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公開番号2025100716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025065748,2021544076
出願日2025-04-11,2020-09-07
発明の名称トランス脂肪酸含有エステル体を分解する新規エステラーゼ
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 9/20 20060101AFI20250626BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】トランス脂肪酸含有エステル体を分解する新規ポリペプチドなどを提供すること。
【解決手段】本発明者らによって見出された新規エステラーゼは、トランス脂肪酸含有エステル体を分解する活性を有した。本開示のエステラーゼは、配列番号2、8、12、16、または22に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、もしくは配列番号1、7、11、15、または21の塩基配列によってコードされるポリペプチド、またはそれらと少なくとも70%の配列相同性を有するポリペプチドからなる。このエステラーゼは、低温および/または高温でもエステル体を分解する能力を有し、65℃におけるエステル体分解能についても熱安定性に優れる局面も見いだされた。本開示のエステラーゼは、例えば排水処理、洗剤、脂肪改変・油脂生産技術などの油処理に有用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
本願明細書の一部に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、トランス脂肪酸含有エステル体を分解する新規エステラーゼ、およびその応用(例えば、排水処理、油処理)に関する。別の局面では、本開示は、低温および/または高温でもエステル体を分解する新規エステラーゼおよびその応用に関する。
続きを表示(約 8,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般家庭、外食産業、工業用設備などで発生する汚れの代表的なものとして、油汚れが挙げられる。油汚れは、台所、流し、厨房、パイプ、排水溝、換気扇、洗濯などといった場面で生じる洗浄が困難な汚れである。油汚れは、悪臭や害虫の発生源となり、環境汚染も生じさせ得るものであるため、油処理における画期的な技術の確立が、公衆衛生面および環境面の両面から切望されている。
【0003】
外食産業の厨房排水に含まれる油分を固液分離により除く処理設備であるグリーストラップは、悪臭や害虫の発生源であること、分離した油の回収や運搬、清掃等のメンテナンスに労苦やコストがかかることなどを考慮すると、グリーストラップ内の油を消滅させるような画期的な技術の確立が、外食産業を中心とする産業界から切望されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意研究した結果、トランス脂肪酸含有エステル体を分解するエステラーゼを見出した。このエステラーゼは、低温および/または高温でもエステル体を分解する能力を有し、さらに熱安定性に優れている局面も見いだされた。本開示は、本開示のエステラーゼの応用、例えば油処理等にも関する。
【0005】
したがって、本開示は、以下を提供する。
(1)
(a)配列番号2、8、12または16に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)(a)のアミノ酸配列において、1アミノ酸以上の置換、付加、欠失またはそれらの組合せを含むアミノ酸配列を含み、生物学的活性を有するポリペプチド;
(c)(a)または(b)に示すアミノ酸配列と少なくとも70%以上の配列同一性を有し、生物学的活性を有するポリペプチド;
(d)配列番号1、7、11または15に示す塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(e)(d)に示す塩基配列において、1ヌクレオチド以上の置換、付加、欠失またはそれらの組合せを含む塩基配列によってコードされ、生物学的活性を有するポリペプチド;
(f)(d)または(e)に示す塩基配列と少なくとも70%以上の配列同一性を有する塩基配列によってコードされ、生物学的活性を有するポリペプチド;
(g)(d)~(f)のいずれか1つに示す塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされ、かつ生物学的活性を有するポリペプチド;
(h)(d)~(g)のいずれか1つの塩基配列の対立遺伝子変異体によってコードされ、生物学的活性を有するポリペプチド;または
(i)(a)~(h)に示すアミノ酸配列の断片を含む、ポリペプチド、
である、ポリペプチド。
(2)前記ポリペプチドはエステラーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(2A)前記ポリペプチドはリパーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(2B)前記エステラーゼはリパーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(3)前記生物学的活性は、トランス脂肪酸含有エステル体の資化に関連する能力、またはトランス脂肪酸含有エステル体を分解する能力を含む、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(3A)前記生物学的活性は、中鎖脂肪酸含有エステル体の資化に関連する能力、または中鎖脂肪酸含有エステル体を分解する能力を含む、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(4)前記ポリペプチドはエステラーゼであり、その基質特異性の対象が油脂を含む短鎖~長鎖の脂肪酸含有エステル体である、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(5)15℃においてエステル体を分解する能力を有するエステラーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(6)
(A)(a)75℃、
(b)65℃、
(c)67℃、または
(d)70℃
において熱安定性を有する、および/または
(B)(a)60℃、
(b)40℃、または
(c)65℃
において至適温度を有する、および/または
(C)(a)pH8~9、または
(b)pH9
においてpH安定性を有する、および/または、
(D)pH9において至適pHを有する、
上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(7)ヤロウィア リポリティカ(Yarrowia lipolytica)に由来するポリペプチドである、上記項目のいずれかに記載のポリペプチド。
(8)
(A)配列番号1、7、11または15に示す塩基配列を含むポリヌクレオチド;
