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公開番号
2025091866
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207388
出願日
2023-12-08
発明の名称
鉄道車両の脱線検知装置
出願人
東日本旅客鉄道株式会社
代理人
弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類
B61K
13/00 20060101AFI20250612BHJP(鉄道)
要約
【課題】脱線を検知するまでの時間的ロスを短縮することができる鉄道車両の脱線検知装置を提供する。
【解決手段】加速度センサから取得した上下方向振動の加速度検出値と所定の第1閾値とを比較して車輪の軌道上への着地に伴う衝撃を検出する衝撃検出手段と、所定の時間幅で加速度実効値を算出する実効値算出手段と、算出された加速度実効値のうち衝撃検出時より前の加速度実効値を決定する手段と、算出された加速度実効値のうち衝撃検出時より後の加速度実効値を決定する手段と、衝撃検出時より前の加速度実効値と衝撃検出時より後の加速度実効値との比を算出する実効値比算出手段と、算出された加速度実効値の比に基づいて脱線が発生したか否かを判定する脱線判定手段とを備え、脱線判定手段は実効値比算出手段により算出された加速度実効値の比が所定の第2閾値を超えている状態が所定時間以上継続した場合に脱線発生と判定するようにした。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄道軌道上を走行する車両に搭載され、1つの台車枠に設置された複数の加速度センサから取得したデータに基づいて脱線検知を行う鉄道車両の脱線検知装置であって、
前記加速度センサから取得した上下方向振動の加速度検出値と予め設定された所定の第1閾値とを比較して、車輪の軌道上への着地に伴う衝撃を検出する衝撃検出手段と、
前記加速度センサから取得した上下方向振動の加速度検出値に基づいて所定の時間幅で加速度実効値を算出する実効値算出手段と、
前記実効値算出手段により算出された加速度実効値のうち前記衝撃検出手段による衝撃検出時より前の加速度実効値を決定する第1決定手段と、
前記実効値算出手段により算出された加速度実効値のうち前記衝撃検出手段による衝撃検出時より後の加速度実効値を決定する第2決定手段と、
前記第1決定手段により決定された衝撃検出時より前の加速度実効値と前記第2決定手段により決定された衝撃検出時より後の加速度実効値との比を算出する実効値比算出手段と、
前記実効値比算出手段により算出された加速度実効値の比に基づいて脱線が発生したか否かを判定する脱線判定手段と、を備え、
前記実効値比算出手段は、前記衝撃検出手段が衝撃を検出してから第1所定時間後に実効値比の算出処理を停止し、
前記脱線判定手段は、前記実効値比算出手段により算出された加速度実効値の比が予め設定された所定の第2閾値を超えている状態が第2所定時間以上継続した場合に脱線発生と判定することを特徴とする鉄道車両の脱線検知装置。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記第1決定手段は、前記実効値算出手段により算出された実効値のうち前記衝撃検出手段による衝撃検出時よりも所定設定時間前の所定取得時間内で最大の値を、衝撃検出時前加速度実効値として決定することを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の脱線検知装置。
【請求項3】
前記加速度センサは、台車枠に設置された加速度センサであり、
前記衝撃検出手段は、前記加速度センサが検出した加速度の値と前記第1閾値とを比較して車輪の着地に伴う衝撃を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両の脱線検知装置。
【請求項4】
前記加速度センサから取得したデータに対して衝撃加速度導出のためのフィルタ処理を行う第1フィルタ手段と、
前記加速度センサから取得したデータに対して実効値導出のためのフィルタ処理を行う第2フィルタ手段と、を備え、
前記衝撃検出手段は、前記第1フィルタ手段によりフィルタ処理されたデータに基づいて車輪の着地に伴う衝撃を検出し、
前記実効値算出手段は、前記第2フィルタ手段によりフィルタ処理されたデータに基づいて加速度実効値を算出することを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両の脱線検知装置。
【請求項5】
前記第2所定時間は、通常走行中にレール継ぎ目が連続する箇所または分岐器にて事前に取得した衝撃が継続する時間に基づいて設定されることを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両の脱線検知装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の脱線検知装置に関し、特に加速度センサから取得した上下方向振動の加速度データに基づいて軌道上を走行する鉄道車両の脱線を検知する脱線検知装置に利用して有効な技術に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
