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公開番号2025103627
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023221145
出願日2023-12-27
発明の名称ビールテイスト飲料
出願人サントリーホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12C 7/00 20060101AFI20250702BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】味わい、ビールテイスト飲料に好適な余韻、甘味と苦味のバランス、及び、ビールテイスト飲料に不適な後渋味が抑制されたビールテイスト飲料を提供する。
【解決手段】オリジナルエキス濃度(OEx)が7.5質量%以上であり、さらに条件1~3からなる群から選ばれる1以上を満たすビールテイスト飲料。
(条件1):グルコースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔グルコース/REx〕が7.0以上である。
(条件2):ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/REx〕が3.0以上である。
(条件3):フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/REx〕が9.0以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オリジナルエキス濃度(OEx)が7.5質量%以上であり、さらに条件1~3からなる群から選ばれる1以上を満たすビールテイスト飲料。
(条件1):グルコースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔グルコース/REx〕が7.0以上である。
(条件2):ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/REx〕が3.0以上である。
(条件3):フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/REx〕が9.0以上である。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
リアルエキス濃度(REx)が0.50質量%以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項3】
グルコースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔グルコース/REx〕が2000以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項4】
ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/REx〕が1000以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項5】
フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/REx〕が1000以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項6】
グルコースの含有量(単位:質量ppm)とオリジナルエキス濃度(OEx)(単位:質量%)との比〔グルコース/OEx〕が1.2以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項7】
ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とオリジナルエキス濃度(OEx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/OEx〕が0.5以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項8】
フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とオリジナルエキス濃度(OEx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/OEx〕が1.6以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項9】
グルコースの含有量が12質量ppm以上2800質量ppm以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項10】
ショ糖の含有量が5.0質量ppm以上1000質量ppm以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味調整方法に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、最近の消費者の多様化した好みに応じて、様々なビールテイスト飲料が検討され、提供されている。
例えば、特許文献1には、ビールらしい味わいを有するビールテイスト飲料の提供を目的として、所定量の環状ジペプチドを含有し、pHを所定の範囲に調整したビールテイスト飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2017/115438号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況下、味わい、及び、ビールテイスト飲料に好適な余韻(甘味と苦味のバランス)を有し、ビールテイスト飲料に不適な後渋味が抑制されたビールテイスト飲料が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、グルコースの含有量とリアルエキス濃度との比、ショ糖の含有量とリアルエキス濃度との比、及びフルクトースの含有量とリアルエキス濃度との比からなる群から選ばれる1以上、及びオリジナルエキス濃度を所定の範囲に調整したビールテイスト飲料、その製造方法、並びに、ビールテイスト飲料の香味調整方法を提供する。
具体的態様は以下のとおりである。
[1]
オリジナルエキス濃度(OEx)が7.5質量%以上であり、さらに条件1~3からなる群から選ばれる1以上を満たすビールテイスト飲料。
(条件1):グルコースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔グルコース/REx〕が7.0以上である。
(条件2):ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/REx〕が3.0以上である。
(条件3):フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/REx〕が9.0以上である。
[2]
リアルエキス濃度(REx)が0.50質量%以上である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
グルコースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔グルコース/REx〕が2000以下である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/REx〕が1000以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/REx〕が1000以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
グルコースの含有量(単位:質量ppm)とオリジナルエキス濃度(OEx)(単位:質量%)との比〔グルコース/OEx〕が1.2以上である、
[1]~[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[7]
ショ糖の含有量(単位:質量ppm)とオリジナルエキス濃度(OEx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/OEx〕が0.5以上である、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[8]
フルクトースの含有量(単位:質量ppm)とオリジナルエキス濃度(OEx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/OEx〕が1.6以上である、[1]~[7]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[9]
