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公開番号2025102768
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2025033734,2021566276
出願日2025-03-04,2020-05-08
発明の名称B型肝炎を治療するための組成物及び方法
出願人ビーム セラピューティクス インク.
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/09 20060101AFI20250701BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】B型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムの核酸塩基の編集方法を提供する。
【解決手段】方法は、HBVゲノムを、1つ以上のガイドRNA、及びポリヌクレオチドプログラム可能なDNA結合ドメインとアデノシンデアミナーゼまたはシチジンデアミナーゼドメインとを含む塩基編集体と接触させることを含み、前記ガイドRNAが、前記塩基編集体を標的指向化してHBVゲノムの核酸塩基の改変をもたらす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
B型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムの核酸塩基の編集方法であって、前記方法が、前記HBV
ゲノムを、1つ以上のガイドRNA、及びポリヌクレオチドプログラム可能なDNA結合ドメイ
ンとアデノシンデアミナーゼまたはシチジンデアミナーゼドメインとを含む塩基編集体と
接触させることを含み、前記ガイドRNAが、前記塩基編集体を標的指向化して前記HBVゲノ
ムの前記核酸塩基の改変をもたらす、前記編集方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記核酸塩基が、HBVタンパク質をコードするポリヌクレオチド中にある、請求項1に記
載の方法。
【請求項3】
前記接触を、真核細胞、哺乳類細胞、またはヒト細胞において行う、請求項1または2に
記載の方法。
【請求項4】
前記細胞が、in vivoまたはex vivoである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記シチジンデアミナーゼが、前記HBVゲノム中の標的CをUに転換させる、請求項1~4
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記シチジンデアミナーゼが、前記HBVタンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド
内の標的C・GをT・Aに転換させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アデノシンデアミナーゼが、前記HBVタンパク質をコードする前記ポリヌクレオチ
ド内の標的A・TをG・Cに転換させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記HBVタンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド中の前記核酸塩基の改変が、未
成熟終止コドンを生じさせる、請求項2~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記核酸塩基の前記改変が、HBV Xタンパク質において、R87*またはW120*終結を生じさ
せる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記核酸塩基の前記改変が、HBV Sタンパク質において、W35*またはW36*を生じさせる
、請求項8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本国際PCT出願は、2019年5月10日に出願された米国仮出願第62/846,422号、及び2019年
10月29日に出願された米国仮出願第62/927,585号の優先権及び利益を主張し、その各々の
内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる深刻な肝臓感染症である。H
BVは小さなDNAヘパドナウイルスであり、RNA中間体を介して複製し、宿主のゲノムに組み
込まれることで感染細胞内で存続することができる。米国の85万人~220万人を含め、世
界中でおよそ2億5700万人が、HBVに慢性的に感染している。慢性HBV感染症は、慢性肝炎
、肝硬変、及び/または肝細胞癌として現れる。慢性HBV感染症の成人の20%~30%は、肝細
胞癌または肝硬変を発症する。HBV感染症は、年間60万人~100万人の死亡の原因となって
いる。
【0003】
HBV感染症に対する現在の治療アプローチには厳しい制限がある。ヌクレオチド逆転写
酵素阻害剤であるテノホビルなどの抗ウイルス薬は、ウイルス複製を減少させることがで
