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公開番号2025100787
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025068907,2021519474
出願日2025-04-18,2020-05-14
発明の名称腫瘍組織に腫瘍溶解ウイルスを投与する方法、及び投与用デバイス
出願人オンコリスバイオファーマ株式会社
代理人個人,個人
主分類A61K 35/761 20150101AFI20250626BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】内視鏡を用いて腫瘍組織にウイルスを投与する方法の提供。
【解決手段】ウイルス含有溶液が充填された内視鏡穿刺針を腫瘍組織に挿入し、当該ウイルスを注入することを特徴とする、内視鏡を用いて腫瘍組織にウイルスを投与する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
腫瘍溶解アデノウイルスを含む、腫瘍組織への投与用組成物であって、当該組成物は、軟性内視鏡を用いて、少なくとも1mLの腫瘍溶解アデノウイルス含有溶液を、少なくとも5箇所の部位に、1箇所の部位当たり0.1mL以上の量で投与されるものであり、
前記腫瘍溶解アデノウイルス
は、
腫瘍周堤基部及び/又は腫瘍組織の辺縁部に投与される、
前記組成物。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
腫瘍溶解アデノウイルスを含む腫瘍治療用医薬組成物であって、当該組成物は、ウイルス含有溶液が充填された軟性内視鏡用の穿刺針を腫瘍組織に挿入し、少なくとも1mLの腫瘍溶解アデノウイルス含有溶液を、少なくとも5箇所の部位に、1箇所の部位当たり0.1mL以上の量で投与されるものであり、
前記腫瘍溶解アデノウイルス
は、
腫瘍周堤基部及び/又は腫瘍組織の辺縁部に投与される、
前記組成物。
【請求項3】
腫瘍が、胃癌、胃食道接合部癌、食道癌、十二指腸癌、膵臓癌、結腸癌、頭頸部癌、肛門癌、直腸癌、小腸癌、肺癌及び肝臓癌からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記腫瘍溶解アデノウイルスが、同じ病変部に1回以上追加的に投与される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記腫瘍溶解アデノウイルスがhTERTプロモーターを含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記腫瘍溶解アデノウイルスが、ヒトテロメラーゼプロモーター(hTERTプロモーター)、E1A遺伝子、IRES配列及びE1B遺伝子をこの順序で含むポリヌクレオチドがそのゲノムに組み込まれたウイルス(OBP-301)、又は当該OBP-301のE3領域にEgr-1プロモーター及びp53遺伝子をこの順序で含むポリヌクレオチドが組み込まれたウイルス(OBP-702)である請求項5に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡を用いて腫瘍溶解ウイルスを腫瘍組織に投与する方法、及び腫瘍の治療方法、並びに投与又は治療用デバイスに関する。引用文献の全ての開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
腫瘍溶解ウイルスは、がん治療の新たな戦略のためのツールとして提唱されており、前臨床研究及び臨床試験では、臨床状況におけるその効力が検討されている。腫瘍溶解剤として、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、レオウイルス、ワクシニアウイルス、麻疹ウイルスなどいくつかのウイルスが報告されている。そして、腫瘍溶解アデノウイルスの抗腫瘍能は、前臨床試験及び臨床試験で実証されている。
OBP-301は、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)プロモーターをゲノムに導入することにより、遺伝子が癌細胞内で選択的に複製できるように改変された腫瘍溶解性アデノウイルスであり、各種がんに対する治療が期待される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Fujiwara, T. et al. Curr Cancer Drug Targets, 7:191-201, 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、OBP-301の効果をさらに強く発揮させるための腫瘍の治療法の開発が求められていた。また、消化器癌、特に食道よりも遠隔の消化器癌に対し、外科的手術を行わずに患者の負担が少ない腫瘍溶解ウイルスを投与する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、内視鏡下で腫瘍組織にOBP-301を直接投与することにより、腫瘍を治療し得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ウイルス含有溶液が充填された内視鏡穿刺針を腫瘍組織に挿入し、当該ウイルスを注入することを特徴とする、内視鏡を用いて腫瘍組織にウイルスを投与する方法。
(2)ウイルス含有溶液が充填された内視鏡穿刺針を腫瘍組織に挿入し、当該ウイルスを注入することを特徴とする、内視鏡を用いて腫瘍を治療する方法。
