年6月24日出願の米国仮出願第63/043,504号の優先権を主張し、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 6,300 文字)【0002】
政府のライセンス権
本発明は、米国立衛生研究所によって授与されたEB013584の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
遺伝子の発現を調節するための核酸ベースの構築物は、感受性を増加させ、漏出性を低減させることによって改善することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、調節可能な遺伝子産物の発現に関連する核酸構築物の発見を認識する。いくつかの実施形態では、本開示は、核酸構築物を使用する遺伝子発現の調節のための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、核酸構築物における遺伝子発現の調節における選択的スプライシングの有用性を認識する。いくつかの実施形態では、本開示は、リガンド結合アプタマーを利用して遺伝子発現を調節することの有用性を認識する。
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、5’から3’の方向で、5’スプライスドナー部位と、操作されたイントロンと、第1の3’スプライスアクセプター部位と、1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、第2の3’スプライスアクセプター部位と、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列と、を含む、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む、遺伝子発現を調節するためのシステムを提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、3つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、スリーウェイジャンクションを含むポリAスイッチを含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションは、1つ以上のRNA二本鎖ステムのジャンクションを含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションの部分は一本鎖である。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、リガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、5’UTRを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞における遺伝子産物の発現を調節するための方法を提供する。本方法は、細胞に、5’から3’方向で、5’スプライスドナー部位と、操作されたイントロンと、第1の3’スプライスアクセプター部位と、1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、第2の3’スプライスアクセプター部位と、を含むシステムを導入するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって発現される遺伝子産物は、細胞に対して外因性である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって発現される遺伝子産物は、細胞に対して内因性である。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体の1つ以上の細胞において生じ、リガンドはグルコースであり、個体は糖尿病、糖尿病前症、または糖尿病による合併症を有し、及び/または発現可能なポリヌクレオチドはインスリンである。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体の1つ以上の細胞において生じ、発現可能なポリヌクレオチドは、ヒト成長ホルモン、凝固因子X、またはジストロフィンなどの治療用遺伝子産物である。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体の1つ以上の細胞において生じ、リガンドは、がんバイオマーカーの遺伝子産物であり、発現可能なポリヌクレオチドは、自殺遺伝子である。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体において生じ、発現可能なポリヌクレオチドはレポーター遺伝子であり、レポーター遺伝子の発現の位置及び/または強度は、個体の1つ以上の細胞におけるリガンドの空間分布、時間変動、またはその両方に関する情報を提供する。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体、組織、または細胞において生じ、発現可能なポリヌクレオチドは、検出可能な遺伝子産物をコードし、それぞれの個体、組織、または細胞は、画像化される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
(図1A)本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの態様の概略図を提供する。リガンド誘導性選択的スプライシング及びポリAシグナル切断に基づく「ハイブリッド」スイッチの機構を示す。 (図1B)本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの態様の概略図を提供する。Y字型ポリAスイッチの構成を示す。Y字型構造の異なる部分の名称がラベル付けされている。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの態様の概略図を提供する。代表的なY字型ポリAスイッチY196CAAの構成を示す。
同上。
同上。
異なる構成であり、異なる位置に位置付けされたポリA切断シグナルを有する追加のY字型構造の結果を示す。ポリAシグナルは、赤い線で示される。スリーウェイジャンクションはボックスで示される。図2A及び2Bは、スリーウェイジャンクションの周りに異なる配置の3つのアプタマー(アプタマーA、B、及びC)を有する代替的なY字型の構成を示す。図2Cは、スリーウェイジャンクションを有さずに互いに積み重ねられた3つのアプタマーを示す。
