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公開番号2025096273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025033603,2021539484
出願日2025-03-04,2019-09-17
発明の名称骨損傷を治療するための組成物及び方法
出願人ボード オブ リージェンツ ザ ユニヴァーシティ オブ テキサス システム
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/078 20100101AFI20250619BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】対象の大分節性骨欠損を治療し、改善し、治癒を加速する組成物及び方法に関する。
【解決手段】治療を必要とする患者に有効量の全血、クエン酸ナトリウム、エカリン、及びBMP-2を投与する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)単離された全血と、(b)クエン酸ナトリウムと、(c)エカリン;オスクタリン及び塩化カルシウム;塩化カルシウム;トロンビン;又はトロンビン及び塩化カルシウムとを含むエクスビボ血腫であって、少なくとも150~300nm±10%の厚さを有するフィブリン繊維を含むことを特徴とするエクスビボ血腫。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
(a)多血小板血漿、血漿、又は赤血球を有する血漿と、(b)エカリン;オスクタリン及び塩化カルシウム;塩化カルシウム;トロンビン;又はトロンビン及び塩化カルシウムとを含むエクスビボ血腫であって、少なくとも150~300nm±10%の厚さを有するフィブリン繊維を含む、前記エクスビボ血腫。
【請求項3】
クエン酸ナトリウムを更に含む、請求項2に記載のエクスビボ血腫。
【請求項4】
抗生物質を更に含む、請求項1又は2に記載のエクスビボ血腫。
【請求項5】
1つ以上の増殖因子を更に含む、請求項1又は2に記載のエクスビボ血腫。
【請求項6】
前記1つ以上の増殖因子が、骨形成タンパク質2(BMP-2)、BMP-7、BMP-4、BMP-6、BMP-9、BMP-14、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子2(FGF-2)、又はそれらの組み合わせである、請求項1又は5に記載のエクスビボ血腫。
【請求項7】
前記全血が、生存細胞及び1つ以上の生物学的因子を含む、請求項1に記載のエクスビボ血腫。
【請求項8】
前記全血の前記生存細胞の約50%~70%が、前記血腫の形成後、生存可能なままである、請求項7に記載のエクスビボ血腫。
【請求項9】
治療剤を更に含む、請求項1又は2に記載のエクスビボ血腫。
【請求項10】
全血と、エカリンと、クエン酸ナトリウムとを含む、請求項1に記載のエクスビボ血腫。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月17日に出願された米国仮特許出願第62/732,534号及び2019年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/845,500号の利益を主張するものである。これら先行して提出された出願の内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,300 文字)【0002】
平均790万件の骨折が米国だけで毎年発生し、約5~10%が癒合の遅延、非癒合、重症に準じた(sub-critical)サイズ欠損又は大きな骨欠損をもたらし、外科医にとって著しい治療上の課題をもたらす(Zura,et al.,JAMA Surg.2016 Nov16;151)。一般集団において、骨折の重症度、解剖学的位置、患者の併存症、喫煙、及び特定の薬剤の使用は、骨折治癒の問題に大いに寄与し得る(Zura,et al.,JAMA Surg.2016 Nov16;151)。脛骨、大腿骨、又は上腕骨の非癒合の治療費は、各場合で31,500ドルから34,400ドルの範囲であり、年間の医療費の大きな負担である(Kanakaris NK,Giannoudis PV.Injury.2007;38 Suppl2:S77 S84及びWu,et al Orthopedic Research and Reviews.2013:5 21-33)。
