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公開番号2025102893
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2025060230,2023521506
出願日2025-04-01,2021-10-07
発明の名称融合前安定化HMPV Fタンパク質
出願人ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム,BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/40 20060101AFI20250701BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】強化された立体構造安定性及び/または抗原性を示す操作されたヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質を提供する。
【解決手段】複数の特定のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する、メタニューモウイルス(MPV)Fタンパク質外部ドメインを含む操作されたタンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子であって、操作されたタンパク質が、前記複数の特定の配列のうちいずれか1つの配列に対して、T127C及びN153C、ならびに/または、L110C及びN322Cに対応するシステイン置換の対を含む操作されたジスルフィド結合を含み、核酸分子がmRNA分子である、核酸分子が提供される。前記核酸分子を含む医薬組成物も提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号4~7のうちいずれか1つのアミノ酸19~489に対して少なくとも90%の同一性を有する、メタニューモウイルス(MPV)Fタンパク質外部ドメインを含む操作されたタンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子であって、前記操作されたタンパク質が、配列番号4~7のうちいずれか1つの配列に対して、T127C及びN153C、ならびに/または、L110C及びN322Cに対応するシステイン置換の対を含む操作されたジスルフィド結合を含み、核酸分子がmRNA分子である、前記核酸分子。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
操作されたタンパク質が、L219及び/またはV231に対応する位置に置換をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
操作されたタンパク質が、L219K及びV231Iに対応する置換をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項4】
操作されたタンパク質が、T365C及びV463Cに対応するシステイン置換の対をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項5】
操作されたタンパク質が、T127C及びN153Cに対応するシステイン置換の対、T365C及びV463Cに対応するシステイン置換の対、並びにL219Kに対応する置換を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項6】
操作されたタンパク質が、T127C及びN153Cに対応するシステイン置換の対、T365C及びV463Cに対応するシステイン置換の対、並びにV231Iに対応する置換を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項7】
操作されたタンパク質が、A/D185Pに対応するプロリン置換をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項8】
操作されたタンパク質が、配列番号4~7のうちいずれか1つの位置87~104に対応する残基からGGGGSGGGGSR(配列番号8)への置換をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項9】
操作されたタンパク質が、L66、L73、N145、Q195、E453、K188、H368、D461、T49、及び/またはV262に対応する位置に静電相互作用置換をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項10】
静電相互作用置換が、L66N、L73E、N145E、Q195K、E453Q、L66D、K188R、H368R、D461E、T49E、及び/またはV262Dに対応する置換を含む、請求項9に記載の核酸分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2020年10月9日に出願された米国仮出願第63/089,978号の優先権の利益を主張するものであり、同文献の内容全体が参照により本明細書に援用される。
続きを表示(約 4,900 文字)【0002】
配列表の参照
本願は、EFS-Webを介してASCII形式で提出された配列表を含み、ここに、参照によりその全体が本明細書に援用される。2021年10月7日に作成された該ASCIIの写しは、UTFBP1250WO_ST25.txtと名付けられ、50.6バイトのサイズである。
【0003】
1.技術分野
本開示は、全般的に、医学、ウイルス学、免疫学、及びタンパク質工学の分野に関する。より具体的には、本開示は、操作されたヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質、ならびに薬物設計及びワクチン製剤化におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0004】
2.関連技術の説明
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、2001年のその発見より前に少なくとも半世紀にわたってヒトにおいて伝播してきた、Pneumoviridae(ニューモウイルス)科の呼吸器ウイルスである(van den Hoogen et al.,2001)。感染はほぼ偏在的に5歳までに起こり、再感染の負荷が生涯を通じて継続する(van den Hoogen et al.,2001)。しかしながら、乳児(6~12ヶ月)、高齢者、及び免疫不全の人たちは、肺炎及び気管支炎等のより重度の疾患により入院のリスクが増加する(Deffrasnes et al.,2007)。hMPVが提示する疾病負荷にもかかわらず、予防または治療のために承認されたワクチンまたは治療薬は存在しない。Pneumoviridae科の成員として(Paramyxoviridae(パラミクソウイルス)内の亜科から最近格上げされた)、hMPVは、エンベロープを持つマイナス鎖RNAウイルスである。この科内のウイルスは、表面に発現した3つの膜タンパク質をコードする。hMPVの場合、これらは、小疎水性(small hydrophobic)(SH)、付着(G)、及び融合(F)タンパク質である(Shafagati & Williams,2018)。
【0005】
クラスIウイルス融合糖タンパク質として、hMPV Fは、最初に単一ポリペプチド前駆体(F