同上。
同上。
異なる構成であり、異なる位置に位置付けされたポリA切断シグナルを有する追加のY字型構造の結果を示す。ポリAシグナルは、赤い線で示される。スリーウェイジャンクションはボックスで示される。図2A及び2Bは、スリーウェイジャンクションの周りに異なる配置の3つのアプタマー(アプタマーA、B、及びC)を有する代替的なY字型の構成を示す。図2Cは、スリーウェイジャンクションを有さずに互いに積み重ねられた3つのアプタマーを示す。
同上。
同上。
異なる構成であり、異なる位置に位置付けされたポリA切断シグナルを有する追加のY字型構造の結果を示す。ポリAシグナルは、赤い線で示される。スリーウェイジャンクションはボックスで示される。図2A及び2Bは、スリーウェイジャンクションの周りに異なる配置の3つのアプタマー(アプタマーA、B、及びC)を有する代替的なY字型の構成を示す。図2Cは、スリーウェイジャンクションを有さずに互いに積み重ねられた3つのアプタマーを示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドにおけるポリA切断シグナルの数の改変の結果を示す。図3Aは、2つの異なるステム上に位置する2つのポリAシグナル(赤いボックス)を示す。図3Bは、アーム1-2に部分的に埋設された1つのみのポリAシグナルを示す。図3Cは、2つのポリAシグナル(赤いボックス)がアーム1-2に埋め込まれていることを示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドにおけるポリA切断シグナルの数の改変の結果を示す。図3Aは、2つの異なるステム上に位置する2つのポリAシグナル(赤いボックス)を示す。図3Bは、アーム1-2に部分的に埋設された1つのみのポリAシグナルを示す。図3Cは、2つのポリAシグナル(赤いボックス)がアーム1-2に埋め込まれていることを示す。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドにおけるポリA切断シグナルの数の改変の結果を示す。図3Aは、2つの異なるステム上に位置する2つのポリAシグナル(赤いボックス)を示す。図3Bは、アーム1-2に部分的に埋設された1つのみのポリAシグナルを示す。図3Cは、2つのポリAシグナル(赤いボックス)がアーム1-2に埋め込まれていることを示す。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの改変の結果を示す。図4Lは、最良のスリーウェイジャンクション配列を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドのスリーウェイジャンクションの位置に対するポリAシグナルの改変の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの第3の二本鎖ステム(図1Bにおいてアーム3-1及び3-2と称する)の改変の結果を示す。図6Aは、アーム3-1の改変の結果を示す。図6Bは、アーム3-2の改変の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの第3の二本鎖ステム(図1Bにおいてアーム3-1及び3-2と称する)の改変の結果を示す。図6Aは、アーム3-1の改変の結果を示す。図6Bは、アーム3-2の改変の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの第2の二本鎖ステム(図1Bにおいてアーム2-1及び2-2と称する)の改変の結果を示す。図7Aは、アーム2-2の改変の結果を示す。図7Bは、アーム2-1の改変の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの第2の二本鎖ステム(図1Bにおいてアーム2-1及び2-2と称する)の改変の結果を示す。図7Aは、アーム2-2の改変の結果を示す。図7Bは、アーム2-1の改変の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの第1の二本鎖ステム(図1Bにおいてアーム1-2と称する)の上部の改変の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態の詳細な説明
いくつかの実施形態では、本開示は、調節可能な遺伝子産物発現のための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、調節可能な遺伝子産物発現のための組成物及び方法は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、とりわけ、1つ以上のスプライスドナー部位、1つ以上のスプライスアクセプター部位、操作されたイントロン、ポリAスイッチ、及び発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、少なくとも1つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、少なくとも1つのポリA切断シグナルを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、RNA二本鎖ステムを含む。
【0010】
アプタマー
アプタマーは、受容体のように折り畳まれ、特定のリガンドに結合する短いRNA配列である。特定のリガンドに対する高い親和性を有するアプタマーを生成するための効率的なインビトロ進化方法が十分に確立されている。アプタマーの結合親和性は、多くの場合、抗体の結合親和性に匹敵するナノモル範囲に到達することができる。この点で、アプタマーは、RNAで作製された抗体とみなすことができる。アプタマーを抗体と区別するのは、その小さなサイズ(多くの場合、50塩基未満)及びそのモジュール性質である。これらの特徴により、アプタマーは結合機能を失うことなく他のRNA構造と統合し制御することができる。アプタマーは、自己切断RNAリボザイムを形質転換してリガンド依存的に動作し、試験管内及び細胞内で分子スイッチのように機能することが実証されている。
(【0011】以降は省略されています)

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