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公開番号2025106387
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-15
出願番号2025061793,2023010950
出願日2025-04-03,2018-03-08
発明の名称悪臭調節化合物の同定方法
出願人フイルメニツヒ ソシエテ アノニム,Firmenich SA
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20250708BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】三硫化ジメチル(DMTS)などの悪臭化合物の阻害剤、調節剤または中和剤を同定するために使用され得るアッセイを提供する。
【解決手段】本明細書では、悪臭の原因となる物質DMTSに結合するポリペプチドが提供される。また、該ポリペプチドをコードする核酸配列も提供される。さらに、本明細書では、悪臭の原因となる物質DMTSによって活性化される1つ以上の嗅覚受容体の活性を結合、抑制、遮断、阻害、かつ/または調節する化合物を同定する方法であって、a)受容体、またはキメラもしくはその断片を、化合物と接触させること;およびb)化合物が受容体の活性に影響を及ぼすかどうかを判断することを含む、方法が提供される。さらに、記載されたポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターならびにDMTSによって活性化される受容体を発現するように改変された非ヒト生物または宿主細胞が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
悪臭の原因となる物質によって活性化される嗅覚受容体の活性を結合、抑制、遮断、阻害、かつ/または調節する化合物を同定する方法であって:
a.試験物質および悪臭の原因となる物質を、Olfr1193、Olfr1093、Olfr1097、Olfr166、Olfr169、Olfr738、Olfr742、Olfr207、Olfr665、Olfr669、Olfr1211、OR52N5、OR2L13、OR2AJ1、OR4C15、OR5AC2、OR8H3、OR11G2、OR52N2、およびOR5T1からなる群から選択される少なくとも1つの嗅覚受容体に接触させること;
b.前記嗅覚受容体の応答を、前記試験物質の存在下および非存在下で測定することにより、前記悪臭の原因となる物質に対する前記嗅覚受容体の応答を測定すること;
c.前記試験物質の存在下および非存在下で測定された応答に基づいて、前記嗅覚受容体の応答を調節する試験物質を同定すること;および
d.前記同定された試験物質を、前記悪臭の原因となる物質に対する前記嗅覚受容体の応答を調節する化合物として選択すること
を含み、
ここで、前記悪臭の原因となる物質は、三硫化ジメチル(DMTS)または二硫化ジメチル(DMDS)である、方法。
続きを表示(約 3,300 文字)【請求項2】
悪臭抑制剤を同定する方法であって、
a.試験物質および悪臭の原因となる物質を少なくとも1つの嗅覚受容体に接触させることであって、前記受容体が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むこと;
b.前記悪臭の原因となる物質に対する前記嗅覚受容体ポリペプチドの応答を測定すること;
c.前記測定された応答に基づいて、前記嗅覚受容体の応答を抑制できる試験物質を同定すること;および
d.前記嗅覚受容体の応答を抑制する前記試験物質を、悪臭抑制剤として選択すること
を含み、
ここで、前記悪臭の原因となる物質がDMTSまたはDMDSである、方法。
【請求項3】
悪臭の原因となる物質によって活性化される少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を結合、抑制、遮断、阻害、かつ/または調節する化合物を同定する方法であって、
a.前記受容体、またはキメラもしくはその断片を、化合物と接触させること;および
b.前記化合物が前記受容体の活性に影響を及ぼすかどうかを判断すること
を含み、
ここで、前記受容体が、
i)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであるか;または
ii)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39またはその逆相補体と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸配列を含む核酸分子によってコードされるポリペプチドであり、
ここで、前記悪臭の原因となる物質が、三硫化ジメチル(DMTS)または二硫化ジメチル(DMDS)である、方法。
【請求項4】
DMTSまたはDMDS関連悪臭を推定的に調節する化合物を同定する方法であって、(i)DMTSまたはDMDS受容体ポリペプチドを発現する細胞株を、少なくとも1種の化合物と接触させること;(ii)前記嗅覚受容体ポリペプチドの活性を結合、抑制、遮断、阻害、かつ/または調節する化合物をスクリーニングすること;および(iii)前記DMTSまたはDMDS受容体ポリペプチドの活性を結合、抑制、遮断、阻害、かつ/または調節する場合、DMTSまたはDMDS関連悪臭を推定的に調節する化合物を同定することを含み、
ここで、前記受容体ポリペプチドが、
a.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか;または
b.配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39またはその逆相補体と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸配列を含む核酸分子によってコードされる、方法。
【請求項5】
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項6】
単離された核酸分子であって、
a.請求項5記載のポリペプチドをコードする核酸配列;または
b.配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39またはその逆相補体と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸配列
を含む、単離された核酸分子。
【請求項7】
組換え核酸分子であって、
a.Lucyタグ、FLAG(登録商標)タグ、および/またはRhoタグのうち少なくとも1つを含むタグの組み合わせを含む核酸;および