【0003】
更に、59,000人以上の軍人がイラク及びアフガニスタンでの勤務中に、戦闘関連の作戦で負傷し、そのうちの50%は大分節性骨欠損を含む筋骨格損傷であった(Belmont Jr.PJ,McCriskin BJ,Sieg RN,Burks R,Schoenfeld AJ.Combat wounds in Iraq and Afghanistan from 2005 to 2009.J Trauma Acute Care Surg.2012;73:3-12)。これらの衝突で受けた筋骨格損傷の78%は大きな肢体損傷であったと推定されている(Stansbury LG、Lalliss SJ,Branstetter JG,Bagg MR,Holcomb JB.Amputations in U.S.military personnel in the current conflicts in Afghanistan and Iraq.J Orthop Trauma.2008;22:43-46)。そのような骨損傷、特に、局所的に低下した組織血管分布と組み合わされた汚染された骨及び軟組織破壊による高衝撃性爆発損傷に関連するものは、治癒が不十分である。このような合併症がなくても、臨界サイズを超える骨欠損は治癒する本質的能力を有しない。大分節性骨欠損を有する患者の管理は、依然として軍人及び民間外科医が直面する最も困難な臨床問題の1つである(Pollak AN,Ficke JR,Extremity War Injuries III Session Moderators.Extremity war injuries:challenges in definitive reconstruction.J Am Acad Orthop Surg.2008;16:628-34)。これらの破壊的な傷害は、しばしば失敗や最終的な切断の重大なリスクを伴い、必然的に費用のかかる継続的な医療の長期経過をもたらすため、これらの傷害をうまく管理するための臨床医の能力向上の重要性は強調され過ぎることはない。イラク及びアフガニスタンでの軍事活動(OIF/OEF)の結果、2,000人以上の兵士が少なくとも1回の切断を必要とした(Fischer H.A Guide to U.S.Military Casualty Statistics:Operation Freedom’s Sentinel,Operation Inherent Resolve,Operation New Dawn,Operation Iraqi Freedom,and Operation Enduring Freedom.Congr Res Serv.2015;7)。更に、持続的な非治癒性骨欠損は、職場復帰又は軍事任務の遅延と関連し、それに応じて個人の生活の質が低下する。したがって、明らかに満たされていない臨床的ニーズが存在し、それはこれらの潜在的な壊滅的損傷に対処するためのより効果的な治療戦略の開発への強力な動機となる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示されるのは、(a)単離された全血と、(b)クエン酸ナトリウムと、(c)エカリン、オスクタリン及び塩化カルシウム、塩化カルシウム、トロンビン、又はトロンビン及び塩化カルシウムとを含むエクスビボ血腫であって、エクスビボ血腫は、少なくとも150~300nm±10%の厚さを有するフィブリン繊維を含む。
【0005】
本明細書に開示されるのは、(a)多血小板血漿、血漿、若しくは赤血球を有する血漿と、(b)エカリン、オスクタリン及び塩化カルシウム、塩化カルシウム、トロンビン、又はトロンビン及び塩化カルシウムとを含むエクスビボ血腫であって、エクスビボ血腫は、少なくとも150~300nm±10%の厚さを有するフィブリン繊維を含む。
【0006】
本明細書に開示されるのは、インプラントの構築方法であって、方法は、a)デポーインプラントの骨欠損への移植を容易にする形状及びサイズのうちの少なくとも1つにおいて、デポーインプラントを寸法決定することと、b)(i)単離された全血及びクエン酸ナトリウム、又は多血小板血漿、血漿、若しくは赤血球を有する血漿、並びに(ii)エカリン、オスクタリン及び塩化カルシウム、塩化カルシウム、トロンビン、又はトロンビン及び塩化カルシウムを導入することによって、デポーインプラントを足場を有するように構造化し、足場を作製することと、を含み、足場は55~75%の多孔率を有する。
【0007】
