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公開番号2025103156
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220315
出願日2023-12-27
発明の名称スピーカシステム及び薄型表示システム
出願人オーツェイド株式会社
代理人個人
主分類H04R 1/02 20060101AFI20250702BHJP(電気通信技術)
要約【課題】 表示デバイスの薄型化を実現しつつ、変位素子の励振による絵ブレの発生を抑制し、良好な臨場感を実現して、快適な画像の視聴を実現する。
【解決手段】
OLEDの表示デバイスの背面に圧電素子を設けてパネルスピーカとするとともに、電磁式スピーカを付加して、スピーカシステムとする。パネルスピーカの圧電素子に印加する音声信号のカットオフ周波数を500Hzとし、それ以下の周波数成分を除去することで、絵ブレを防止する。また、電磁式スピーカで前記カットした500Hz以下の低周波域の音声を再生するとともに、オーバーラップ帯域を2000Hz~3000Hz,好ましくは500Hz~3000Hzとすることで、良好な臨場感を得ることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
変位素子を取り付けて表示パネルを振動させることで、該表示パネルがスピーカとして機能するパネルスピーカを備えたスピーカシステムであって、
前記変位素子に入力する音声信号の周波数帯域のうち、低域の周波数成分を除去したことを特徴とするスピーカシステム。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記音声信号のカットオフ周波数を500Hzとし、それ以下の周波数成分を除去したことを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
【請求項3】
前記パネルスピーカに加えて、前記表示パネルと分離した電磁式スピーカを備えており、
前記パネルスピーカの音声信号から除去した低周波成分を前記電磁式スピーカに入力して再生することを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
【請求項4】
前記電磁式スピーカの高域遮断周波数が500Hz~3000Hzであって、それよりも高い周波数領域の音声信号を前記電磁式スピーカの音声入力から除去し、
前記パネルスピーカの低域遮断周波数から前記電磁式スピーカの高域遮断周波数までの周波数領域の音声信号については、前記パネルスピーカ及び前記電磁式スピーカの両方から再生することを特徴とする請求項3記載のスピーカシステム。
【請求項5】
前記変位素子が、前記表示パネルに対して複数取り付けられており、それら複数の変位素子に、形状が異なる変位素子が含まれることを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
【請求項6】
前記変位素子として、ユニモルフ型もしくはバイモルフ型の圧電素子を使用したことを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載したスピーカシステムを備えており、前記表示パネルとしてOLEDによる表示デバイスを使用したことを特徴とする薄型表示システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像機などの薄型表示システム及びそれに用いるパネルスピーカに関し、特に、有機EL(エレクトロルミネセンス)を利用した薄型表示デバイスに好適なスピーカシステムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機(以下単に「テレビ」という)などの表示デバイスの分野では、ブラウン管を用いた方式の表示デバイスからプラズマ方式や液晶方式の薄型の表示デバイスに変遷を遂げている。近年では、自己発光方式の表示機能を持つ有機ELなどの超薄型表示デバイスを採用した薄型テレビが市場で幅広く認知されてきており、ブラウン管方式のテレビは多くのテレビメーカーで製造を終了している。
【0003】
このような変遷の過程で、液晶方式のテレビの発光用デバイスとして用いられていた冷陰極管も、現在はほとんどがLED(発光ダイオード)に変化している。この変遷の本来の目的は、液晶テレビの軽薄化にある。冷陰極管などの重量のあるデバイスをLEDとすることで、軽量化という付加価値を持ち合わせた理想的な壁掛け型のテレビが実現可能となる。