(3)腫瘍が、胃癌、胃食道接合部癌、食道癌、十二指腸癌、膵臓癌、結腸癌、頭頸部癌、肛門癌、直腸癌、小腸癌、肺癌及び肝臓癌からなる群より選択される少なくとも1つである、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)ウイルスが、腫瘍組織中の少なくとも5箇所の部位に投与される、(1)又は(2)に記載の方法。
(5)ウイルスが、腫瘍組織中の1箇所の部位あたり少なくとも0.1mL投与される、(1)又は(2)に記載の方法。
(6)ウイルスが、腫瘍組織中の1箇所の部位あたり少なくとも5秒かけて投与される、(1)又は(2)に記載の方法。
(7)ウイルスが、腫瘍周堤基部及び/又は腫瘍組織の辺縁部に投与される、(1)又は(2)に記載の方法。
(8)ウイルスが、同じ病変部に1回以上追加的に投与される、(1)又は(2)に記載の方法。
(9)ウイルスが腫瘍溶解ウイルスである、(1)又は(2)に記載の方法。
(10)ウイルスが、アデノウイルス、ヘルペスウイルス及び水疱性口内炎ウイルスからなる群から選択されるものである(1)又は(2)に記載の方法。
(11)ウイルスがアデノウイルスである(1)又は(2)に記載の方法。
(12)ウイルスがhTERTプロモーターを含有するアデノウイルスである(1)又は(2)に記載の方法。
(13)腫瘍溶解ウイルスがOBP-301又はOBP-702である(9)に記載の方法。
(14)内視鏡と、ウイルス含有溶液が充填された内視鏡穿刺針とを備える、内視鏡を用いて腫瘍組織にウイルスを投与するため又は腫瘍を治療するためのデバイス。
(15)腫瘍が、胃癌、胃食道接合部癌、食道癌、十二指腸癌、膵臓癌、結腸癌、頭頸部癌、肛門癌、直腸癌、小腸癌、肺癌及び肝臓癌からなる群より選択される少なくとも1つである、(14)に記載のデバイス。
(16)ウイルスが腫瘍溶解ウイルスである、(14)に記載のデバイス。
(17)ウイルスが、アデノウイルス、ヘルペスウイルス及び水疱性口内炎ウイルスからなる群から選択されるものである(14)に記載のデバイス。
(18)ウイルスがアデノウイルスである(14)に記載のデバイス。
(19)ウイルスがhTERTプロモーターを含有するアデノウイルスである(14)に記載のデバイス。
(20)腫瘍溶解ウイルスがOBP-301又はOBP-702である(16)に記載のデバイス。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、内視鏡下で腫瘍組織に腫瘍溶解ウイルスを直接投与して腫瘍を治療することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
内視鏡穿刺針に薬液を充填する方法を示す図である。
がん組織へのOBP-301の投与部位を示す図である。
がん組織へのOBP-301の投与部位を示す図である。
がん組織へのOBP-301の投与方法を示す図である。
がん組織へのOBP-301の投与方法を示す図である。
食道がん患者に対しOBP-301による治療を行ったときの症例経過を示す図である。
食道がん患者に対しOBP-301による治療を行ったときの症例経過を示す図である。
食道がん患者に対しOBP-301による治療を行ったときの症例経過を示す図である。
食道がん患者に対しOBP-301による治療を行ったときの症例経過を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、腫瘍組織にウイルスを内視鏡的に投与する方法に関する。本発明において、ウイルスには、増殖性ウイルス及び非増殖性ウイルスが含まれる。増殖性ウイルスには、腫瘍溶解性ウイルスが含まれる。本発明の一実施形態では、ウイルスにはアデノウイルス、ヘルペスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、レオウイルス、ワクシニアウイルス、及び麻疹ウイルスなどが含まれる。これらの中でも、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、水疱性口内炎ウイルスが好ましく、アデノウイルスが特に好ましい。本発明においては、ゲノムにhTERTプロモーターを含むアデノウイルスが好ましい。
【0010】
本発明の好ましい実施形態において、腫瘍溶解ウイルスは、組換え腫瘍溶解ウイルスを含む。本発明の組換え腫瘍溶解ウイルス(例えば、OBP-301)は、ヒトテロメラーゼプロモーター(hTERTプロモーター)、E1A遺伝子、IRES配列及びE1B遺伝子をこの順序で含むポリヌクレオチドがそのゲノムに組み込まれたウイルスを意味する。本発明に用いられるウイルスの種類は特に限定されないが、安全性の観点からアデノウイルスが好ましい。アデノウイルスのうち、5型アデノウイルスは、取り扱いが容易である等の点で特に好ましい。組換え腫瘍溶解性アデノウイルスは、WO2004/005511に記載の方法によって得ることができる。あるいは組換え腫瘍溶解アデノウイルスであるOBP-301は、Oncolys BioPharma Inc.から「Telomelysin」(登録商標)として入手することができる。また、OBP-301のE3領域にEgr-1プロモーター及びp53遺伝子をこの順序で含むポリヌクレオチドが組み込まれたOBP-702も好適に使用することができる。OBP-702は、Oncolys BioPharma Inc.から入手することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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