本発明の組成物及び方法の他の特徴及び利点は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲に例示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
哺乳動物の凝固カスケードにおける蛇毒由来の血栓促進剤の機序を図示する概略図。
ラット骨折血腫の走査電子顕微鏡画像を示す。0.5mm(通常は治癒する骨欠損;左画像)及び5mm(自然に治癒せず、外科医の介入を必要とする分節性骨欠損;右画像)骨欠損。スケール=1μm。
手術の3日後の、0.5mm(A)及び5mm(B)のラットにおける大腿骨欠損における血腫形成を示す。
ラットの血栓、天然凝塊(A)、エカリンが低濃度(B)、中濃度(C)、及び高濃度(D)のものを示す。
図5Aは、0.5U/mLのエカリンの添加後の血栓における幹細胞生存率を示す。図5Aは幹細胞を含まない凝塊を示す。自動蛍光赤血球(緑色)、細胞核(青色)、幹細胞の細胞骨格(赤色)。スケールバー=50μm。図5Bは、0.5U/mLのエカリンの添加後の血栓における幹細胞生存率を示す。図5Bは幹細胞を有する凝塊を示す。自動蛍光赤血球(緑色)、細胞核(青色)、幹細胞の細胞骨格(赤色)。スケールバー=50μm。
ラット大腿骨欠損モデルの図。白の四角は、エクスビボ血腫、多血小板血漿(PRP)又はBMP-2の移植についての5mmの欠損ギャップを示している。
骨折血腫の走査電子顕微鏡画像を示す。0.5mm(左画像、通常骨折)及び5mm(右画像、大きな骨欠損)。スケール=1μm。
ラット骨折血腫の走査電子顕微鏡画像(上段)及び繊維直径、繊維密度及び多孔性の定量化(下段)を示す。
フィブリン繊維のトポグラフィーを示す走査電子顕微鏡画像を示す。
エカリン及び塩化カルシウムを使用したラットのエクスビボ全血及び多血小板血漿の凝塊を示す走査電子顕微鏡画像を示す。全血(WB)+0.1U/mLのエカリン(上段左)。全血+0.5U/mLのエカリン(上段中央)。全血+10mMの塩化カルシウム(上段右)。多血小板血漿(PRP)+0.1U/mLのエカリン(下段左)。多血小板血漿+0.5U/mLのエカリン(下段中央)。多血小板血漿+10mMの塩化カルシウム(下段右)。
ラットエクスビボ血栓マイクロアーキテクチャの走査電子顕微鏡画像(上段)並びに繊維直径、繊維密度及び多孔率の定量化(下段)を示す。平均±SD、*p<0.05、**p<0.01、n=3。
は蛇毒酵素、エカリン(2D、インビトロ、*p<0.05、n=3)の存在下でのラットMSCの細胞生存率を示す。
蛇毒酵素、エカリン(3D、インビトロ)の存在下での組織培養における細胞生存率を示す。
異なるインプラントを使用した骨の治癒を示す。図14Aは8週時の全血(WB)+0.1U/mLのエカリンを示す。図14Bは8週時の多血小板血漿(PRP)+塩化カルシウムを示す。図14Cは8週時のコラーゲン足場+1.1μgのBMP-2を示す。図14Dは8週時の全血+0.3U/mLのエカリン+1.1μgのBMP-2を示す。図14Eは8週時の全血+0.3U/mLのエカリン+0.55μgのBMP-2を示す。図14Fは4週時の全血+0.6U/mLのエカリン+0.55μgのBMP-2を示す。
治療の8週間後の大きな骨欠損治癒を示す放射線画像を示す。代表的な画像は、各研究グループ内の2匹の異なる動物について示される。「++」=架橋された欠損、「+」=わずかに遅延した治癒(残りの少量の軟骨)、「-」=非癒合。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、以下の本明細書に含まれる発明の詳細な説明、図面及び実施例を参照することによってより容易に理解され得る。
【0010】
本組成物及び方法が開示及び説明される前に、それらは、特に指定されない限り特定の合成方法、又は特に指定されない限り特定の試薬に限定されないこと、そのようなものは、もちろん変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、限定することを意図されるものではないことも理解されたい。本明細書に記載のものと類似又は同等のあらゆる方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用され得るが、次に例示的な方法及び材料がここに記載される。
(【0011】以降は省略されています)

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