【0004】
特に最近は、有機ELを利用した表示デバイスが注目されている。有機ELを利用したOLED(有機発光ダイオード)は、自己発光型の表示デバイスで、その厚みが0.5mm~0.7mmと薄く、かつ外部にLED等の発光デバイスを必要としない。このため、従来方式の液晶テレビよりも更に薄型のテレビを実現できる可能性がある。加えて、LEDを実装するスペースを必要としないため、狭額縁型の薄型テレビの製品化が可能となっている。しかしながら、OLEDは、上述したように、薄さが1mm未満という圧倒的に有利な点があるにも関わらず、現状狭額縁化のみが実用化され、壁掛け構造を持つ薄型テレビの実用化は未だ困難の域にある。
【0005】
ところで、テレビの基本的な機能は、画像を表示することと音声を出力することにあり、前者はOLEDにより狭額縁構造という付加価値を持って実現されている。一方、後者に関しては、電磁式のスピーカをテレビの筐体の背面に実装する方法で実現されているが、スピーカの厚みに凹凸があることから、薄型化には必ずしも向いているわけではない。現在薄型の電磁式スピーカの厚さの限界は20mm程度、テレビに必要な音声の再生周波数を実現するための最小直径は25mm程度といわれている。この寸法のスピーカをテレビの背面に実装すると、OLEDで得られた1mm以下の薄さのメリットは相殺され、テレビの筐体が厚くならざるを得ない。
【0006】
加えて、テレビ背面に電磁式スピーカによる凸部が生じることから、壁掛け型スピーカの実現はデザイン性の面からも実現が難しくなる。仮にスピーカを画面の側面方向に取り付けた場合、テレビ背面が平坦となることから壁掛けの実用化は可能になるが、今度は狭額縁のデザイン性が損なわれてしまう。
【0007】
ところで、臨場感を最大の付加価値とする映画館では、小さな穴が無数に空くメッシュ状スクリーンの背面にスピーカを客席側に向けて配置し、そこから客席に向けて音を放出している。この方法であれば、当該メッシュを通過した音が直接客席に届くため、視聴者側は例えば登場人物の声がスクリーンから発せられたように感じたり、効果音が映像から直接聞こえたりすることによる臨場感を強く感じることができる。しかしながら、上述したテレビのように、表示画面の背面にスピーカを配置する場合、視聴者に向けて直接音が放出されないため、映像と音の間に空間的なずれが生じ、臨場感に乏しい映像表示になってしまう。
【0008】
これに対し、下記特許文献1には、薄板のパネルを加振素子により振動させて音を発生させるようにしたパネルスピーカが提案されている。これによれば、薄板状の部材に駆動源になる電磁ソレノイドや圧電セラミックなどの加振素子を貼付して励振することで、パネルから音が発生する。この従来技術によれば、上述の映画館のように、表示画面から直接音が視聴者側に放出されるため、臨場感に富んだ映像再生が可能になる。この発明では、様々な被加振物を励振させる提案がなされており、いずれの場合も被加振物の複数の共鳴モード(以下「分割振動」という)を用いて音を発生する構成となっている。
【0009】
被加振物から得られる音の大きさPは、振幅の大きさXに依存し、一般的にはP∝Xの関係が成り立つ。また、前記振幅Xは、加振物の持つ力Fと被加振物の剛性Kとの関係についてフックの法則が成立し、X=F/Kとなる。
【0010】
一方、上述したLEDを光源とする液晶パネルの場合、背面の導光板を含めると、表示デバイスとしての厚みは3mm~4mmになる。一方OLEDの場合は、上述したように、0.5mm~0.7mmとなる。この表示デバイスの板の剛性Kは、そのヤング率をE,断面二次モーメントをI,板の幅をa,板の厚みをhとした場合、
I=ah

/3
K=48EI/L

=16Eah

/L

となり、板の厚みの剛性Kは、板の厚みhの3乗に依存することがわかる。仮に、OLEDにおける板の厚みhを0.7mmとし、液晶パネルにおける板の厚みhを3mmとした場合、(0.7/3)

≒0.013となり、両者の間で剛性Kは大きく異なる。この例の場合、OLEDと液晶パネルを同量撓ませるために必要な力には、1/0.013≒77倍の差が生じることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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