グルコースの含有量が12質量ppm以上2800質量ppm以下である、[1]~[8]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[10]
ショ糖の含有量が5.0質量ppm以上1000質量ppm以下である、[1]~[9]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[11]
フルクトースの含有量が18質量ppm以上1000質量ppm以下である、[1]~[10]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[12]
リアルエキス濃度(REx)が5.00質量%以下である、[1]~[11]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[13]
糖質含有量が4.00g/100mL以下である、[1]~[12]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[14]
外観発酵度が70%以上である、[1]~[13]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[15]
アルコール度数が、0.50(v/v)%以上である、[1]~[14]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[16]
麦芽比率が10質量%以上100質量%以下である、[1]~[15]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[17]
工程(a1)~(a3)からなる群から選ばれる1以上を有するビールテイスト飲料の製造方法。
工程(a1):ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度(REx)及びオリジナルエキス濃度(OEx)に応じて、グルコースの含有量を調整する工程。
工程(a2):ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度(REx)及びオリジナルエキス濃度(OEx)に応じて、ショ糖の含有量を調整する工程。
工程(a3):ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度(REx)及びオリジナルエキス濃度(OEx)に応じて、フルクトースの含有量を調整する工程。
[18]
さらに、ビールテイスト飲料のオリジナルエキス濃度(OEx)に応じて、グルコースの含有量、ショ糖の含有量またはフルクトースの含有量を調整する工程(b)を有する、[17]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[19]
工程(a1)がグルコースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔グルコース/REx〕が7.0以上となるようにグルコースの含有量を調整する工程、工程(a2)がショ糖の含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔ショ糖/REx〕が3.0以上となるようにショ糖の含有量を調整する工程、工程(a3)がフルクトースの含有量(単位:質量ppm)とリアルエキス濃度(REx)(単位:質量%)との比〔フルクトース/REx〕が9.0以上となるようにフルクトースの含有量を調整する工程である、[17]または[18]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[20]
ビールテイスト飲料のリアルエキス濃度(REx)に応じて、グルコースの含有量、ショ糖の含有量及びフルクトースの含有量からなる群から選ばれる1以上を調整する工程(a)を有する、ビールテイスト飲料に好適な余韻を向上させ、不適な後渋味を抑制するように調整する、ビールテイスト飲料の香味調整方法。
[21]
【発明の効果】
【0006】
本発明の好適な一態様のビールテイスト飲料は、例えば、味わい、及び、ビールテイスト飲料に好適な余韻(甘味と苦味のバランス)を有し、不適な後渋味が抑制された飲料となり得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載された数値範囲については、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは30~100、より好ましくは40~80」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。また、例えば、数値範囲として「好ましくは30以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
加えて、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上(60又は60超)、100以下(100又は100未満)」という範囲であることを意味する。
【0008】
1. ビールテイスト飲料
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有又はノンアルコールの炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。
したがって、「ビールテイスト飲料」には、例えば、麦芽、ホップ、及び水を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料であるビールや発酵ビールテイスト飲料だけでなく、エステルや高級アルコール、ラクトン等の香気成分を含むビール香料が添加された炭酸飲料(非発酵ビールテイスト飲料)をも包含する。
【0009】
ビール香料に含まれる香気成分としては、例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、シトラール、リモネン、マルトール、エチルマルトール、フェニル酢酸、フラネオール、フルフラール、メチオナール、3-メチル-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-2-ブタンチオール、ダイアセチル、フェルラ酸、ゲラン酸、ゲラニルアセテート、酪酸エチル、オクタン酸、デカン酸、9-デセン酸、ノナン酸、テトラデカン酸、プロパン酸、2-メチルプロパン酸、γ-ブチロラクトン、2-アミノアセトフェノン、3-フェニルプロピオン酸エチル、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン、ジメチルスルホン、3-メチルシクロペンタン-1,2-ジオン、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、2-アセチルフラン、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、ヘキサナール、ヘキサノール、シス-3-ヘキセナール、1-オクテン-3-オール、β-ユーデスモール、4-メルカプト-4-メチルペンタン-2-オン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、フルフリルアルコール、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、酢酸2-メチルブチル、イソアミルアルコール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニル-3-ブテン-1-オン、トランス-2-ヘキセナール、ノナナール、フェネチルアルコール等が挙げられる。
【0010】
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
発酵ビールテイスト飲料としては、上面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造された上面発酵ビールテイスト飲料(エールビールテイスト飲料)であってもよく、下面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造された下面発酵ビールテイスト飲料(ラガービールテイスト飲料、ピルスナービールテイスト飲料)であってもよく、上面発酵酵母と下面発酵酵母とを、同じ発酵工程でもしくは別々の発酵工程で用いて得られた発酵ビールテイスト飲料であってもよい。また、本明細書でいう「発酵」は、アルコールが生じるアルコール発酵であってもよく、アルコールが生じない非アルコール発酵であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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