(B)(A)に示す塩基配列において、1ヌクレオチド以上の置換、付加、欠失またはそれらの組合せを含む塩基配列を含み、生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(C)(A)または(B)に示す塩基配列と少なくとも70%以上の配列同一性を有する塩基配列を含み、生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(D)(A)~(C)のいずれか1つに示す塩基配列またはその相補的配列を含むポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含み、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(E)(A)~(D)のいずれか1つの塩基配列の対立遺伝子変異体であって、生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(F)配列番号2、8、12または16に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(G)(F)のアミノ酸配列において、1アミノ酸以上の置換、付加、欠失またはそれらの組合せを含むアミノ酸配列を含み、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(H)(F)または(G)に示すアミノ酸配列と少なくとも70%以上の配列同一性を有し、生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;または
(I)(F)~(H)に示す塩基配列の断片を含む、ポリヌクレオチド、
である、ポリヌクレオチド。
(9)前記ポリペプチドはエステラーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(9A)前記ポリペプチドはリパーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(9B)前記エステラーゼはリパーゼである、上記項目のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(10)前記生物学的活性は、トランス脂肪酸含有エステル体の資化に関連する能力、またはトランス脂肪酸含有エステル体を分解する能力を含む、上記項目のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【0006】
本開示において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供されうることが意図される。本開示のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0007】
本開示を使用して、従来除去が困難であったトランス脂肪酸含有油脂の処理が容易になった。また、従来の微生物や酵素では使用が難しかった高温環境下や低温環境下でも油脂除去や油処理ができるようになった。したがって、本開示の新規エステラーゼ(例えば、リパーゼ)は、洗剤、皮革工業、食品工業、油脂による環境汚染の浄化、生ごみ処理、コンポスト化処理、排水処理などの廃棄物処理および堆肥化、消化剤などの医薬品、脂性肌のための化粧品などの技術分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、ヤロウィア リポリティカ(Yarrowia lipolytica)KH-2株の第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼをコードする遺伝子の遺伝子番号、推定された機能、シグナルペプチド(SP)の有無、遺伝子産物の推定分子量を示す。
図2は、KH-2株を15℃でファーメンターにより培養したときの、5種類のエステラーゼ(第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼの代表的配列のもの)の発現レベルを示すグラフである。発現レベルは、alg9 (1,2-mannosyltransferase)遺伝子の発現量により正規化された相対的な値により示される。グラフの横軸は、左から順に、24時間、48時間および72時間培養後の培養物に対応する。グラフの縦軸は、相対的な発現レベルを示す。
図3-1は、KH-2株由来の第1および第2のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質の至適温度、熱安定性、至適pHおよびpH安定性を示す。上段の(A)~(D)は第1のエステラーゼの代表的配列のものの結果を示し、下段の(E)~(H)は第2のエステラーゼの代表的配列のものの結果を示す。(A)および(E)はエステラーゼの至適温度を示し、(B)および(F)はエステラーゼの熱安定性を示し、(C)および(G)はエステラーゼの至適pHを示し、(D)および(H)はエステラーゼのpH安定性を示す。(A)~(H)の縦軸は、エステラーゼ活性が最大になるときの活性に対する相対的なエステラーゼ活性を示し、(A)、(B)、(E)および(F)の横軸は温度を示し、(C)、(D)、(G)および(H)の横軸はpHを示す。
図3-2は、KH-2株由来の第3および第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質の至適温度、熱安定性、至適pHおよびpH安定性を示す。上段の(A)~(D)は第3のエステラーゼの代表的配列のものの結果を示し、下段の(E)~(H)は第4のエステラーゼの代表的配列のものの結果を示す。(A)および(E)はエステラーゼの至適温度を示し、(B)および(F)はエステラーゼの熱安定性を示し、(C)および(G)はエステラーゼの至適pHを示し、(D)および(H)はエステラーゼのpH安定性を示す。(A)~(H)の縦軸は、エステラーゼ活性が最大になるときの活性に対する相対的なエステラーゼ活性を示し、(A)、(B)、(E)および(F)の横軸は温度を示し、(C)、(D)、(G)および(H)の横軸はpHを示す。
図4は、ノボザイム社リパーゼ(Novozym(登録商標)51032)と本開示のエステラーゼとの比較を示す。油汚れのついた換気扇フィルターを、Novozym51032(N-51032)、本開示の第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼで漬け置き洗いをした写真である。AはNovozym51032、Bは第1のエステラーゼ、Cは第2のエステラーゼ、Dは第3のエステラーゼ、Eは第4のエステラーゼ、Fは第5のエステラーゼで、それぞれ漬け置き洗いをした後のエステラーゼ溶液および換気扇フィルターの写真を示す。
図5-1は、本開示の第1、第2および第5のエステラーゼによるエステル体の分解活性を示す。(A)緩衝液単独(Buffer)、第5のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第5のエステラーゼ)、第1のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第1のエステラーゼ)、または第2のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第2のエステラーゼ)を、0.7gのショートニングと、28℃で24時間インキュベートした。インキュベートした後の油脂の画像を示す。(B)緩衝液単独(Buffer)、第5のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第5のエステラーゼ)、第1のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第1のエステラーゼ)、または第2のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第2のエステラーゼ)を、0.5gのラードと、28℃で24時間インキュベートした。インキュベートした後の油脂の画像を示す。(C)緩衝液単独(Buffer)、第5のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第5のエステラーゼ)、第1のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第1のエステラーゼ)、または第2のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第2のエステラーゼ)を、それぞれトリオレイン(Tole)、トリエライジン(TED)、ショートニングまたはラードとインキュベートし、次いで薄層クロマトグラフィーによって分離し、モリブトリン酸n水和物により検出した結果を示す。左から順に、トリオレイン、トリエライジン、ショートニングおよびラードとインキュベートしたものを示す。
