TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025105422
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2024135491
出願日
2024-07-26
発明の名称
凍結前に加熱殺菌され、解凍後、無加熱摂取する、冷凍野菜の製造方法。
出願人
株式会社勝美ジャパン
代理人
主分類
A23B
7/04 20060101AFI20250703BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】メディカル給食(医療施設、介護・福祉施設等の入院患者や入所者の方々に対する食事)、特に病院給食では、温野菜サラダしか提供できず、生野菜サラダを喫食できない。また、従来の冷凍野菜では、ブランチングによる酵素の失活を行っており、食感が悪くなり美味しくない。
【解決手段】収穫した野菜を洗浄し、カットし、加熱殺菌の際に、大腸菌群死滅条件を満たし、酵素の失活を目的としない低温殺菌を行い、冷却し、凍結した冷凍野菜により、解凍後、無加熱で摂取でき、生鮮に近い味と食感を実現することを可能にする。
特許請求の範囲
【請求項1】
収穫され、洗浄され、
カットされ、
耐熱耐冷袋に充填された生鮮野菜を、
真空包装し、
水又はスチームで加熱殺菌し、
大腸菌群を死滅させ、
酵素の失活を行なわず、
急速凍結し、
解凍後、
無加熱で摂取できる、
冷凍野菜の製造方法。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
収穫され、洗浄され、
カットされ、
耐熱耐冷袋に充填された生鮮野菜を、
電子レンジ対応袋に充填し、
真空包装し、
水又はスチームで加熱殺菌し、
大腸菌群を死滅させ、
酵素の失活を行なわず、
急速凍結し、
解凍後、
無加熱で摂取できる、
冷凍野菜の製造方法。
【請求項3】
前記加熱殺菌は、80~94℃であり、大腸菌群死滅条件である、中心温度75℃×1分間以上となるよう処理をする請求項1または2に記載の冷凍野菜の製造方法。
【請求項4】
前記加熱殺菌は、80~94℃であり、酵素の失活を目的としない条件として中心温度80℃以下となるよう処理をする請求項3に記載の冷凍野菜の製造方法。
【請求項5】
残留酵素による褐変の経時変化を賞味期限設定の基準とする請求項4に記載の冷凍野菜の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結前に加熱殺菌され、解凍後、無加熱摂取する、冷凍野菜並びに、それらの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の冷凍野菜は、野菜をカットした後に、ブランチングにより、野菜の酵素の失活を目的とし、同時に、大腸菌死滅又は、大腸菌群死滅又は、大腸菌と大腸菌群死滅を達成し、冷却し、凍結した、冷凍野菜を示す。
ブランチングとは、主に野菜や果物などを短時間加熱した後に冷やすという加工方法である。冷凍野菜の前処理として行われることが多い。ほとんどの冷凍野菜は、急速凍結する前に熱湯に漬けるか、蒸気に充てて、調理加熱の70~80%加熱される。
ブランチングの主な目的は色、食感、香りの変化の原因となる酵素を不活性化させることである。野菜や果物の品質悪化の原因となる酵素としてはリポキシゲナーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ(英語版)、ポリガラクチュロナーゼ(英語版)、クロロフィラーゼ(英語版)などが挙げられる。ブランチングの効果を検証する場合には、熱への耐性が強いカタラーゼやペルオキシダーゼが用いられることが多い。また、組織を軟化させて凍結による組織の破損を防ぐ目的もある。色や香りの変化の防止、栄養素の変化の防止、残留している農薬などの除去、有害な微生物を減らすといった効果もある。
欠点としては水溶性または熱に弱い栄養素が失われることや、廃水を生むことが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭58-165756
【0004】
特開2019-047825
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記「背景技術」の項に記載の方法で作られた冷凍野菜は、ブランチングにより酵素の失活と大腸菌死滅条件のみを達成した場合は、解凍後、加熱摂取しなければならない。酵素の失活と大腸菌と大腸菌群死滅条件を達成した場合及び大腸菌群死滅条件のみを達成した場合は、解凍後、無加熱摂取できる。
酵素が失活してしまうと食感が悪くなりおいしくない。
通常の殺菌は100度前後(95~100℃)のお湯により行われる。この条件下で大腸菌群死滅条件を達成しようとすると、酵素が失活してしまう。また、直接お湯に触れているため、うまみ成分や栄養素が流出してしまう。