)として翻訳される。タンパク質分解切断により、F

は、ジスルフィド結合したF

及びF

サブユニットに変換される(図1A)。次いで、3つのF

/F

ヘテロ二量体が会合して、活性型のタンパク質を構成する準安定な融合前(prefusion)三量体となる。細胞培養物中では、このタンパク質分解活性化は、一塩基切断部位でタンパク質を切断するトリプシンの添加によって遂行され得る(van den Hoogen et al.,2001、Skiadopoulos et al.,2006、Schickli et al.,2005)。自然感染中に、hMPV F

は、TMPRSS2等のトリプシン様細胞外セリンプロテアーゼによって切断されるが、標的細胞と対比して産生細胞内でこれが起こる程度は、明確にされていない(Shirogane et al.,2008)。成熟F

サブユニットのN末端は、融合前F三量体の内部空洞内に位置する、融合ペプチドと呼ばれる疎水性配列を含む(Battles et al.,2017)。ヒト呼吸器合胞体ウイルスF(RSV F)及びインフルエンザヘマグルチニン(HA)等の他のクラスI融合タンパク質については、三量体は不安定であり、一過性で広がって開く、または「呼吸する」ことが可能であることが示されている(Bangaru et al.,2019、Watanabe et al.,2019、Gilman et al.,2019)。最近、hMPV Fの三量体境界面を標的とするヒト抗体が記載され、融合前hMPV Fがインビボでこの一過性の開口を経ることが示唆されている(Huang et al.,2020)。膜融合を容易にするために、準安定な融合前Fタンパク質は、実質的な立体構造変化を経て、融合ペプチドを遊離させ、宿主の細胞膜の中へ伸展させる。この不安定なプレヘアピン中間体は、それ自体の上に再度折り重なって、いわゆる融合後(postfusion)立体構造において、N末端及びC末端ヘプタッドリピート(それぞれHRA及びHRB)の三量体から構成される高度に安定な6ヘリックスバンドルを形成する(Mas et al.,2016)。ウイルス侵入におけるその必要不可欠な役割を考慮して、hMPVに対するワクチン候補は一般に、Fタンパク質を含む。換言すれば、hMPVに対する潜在的なワクチン接種戦略は、ウイルス感染に必要不可欠であるその融合(F)糖タンパク質を標的とすることによる。しかしながら、薬物候補を同定するため及びFタンパク質に対する有効な免疫応答を刺激するために使用され得る、安定化されたFタンパク質に対する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本明細書では、熱安定性のhMPV Fの融合前立体構造バリアントが提供される。シスチン(cystine)変異の対の導入によりジスルフィド結合を導入することで、タンパク質の発現量及び熱安定性が改善された。個々の疎水性、静電相互作用、及び電荷低減の変異もまた有益である。加えて、複数の有益な変異を組み合わせることで、所望のタンパク質特性がさらに改善された。
【0007】
一実施形態では、本明細書において、(i)配列番号1、2、及び4~7のうちいずれかのアミノ酸19~489、または(ii)配列番号3のアミノ酸19~484に対して少なくとも90%の同一性を有する、メタニューモウイルス(MPV)Fタンパク質外部ドメインを含む操作されたタンパク質が提供され、該操作されたタンパク質は、配列番号1~7のうちいずれか1つの配列に対して少なくとも1つの変異を含み、該少なくとも1つの変異は、K166、N342、A/D185、K188、T49、V262、H435、E26、G439、N46、L158、A161、L50、V162、E51、R163、V104、N457、L110、N322、A113、D336、A116、A338、A140、A147、S291、S443、S293、S444、S355、V442、T365、V463、S22、G53、V169、E305、L302、V47、A159、T127、N153、G121、I/F258、G106、A107、T160、I128、A190、V118、Q426、L165、V191、S149、I137、V/I122、S192、T317、L105、L134、A117、S347、G261、I268、S470、L473、S265、L460、F48、Q455、V231、A374、I217、S376、G366、S194、L219、A344、A86、T114、V148、D461、L66、L73、N145、Q195、E453、及び/またはH368に対応する位置に置換を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、(i)配列番号1、2、及び4~7のうちいずれかのアミノ酸19~489、または(ii)配列番号3のアミノ酸19~484に対して少なくとも95%の同一性を有する。配列番号1は、BV-115バリアント配列に対応する。配列番号2は、JSM-1147バリアント配列に対応する。配列番号3は、DW-1バリアント配列に対応する。配列番号4は、hMPV A1 NL/1/00株のFタンパク質(GenBank:AAK62968.2)に対応する。配列番号5は、hMPV A2 NL/00/17株のFタンパク質(GenBank:ACJ70115.1)に対応する。配列番号6は、hMPV B1 NL/1/99株のFタンパク質(GenBank:AY525843.1)に対応する。配列番号7は、hMPV B2 TN/99/419株のFタンパク質(GenBank:AAS92882.1)に対応する。
