TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025109770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2025077506,2021575090
出願日2025-05-07,2020-06-18
発明の名称網状炭素複合材料
出願人アーケマ・インコーポレイテッド
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C08J 9/28 20060101AFI20250717BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、網状フィルム複合材料、及び最大80%の気孔率を含み、圧縮後に高い回復を示す3次元の多孔質及び導電性マトリックスとして適切な網状フィルム複合材料を製造する方法を開示する。
【解決手段】網状フィルム複合材料は、高降伏応力(すなわち、50ダイン/cm2を超える)を示し、溶媒に溶解した高MW樹脂(すなわち、室温の5%NMPでの溶液粘度が100cpを超える)及び比表面積の高い(すなわち、1m2/gを超える、好ましくは10m2/gを超える)炭素の分散ナノ粒子(例には、導電性炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭、又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。)からなるスラリーをキャスティング及び乾燥することによって製造される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
a)樹脂及びb)ナノ粒子を含む網状コーティング又はフィルムであって、
前記網状コーティング又はフィルムは連続多孔質構造を有し、前記多孔質構造は10体積%~80体積%の連続細孔であり、前記樹脂の溶液粘度は約100cp~10,000cp、好ましくは100cp~5000cp(NMPでは5wt%、水溶液ポリマーの場合は2wt%、室温で測定)であり、ナノ粒子は炭素系で表面積が1~10000m
2
/g、好ましくは1~5000m
2
/g、好ましくは1~1000m
2
/gであり、前記フィルムは、圧縮され、次に加熱された後に、少なくとも30%、好ましくは50%、好ましくは55%、好ましくは60%、好ましくは70%の厚さ又は気孔率の回復を示す、網状コーティング又はフィルム。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記樹脂は、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の網状コーティング又はフィルム:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFコポリマー、ポリエチレンテトラフルオリドエチレン(PETFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースCMC、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMAA)、及びそれらのコポリマー、並びにそれらの組み合わせ。
【請求項3】
平均細孔サイズは500nm未満、好ましくは100nm未満、より好ましくは50nm未満である、請求項1又は2に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項4】
前記樹脂は、ポリフッ化ビニリデンのホモポリマー又はコポリマーを含む、請求項1に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項5】
前記樹脂はポリメタクリレートを含む、請求項1に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項6】
前記樹脂はカルボキシメチルセルロースを含む、請求項1に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項7】
前記樹脂はポリアクリル酸及び/又はポリメタクリル酸を含む、請求項1に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項8】
前記ナノ粒子は、グラフェン、カーボンナノチューブ、導電性炭素、活性炭、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項9】
前記ナノ粒子は導電性炭素を含む、請求項1又は2に記載の網状コーティング又はフィルム。
【請求項10】
前記ナノ粒子は活性炭を含む、請求項1又は2に記載の網状コーティング又はフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、網状(多孔質、連続気泡マトリックス構造)フィルム複合材料を製造する方法を開示する。前記複合材料は、導電性複合材料として、燃料電池のガス拡散層として、又は電気二重層コンデンサの高効率電極として適している。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
網状フィルム複合材料は、非常に多孔質の低密度固体フィルムである。網状フォームは、ネットのような非常に連続な構造を指す。同様に、網状フィルム複合材料も非常に連続な気泡構造でできており、大きな比表面積や衝撃時の高エネルギー吸収など、それらのバルク対応物と比較して新規な物理的特性を示す。その卓越した強度対重量比により、触媒媒体、触媒担体、エネルギー貯蔵、減衰、構成部品の構築、及び保護コーティングに最適である。しかしながら、十分な量の炭素(>20%)が固体フィルムに組み込まれる場合、導電性を与えるために、フィルムはしばしば不十分な機械的及び熱的安定性を示す。破壊時の伸びがはるかに低く、それは、脆くて破壊しやすく、フォーム又は網状フィルムに変形できないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
薄い多孔質フィルムは、多くの場合、溶融加工可能なプラスチックで作られ、これは、溶液キャスティング又は押し出しによってフィルムを形成し、次に延伸してフィルム内に30~60%の気孔率を生成する。今日の一般的な薄い多孔質フィルム(厚さ100μm未満)は、一般に、ポリプロピレン(融点約160~165℃)、ポリエチレン(融点約110~135℃)、又はそれらのブレンドに基づくものである。例えば、米国特許第4,620,956号及び第5,691,047号は、ポリオレフィン多孔質フィルム又はセパレーターを製造するための溶融押出及び延伸プロセスを開示し、米国特許第8,064,194号及び第8,012,799号は、ポリオレフィン多孔質フィルム又はセパレーターを製造するための溶液キャスティングプロセスを開示している。米国特許出願第2009/0208832号及び第2010/0183907号に開示されているポリフッ化ビニリデン(PVDF)(溶融温度約165~170℃)で作られた多孔質セパレーターも知られている。このような薄い多孔質フィルムの重大な欠点は、高温での寸法安定性が低いこと、又は収縮につながる可能性のある熱的堅牢性の欠如である。さらに、著者の知る限り、気孔率が20%を超え、体積抵抗率が10,000Ω・cm未満の薄い多孔質導電性フィルム(厚さ100μm未満)はない。
【0004】
