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公開番号
2025098209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-01
出願番号
2025054423,2023551927
出願日
2025-03-27,2022-09-30
発明の名称
抗体および機能性物質の位置選択的なコンジュゲートまたはその塩、ならびにその製造に用いられる抗体誘導体および化合物またはそれらの塩
出願人
味の素株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
A61K
47/68 20170101AFI20250624BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】抗体と機能性物質との結合比率が特定の範囲に制御され、かつ所望の性質に優れた抗体および機能性物質のコンジュゲートまたはその塩を提供する。
【解決手段】下記式(I’)で表される構造単位を含む、抗体および機能性物質の位置選択的なコンジュゲートまたはその塩を提供する。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025098209000144.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">87</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">153</com:WidthMeasure> </com:Image>
Dは、機能性物質を示し、rは、1.5~2.5である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(I’):
TIFF
2025098209000141.tif
87
153
〔式中、
Igは、抗体を示し、かつ、2個の重鎖中の、Eu numberingに従う246/248位、288/290位、または317位に存在するリジン残基の側鎖中のアミノ基を介して、Igに隣接するL1と位置選択的に結合しており、
R
A
は、バリン残基の側鎖を示し、
R
B
は、シトルリン残基、またはアラニン残基の側鎖を示し、
環Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
R
1
、およびR
2
は、それぞれ独立して、水素原子、またはアルキルを示し、
L
1
がカルボニル基を有し、Igとの位置選択的な結合が、リジン残基の側鎖中のアミノ基、およびL
1
中のカルボニル基の結合によるアミド結合により達成される、2価の基を示し、
L
2
は、2価の基を示し、
Dは、機能性物質を示し、
2個の重鎖あたりの前記結合の平均比率rは、1.5~2.5であり、
(-L
HG
-)が、下記式(a1)または(a2):
(a1) -CHR
HG
-
(a2) -CHR
HG
-(C=O)-NH-CHR
HG
-
〔式中、
R
HG
は、-CH
2
-CH
2
-COOH、で表される1価の基である。〕で表される2価の基を示し、R
HG1
、およびR
HG2
は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、またはベンジルオキシカルボニル基である。〕で表される構造単位を含む、位置選択的なコンジュゲートまたはその塩。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
抗体が、Fc領域タンパク質、またはFc領域融合タンパク質である、請求項1に記載の位置選択的なコンジュゲートまたはその塩。
【請求項3】
下記式(III’):
TIFF
2025098209000142.tif
84
153
〔式中、
R
A
は、バリン残基の側鎖を示し、
R
B
は、シトルリン残基、またはアラニン残基の側鎖を示し、
環Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
R
1
、およびR
2
は、それぞれ独立して、水素原子、またはアルキルを示し、
L
1
、およびL
2
は、それぞれ独立して、2価の基を示し、
B
1
は、生体直交性官能基を示し、
Dは、機能性物質を示し、
(-L
HG
-)が、下記式(a1)または(a2):
(a1) -CHR
HG
-
(a2) -CHR
HG
-(C=O)-NH-CHR
HG
-
〔式中、
R
HG
は、-CH
2
-CH
2
-COOH、で表される1価の基である。〕で表される2価の基を示し、
R
HG1
、およびR
HG2
は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、またはベンジルオキシカルボニル基である。〕で表される、化合物またはその塩。
【請求項4】
下記式(VII’):
TIFF
2025098209000143.tif
77
153
〔式中、
R
A
は、バリン残基の側鎖を示し、
R
B
は、シトルリン残基、またはアラニン残基の側鎖を示し、
環Aは、置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を示し、
R
1
は、水素原子、または1価の基を示し、
L
1
は、2価の基を示し、
B
1
は、生体直交性官能基を示し、
(-L
HG
-)が、下記式(a1)または(a2):
(a1) -CHR
HG
-
(a2) -CHR
HG
-(C=O)-NH-CHR
HG
-
〔式中、
R
HG
は、-CH
2
-CH
2
-COOH、で表される1価の基である。〕で表される2価の基を示し、
R
HG1
、およびR
HG2
は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、またはベンジルオキシカルボニル基である。〕で表される、生体直交性官能基を有する化合物またはその塩。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体および機能性物質の位置選択的なコンジュゲートまたはその塩、ならびにその製造に用いられる抗体誘導体および化合物またはそれらの塩などに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)の研究開発が盛んに行われている。ADCはその名の通り、抗体に薬物(例、抗癌剤)をコンジュゲーションした薬剤であり、癌細胞などに対して直接的な殺細胞活性を有する。代表的なADCとしては、Immunogene社およびRoche社が共同開発したT-DM1(商品名:カドサイラ(登録商標))がある。
【0003】
ADCは、抗体中に存在する特定のアミノ酸残基の側鎖中の官能基を薬物に結合することにより作製されている。ADCの作製に利用されるこのような官能基の例は、抗体中に存在するリジン残基の側鎖中のアミノ基である。抗体中のリジン基(例、246/248位、288/290位、または317位のリジン残基)を位置選択的に修飾する技術として、幾つかの技術が報告されている(例、特許文献1~4)。
【0004】
ADCでは、リンカーを介して抗体および薬物が連結されている。ADCにおけるリンカーとしては、種々のものが存在する。例えば、抗癌剤として用いられるADCでは、ヒト血漿中で安定であり、かつ、癌細胞内で薬物を放出するために特定酵素で切断可能な構造を有するリンカーとして、バリン-シトルリンからなるジペプチド(Val-Cit:VC構造)を含むリンカーが存在する。このようなジペプチドを含むリンカーは、下記(A)に示されるように、ヒト血漿中では安定であるものの、下記(B)に示されるように、ヒト癌細胞内のリソソーム中のカテプシン(cathepsin)BによりVC構造が認識されて、シトルリンのカルボキシ末端側に存在するアミド結合が切断される。したがって、このようなジペプチドを含むリンカーを有するADCは、ヒト癌細胞内で薬物を放出して薬効を発現することができる。
【0005】
TIFF
2025098209000002.tif
51
153
【0006】
TIFF
2025098209000003.tif
92
153
【0007】
しかし、上記のようなジペプチドを含むリンカーを有するADCは、マウス血漿中では不安定である(非特許文献1および2)。これは、マウス血漿中には、VC構造を認識して、シトルリンのカルボキシ末端側に存在するアミド結合を切断するカルボキシラーゼであるCes1cが存在することから、上記のようなジペプチドを含むリンカーがCes1cにより血漿中で切断されてしまうためである。したがって、上記のようなジペプチドを含むリンカーを有するADCについては、マウスとヒトでは体内動態が大きく異なる。そのため、マウスでは、ヒトにおける薬効を評価し難いという問題がある。
【0008】
TIFF
2025098209000004.tif
92
153
【0009】
上述のように「抗体-スペーサー-VC構造-スペーサー-薬物」という構造を有するADCについてマウス血漿中での不安定性を改善するため、リンカー(すなわち、スペー
サー-VC構造-スペーサー)の改変によるADCの安定化が試みられており、このような観点から、上記リンカーを介して抗体および薬物またはそのミミック(mimic)を連結しているADCが報告されている。例えば、上記リンカーを、抗体および薬物またはそのミミックを連結している主鎖中ではなく、その主鎖の側鎖中に含むADCとして、以下が報告されている(特許文献5)。
【0010】
JPEG
2025098209000005.jpg
67
157
Ab:抗体
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Val:バリン残基
Cit:シトルリン残基
(【0011】以降は省略されています)
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