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公開番号2025091131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206197
出願日2023-12-06
発明の名称コーティング肥料の製造方法及びこれを用いたコーティング肥料
出願人ムゲ カンパニー リミテッド
代理人個人
主分類C09D 133/04 20060101AFI20250611BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】親水性表面を有するコーティング肥料を提供すること。
【解決手段】粒状肥料コアと、前記粒状肥料コアの表面に形成され、アクリル系高分子を含む第1の被覆組成物から形成される第1の被覆層と、前記第1の被覆層の上に形成され、アクリル系高分子、微細粉末シリコン、高分子スポンジ粉末、及び親水性物質を含む第2の被覆組成物から形成される第2の被覆層と、を備え、前記微細粉末シリコンの表面にシリカ粒子層を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒状肥料コアを用意するステップと、
アクリル系高分子を含む第1の被覆組成物から形成される第1の被覆層を前記粒状肥料コアの表面に形成するステップと、
アクリル系高分子、微細粉末シリコン(Si)、高分子スポンジ粉末、及び親水性物質を含む第2の被覆組成物から形成される第2の被覆層を前記第1の被覆層の上に形成するステップと、
前記微細粉末シリコンの表面にシリカ(SiO

, 0<x<2)表面層を形成するステップと、
を含む
ことを特徴とするコーティング肥料の製造方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
粒状肥料コアと、
前記粒状肥料コアの表面に形成され、アクリル系高分子を含む第1の被覆組成物から形成される第1の被覆層と、
前記第1の被覆層の上に形成され、アクリル系高分子、微細粉末シリコン(Si)、高分子スポンジ粉末、及び親水性物質を含む第2の被覆組成物から形成される第2の被覆層と、
を備え、
前記微細粉末シリコンの表面にシリカ(SiO

, 0<x<2)表面層を備えるものである
ことを特徴とするコーティング肥料。
【請求項3】
前記表面層の層厚は、10nm~50nmであり、
前記微細粉末シリコンは、多孔性シリコン粒子、又はシリコン繊維、シリコンナノチューブ、シリコンロッド又はシリコンワイヤーの多孔性凝集体、又はシリコン布地(製織物)の粉砕物であり、
前記微細粉末シリコンの粒子径は80nm(ナノメートル)~15μm(マイクロメートル)であり、密度は0.3g/m

~0.9g/m

であり、比表面積は0.1m

/g~150m

/gであるものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項4】
前記微細粉末シリコンは、600~800の温度において10分~1時間かけて熱処理を施してシリカ表面層が形成され、
前記微細粉末シリコンは、シリカ表面層に親水性基により機能化され、
前記親水性基は、チオール基、アミン基又はヒドロキシ基であるものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項5】
前記第2の被覆層は、親水性基により表面処理されたシリカ粒子をさらに含み、
前記シリカ粒子は、微細粉末シリコン100重量部に対して10重量部~50重量部で含まれるものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項6】
前記高分子スポンジ粉末は、
セルロース系高分子、ゼラチン、コラーゲン、ゲランガム、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、フィブロイン、コンドロイチンサルフェート、グリコースアミノグリカン、プロテオグリカン、エラスチン、キトサン、ヘパリン、グルコサミン、PCL(ポリε-カプロラクトン)、PLA(ポリ乳酸)、アリファティックポリエステル、PG(ポリグリコール酸)、ポリリン酸エステル、ポリポリホスファゼン、ポリビニルアセテート、及びポリビニルアルコールからなる群から選択された1種又は2種以上を含む高分子スポンジ構造物の粉砕物であるものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項7】
前記親水性物質は、
有機酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースからなる群から選択された1種以上を含み、
前記有機酸は、
酪酸、乳酸、プロピオン酸、吉草酸、酢酸、グリコール酸、ソルビン酸、フマル酸、ギ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選択された1種又は2種以上を含み、
前記親水性物質は、前記微細粉末シリコン100重量部に対して10重量部~30重量部で含むものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項8】
前記第2の被覆層は、カチオン性界面活性剤をさらに含み、
前記カチオン性界面活性剤は、
4級アンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(cetyltrimethylammonium chloride;CTAC)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(dodecyltrimethylammonium bromide;DTAB)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド及び臭素化セトリモニウムからなる群から選択された1種又は2種以上を含むものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項9】
前記第1の被覆組成物に含まれているアクリル系高分子のガラス転移温度は、5℃~40℃であり、
前記第2の被覆組成物に含まれているアクリル系高分子のガラス転移温度は、40℃~80℃であるものである
請求項2に記載のコーティング肥料。
【請求項10】
前記第1の被覆組成物に含まれているアクリル系高分子及び前記第2の被覆組成物に含まれているアクリル系高分子の酸価は、それぞれ10mgKOH/g~100mgKOH/gであり、
前記第1の被覆組成物に含まれているアクリル系高分子及び前記第2の被覆組成物に含まれているアクリル系高分子の分子量(重量平均分子量)は、それぞれ10,000(mol/g)~1,000,000(mol/g)であるものである
請求項2に記載のコーティング肥料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング肥料の製造方法及びこれを用いたコーティング肥料に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
肥料は、食用植物及び観賞用植物に養分を供給したり生長を促進したりするためのものであって、水や水分によって溶解された養液として植物に養分を供給するための物質である。このような肥料は、緩効性肥料、速効性肥料、化学肥料及び有機農肥料などに分けられる。ここで、緩効性肥料は、土壌に施肥された肥料の効果が硫酸アンモニウムのように速やかに現れる速効性肥料と対比される用語であって、その効果が徐々に現れる肥料である。緩効性肥料の使用によって化学肥料の使用量を減縮することができ、流出栄養分による土壌、水質の汚染を低減することができる。通常の緩効性粒状肥料(すなわち、粒状肥料)は、コア層と被覆層とから構成されている。従来には、粒状肥料の被覆層を形成するために無溶剤粉末をコアに吹き付けた後、高温下で溶融・被覆したり、溶剤型コーティング剤を用いて粒状肥料の被覆を行ったりしていたが、これは、過剰な熱コストを伴い、大量の揮発性有機化合物(VOC)の放出を招いていた。特に、ポリビニリデンクロリド(PVDC:polyvinylidene chloride)系コーティング剤は、揮発性有機化合物(VOC)の排出のみならず、ハロゲン化合物の含有による環境汚染の問題を引き起こしていた。
【0003】
近年、高分子のカプセル素材による環境汚染を防ぐために、光分解性高分子を用いた溶出制御型肥料が提案されている。例えば、特許文献1:中国特許第103588561号においては、親水性である二酸化チタン(TiO

