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公開番号2025104157
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023222050
出願日2023-12-27
発明の名称積層樹脂チューブ
出願人十川産業株式会社,SMC株式会社
代理人個人
主分類F16L 11/06 20060101AFI20250702BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】本発明は良好な耐薬品性を備えつつ可撓性に富み屈曲性能に優れ、内部を搬送される流体を良好に視認可能である使い勝手の良い積層樹脂チューブを提供する。
【解決手段】ポリウレタン系エラストマーからなる内層と、これの周囲に設けられるポリアミド樹脂からなる中間層と、これの周囲に設けられる四フッ化エチレン樹脂外層を備え、外層の厚みは、内層と中間層と外層の厚みの和の1/3以下に設定された積層樹脂チューブとする。また外層の算術平均粗さを0.1μm以下、最大高さ粗さを1μm以下とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーからなる内層と、
該内層の外周に設けられたポリアミド樹脂からなる中間層と、
該中間層の外周に設けられたフッ素樹脂からなる外層と
を備えたことを特徴とする、積層樹脂チューブ。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記外層の厚みは、前記内層と前記中間層と前記外層の厚みの和の1/3以下とされている
ことを特徴とする、請求項1に記載の積層樹脂チューブ。
【請求項3】
前記フッ素樹脂は、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、又は、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル・クロロトリフルオロエチレン共重合樹脂である
ことを特徴とする、請求項2に記載の積層樹脂チューブ。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーは、
ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーのいずれかである
ことを特徴とする、請求項3に記載の積層樹脂チューブ。
【請求項5】
前記外層は、その表面の算術平均粗さが0.1μm以下とされている
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一の請求項に記載の積層樹脂チューブ。
【請求項6】
前記内層を構成する前記熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーは、透明または有色透明であり、
外部から搬送する流体を視認可能とされている
ことを特徴とする、請求項5に記載の積層樹脂チューブ。
【請求項7】
前記内層、前記中間層、前記外層は、共押出成型され、各層間は接着状態とされている
ことを特徴とする、請求項6に記載の樹脂チューブ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂チューブに関するものである。より詳しくは、少なくとも二つの樹脂層を備え、かつ、該樹脂層のうち少なくとも一つはフッ素樹脂で構成された積層樹脂チューブに関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、さまざまな特徴を有する樹脂チューブが実用に供されている。継ぎ目なく均一で長尺なものを大量に生産可能である樹脂チューブは気体・液体の搬送に都合がよく、食品や医療分野はもちろんのこと、燃料や塗料などの輸送、高圧空気を導入する配管部品等としておおよそあらゆる産業で大量に使用されている。
【0003】
産業上重要な部品であるため、さまざまな工夫を凝らした多くの種類の樹脂チューブが実用に供せられている。例えば、高い圧力に耐えなければならない場合には強靭なポリアミド樹脂製の樹脂チューブが選択され、有機溶剤を輸送する場合には耐薬品性に優れたフッ素樹脂製の樹脂チューブが選択される。さらに、輸送する気体・液体の種類に応じて適切な材質の内層と、外部環境の影響を受けにくい材質や摩擦に強い材質で構成された外層を設け、さらに内層と外層の間に補強糸を備えた補強層を設けて高い耐圧性を備えた積層樹脂チューブも実用に供せられている。なお、気体・液体の輸送に使用される可撓性の管状体はホースと呼ばれることもあるが、チューブとホースに明確な違いは無いとされ、本願においてもチューブの語はホースを含む概念として用いている。また、気体や液体単体ではなく、これらの混合物や、気体や液体と共に粉体や粒体のような固体を樹脂チューブで搬送することも行われているが、これらは樹脂チューブの利用者が目的に応じて適宜工夫して使用しているものであり、本願においては気体・液体・粉体・粒体など樹脂チューブによって搬送されるものを総称して流体と称する。
【0004】
