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公開番号2025098902
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023215321
出願日2023-12-20
発明の名称オカラ含有液状食品
出願人地方独立行政法人鳥取県産業技術センター,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人
主分類A23L 11/00 20250101AFI20250625BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】独特の触感を備えるオカラを用いた新しい食品を提供する。
【解決手段】1~15重量%の35メッシュ以上のオカラ(又は大豆粉末)と、0.1~1重量%のκカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上と、及び水と、を含む液状食品。さらに、ザラつき感を備える液状食品を製造する方法、およびザラつき感を評価する方法も提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1~15重量%の35メッシュ以上のオカラ(又は大豆粉末)と、
0.1~1重量%のκカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上と、及び
水と、を含む液状食品。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記群は、κカラギーナン及び/又はλカラギーナンからなることを特徴とする請求項1に記載の液状食品。
【請求項3】
当該液状食品は、所定環境下で、せん断速度を変化させながら行う粘度測定において、せん断速度に対する粘度の変化が所定の特徴を有することを特徴とする請求項1に記載の液状食品。
【請求項4】
高炭水化物含有食品において、高炭水化物成分の代わりにオカラ(又は大豆粉末)を使用する低炭水化物含有食品であることを特徴とする請求項1に記載の液状食品。
【請求項5】
ザラつき感を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液状食品。
【請求項6】
更に、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の少なくとも1つ又は2つ以上を加えることのできる成分を含む請求項5に記載の液状食品。
【請求項7】
ベジタリアン対応可能なことを特徴とする請求項5に記載の液状食品。
【請求項8】
ビーガン対応可能なことを特徴とする請求項5に記載の液状食品。
【請求項9】
グルテンフリーであることを特徴とする請求項5に記載の液状食品。
【請求項10】
請求項5に記載の液状食品を製造する方法であって、
水若しくは水を含有する液状成分に、1~15重量%の微粉砕オカラ(又は大豆粉末)の35メッシュ以上のものを投入するステップと、
0.1~1重量%のκカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上を更に投入するステップと、を含む方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オカラ含有液状食品及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
様々な食品製造業から出てくる加工残滓は、まだ食品としての利用価値の可能性があるにもかかわらず、その利用法が開発されていないということだけで、多くが産業廃棄物として莫大な費用を投じて処理されている。つまり、加工残滓の食品としての活用法を見い出すことができれば、資源の有効理由が促進されるだけではなく、処理費用低減という絶大なる効果が期待される。
【0003】
例えば、オカラは、豆腐製造の副産物としてよく知られているが、我が国で年間100万トン程度も生成され、その多くが産業廃棄物として処理されているとされる。これまでも、その有効活用が種々模索されてきたが、未だ、十分とは言えない。オカラは、大豆の風味や、たんぱく質、食物繊維(特に、不溶性食物繊維)などが豊富で、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB2などの栄養素が多く含まれるとされ、安価で栄養満点の優良な健康食品として注目されている。しかし、水分が多いため、腐敗し易い上に、食品としての応用範囲が狭い。特に、食物繊維が多く、ザラついた食感であるため、食品としての利用が普及していないと考えられる。一方、平均粒径400μm以下の微細オカラと豆乳とを組み合わせることにより、オカラを含んでいても、ザラつきがなく、滑らかな食感が得られるとともに、乳成分などの動物性成分を含まずに、ボディ感を向上でき、コクのある風味を有するとされるオカラ含有組成物が開示されている(例えば、特許文献1)。即ち、オカラの平均粒径を小さくすると、ザラつき感が減少することが示唆されている。
【0004】
そのため、単細胞化工程を含まずに、少ない工程で青臭さと、ざらざらした食感のない、オカラ入りの豆腐を製造する方法や製造装置が提案されている(例えば、特許文献2)。また、大豆の栄養成分を摂取することができ、かつ、325メッシュを全通しない粒度の大豆粉末を使用してもザラツキをほとんど感じないゲル食品が提案されている(例えば、特許文献3)。このゲル食品においては、大豆粉末、寒天及びκ型カラギーナンから選ばれる1種又は2種、ローカストビーンガム及びキサンタンガム、並びに水を混合し、90℃以上に達温させた後、冷却して得られるものである。このように主に大豆粉末やオカラを含む食品において、ザラつき感がないことが目的とされてきた。
【0005】
一方、粉チーズのようなザラつき感を有した乳化状ソースであって、製造後保存されたり加熱されたりしても前記ザラついた食感が損なわれ難い乳化状ソースが提案されている(特許文献4)。これは、粉チーズ様のザラつき感を有した乳化状ソースであって、大豆たん白及びオクテニルコハク酸化処理澱粉が配合され、乳化状ソースのpHが3~5であり、大豆たん白凝集物が略均一に分散している乳化状ソースである。このように、食感については、その食品の種類等により、異なるものが望まれることもある。
【0006】
ところで、ビシソワーズ(ジャガイモの冷製スープ)やお汁粉(小豆の漉し餡を用いたもの)においては、ザラつき感が、それぞれの食品の特徴である。つまり、食感として、制御されたザラつき感が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-113873号公報
特開2017-112884号公報
特開2015-61518号公報
