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公開番号
2025107859
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-22
出願番号
2024001361
出願日
2024-01-09
発明の名称
内部品質に優れたニッケル合金、合金板およびその製造方法
出願人
日本冶金工業株式会社
代理人
個人
主分類
C22C
19/03 20060101AFI20250714BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】内部品質に影響を及ぼす空隙欠陥を無害化し、内部品質の優れたニッケル合金を提供する。
【解決手段】以下mass%で、Ni:99.00%以上、C:0.001~0.020%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.01~0.30%、P:0.001~0.015%、S:0.0001~0.0030%、Al:0.001~0.130%、Fe:0.40%以下、O:0.0003~0.0050%、Mg:0.003~0.030%、B:0.0001~0.0050%、H:0.0030%以下で、残部が不可避的不純物から成る内部品質に優れるニッケル合金。合金中のH、P、S、Mgのmass%から計算される式1および式2のうち、いずれか一方あるいは両方を満たしていると好ましい。
(20×H)×(2×P+10×S+3×Mg)×10
4
≦15.0…(式1)
(25×S+3×Mg)÷H≧28.0…(式2)
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
Ni:99.00mass%以上、C:0.001~0.020mass%、Si:0.01~0.30mass%、Mn:0.01~0.30mass%、P:0.001~0.015mass%、S:0.0001~0.0030mass%、Al:0.001~0.130mass%、Fe:0.40mass%以下、O:0.0003~0.0050mass%、Mg:0.003~0.030mass%、B:0.0001~0.0050mass%、H:0.0030mass%以下であり、残部が不可避的不純物から成ることを特徴とする内部品質に優れるニッケル合金。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記ニッケル合金中のH、P、S、Mgの化学成分(mass%)から計算される式1および式2で示される下記関係式のうち、いずれか少なくとも一方を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の内部品質に優れるニッケル合金。
(20×H)×(2×P+10×S+3×Mg)×10
4
≦15.0 …(式1)
(25×S+3×Mg)÷H≧28.0 …(式2)
【請求項3】
前記関係式のうち、前記式1および前記式2の両方を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の内部品質に優れるニッケル合金。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のニッケル合金からなる内部品質に優れるニッケル合金板であって、連続鋳造機により鋳造されたニッケル合金のスラブの鋳造方向と垂直な断面において、厚み中心から1/5厚みの範囲に存在するポロシティーのサイズが円相当直径にて、いずれも5.0mm以下であり、かつ円相当直径にて0.5mm以上のポロシティーの合計面積率(=ポロシティー面積合計/検査面積×100)が、0.60%以下であることを特徴とするスラブを製造し、続けて熱間圧延または熱間圧延および冷間圧延を実施して得られることを特徴とする内部品質に優れるニッケル合金板。
【請求項5】
連続鋳造機により鋳造したスラブの厚みと、前記スラブを熱間圧延後のニッケル合金板の厚みから計算される圧下率(=(スラブの厚み―ニッケル合金板の厚み)/スラブの厚み×100)が97.0%以上であることを特徴とする請求項4に記載の内部品質に優れたニッケル合金板。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかに記載のニッケル合金の製造方法であって、電気炉にて原料を溶解し、次いで、電気炉および/またはAODおよび/またはVODにおいて脱炭し、水分量を0.20mass%以下に乾燥した石灰および蛍石を投入し、CaO-SiO
2
-Al
2
O
3
-MgO-F系スラグを作製し、さらに、Siおよび/またはAlを投入し、脱酸、脱硫を行い、LFにてAr攪拌による介在物浮上を促しながら温度および成分調整をした後、水分量0.20mass%以下の連続鋳造用モールドパウダーを使用し連続鋳造でスラブを製造することを特徴とする内部品質に優れたニッケル合金の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載のニッケル合金板の製造方法であって、電気炉にて原料を溶解し、次いで、電気炉および/またはAODおよび/またはVODにおいて脱炭し、水分量を0.20mass%以下に乾燥した石灰および蛍石を投入し、CaO-SiO
2
-Al
2
O
3