前記の通り、すでに様々な特徴を備えた樹脂チューブが実用に供せられているものの、耐薬品性を備えた取り扱いの容易な樹脂チューブについてはいまだ十分に満足できるものが無い。耐薬品性という点では、フッ素樹脂製の樹脂チューブとすれば高い性能が得られ、特に比較的低温で加工することが可能な四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(以下、「ETFE」と称する)製の樹脂チューブは広く利用されている。しかしながら、ETFEを含む多くのフッ素樹脂は柔軟性に難があり、樹脂チューブに加工した場合、可撓性に乏しい、つまり、手にした際に硬い印象でしなやかさに欠け、曲げにくく使い勝手の悪いものとなってしまう。また、低い可撓性に無関係ではないが、一般にフッ素樹脂製の樹脂チューブは屈曲性能に劣る。樹脂チューブの屈曲性能は耐キンク性と表現されることもある特性であり、樹脂チューブを曲げようとした場合に、座屈して折れ曲がってしまったりして管状構造が狭窄して気体・液体が通らなくなってしまう状態に如何に陥りにくいかを意味している。屈曲性能または対キンク性に劣る樹脂チューブは曲げ半径の制約が厳しく使用時に注意深い取り扱いを要する。なお、本願においては可撓性の語と屈曲性能(耐キンク性)の語はことなる概念として使用している。例えば、可撓性に乏しく硬いため容易には曲げにくいチューブが、実は屈曲性能に優れ、力を込めて注意深く曲げていくとキンクすることなく小さい曲げ半径で折り曲げられるという場合もある。
【0005】
単層のETFE製の樹脂チューブでは前記のような明らかな課題があるため、従来より様々な工夫がなされており、例えば、特開2009-127631号公報に開示された発明では、ETFEを含む内層と、ポリアミド樹脂からなる外層を積層した燃料チューブとされている。また、特開平6-234190号公報に開示された発明では、フッ素系樹脂によって形成された内層と、フッ素系樹脂以外の合成樹脂によって形成された中間層と、ゴム弾性材を用いた外層とを積層した自動車燃料用配管用ホースとされている。これら発明は、柔軟性に欠けるETFE層を薄肉にすることで曲げにくさをやわらげつつ、他の樹脂材料製の外層によって強度等を確保することを狙ったものであり、単層のETFE製の樹脂チューブの課題である低い可撓性や低い屈曲性能を一定程度改善できるものである。
【0006】
しかしながら、ETFEを含むフッ素系樹脂はその低い表面エネルギーにより他の樹脂との接着性が低く摩擦も極めて少ない。他の層と剥離してしまうと、フッ素樹脂からなる内層は単層のフッ素樹脂チューブと実質的な差異はないので、単純にフッ素樹脂層に他の樹脂層を積層した積層樹脂チューブではキンクしてしまう恐れがある。前記発明ではフッ素系樹脂に対しても一定の接着性を確保できる樹脂で構成された中間層を設ける、または、樹脂材料を改質して接着性を改善する(例えばケミカルエッチングを行うなど)ことを行ってこのような課題の低減を図っているものの、程度の差はあるもののフッ素系樹脂製の内層チューブがキンクしやすく曲げ半径の制約が厳しくなる傾向は変わらない他、特殊な材料や表面処理を用いることによる樹脂チューブ製造コストの上昇や長期安定性の低下などが懸念されるものであった。
【0007】
ところで、特開2012-92901号公報には、例えばナイロン(登録商標)のような熱可塑性樹脂からなる内層と、これの外周に金属線で形成した編組からなる補強層と、これらを被覆するフッ素樹脂からなる外層被覆体を備えたことを特徴とするチューブが開示されており、その詳細な構造や効果は同公報明細書の[0021]段落以下に説明されている。この発明は、内層、補強層、外層被覆体のそれぞれで、屈曲性能、耐圧性能、滑り性を確保している。なお、滑り性とは、チューブ外面の摩擦が低く、他のチューブ等との引っ掛かりがなく取り回しが容易であることを指している。また、この発明は、最外層をフッ素樹脂で構成したことにより優れた滑り性を備えるとともに、チューブ外面に優れた耐薬品性を備えている。
【0008】
しかしながら、高い耐圧性能を得るために金属線で形成した編組からなる補強層を備えるものであるので重量が大きい。また、切断時の断面に金属線が露出するため用途・使用法に注意を要する。また、外層被覆体を構成するフッ素樹脂と補強層等との間の良好な接着を行うため、接着性フッ素樹脂を選択する、または、ケミカルエッチング等の脱フッ素処理を行うなどを必要とし、原材料及び加工コストや生産性の観点で満足できるものではなかった。
【0009】
さらに、一部の例外を除いて一般にフッ素樹脂は透明性に劣り、先行技術文献に示した発明についても積層樹脂チューブの内部を良好に視認することは困難である。特に、フッ素樹脂製の内層を備える場合、外層を構成する樹脂との接着性が極めて高くなければ、層間剥離などを発生して屈曲性能が得られない。接着性を高めるためには、接着面のケミカルエッチングをおこなったり、アミン価が高い官能基の多い接着性樹脂を用いたりするなど様々な手法が知られるが、これらも接着面の透明性を損なうもので、チューブ内部の視認性を損なってしまう。チューブ内部の液体の有無を目視できるかどうかは実使用時の使い勝手に大きな影響を与えるものであり、透明性の有無が大きな関心事であることは珍しくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2009-127631号公報
特開平6-234190号公報
特開2012-92901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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