【0008】
一部の態様では、操作されたタンパク質は、A/D185Pに対応するプロリン置換を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、RQSR(配列番号4~7のうちいずれか1つの残基99~102;配列番号9)からRRRR(配列番号1~3のうちいずれか1つの残基99~102;配列番号10)に対応する置換を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、A/D185Pに対応するプロリン置換及びRQSR(配列番号4~7のうちいずれか1つの残基99~102;配列番号9)からRRRR(配列番号1~3のうちいずれか1つの残基99~102;配列番号10)に対応する置換を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、配列番号1~7のうちいずれか1つの残基87~104からGGGGSGGGGSR(配列番号8)に対応する置換を含む。
【0009】
一部の態様では、操作されたタンパク質は、E26C及びG439C、N46C及びL158C、T49C及びA161C、L50C及びV162C、E51C及びR163C、E51C及びK166C、V104C及びN457C、L110C及びN322C、A113C及びD336C、A116C及びA338C、A140C及びA147C、S291C及びS443C、S293C及びS443C、S293C及びS444C、S355C及びV442C、T365C及びV463C、S22C及びH435C、G53C及びK166C、G53C及びV169C、E305C及びN457C、S291C及びL302C、V47C及びA159C、T127C及びN153C、G121C及びI/F258C、F48C及びT160C、ならびに/またはT365C及びQ455Cに対応するシステイン置換の対を含む、操作されたジスルフィド結合を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、A116C及びA338C、T365C及びV463C、T127C及びN153C、T365C及びQ455C、V104C及びN457C、L110C及びN322C、またはA140C及びA147Cに対応するシステイン置換の対を含む、操作されたジスルフィド結合を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、A140C及びA147Cに対応するシステイン置換の対を含む、操作されたジスルフィド結合を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、V104C及びN457Cに対応するシステイン置換の対を含む、操作されたジスルフィド結合を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、L110C及びN322Cに対応するシステイン置換の対を含む、操作されたジスルフィド結合を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、T365C及びV463Cに対応するシステイン置換の対を含む、操作されたジスルフィド結合を含む。
【0010】
一部の態様では、操作されたタンパク質は、L219及び/またはV231に対応する位置に置換を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、L219K及び/またはV231Iに対応する置換を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、T127C及びN153Cに対応するシステイン置換の対を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、L110C及びN322Cに対応するシステイン置換の対を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、A140C及びA147Cに対応するシステイン置換の対を含む。一部の態様では、操作されたタンパク質は、G366Sに対応する置換を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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