-MgO-F系スラグを作製し、さらに、Siおよび/またはAlを投入し、脱酸、脱硫を行い、LFにてAr攪拌による介在物浮上を促しながら温度および成分調整をした後、水分量0.20mass%以下の連続鋳造用モールドパウダーを使用し連続鋳造でスラブを製造し、続けて熱間圧延または熱間圧延および冷間圧延を実施することを特徴とする内部品質に優れたニッケル合金板の製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載のニッケル合金板の製造方法であって、電気炉にて原料を溶解し、次いで、電気炉および/またはAODおよび/またはVODにおいて脱炭し、水分量を0.20mass%以下に乾燥した石灰および蛍石を投入し、CaO-SiO
2
-Al
2
O
3
-MgO-F系スラグを作製し、さらに、Siおよび/またはAlを投入し、脱酸、脱硫を行い、LFにてAr攪拌による介在物浮上を促しながら温度および成分調整をした後、水分量0.20mass%以下の連続鋳造用モールドパウダーを使用し連続鋳造でスラブを製造し、続けて熱間圧延または熱間圧延および冷間圧延を実施することを特徴とする内部品質に優れたニッケル合金板の製造方法。
【請求項9】
連続鋳造機により鋳造したスラブの厚みと、前記スラブを熱間圧延後のニッケル合金板の厚みから計算される圧下率(=(スラブの厚み―ニッケル合金板の厚み)/スラブの厚み×100)を97.0%以上とすることを特徴とする請求項7に記載の内部品質に優れたニッケル合金板の製造方法。
【請求項10】
連続鋳造機により鋳造したスラブの厚みと、前記スラブを熱間圧延後のニッケル合金板の厚みから計算される圧下率(=(スラブの厚み―ニッケル合金板の厚み)/スラブの厚み×100)を97.0%以上とすることを特徴とする請求項8に記載の内部品質に優れたニッケル合金板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、Ni含有量が99.00mass%以上含有するニッケル合金およびこれを用いたニッケル合金板に関するものであり、ニッケル合金の微量成分であるP、Mg、S、Hなどを精緻に制御し、連続鋳造で鋳造したニッケル合金スラブの断面におけるポロシティー量を低減した内部品質に優れたニッケル合金、ニッケル合金板およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
Niを99.00mass%以上含有するニッケル合金は、優れた耐食性を有しており、また耐熱性も有していることから、化学工業や電子部品材料、航空宇宙産業など、幅広い分野に使用されている合金である。ここで、ニッケル合金の主要成分を占めるニッケルは、鉄と比較すると、非常に高価な金属であるため、歩留を向上させることは、製造コストを抑えるうえで非常に重要である。連続鋳造工程において、不可避的に発生するセンターポロシティーを起因とする空隙欠陥は、打ち抜き加工や切削加工、溶接加工などを行う場合、加工時に割れの起点になるなど、最終の製品品質および歩留に大きな影響を与える場合がある。
【0003】
ここで、高い歩留を有するニッケル合金の製造方法はいくつか開示されている。
特許文献1では、ホウ素を4~100ppm含有させ、さらに冷間圧延にて、各パスの平均圧力を制御することにより高い生産性と歩留を有したニッケル冷間圧延コイルを得る技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2では、非金属介在物組成を制御し、MgO・Al
2
O
3
介在物の個数を抑制することにより、表面品質に優れたニッケル合金板を製造する技術が公開されている。
【0005】
しかしながら、上記技術はいずれも表面品質に着目したものであり、特に内部品質が重要な用途に対しては適していない。
【0006】
また、内部品質、特に空隙欠陥を改善する技術も開示されている。特許文献3では、C≦0.18%の溶鋼を連続鋳造する際、鋳片の中心部の固相率が90~98%の部分を、圧下ロールにて、2~5%の圧下加工率で1回圧下することにより、内部品質に優れた連続鋳造鋳片の製造方法を開示している。
【0007】
特許文献4は、クロム含有溶鋼を連続鋳造する際、鋳片の表面温度およびロール反力から、鋳片の圧下を開始する位置を決定し、適切に圧下することにより、内部品質に優れた溶鋼クロム含有溶鋼を製造する技術である。
【0008】
しかしながら、上記技術はFeを主成分とするFe基合金に関するものであるため、本願が対象としているNiを99.00mass%以上含有するニッケル合金には適用できない。また、これらのFe基合金は、Fe以外にも他成分を多く含有しているのに対し、Niを99.00mass%以上含有しているニッケル合金においては、凝固や偏析の挙動が大きく異なり、センターポロシティー起因の空隙欠陥の生成および圧着挙動に大きな影響を及ぼす。すなわち、ニッケル合金における内部品質に関する問題は、まだ残ったままであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第5246547号公報
特許第7015410号公報
特開平7-80615号公報
特開平11-123517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の問題に鑑み、本願発明では、内部品質に影響を及ぼすポロシティーすなわち空隙欠陥を無害化し、内部品質の優れたニッケル合金を製造する方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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