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公開番号2025101750
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2024227894
出願日2024-12-24
発明の名称飲食品に加熱耐性を付与するタマネギ抽出物
出願人三菱商事ライフサイエンス株式会社
代理人
主分類A23L 27/10 20160101AFI20250630BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明の課題は、飲食品に加熱耐性を付与することのできるタマネギ抽出組成物、および該タマネギ抽出組成物の製造方法、ならびに該タマネギ抽出組成物を用いた飲食品に加熱耐性を付与する方法を提供することである。
【解決手段】タマネギ抽出物とリナロールおよび2-(メチルチオ)エタノールとを共存させた組成物はレトルト処理のような加熱処理後でも生のタマネギ様の華やかな香気を保持することができ、該組成物を飲食品に添加することで、飲食品を加熱した際に生じる蒸れたような臭い(ムレ臭)を抑制することができ、該飲食品に加熱耐性を付与することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リナロールおよび2-(メチルチオ)エタノールを含むタマネギ抽出組成物。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、Brix値を3~20重量%に調整した該組成物5mLをバイアル瓶に入れ、NaCl2gおよび98ppmのシクロヘキサノール100μLを添加し、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ質量分析装置でヘッドスペースを分析した際のシクロヘキサノールのピーク面積値を1とした場合、前記組成物中に含まれるリナロールのピーク面積値が0.01~2、2-(メチルチオ)エタノールのピーク面積値が0.01~3である、タマネギ抽出組成物。
【請求項3】
さらにエタノールを含む、請求項1または2に記載のタマネギ抽出組成物。
【請求項4】
さらに3,4-ジメチルチオフェンを含む、請求項1または2に記載のタマネギ抽出組成物。
【請求項5】
さらに3,4-ジメチルチオフェンを含む、請求項3に記載のタマネギ抽出組成物。
【請求項6】
請求項1または2に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法。
【請求項7】
請求項3に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法。
【請求項8】
請求項4に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法。
【請求項9】
請求項5に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法。
【請求項10】
請求項1または2に記載の組成物を添加する工程を含む、加熱耐性の付与された飲食品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食品に加熱耐性を付与することのできるタマネギ抽出物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
タマネギは独特の香気を有する食用の作物で、生食が可能であり、加熱によって特有の甘味や風味を呈することから、加工品の原料として様々な食品に利用されている。また、飲食品の製造などの工業的な場面において、タマネギ抽出物を利用することもある。一般に流通する飲食品は殺菌などの目的で加熱されることがほとんどである。特に、レトルト食品の市場規模は拡大しており、タマネギ抽出物を用いたレトルト食品も流通している。レトルト食品をはじめとする、製造工程に加熱処理工程を有する飲食品は、工程中の加熱処理によって製品に過剰な熱がかかり、食品そのものの風味が散逸して損なわれることが問題となっており、加熱しても風味が低下しにくい飲食品が求められていた。
【0003】
これまでに、添加した飲食品に加熱耐性を与えるタマネギ抽出物として、加熱処理後のタマネギを主原料とした野菜類に、穀類麹、食塩及び酵母を加えて発酵熟成させた発酵調味料が知られている(特許文献1)。また、タマネギを含有する食品をレトルト処理した際に感じられるムレ臭を抑制するため、タマネギ含有食品を100℃~114℃、5~30分間加熱処理したのち、さらに118℃~130℃、3~40分間の条件で殺菌処理する方法が報告されている(特許文献2)。
【0004】
しかしながら、特許文献1は、タマネギを加熱処理する工程を含むため、生のタマネギ様の華やかな香気が損なわれるという問題があった。また、特許文献2に記載の方法では、2度高温で処理する必要があり、設備面や煩雑さの点でさらなる改良が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-000157号公報
特開平10-023874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、簡便に製造可能な、飲食品に加熱耐性を付与することのできるタマネギ抽出組成物、および該抽出組成物を含む飲食品ならびに該抽出組成物を用いた飲食品に加熱耐性を付与する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題の解決につき鋭意検討した結果、タマネギ抽出物とリナロールおよび2-(メチルチオ)エタノールとを共存させた組成物はレトルト処理のような加熱処理後でも生のタマネギ様の華やかな香気を保持することができることを見出した。さらに該組成物を飲食品に添加することで、加熱した際に生じる蒸れたような臭い(ムレ臭)を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち本発明は、以下の第一~第十七に関する。
第一に、リナロールおよび2-(メチルチオ)エタノールを含むタマネギ抽出組成物である。第二に、第一に記載の組成物であって、Brix値を3~20重量%に調整した該組成物5mLをバイアル瓶に入れ、NaCl2gおよび98ppmのシクロヘキサノール100μLを添加し、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ質量分析装置でヘッドスペースを分析した際のシクロヘキサノールのピーク面積値を1とした場合、前記組成物中に含まれるリナロールのピーク面積値が0.01~2、2-(メチルチオ)エタノールのピーク面積値が0.01~3である、タマネギ抽出組成物である。
第三に、さらにエタノールを含む、第一または第二に記載のタマネギ抽出組成物である。
第四に、さらに3,4-ジメチルチオフェンを含む、第一または第二に記載のタマネギ抽出組成物である。
第五に、さらに3,4-ジメチルチオフェンを含む、第三に記載のタマネギ抽出組成物である。
第六に、第一または第二に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法である。
第七に、第三に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法である。
第八に、第四に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法である。
第九に、第五に記載の組成物を添加することを特徴とする、飲食品の加熱耐性の付与方法である。
第十に、第一または第二に記載の組成物を添加する工程を含む、加熱耐性の付与された飲食品の製造方法である。
第十一に、第三に記載の組成物を添加する工程を含む、加熱耐性の付与された飲食品の製造方法である。
第十二に、第四に記載の組成物を添加する工程を含む、加熱耐性の付与された飲食品の製造方法である。
第十三に、第五に記載の組成物を添加する工程を含む、加熱耐性の付与された飲食品の製造方法である。
第十四に、第一または第二に記載の組成物を含む、飲食品である。
第十五に、第三に記載の組成物を含む飲食品である。
第十六に、第四に記載の組成物を含む飲食品である。
第十七に、第五に記載の組成物を含む飲食品である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、リナロールおよび2-(メチルチオ)エタノールをタマネギ抽出物に含ませることで、レトルト処理後においても、該抽出物に生のタマネギ様の華やかな香気を保持させることができる。また、該抽出物をレトルト食品に用いることで、レトルト食品のムレ臭を抑制することができ、飲食品に含まれる素材の素材感を増強することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明におけるタマネギ抽出物は、製造方法に制限はなく、通常の食品製造に採用される方法で製造されたものであれば用いることができ、例えば生タマネギを水で抽出した抽出物が挙げられる。タマネギ抽出物としては、生タマネギの切断や細断、磨砕、搾汁などの加工時に発生する液状またはスラリー状のものも用いてもよく、固形物を含んだものを用いてもよい。また、生タマネギのほか、加熱されたタマネギから抽出されたタマネギ抽出物を用いても良い。このほか、生タマネギから得られたタマネギ抽出物の加熱処理物を用いてもよい。タマネギ抽出物は、市販のものも利用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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