【0006】
大量調理マニュアル(平成29年6月16日改正)によると、
野菜及び果物を供する場合は、加熱又は消毒を必須とする。
そのため、メディカル給食(医療施設、介護・福祉施設等の入院患者や入所者の方々に対する食事)、特に病院給食では、加熱済み野菜サラダしか提供できず、生野菜サラダを喫食できない患者に対し、調理者が、温野菜サラダを提供している。
一般的にメディカル給食では、温野菜サラダしか出さず、温野菜サラダは食感が悪く美味しくない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、生鮮のカット野菜などに比べ、長期保存ができる冷凍野菜であるが、解凍後、そのまま(無加熱)で喫食でき、味がよく、食感がよく、おいしい、殺菌済み冷凍野菜を、メディカルサラダとして、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、酵素失活をブランチングの目的とせずに、冷凍野菜を解凍後、無加熱で摂取することを目的とする。
微生物管理と加熱条件、冷却条件をコントロールすることで、無加熱摂取製品ができる。
微生物管理について
冷凍食品の規格基準(厚生労働省HPより)
(1)無加熱摂取冷凍食品(冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、飲食に供する際に加熱を要しないとされているものをいう。)は、細菌数(一般生菌数)が検体1gにつき、100,000以下で、かつ、大腸菌群が陰性でなければならない。
(2)加熱後摂取冷凍食品は、細菌数(一般生菌数)が検体1gにつき3,000,000以下で、かつ、大腸菌が陰性でなければならない。
【0009】
従来の冷凍野菜の製造方法は、野菜をカットし、酵素の失活を目的としたブランチングを行う。この場合、酵素の失活と大腸菌と大腸菌群の減菌を達成し、急速凍結することによって、製品の製造を行う。
本発明においては、この、ブランチングの目的を酵素の失活と大腸菌群死滅条件の二つに分け、喫食の良さに目的を絞り、低温と短時間による加熱条件により大腸菌群死滅のみを達成した。従って、冷凍状態においても、野菜の褐変は進捗するので、賞味期限を短く設定することにより、製品化を達成した。
大腸菌群死滅条件(中心温度75℃×1分間以上)を満たしていれば、解凍後、無加熱摂取で喫食できる。
【用語の定義】
【】
メディカルサラダ:生鮮のカット野菜などに比べ、長期保存ができる冷凍野菜であるが、解凍後、そのまま(無加熱)で喫食でき、味がよく、食感がよく、おいしい、殺菌済み冷凍野菜
耐熱耐冷袋:食材を入れる袋であり、加熱殺菌及び冷凍にも使用できる袋。
IQF:INDIVIDUAL QUICK FROZENのこと。急速バラ凍結を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実験▲1▼
生鮮のキャベツを千切(3×3×30-50mm)にし、
耐熱耐冷袋に200g充填し、
真空包装し、
TIFF
2025105422000001.tif
10
92
加熱を行い、
直径1cm程度のボタン温度計(Rh manager)をキャベツの中心部に設置し、計測を行い、
キャベツの中心温度が75℃に達温してから、
1分、2分、3分、4分の時のキャベツの残留酵素を測定した。
この実験では、80℃一定で加熱を行っているため、中心温度は80℃を超えることはない。
残留酵素の測定方法には、「ペルオキシダーゼ活性測定法」を用いた。
酵素には、数多くの種類があるが、ここでは、熱に強いペルオキシダーゼの活性を測定することとする。
まず、検体(キャベツ千切)を5g採取し、室温になるように温度管理する。
5gの検体を、ナイフを使い、細かくして、試験管に入れる。
1%グアヤコール希釈液1mlと0.5%過酸化水素希釈液1mlと蒸留水5mlを試験管にそれぞれ加え、撹拌する。
試験管内の検体と試薬を完全に混合する。
試薬を入れ、2分後に褐色に変化があれば、酵素が残留している、変化がなければ、酵素が失活していると判断する。
結果:いずれの時間でも酵素の失活が確認されなかった。
13分まで計測を行ったところ、酵素は失活しなかった。
実験▲2▼
生鮮のキャベツを千切(3×3×30-50mm)にし、
TIFF
2025105422000002.tif
9
109
加熱を行い、
キャベツをお湯に投入してから、
1分、2分、3分、4分の時のキャベツの残留酵素を測定した。
残留酵素の測定方法は、実験▲1▼と同様である。
結果:いずれの時間でも酵素の失活が確認されなかった。
【 実施例】
【0010】
本発明で製造する千切キャベツ、チンゲン菜、小松菜、大根葉は以下に記載する製造方法で実施する。