きるが、HBV感染患者を治癒することはない。これらの抗ウイルス療法は、患者に月額500
ドル~1500ドルもの費用を負担させ得る。HBVによる肝障害の程度により、移植が必要に
なる場合がある。臓器移植に固有のリスクに加えて、費用負担は法外なものになり得る。
したがって、HBV感染症を治療するための改善された方法が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
以下に記載するように、本発明は、HBVゲノムに改変を導入することによってB型肝炎ウ
イルス(HBV)感染を治療するための組成物及び方法を特徴とする。特定の実施形態では、
本発明は、HBVゲノムを改変して、未成熟終止コドンまたはHBVのコード配列またはHBVの
共有結合閉環状DNA(cccDNA:covalently closed circular DNA)内の核酸塩基の脱アミ
ノ化などの変化を導入するための塩基編集系(例えば、プログラム可能なDNA結合タンパ
ク質、塩基エディター、及びgRNAを含む融合タンパク質)を提供する。
【0005】
本明細書において、B型肝炎(HBV)ゲノムを編集するための方法及び組成物、ならびに関
連する治療及びその使用を提供する。一態様では、本明細書において、B型肝炎ウイルス(
HBV)ゲノムの核酸塩基の編集方法を提供し、方法は、HBVゲノムを、1つ以上のガイドRNA
、ならびにポリヌクレオチドプログラム可能なDNA結合ドメイン及びアデノシンデアミナ
ーゼまたはシチジンデアミナーゼドメインを含む塩基編集体と接触させることを含み、前
記ガイドRNAは、前記塩基編集体を標的指向化してHBVゲノムの核酸塩基の改変をもたらす
。いくつかの実施形態では、HBVゲノムの核酸塩基は、HBVタンパク質をコードするポリヌ
クレオチドである。いくつかの実施形態では、接触を、真核細胞、哺乳類細胞、またはヒ
ト細胞において行う。いくつかの実施形態では、接触は、細胞内、in vivoまたはex vivo
である。いくつかの実施形態では、シチジンデアミナーゼは、HBVゲノム内の標的CをUに
変換する。いくつかの実施形態では、シチジンデアミナーゼは、HBVタンパク質をコード
するポリヌクレオチド内の標的C・GをT・Aに変換する。いくつかの実施形態では、アデノ
シンデアミナーゼは、HBVタンパク質をコードするポリヌクレオチド内の標的A・TをG・C
に変換する。
【0006】
上記の方法のいくつかの実施形態では、HBVタンパク質をコードするポリヌクレオチド
中のHBVゲノム内の核酸塩基の改変は、未成熟終止コドンを生じさせる。いくつかの実施
形態では、核酸塩基の改変は、HBV Xタンパク質において、R87*またはW120*終結を生じさ
せる。いくつかの実施形態では、核酸塩基の改変は、HBV Sタンパク質において、W35*ま
たはW36*を生じさせる。いくつかの実施形態では、HBVポリヌクレオチドの改変は、ミス
センス変異である。いくつかの実施形態では、ミスセンス変異は、HBV pol遺伝子内にあ
る。いくつかの実施形態では、ミスセンス変異は、HBV pol遺伝子によってコードされるH
BVポリメラーゼタンパク質中のE24G、L25F、P26F、R27C、V48A、V48I、S382F、V378I、V3
78A、V379I、V379A、L377F、D380G、D380N、F381P、R376G、A422T、F423P、A432V、M433V
、P434S、D540G、A688V、D689G、A717T、E718K、P713S、P713L、またはL719Pを生じさせ
る。いくつかの実施形態では、ミスセンス変異は、HBVコア遺伝子内にある。いくつかの
実施形態では、ミスセンス変異は、HBVコア遺伝子によってコードされるHBVコアタンパク
質において、T160A、T160A、P161F、S162L、C183R、または*184Qを生じさせる。いくつか
の実施形態では、ミスセンス変異は、HBV X遺伝子内にある。いくつかの実施形態では、
ミスセンス変異は、HBV X遺伝子によってコードされるHBV Xタンパク質において、H86R、
W120R、E122K、E121K、またはL141Pを生じさせる。特定の実施形態では、ミスセンス変異
は、HBV S遺伝子によってコードされるHBV Sタンパク質において、S38F、L39F、W35R、W3
6R、T37I、T37A、R78Q、S34L、F80P、またはD33Gを生じさせる。
【0007】
上記の方法のいくつかの実施形態では、本明細書に提供するポリヌクレオチドプログラ
ム可能なDNA結合ドメインは、Streptococcus pyogenes Cas9 (SpCas9)、Staphylococcus
aureus Cas9 (SaCas9)、Streptococcus thermophilus 1 Cas9 (St1Cas9)、Steptococcus
canis Cas9 (ScCas9)、またはそのバリアントから選択されるCas9である。いくつかの実
施形態では、Cas9は、5’-NGG-3’、5’-NAG-3’、5’-NGA-3’、5’-NAA-3’、5’-NNAG
GA-3’、または5’-NNACCA-3’から選択される核酸配列に対して、プロトスペーサー隣接