)を用いる場合、疎水性二酸化チタンよりも光分解率が低くなることを開示している。しかしながら、疎水性二酸化チタン及び親水性二酸化チタンは、高価であるという欠点がある。
【0004】
これにより、100℃以下の低温硬化をベースとする水溶性アクリル系コーティング剤の開発への取り組みが行われたが、これは、水溶性高分子群のうち、ポリエステル系やビニル系、ウレタン系とは異なり、物性が調整し易く、しかも、安価であることから、産業用に優れた競争力を有しているからである。
【0005】
これと関連して、特許文献2:大韓民国登録特許第10-1410859号公報においては、水溶性アクリル系高分子を用いて粒状肥料の表面に複数の被覆層を形成し、各被覆層をなす高分子組成物のガラス転移温度と親水性を調節することにより、水中浮上の防止効果を奏するコーティング肥料の製造方法が開示されている。前記開示されたコーティング肥料は、通常の韓国内の流通環境(温度45℃、湿度50%、積載荷重50g/cm

)を目安とする場合に有効な性能を発揮するものの、韓国よりも高温多湿な地域において流通する場合に固化現象が生じるという問題と、多層被覆層からなるが故に多数の被覆工程が求められるという問題があるという欠点がある。なお、特許文献3:大韓民国登録特許第10-0205709号公報は、固化の防止のための主な成分としてパラフィンワックス及びパラフィンオイルを採用した固体粒子肥料用固化防止剤を提案しているが、濡れ性(すなわち、親水性)に劣っているため、水中浮上が生じるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許第103588561号
大韓民国登録特許第10-1410859号公報
大韓民国登録特許第10-0205709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するために、被覆層の濡れ性(すなわち、親水性)を向上させて水中浮上の防止効果を改善し、高温下での粒状肥料の固化現象を防ぎ、しかも、環境にやさしい緩効性コーティング肥料を提供することをその目的とする。
【0008】
しかしながら、本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記の記載から当該分野において通常の技術者にとって明らかに理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるコーティング肥料の製造方法は、粒状肥料コアを用意するステップと、アクリル系高分子を含む第1の被覆組成物から形成される第1の被覆層を前記粒状肥料コアの表面に形成するステップと、アクリル系高分子、微細粉末シリコン(Si)、高分子スポンジ粉末、及び親水性物質を含む第2の被覆組成物から形成される第2の被覆層を前記第1の被覆層の上に形成するステップと、前記微細粉末シリコンの表面にシリカ(SiO

,0<x<2)表面層を形成するステップと、を含んでいてもよい。
【0010】
一実施形態に係るコーティング肥料は、粒状肥料コアと、前記粒状肥料コアの表面に形成され、アクリル系高分子を含む第1の被覆組成物から形成される第1の被覆層と、前記第1の被覆層の上に形成され、アクリル系高分子、微細粉末シリコン(Si)、高分子スポンジ粉末、及び親水性物質を含む第2の被覆組成物から形成される第2の被覆層と、を備え、前記微細粉末シリコンの表面にシリカ(SiO

, 0<x<2)表面層を備えていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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