図5-2は、本開示の第3および第4のエステラーゼによるエステル体の分解活性を示す。(A)緩衝液単独(Buffer)、第3のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第3のエステラーゼ)、または第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第4のエステラーゼ)を、0.7gのショートニングと、28℃で24時間インキュベートした。インキュベートした後の油脂の画像を示す。(B)緩衝液単独(Buffer)、第3のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第3のエステラーゼ)、または第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第4のエステラーゼ)を、0.5gのラードと、28℃で24時間インキュベートした。インキュベートした後の油脂の画像を示す。(C)緩衝液単独(Buffer)、第3のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第3のエステラーゼ)、または第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼ(第4のエステラーゼ)を、それぞれトリオレイン(Tole)、トリエライジン(TED)、ショートニングまたはラードとインキュベートし、次いで薄層クロマトグラフィーによって分離し、モリブトリン酸n水和物により検出した結果を示す。左から順に、トリオレイン、トリエライジン、ショートニングおよびラードとインキュベートしたものを示す。
図6は、第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼの代表的なものの基質特異性を示す。表の左側に使用した基質を示し、上から順にアセテート(C2)、ブチレート(C4)、オクタノエート(C8)、ラウレート(C12)およびパルミテート(C16)を有する4-ニトロフェニルエステル(pNP-ester)脂質に対応する。表の右側は、第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼのエステラーゼ活性であり、各基質中最大の活性を示したものを100%としたときの相対的な活性で示される。
図7は、段階希釈を行った本開示の第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼによるトランス脂肪酸含有エステル体の分解を示す。データは左から順に、0.01u/ml、0.001u/ml、および0.0001u/mlに段階希釈したエステラーゼでの結果を示し、各データは、左から順に、第1、第2、第3、第4および第5のエステラーゼの代表的配列のものでの結果に対応する。
図8は、本開示の第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼによる、低温でのトランス脂肪酸含有エステル体の分解を示す。各バンドは、左から順に、緩衝液単独(Buffer)、第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のものに対応し、下部の矢印は、加水分解産物(遊離脂肪酸)のバンドに対応する。
図9は、本開示の第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼによる、トリオレインの改変を示す。各バンドは、左から順に、第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のもの、または緩衝液(Buffer)をメタノールおよびトリオレインと混合して反応させたもの、ならびにオレイン酸メチル評品を薄層クロマトグラフィー分析により解析した結果を示す。各シグナルは、上から順に、オレイン酸メチルエステル、トリオレイン、オレイン酸およびジアシルグリセロールに対応する。
図10は、本開示の第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼによる、トランス脂肪酸の改変を示す。(A)第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のもの、または緩衝液単独(Buffer)をメタノールおよびパルミテライジン酸と混合して反応させたもの、ならびにパルミテライジン酸メチル評品を薄層クロマトグラフィー分析により解析した結果を示す。各シグナルは、上から順に、パルミテライジン酸メチルエステルおよびパルミテライジン酸に対応する。(B)第1、第2、第3および第4のエステラーゼの代表的配列のもの、または緩衝液単独(Buffer)をメタノールおよびバクセン酸と混合して反応させたもの、ならびにバクセン酸メチル評品を薄層クロマトグラフィー分析により解析した結果を示す。各シグナルは、上から順に、バクセン酸メチルエステルおよびバクセン酸に対応する。
図11は、本開示の第2および第5のエステラーゼの代表的配列のものの組換えタンパク質を発現させた大腸菌株から得られた精製エステラーゼによる、トランス脂肪酸の改変を示す。(A)第2および第5のエステラーゼの代表的配列のもの、または緩衝液単独(Buffer)をメタノールおよびパルミテライジン酸と混合して反応させたもの、ならびにパルミテライジン酸メチル評品を薄層クロマトグラフィー分析により解析した結果を示す。各シグナルは、上から順に、パルミテライジン酸メチルエステルおよびパルミテライジン酸に対応する。(B)第2および第5のエステラーゼの代表的配列のもの、または緩衝液単独(Buffer)をメタノールおよびバクセン酸と混合して反応させたもの、ならびにバクセン酸メチル評品を薄層クロマトグラフィー分析により解析した結果を示す。各シグナルは、上から順に、バクセン酸メチルエステルおよびバクセン酸に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0010】
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。本明細書では、KH-2株などの株名は、場合により「株」との表示を省略することがあるが、当業者は文脈に応じて、株との表示があると適切に理解する。
(【0011】以降は省略されています)

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