b.Olfr1193、Olfr1093、Olfr1097、Olfr166、Olfr169、Olfr738、Olfr742、Olfr207、Olfr665、Olfr669、Olfr1211、OR4S2、OR52N5、OR2L13、OR2AJ1、OR4C15、OR5AC2、OR8H3、OR11G2、OR52N2、およびOR5T1またはその相補体からなる群から選択される受容体をコードする核酸
を含む、組換え核酸分子。
【請求項8】
前記Lucyタグが、配列番号47を含み、前記FLAG(登録商標)タグが、配列番号43を含み、かつ前記Rhoタグが、配列番号45を含む、請求項7記載の組換え核酸分子。
【請求項9】
請求項6から8までのいずれか1項記載の核酸を含む、発現ベクター。
【請求項10】
DMTSまたはDMDSによって活性化される受容体を発現するように改変された非ヒト宿主生物または宿主細胞であって、前記受容体が、
a.Olfr1193、Olfr1093、Olfr1097、Olfr166、Olfr169、Olfr738、Olfr742、Olfr207、Olfr665、Olfr669、Olfr1211、OR52N5、OR2L13、OR2AJ1、OR4C15、OR5AC2、OR8H3、OR11G2、OR52N2、およびOR5T1からなる群から選択されるか、または
b.請求項5記載のポリペプチドまたは請求項6から8までのいずれか1項記載の核酸によってコードされるポリペプチド
を含む、非ヒト宿主生物または宿主細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本技術分野は、臭気物質および芳香受容体、ならびに臭気物質および/または芳香化合物、より具体的には三硫化ジメチル(DMTS)などの悪臭化合物の阻害剤、調節剤または中和剤を同定するために使用され得るアッセイに関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【0002】
背景
嗅覚は、人間の感覚系の中で最も複雑であり、かつよく理解されていないものの一つである。嗅覚受容体(OR)の活性化から知覚まで、さらなる調査を未だ必要とする多くの段階がある。本発明者らが、個々の臭気物質や混合物のORコードが知覚にどのように変換されるかを理解できれば、この知識を活用していくつかの分野で大きな利益をもたらすことができる。これらの分野には、不快な臭気の知覚を遮断する悪臭中和剤などの臭気調節剤、非生分解性または毒性の化合物に代わる新しいフレーバーおよびフレグランス成分、および天然源からの供給が困難な化合物への依存を制限する臭気増強剤が含まれる。「嗅覚コード」の組み合わせパラダイムは、単一のORを複数の臭気物質によって活性化することができ、逆にほとんどの臭気物質が複数のORを活性化できるという観察に基づいている。マウスゲノムには、約1,200個の明確な無傷のORがあり、対照的に、人間は約400個を有する。どちらの場合も、ORのレパートリーは、世界の何千もの臭気物質によって活性化され、この組み合わせの複雑さが、知覚できる嗅覚の広がりを可能にする。しかしながら、2014年の時点では、従来の脱オーファン化法を用いて、82個のマウスOR(約8%)および17個のヒトOR(約10%)についてのみ臭気物質またはリガンドが同定されている。さらに、in vitroで実質的に同定されたヒトORに対するほとんどのリガンドの生理学的関連性については、全く試験されていない。
【0003】
1種以上の臭気物質によって特異的に活性化または阻害される生物に存在するORの全レパートリー内で、比較的小さなORのサブセットを迅速かつ確実に同定できる方法は、国際公開第2014/210585号に記載されている。しかしながら、この方法を用いる場合、臭気物質受容体、さらに具体的には、特定の悪臭の原因となる物質によって活性化される悪臭受容体を同定する必要がある。
【0004】
三硫化ジメチル(DMTS)などの悪臭を引き起こす化合物や、二硫化ジメチル(DMDS)などの他の密接に関連するポリスルフィド化合物は、例えば、糞便を含む便所や他の「トイレ」の発生源からまたは口臭から生じる不快な臭気を発生させ得る。したがって、DMTSまたはDMDSなどの特定の悪臭の原因となる物質によって活性化される1つ以上の嗅覚受容体の活性を結合、抑制、遮断、阻害、かつ/または調節する悪臭調節剤または中和剤が望ましい。特定の悪臭の原因となる物質と関連付けられたこのような新しい悪臭受容体または新たに同定される悪臭受容体に依存し、これらの受容体に結合する新しい化合物または化合物混合物を同定するためのアッセイがさらに望ましい。
【0005】
発明の概要
本明細書では、受容体が、Olfr1193、Olfr1093、Olfr1097、Olfr166、Olfr169、Olfr738、Olfr742、Olfr207、Olfr665、Olfr669、Olfr1211、OR52N5、OR2L13、OR2AJ1、OR4C15、OR5AC2、OR8H3、OR11G2、OR52N2、およびOR5T1からなる群から選択される、DMTSによって活性化される受容体を発現するように改変された非ヒト宿主生物または宿主細胞が提供される。
【0006】
さらに、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを発現するように形質転換された非ヒト宿主生物または宿主細胞が提供される。
【0007】
さらに本明細書では、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターが提供される。
【0008】
また本明細書では、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、またはその逆相補体と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を有する発現ベクターも提供される。
【0009】
本明細書では、上記の核酸配列を含む核酸が提供され、また上記のアミノ酸配列を含むポリペプチドも提供される。
【0010】
さらに本明細書では、三硫化ジメチル(DMTS)または二硫化ジメチル(DMDS)などの悪臭の原因となる物質によって活性化される少なくとも1つの嗅覚受容体の活性を結合、抑制、遮断、阻害かつ/または調節する化合物を同定する方法であって、前記受容体が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、前記方法が、
a)受容体またはキメラもしくはその断片を化合物と接触させること;
b)化合物が受容体の活性に影響を及ぼすかどうかを判断すること
を含む、方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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