走行中の鉄道車両が脱線した場合、重大事故に発展する前に車両を減速させることが有効であり、そのためには脱線発生後速やかに脱線を検知することが必要である。従来、鉄道車両の脱線検知方法や脱線検知装置に関する発明としては、例えば特許文献1や2に記載されているものがある。
【0003】
このうち、特許文献1に記載されている脱線検知方法は、台車ばねより上の部位の上下方向加速度を二重積分して上下方向変位量を求め、一定時間当たりの上下方向変位量が負でかつその絶対値が所定値以上であるとき、脱線したと検知するようにしたものである。また、特許文献2に記載されている脱線検知装置は、加速度検出手段の出力信号から特定周波数帯の信号を抽出し、特定周波数帯の信号を所定時間ごとに繰り返して積分して、車両振動に応じた積分値を取得し、積分値と所定時間前の積分値との差が所定値を超えたことに基づいて車両の脱線を判定するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3458872号公報
特許第3499827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている脱線検知方法は、台車ばねより上の部位の上下の揺れに着目して脱線を検知するものであるため、地震等脱線に至らずに台車ばねより上の部位が上下方向に大きく変位した場合にも、脱線と誤検知するおそれがある。そのため、脱線と誤判断して急ブレーキをかけることによって車内を移動中の乗客が転倒して怪我をするなど、結果としてブレーキをかけなかった場合よりも大きな事故が発生するおそれがある。
【0006】
一方、特許文献2に記載されている脱線検知装置は、所定時間ごとに車両振動に応じた積分値を取得し、取得した積分値と所定時間前の積分値との差を算出して所定値を超えたか否か判定することで車両の脱線を検知するもので、所定時間を例えば1秒とすると、検知精度を上げるには、1秒前の所定時間の積分値との差分の算出と比較、2秒前の所定時間の積分値との差分の算出と比較、3秒前の所定時間の積分値との差分の算出と比較、を繰り返し実行する必要がある。その結果、脱線を検知するまでに比較的大きな時間的ロスが発生することがある。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、脱線を検知するまでの時間的ロスを短縮することができる鉄道車両の脱線検知装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、誤検知を回避しつつ高い精度で脱線を検知することができる鉄道車両の脱線検知装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、大幅なコストアップを招くことなく脱線検知の機能を車両に装備することができる鉄道車両の脱線検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するため、
鉄道軌道上を走行する車両に搭載され、1つの台車枠に設置された複数の加速度センサから取得したデータに基づいて脱線検知を行う鉄道車両の脱線検知装置において、
前記加速度センサから取得した上下方向振動の加速度検出値と予め設定された所定の第1閾値とを比較して、車輪の軌道上への着地に伴う衝撃を検出する衝撃検出手段と、
前記加速度センサから取得した上下方向振動の加速度検出値に基づいて所定の時間幅で加速度実効値を算出する実効値算出手段と、
前記実効値算出手段により算出された加速度実効値のうち前記衝撃検出手段による衝撃検出時より前の加速度実効値を決定する第1決定手段と、
前記実効値算出手段により算出された加速度実効値のうち前記衝撃検出手段による衝撃検出時より後の加速度実効値を決定する第2決定手段と、
前記第1決定手段により決定された衝撃検出時より前の加速度実効値と前記第2決定手段により決定された衝撃検出時より後の加速度実効値との比を算出する実効値比算出手段と、
前記実効値比算出手段により算出された加速度実効値の比に基づいて脱線が発生したか否かを判定する脱線判定手段と、を備え、
前記実効値比算出手段は、前記衝撃検出手段が衝撃を検出してから第1所定時間後に実効値比の算出処理を停止し、
前記脱線判定手段は、前記実効値比算出手段により算出された加速度実効値の比が予め設定された所定の第2閾値を超えている状態が第2所定時間以上継続した場合に脱線発生と判定するように構成したものである。
【0009】
上記構成を有する鉄道車両の脱線検知装置によれば、脱線が発生してから短時間のうちに、脱線検知の判定を出すことができる。また、誤検知を回避しつつ高い精度で脱線等の車両異常を検知することができる。さらに、車両に搭載されている既存の台車モニタリング装置により収集した加速度データに基づいて脱線検知をすることで、大幅なコストアップを招くことなく脱線検知の機能を車両に装備させることができる。
【0010】
また、望ましくは、前記第1決定手段は、前記実効値算出手段により算出された実効値のうち前記衝撃検出手段による衝撃検出時よりも所定設定時間前の所定取得時間内で最大の値を、衝撃検出時前加速度実効値として決定するように構成する。
かかる構成によれば、第2閾値を適切に設定することによって、通常走行時の加速度実効値と脱線時の加速度実効値とを明確に識別できる脱線検知の閾値を算出して、脱線検知を実行することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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