収穫されたキャベツ、チンゲン菜、小松菜、大根葉を目視選別し、洗浄し、3×20-50mmにカットし、洗浄し、濃度100ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬し、殺菌した後、洗浄し、脱水機で60秒間脱水を行う。
脱水を行った野菜を、耐熱耐冷袋に500g充填し、真空包装する。
真空包装された野菜を、殺菌(92℃で10分)し、野菜の中心温度で、大腸菌群死滅条件(75℃で1分間以上)を満たすボイル加熱殺菌とした。
加熱殺菌の後に、流水にて冷却(水温10℃以下)を行い、急速凍結(-30℃)したものを冷凍千切キャベツ、チンゲン菜、小松菜、大根葉とする。
【 実施例】
【0010】
本発明で製造する千切キャベツ、チンゲン菜、小松菜、大根葉は以下に記載する製造方法で実施する。
収穫されたキャベツ、チンゲン菜、小松菜、大根葉を目視選別し、洗浄し、3×20-50mmにカットし、洗浄し、濃度100ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬し、殺菌した後、洗浄し、脱水機で60秒間脱水を行う。
脱水を行った野菜を、耐熱耐冷の電子レンジ対応袋に充填し、真空包装する。
真空包装された野菜を、殺菌(92℃で10分)し、野菜の中心温度で、大腸菌群死滅条件(75℃で1分間以上)を満たすボイル加熱殺菌とした。
加熱殺菌の後に、流水にて冷却(水温10℃以下)を行い、急速凍結(-30℃)したものを冷凍千切キャベツ、チンゲン菜、小松菜、大根葉とする。
上記耐熱耐冷の電子レンジ対応袋は、充填した野菜を、密閉状態または準密閉状態のまま電子レンジにより加熱する。電子レンジ用袋体内で加熱された冷凍野菜は、解凍された野菜の有する水分によって蒸気を発生するとともに、圧力解放機構25または上記抜き孔において蒸気を適度にリークさせる。このような蒸気を利用した加熱により、解凍された野菜が温野菜に調理される。
実験▲3▼野菜の残留酵素による褐変の計測
生鮮の葉茎菜類(白菜、キャベツ、ほうれん草、レタス、ねぎ、玉ねぎ、小松菜、ちんげんさい、ふき、みつば、春菊、水菜、セルリー、アスパラガス、カリフラワー、ブロッコリー、にら、ニンニク、大根葉)及び根菜類(大根、人参、ジャガイモ、サトイモ、かぶ、ごぼう、れんこん、やまのいも)、及び果菜類(キュウリ、茄子、トマト、ピーマン、カボチャ、スイートコーン、さやいんげん、さやえんどう、グリーンピース、そらまめ、枝豆)をカットし、洗浄し、耐熱耐冷袋に充填し、真空包装し、実験▲1▼及び実験▲2▼の方法に基づき、酵素を失活せずに、大腸菌群のみを殺菌し、冷却し、凍結し、-18℃に保管された状態で、残留酵素による褐変が起こるかを計測した。
チンゲン菜、小松菜、大根葉は計測より二週間で残留酵素による褐変が見られたが、販売可能なほどであった。
計測より四週間で緑の葉の部分が濃くなり、白い茎部分の色が暗くなった。葉の一部に褐変が見られたため、販売不可能とした。
キャベツに関しては、6か月が経過しても褐変は見られなかった。
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社勝美ジャパン
凍結前に加熱殺菌され、解凍後、無加熱摂取する、冷凍野菜の製造方法。
16日前
個人
ペットフード
3か月前
個人
古代食品塩梅醤
2か月前
個人
血圧降下用組成物
3か月前
個人
具入り餅食品
2か月前
個人
ジャム
1か月前
ライソン株式会社
焙煎機
1か月前
第一工業製薬株式会社
組成物
3か月前
不二製油株式会社
卵代替素材
2か月前
池田食研株式会社
微粉状食品
1か月前
株式会社東洋新薬
経口組成物
1か月前
株式会社ソディック
計量装置
1か月前
池田食研株式会社
風味改善剤
25日前
第一工業製薬株式会社
組成物
3か月前
株式会社ソディック
計量装置
1か月前
有限会社丸繁商店
メカブ
3か月前
不二製油株式会社
異風味抑制剤
2か月前
不二製油株式会社
チーズ様食品
1か月前
有限会社丸繁商店
メカブ
3か月前
株式会社東洋新薬
飲食用組成物
3か月前
アサヒ飲料株式会社
飲料
1か月前
有限会社丸繁商店
メカブ
3か月前
SoPros株式会社
経口養毛剤
2か月前
大山食品株式会社
お好み焼き
2か月前
池田食研株式会社
TGR5活性化剤
3か月前
池田食研株式会社
TGR5活性化剤
3か月前
株式会社寺田製作所
散茶装置
1か月前
個人
天然マンゴー果汁色青汁
1か月前
株式会社米島本店
七草加工食品
23日前
鈴茂器工株式会社
米飯処理装置
3か月前
株式会社和田機械
皮剥き機の刃物円盤
2か月前
明星食品株式会社
フライ麺の製造方法
2か月前
株式会社長根商店
きのこ加工食品
3か月前
不二製油グループ本社株式会社
卵代替物
3か月前
株式会社明治
繊維状チーズ
3か月前
日本メナード化粧品株式会社
糖化抑制剤
1か月前
続きを見る
他の特許を見る