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公開番号2025094973
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023210688
出願日2023-12-14
発明の名称潜像画像形成体
出願人独立行政法人 国立印刷局
代理人
主分類B42D 25/41 20140101AFI20250619BHJP(製本;アルバム;ファイル;特殊印刷物)
要約【課題】
本発明は、蒲鉾状の画線を精緻に再現することが可能であり、刷合わせに困難性がなく、簡易な工程により製造可能な潜像画像形成体を提供する事を目的とする。
【解決手段】
本発明は、熱可塑性樹脂から成る基材層と、基材上に積層された熱可塑性樹脂から成る光学的変化層と、光学的変化層上に積層された光透過性を有する熱可塑性樹脂から成るレーザ発色層を有し、基材層は、断面が凸曲面の形状を有する凸構造要素を所定の規則性により複数配置して形成された凸構造要素群を備え、光学的変化層とレーザ発色層は、それぞれが凸構造要素群に追従した凸曲面の形状から成り、レーザ発色層は、レーザ発色した色彩の潜像要素群を備えたことを特徴とする潜像画像形成体を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂から成る基材層と、前記基材層上に積層された熱可塑性樹脂から成る光学的変化層と、前記光学的変化層上に積層された光透過性を有する熱可塑性樹脂から成るレーザ発色層を有し、
前記基材層は、断面形状が凸曲面を有する凸形状の凸構造要素を所定の規則性を有して複数配置して形成された凸構造要素群を備え、
前記光学的変化層と前記レーザ発色層は、それぞれが前記凸構造要素群と同形状の凸曲面を有し、
前記レーザ発色層は、レーザ発色した色彩の潜像要素群を備え、
前記潜像要素群は、
i)複数の基画像が所定の方向に分割された分割要素を互いに重ならないように順次配列された潜像要素が、前記凸構造要素群の前記規則性と同じ規則性を有して順次配置して成り、又は、
ii)基画像が所定の方向に分割圧縮された潜像要素が、前記凸構造要素群の前記規則性と同じ規則性を有して複数配置されて成り、又は、
iii)基画像を所定の圧縮率で圧縮した潜像要素が、前記凸構造要素群の前記規則性と異なる規則性を有して複数配置されて成り、又は、
iv)一つの基画像を複数の方向から観察した複数の基画像に対し、各々の基画像の一部が所定の圧縮率で圧縮され、かつ、複数の基画像の圧縮される位置が前記複数の基画像ごとに均等にずれた潜像要素が、前記凸構造要素群の前記規則性と同じ規則性を有して複数配置されて成ることを特徴とする潜像画像形成体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止効果を必要とする銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等のセキュリティ印刷物の分野において用いられる、反射光や回折光が生じる角度において画像が動いて見える潜像画像形成体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポ-ト、有価証券、身分証明書等に代表されるセキュリティ印刷物には、複製や偽造を防止するために、偽造防止技術が必要とされている。また、偽造防止技術の中でも、すかしやホログラム等に代表される、道具を必要とせず、印刷物を手にした全ての人が真偽判別に利用できる偽造防止技術が特に必要とされている。
【0003】
この中でも、画像が動いて見える、いわゆる「動画的な視覚効果」を備えた偽造防止技術が特に注目されている。画像が動いて見える動画的な視覚効果(以下、「動画効果」という。)は、人目をひきやすく、また偽造することが困難であることから、近年、セキュリティ印刷物の真偽判別要素として多く用いられる傾向にある。動画効果を実現可能な公知技術としてホログラム、パララックスバリア、レンチキュラー等を用いた技術が存在し、これらの技術が備える、わずかな角度変化で画像を変化させられるという特徴をいかして、画像が立体的に視認できる効果や、動画効果を備えたセキュリティ印刷物は、既に広く存在している。
【0004】
その一例として、本出願人は、微細な模様の集合がモアレとしてサンプリングされることで拡大されて視認される現象(モアレ拡大現象)やインテグラルフォトグラフィ方式の画線構成を用いて、特殊な立体的な視覚効果と動画的な視覚効果を実現した形態の技術を開示している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5200284号公報
特許第6399359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、光沢性のインキにより形成した蒲鉾状の画線上に潜像画線を積層し、正反射光下で潜像が動画効果を発揮する技術であるが、蒲鉾状の画線を印刷により形成するため、全てが正確に同じ形状とならず、インキだれによる形状の変化、インキかすれにより画線の足りない部分があるなど、当該蒲鉾状の画線を精緻に再現することに課題があった。
【0007】
また、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、蒲鉾状の画線上にインキにより潜像画像を形成するため、蒲鉾状の画線と潜像画線の印刷の刷り合わせが難しく、適切な位置に印刷されない場合は、潜像画像が正しく出現しないという課題があった。
【0008】
さらに、特許文献1及び特許文献2に記載の技術を、身分証明書のような印刷物に適用する場合は、印刷工程後に、名前等のID情報をレーザ描画で形成することが多いが、工程が複雑になることから、製造を効率的に行う事が求められていた。
【0009】
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、蒲鉾状の画線を精緻に再現することが可能であり、刷り合わせに困難性がなく、簡易な工程により製造可能な潜像画像形成体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、熱可塑性樹脂から成る基材層と、基材層上に積層された熱可塑性樹脂から成る光学的変化層と、光学的変化層上に積層された光透過性を有する熱可塑性樹脂から成るレーザ発色層を有し、基材層は、断面形状が凸曲面を有する凸形状の凸構造要素を所定の規則性を有して複数配置して形成された凸構造要素群を備え、光学的変化層とレーザ発色層は、それぞれが凸構造要素群と同形状の凸曲面を有し、レーザ発色層は、レーザ発色した色彩の潜像要素群を備え、潜像要素群は、i)複数の基画像が所定の方向に分割された分割要素を互いに重ならないように順次配列された潜像要素が、凸構造要素群の規則性と同じ規則性を有して順次配置して成り、又は、ii)基画像が所定の方向に分割されて圧縮された潜像要素が、凸構造要素群の規則性と同じ規則性を有して複数配置されて成り、又は、iii)基画像を所定の圧縮率で圧縮した潜像要素が、凸構造要素群の規則性と異なる規則性を有して複数配置されて成り、又は、iv)一つの基画像を複数の方向から観察した複数の基画像に対し、各々の基画像の一部が所定の圧縮率で圧縮され、かつ、複数の基画像の圧縮される位置が複数の基画像ごとに均等にずれた潜像要素が、凸構造要素群の規則性と同じ規則性を有して複数配置されて成ることを特徴とする潜像画像形成体である。
(【0011】以降は省略されています)

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