モチーフ(PAM)特異性を有する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドプログラム
可能なDNA結合ドメインは、改変されたプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)特異性を有す
る改変されたCas9を含む。いくつかの実施形態では、改変されたPAMは、5’-NNNRRT-3’
、NGA-3’、5’-NGCG-3’、5’-NGN-3’、NGCN-3’、5’-NGTN-3’、または5’-NAA-3’
から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドプログラム可能なDNA結合
ドメインは、ヌクレアーゼ不活性バリアントまたはニッカーゼバリアントである。いくつ
かの実施形態では、ヌクレアーゼ不活性バリアントまたはニッカーゼバリアントは、アミ
ノ酸置換D10Aまたはそれに対応するアミノ酸置換を含むヌクレアーゼ不活性化Cas9 (dCas
9)である。
【0008】
上記の方法のいくつかの実施形態では、アデノシンデアミナーゼドメインは、デオキシ
リボ核酸(DNA)中のアデニンを脱アミノ化することができる。いくつかの実施形態では、
アデノシンデアミナーゼは、TadAデアミナーゼである。いくつかの実施形態では、TadAデ
アミナーゼは、TadA*7.10、TadA*8.1、TadA*8.2、TadA*8.3、TadA*8.4、TadA*8.5、TadA*
8.6、TadA*8.7、TadA*8.8、TadA*8.9、TadA*8.10、TadA*8.11、TadA*8.12、TadA*8.13、T
adA*8.14、TadA*8.15、TadA*8.16、TadA*8.17、TadA*8.18、TadA*8.19、TadA*8.20、TadA
*8.21、TadA*8.22、TadA*8.23、またはTadA*8.24である。いくつかの実施形態では、シチ
ジンデアミナーゼドメインは、DNA中のシチジンを脱アミノ化することができる。いくつ
かの実施形態では、シチジンデアミナーゼは、APOBECまたはその誘導体である。いくつか
の実施形態では、塩基編集体は、ウラシルグリコシラーゼ阻害因子(UGI:uracil glycos
ylase inhibitor)をさらに含む。いくつかの実施形態では、塩基編集体は、ウラシルグ
リコシラーゼ阻害因子(UGI)を含まない。
【0009】
上記の方法のいくつかの実施形態では、HBVゲノム中の核酸塩基を編集するための1つ以
上のガイドRNAは、CRISPR RNA (crRNA)及びトランスコードされた低分子RNA (tracrRNA)
を含み、crRNAは、HBV核酸配列に相補的な核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩
基編集体は、HBV核酸配列に相補的な核酸配列を含む単一のガイドRNA (sgRNA)と複合体を
形成している。いくつかの実施形態では、HBVタンパク質は、HBV S、ポリメラーゼ(pol)
、コア、またはXタンパク質である。
【0010】
いくつかの態様では、B型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムの核酸塩基を編集するための上記の
方法は、1つ以上の核酸塩基を編集することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、2
つ以上のHBV核酸配列を標的とする2つ以上のガイドRNAを含む。いくつかの実施形態では
、ガイドRNAは、UCAAUCCCAACAAGGACACC;GGGAACAAGAUCUACAGCAU;AAGCCCAGGAUGAUGGGAUG
;CUGCCAACUGGAUCCUGCGC;GACACAUCCAGCGAUAACCA;GCUGCCAACUGGAUCCUGCG;UAUGGAUGAUGU
GGUAUUGG;CCAUGCCCCAAAGCCACCCA;AAGCCACCCAAGGCACAGCU;GAGAAGUCCACCACGAGUCU;CUUC
UCUCAAUUUUCUAGGG;GACGACGAGGCAGGUCCCCU;CCCAACAAGGACACCUGGCC;UGCCAACUGGAUCCUGCG
CG;AGGAGUUCCGCAGUAUGGAU;CCGCAGUAUGGAUCGGCAGA;CCUCUGCCGAUCCAUACUGC;CGCCCACCGA
AUGUUGCCCA;GACUUCUCUCAAUUUUCUAG;GUUCCGCAGUAUGGAUCGGC;UACUAACAUUGAGGUUCCCG;UC
CGCAGUAUGGAUCGGCAG;UCCUCUGCCGAUCCAUACUG;GUAGCUCCAAAUUCUUUAUA;またはAAUCCACACU
CCGAAAGACAの1つ以上から選択される、5’から3’までの配列、またはその1、2、3、4、
または5ヌクレオチドの5’トランケーション断片を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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