特開2011-4688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述するように、食品の種類によっては、異なる食感が好まれる。特に、ザラつき感については、オカラや大豆粉末の粒径を小さくすることにより、ザラつきをなくす試みがなされてきた。一方、大豆たん白凝集物が略均一に分散したものがザラつき感を生じさせると考えられているが、それは、大豆たん白が酸により変性して凝集したものであるとされる。そして、ビシソワーズやお汁粉においては、ジャガイモ由来のザラつき感や小豆の漉し餡由来のザラつき感が望まれている。そして、ジャガイモや小豆の少なくとも一部をオカラで代替することができるならば、オカラの食品としての応用範囲が広がることが期待される。しかるに、本発明者の知る限りにおいて、これまで、そのような代替が論じられてきたことはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、オカラにおけるザラつき感生成能を利用することにより、オカラの食品としての応用範囲を広げることができる。例えば、オカラ又は大豆粉末の粒径及びその他の添加成分を適宜選択することにより、独特なザラつき感を特徴とする、非オカラ含有食品へのオカラの追加、添加、又は代替(何れも部分的な場合を含む)を可能とすることができる。
【0010】
より具体的には、以下のものを含んでよい。
(1)1~15重量%の35メッシュ以上のオカラ(又は大豆粉末)と、0.1~0.5重量%のκカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上と、及び 水と、を含む液状食品。
ここで、重量%は、オカラの乾燥オカラ相当分の重量パーセントを意味してよい。35メッシュ以上とは、35メッシュ又はそれより大きな番手のメッシュをパスするもののことを言う。例えば、35メッシュであれば、約500μm以下の粒がろ過される(パスする)と考えられる。100メッシュであれば、約149μm以下の粒がろ過される(パスする)と考えられる。オカラの大きさは20メッシュ以上が好ましく、25メッシュ以上が好ましく、30メッシュ以上が好ましい。また、40メッシュ以上であってもよく、45メッシュ以上であってもよく、50メッシュ以上であってもよく、60メッシュ以上であってもよく、70メッシュ以上であってもよく、80メッシュ以上であってもよく、100メッシュ以上であってもよく、140メッシュ以上であってもよく、170メッシュ以上であってもよく、200メッシュ以上であってもよく、270メッシュ以上であってもよく、325メッシュ以上であってもよい。工業的には、メッシュの数が大きくなると生産性が低下するおそれもあるので、400メッシュ程度のものでもよい。κカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上は、0.01重量%以上であってもよく、0.05重量%以上であってもよく、0.07重量%以上であってもよい。また、κカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上は、3重量%以下であってもよく、2重量%以下であってもよく、1.5重量%以下であってもよく、1.0重量%以下であってもよい。
(2)前記群は、κカラギーナン及び/又はλカラギーナンからなることを特徴とする上記(1)に記載の液状食品。
(3)当該液状食品は、所定環境下で、せん断速度を変化させながら行う粘度測定において、せん断速度に対する粘度の変化が所定の特徴を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の液状食品。
(4)高炭水化物含有食品において、高炭水化物成分の代わりにオカラ(又は大豆粉末)を使用する低炭水化物含有食品であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の液状食品。
(5)ザラつき感を備えることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載の液状食品。
(6)更に、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の少なくとも1つ又は2つ以上を加えることのできる成分を含む上記(1)から(5)のいずれかに記載の液状食品。
(7)ベジタリアン対応可能なことを特徴とする上記(1)から(6)のいずれかに記載の液状食品。
(8)ビーガン対応可能なことを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかに記載の液状食品。
(9)グルテンフリーであることを特徴とする上記(1)から(8)のいずれかに記載の液状食品。
(10)上記(1)から(9)のいずれかに記載の液状食品を製造する方法であって、水若しくは水を含有する液状成分に、35メッシュ以上のオカラを投入するステップと、0.1~0.5重量%のκカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上を更に投入するステップと、を含む方法。
オカラの添加量、オカラの通過するメッシュの数、κカラギーナン、λカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上の量については、上記(1)における記載と同様である。
(11)甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の少なくとも1つ又は2つ以上を加えるステップを含む上記(10)に記載の方法。
(12)前記群は、κカラギーナン及び/又はλカラギーナンからなることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の方法。
(13)上述するいずれかのザラつき感を評価する方法であって、円すい-平板形回転粘度計を用いて、所定温度でせん断速度を変化させながら測定された粘度において、せん断速度の増加と共に粘度が低下する基調の両対数グラフをプロットするステップと、低せん断速度から、粘度のせん断速度依存性を直線に近似するステップと、直線近似に使用される次のより高いせん断速度のプロットと、近似により得られた直線との距離を算出するステップと、を含むザラつき感の評価方法。
(14)前記距離が、近似により得られた直線において最初の低せん断速度から最後に直線近似のために使用されるプロットのせん断速度までの長さ算出するステップを含む上述する何れかの評価方法。
(15)前記距離と、前記長さを比較するステップを含む上述する何れかの評価方法。
(【0011】以降は省略されています)

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