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公開番号2025099740
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216637
出願日2023-12-22
発明の名称摺動部材、摺動部材の製造装置、及び摺動部材の製造方法
出願人住友重機械工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 16/27 20060101AFI20250626BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】摩擦係数を低減することができる摺動部材、摺動部材の製造装置、及び摺動部材の製造方法を提供する。
【解決手段】摺動部材は、面方向に硬度分布を有するダイヤモンドライクカーボン膜3を有する。すなわち、ダイヤモンドライクカーボン膜3は、面方向における位置によって高い硬度の箇所と低い硬度の箇所を有する。ここで、ダイヤモンドライクカーボン膜3は、第1の領域4Aと、第1の領域4Aよりも硬度が低い第2の領域4Bと、を有する。ダイヤモンドライクカーボン膜3に対して対象物10が相対的に摺動した場合、硬度が低い第2の領域4Bにて、潤滑作用のある摩耗粉PDが発生する。また、第1の領域4A及び第2の領域4Bが面方向に交互に配置される。そのため、硬度が低い第2の領域4Bが削れて形成された凹部11に摩耗粉PDが蓄積されることで、継続的に潤滑作用を継続的に発揮できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
対象物と接触した状態で相対的に摺動し得る摺動部材であって、
面方向に硬度分布を有するダイヤモンドライクカーボン膜を有し、
前記ダイヤモンドライクカーボン膜は、第1の領域と、前記第1の領域よりも硬度が低い第2の領域と、を有し、
前記第1の領域及び前記第2の領域が前記面方向に交互に配置される、摺動部材。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記ダイヤモンドライクカーボン膜を支持する基材を更に備え、
前記基材は、凹凸形状を有しており、
前記第1の領域は、前記基材の凹部に対応する位置に形成され、
前記第2の領域は、前記基材の凸部に対応する位置に形成される、請求項1に記載された摺動部材。
【請求項3】
対象物と接触した状態で相対的に摺動し得る摺動部材を製造する摺動部材の製造装置であって、
基材に成膜材料を付着させることでダイヤモンドライクカーボン膜を成膜する成膜部を備え、
前記成膜部は、前記ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度分布を面方向に不均一とすることが可能な調整部と、を備える、摺動部材の製造装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記基材を載置する電極、または前記基材である、請求項3に記載された摺動部材の製造装置。
【請求項5】
前記調整部は、面方向に連続した凹凸形状を有する、請求項3に記載された摺動部材の製造装置。
【請求項6】
前記調整部は、互いに材料が異なる領域を面方向に交互に有する、請求項3に記載された摺動部材の製造装置。
【請求項7】
前記調整部は、バイアス電圧を印加する電極である、請求項3に記載された摺動部材の製造装置。
【請求項8】
対象物と接触した状態で相対的に摺動し得る摺動部材を製造する摺動部材の製造方法であって、
基材に成膜材料を付着させることでダイヤモンドライクカーボン層を成膜する成膜工程を備え、
前記成膜工程では、前記ダイヤモンドライクカーボン層の硬度分布を面方向に不均一とする、摺動部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動部材、摺動部材の製造装置、及び摺動部材の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、機械の摺動部に用いられる摺動部材のオイルレス化が進められている。このような無潤滑摺動を行うための摺動部材として、ダイヤモンドライクカーボン膜を有する摺動部材が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-116669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のように、単にダイヤモンドライクカーボン膜を採用しただけの摺動部材では、無潤滑条件下の摺動部材として、摩擦係数の低減が不十分であった。そのため、ダイヤモンドライクカーボン膜の摩擦係数を更に低減することが求められていた。
【0005】
本発明は、摩擦係数を低減することができる摺動部材、摺動部材の製造装置、及び摺動部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の摺動部材は、対象物と接触した状態で相対的に摺動し得る摺動部材であって、面方向に硬度分布を有するダイヤモンドライクカーボン膜を有し、ダイヤモンドライクカーボン膜は、第1の領域と、第1の領域よりも硬度が低い第2の領域と、を有し、第1の領域及び第2の領域が面方向に交互に配置される。
【0007】
本発明に係る摺動部材は、面方向に硬度分布を有するダイヤモンドライクカーボン膜を有する。すなわち、ダイヤモンドライクカーボン膜は、面方向における位置によって高い硬度の箇所と低い硬度の箇所を有する。ここで、ダイヤモンドライクカーボン膜は、第1の領域と、第1の領域よりも硬度が低い第2の領域と、を有する。ダイヤモンドライクカーボン膜に対して対象物が相対的に摺動した場合、硬度が低い第2の領域にて、潤滑作用のある摩耗粉が発生する。また、第1の領域及び第2の領域が面方向に交互に配置される。そのため、硬度が低い第2の領域が削れて形成された凹部に摩耗粉が蓄積されることで、継続的に潤滑作用を継続的に発揮できる。以上より、摺動部材の摩擦係数を低減することができる。
【0008】
摺動部材は、ダイヤモンドライクカーボン膜を支持する基材を更に備え、基材は、凹凸形状を有しており、第1の領域は、基材の凹部に対応する位置に形成され、第2の領域は、基材の凸部に対応する位置に形成されてよい。このように、基材に凹凸形状を設けるだけで、容易にダイヤモンドライクカーボン膜に第1の領域及び第2の領域を形成することができる。
【0009】
本発明に係る摺動部材の製造装置は、対象物と接触した状態で相対的に摺動し得る摺動部材を製造する摺動部材の製造装置であって、基材に成膜材料を付着させることでダイヤモンドライクカーボン膜を成膜する成膜部を備え、成膜部は、ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度分布を面方向に不均一とすることが可能な調整部と、を備える。
【0010】
本発明に係る摺動部材の製造装置において、成膜部は、ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度分布を面方向に不均一とすることが可能な調整部を備える。そのため、ダイヤモンドライクカーボン膜は、面方向における位置によって高い硬度の箇所と低い硬度の箇所を有する。ダイヤモンドライクカーボン膜に対して対象物が相対的に摺動した場合、硬度が低い箇所にて、潤滑作用のある摩耗粉が発生する。そのため、製造装置によって製造された摺動部材の摩擦係数を低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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