PVDFは、その優れた電気化学的耐性及びフルオロポリマー間の優れた接着性のために、非水性電解質デバイスのセパレーター用のバインダー又はコーティングとして有用であることが発見されている。セパレーターは、電池のアノードとカソードの間にバリアを形成し、高イオン輸送を実現しながら電子短絡を防ぐ。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びその共重合体は、耐久性のあるコーティング、ワイヤージャケット、リチウムイオン電池のバインダー、化学薬品の配管、連続気泡及び独立気泡フォームなど、多くの用途で使用されている。ただし、高い絶縁性を示すため、導電性になるには30%以上の炭素が必要である。このような高い炭素負荷では、PVDF-炭素複合材料から低密度のフォーム又はフィルムを作成することはほぼ不可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1は、4%の固形分を有するスラリーからキャスティングされた40/60の比率のPVDF/炭素で作られた本発明の複合材料の高解像度写真である。炭素はデンカブラックLi435(デンカ製)であり、PVDFはKynar(登録商標)HSV-1810(Arkema製)。複合材料は120℃のオーブンで30分間乾燥させた。
【発明を実施するための形態】
【0006】
「コポリマー」は、2つ以上の異なるモノマー単位を有するポリマーを意味するために使用される。「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを含むために使用される。樹脂とポリマーは同じ意味で使用される。ポリマーは、均質、不均質であり得、コモノマー単位の勾配分布を有し得る。引用されたすべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、特に明記されていない限り、パーセントは重量パーセントを意味するものとする。結晶化度及び融解温度は、ASTMD3418に記載されているように、10℃/分の加熱速度でDSCによって測定される。溶融粘度は、232℃でASTMD3835に従って測定され、100sec
-1
においてkPoiseで表される。ポリマーの希薄溶液粘度と還元粘度は、ASTMD2857に記載されているように室温で測定される。
【0007】
網状フィルム又はコーティングとは、多孔質の連続気泡マトリックス構造を有するフィルム又はコーティングを意味する。「連続気泡」とは、細孔が囲まれていないことを意味する。流体は細孔間を移動できる。ボイドの割合又は気孔率は、連続気泡マトリックスを圧縮するか、密度を測定するか、又はボイドを液体で満たして密度の変化を測定することによって測定できる。好ましくは、ボイドは密度によって測定される。
【0008】
ナノサイズのフィラー又はナノサイズの粒子は、フィラー又は粒子のサイズが1μm未満、好ましくは500nm未満、好ましくは200nm未満であることを意味する。ナノサイズの粒子は100nm未満にすることができる。粒子サイズは、光散乱(NicomやMicrotechの機器など)によって測定された体積平均粒子サイズである。
【0009】
高比表面積粒子とは、粒子の表面積が1m
2
/gよりも大きく、好ましくは5m
2
/gよりも大きく、より好ましくは10m
2
/gよりも大きいことを意味する。好ましくは、1m
2
/g~10000m
2
/g、好ましくは、1m
2
/g~5000m
2
/g、1m
2
/g~1000m
2
/g、より好ましくは1m
2
/g~700m
2
/g、さらにより好ましくは10m
2
/g~500m
2
/gである。粒子の表面積は5m
2
/g~700m
2
/gであり得る。一部の高比表面積粒子は、3次元の分岐構造を有する。これは、大きなアスペクト比の粒子をもたらし得るフラクタル形状と呼ばれることがある。フラクタル形状は、3次元の分岐を持つ集合体である。例えば、導電性炭素構造の一次粒子は、3次元の分岐構造に凝集する可能性がある。これは、緊密に結合された多くの一次粒子で構成されている。
【0010】
高分子量とは、ASTMD2857を使用して、室温(25℃)のNMPにおいて5%で測定される少なくとも100cp、好ましくは100cp~10,000cp、より好ましくは100cp~5000cpの溶液粘度、又は粘度が低下していることを意味し、Rvは、少なくとも0.2dl/g、最大2dl/gである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東ソー株式会社
摺動部材
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東レ株式会社
多孔質構造体
3か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
2か月前
東レ株式会社
CPUソケット
2か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
2か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
2か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
20日前
東レ株式会社
CPUソケット
2か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミド
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
27日前
愛知電機株式会社
加熱処理設備
1か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
3か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸溶液
3か月前
花王株式会社
樹脂組成物
20日前
東ソー株式会社
ハロゲン含有ポリマー
3か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物及び加硫ゴム
3か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
1か月前
日本製紙株式会社
樹脂組成物
3か月前
富士フイルム株式会社
組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
熱可塑性材料用組成物
20日前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
2か月前
東亞合成株式会社
硬化性組成物
21日前
株式会社クラレ
水性エマルジョン及び接着剤
1か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
2か月前
住友精化株式会社
吸水性樹脂粒子の製造方法
3か月前
東ソー株式会社
セルロース樹脂含有樹脂組成物
3か月前
株式会社イーテック
組成物
2か月前
大日精化工業株式会社
樹脂成形品
2か月前
東レ株式会社
プリプレグおよびその製造方法。
21日前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
2か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
2か月前
ユニチカ株式会社
ポリ尿素およびその製造方法
3か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
2か月前
株式会社大阪ソーダ
圧電デバイス用ポリマー材料
2か月前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物およびタイヤ
2か月前
続きを見る