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公開番号2025090479
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205729
出願日2023-12-05
発明の名称光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置および光ファイバ用多孔質ガラス母材製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人
主分類C03B 37/018 20060101AFI20250610BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】ガス使用量を削減すると共に、ガラス微粒子堆積体両端に形成される非有効部を短くすることができる、光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】外付け法により回転する出発材に複数のバーナを用いてガラス微粒子を堆積させる装置で、複数のバーナ5a~5cに供給するガスの総流量を設定された流量に制御するマスフローコントローラと、供給されるガスを複数のバーナのそれぞれに向けて分岐するガスヘッダ8と、複数のバーナのそれぞれへのガス供給経路に設けられる複数のバルブと、マスフローコントローラにおける流量の設定およびバルブの開閉の制御を行う制御部10と、を備える。制御部は、複数のバルブの少なくとも1つを閉じて対応するバーナへのガス供給を停止する際に、マスフローコントローラに設定する流量を、ガス供給が停止されるバーナへの供給量分だけ減少させる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
外付け法により回転する出発材に複数のバーナを用いてガラス微粒子を堆積させて光ファイバ用多孔質ガラス母材を製造する光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置であって、
前記複数のバーナに供給するガスの総流量を設定された流量に制御するマスフローコントローラと、
前記マスフローコントローラの下流に設けられ、前記マスフローコントローラを通して供給されるガスを前記複数のバーナのそれぞれに向けて分岐するガスヘッダと、
前記複数のバーナのそれぞれに対応して、前記ガスヘッダから前記複数のバーナのそれぞれへのガス供給経路に設けられる複数のバルブと、
前記マスフローコントローラにおける流量の設定および前記バルブの開閉の制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のバルブの少なくとも1つを閉じて当該バルブに対応するバーナへのガス供給を停止する際に、前記マスフローコントローラに設定する流量を、ガス供給が停止される前記少なくとも1つのバーナへの供給量分だけ減少させることを特徴とする光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記複数のバーナに供給されるガスは、四塩化ケイ素またはオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)である原料ガスにキャリアガスとしての酸素とを混合した原料混合ガス、水素である可燃性ガス、および酸素である助燃性ガスを含み、
前記マスフローコントローラは、前記原料ガス、前記キャリアガスとしての酸素、可燃性ガスとしての水素、および助燃性ガスとしての酸素のそれぞれについて設けられ、
前記原料ガスと前記キャリアガスとは前記ガスヘッダの上流にて混合されて前記原料混合ガスとなり共通の前記ガスヘッダに供給される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項3】
前記ガスヘッダおよび前記バルブは、前記原料混合ガス、前記可燃性ガス、および前記助燃性ガスの少なくとも1つについて設けられることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項4】
前記ガスヘッダおよび前記バルブは、前記原料混合ガス、前記可燃性ガス、および前記助燃性ガスのそれぞれについて設けられることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項5】
前記原料混合ガスを前記バーナに供給するガス供給経路である原料混合ガス配管に設けられるバルブの下流において、パージガスを供給するパージガス配管がバルブを介して接続され、
前記制御部は、前記原料混合ガス配管に設けられる前記バルブを閉じて前記バーナへの前記原料混合ガスの供給を停止すると同時に前記パージガス配管に設けられた前記バルブを開いて前記原料混合ガスに代えて前記パージガスを前記バーナに供給するよう制御することを特徴とする請求項3または4に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項6】
前記複数のバーナは、前記出発材の軸方向に沿って前記出発材に対し相対的に移動可能とされ、
前記複数のバーナの移動区間内におけるガス供給の停止区間および供給を停止するガスの種類をバーナごとに自由に設定することができる請求項1に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項7】
前記複数のバーナの移動区間内において、前記光ファイバ用多孔質ガラス母材の非有効部を堆積する区間の少なくとも一部の区間に位置する少なくとも1つのバーナについて、対応する前記バルブを閉じることにより少なくとも原料混合ガスの供給を停止することを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項8】
前記バルブは、空気式操作弁または比例制御弁であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置。
【請求項9】
請求項1に記載の製造装置を用いた光ファイバ用多孔質ガラス母材製造方法であって、
前記複数のバーナを前記出発材の軸方向に沿って前記出発材に対し相対的に移動しながらガラス微粒子を堆積し、
前記複数のバーナの移動区間内において、前記光ファイバ用多孔質ガラス母材の非有効部を堆積する区間の少なくとも一部の区間に位置する少なくとも1つのバーナについて、対応する前記バルブを閉じることによりガスの供給を停止するとともに、前記マスフローコントローラに設定する流量を、ガス供給が停止される前記少なくとも1つのバーナへの供給量分だけ減少させることにより、ガス供給を停止しないバーナへのガス供給量は変化させないよう制御することを特徴とする光ファイバ用多孔質ガラス母材製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、外付け法(OVD法)により出発材にガラス微粒子を堆積する光ファイバ用多孔質ガラス母材製造装置および製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバ用多孔質ガラス母材製造方法として、水平な回転軸を中心に回転する出発材に対しガラス微粒子生成バーナ(以下単にバーナと表記)を水平方向に移動させて、出発材周面に所定の厚さのガラス微粒子層を堆積する外付け法(OVD法)が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
図1は外付け法の多孔質ガラス母材製造装置1の概略図であり、出発材3は回転機構2に取り付けられる。バーナ5はバーナホルダ4に固定され水平移動ガイド機構6によって出発材3に対し水平方向に移動しながらガラス微粒子層を出発材3の周上に積層しガラス微粒子堆積体7が形成される。
【0004】
ガラス微粒子堆積体7の両端には末端側ほど小径となる円錐形状の製品にできない非有効部が形成される。製造コストなどの観点から非有効部を短くし原料ガスを含む各種ガスの使用量を削減することが求められる。
【0005】
一方で多孔質ガラス母材製造装置においては必要な堆積速度を確保するために、バーナは1本ではなく複数のバーナを出発材の軸方向に沿って並べて配置して堆積を行うことが一般的である。また堆積体の軸方向の径変動を小さくするには複数配置したすべてのバーナが有効部全域を堆積するように移動させる製造方法が有効であるが、この製造方法ではバーナ本数を増やすほど両端に形成される非有効部が長くなってしまう。しかし現実的なガラス微粒子堆積速度を得るためには複数本のバーナ使用は避けられない。
【0006】
複数のバーナを使用する多孔質ガラス母材製造装置において両端に形成される非有効部を短くする方法の一例として、ガラス微粒子堆積体端部の非有効部を堆積しているバーナへのガス供給を停止する方法がある。
【0007】
図2は複数のバーナ(本例ではバーナ5a、5b、5cの3本)を使用した製造装置において、堆積体端部に形成される非有効部と有効部との境界付近をバーナが堆積している状態を示している。バーナホルダ4に固定された3本のバーナ5a、5b、5cを矢印方向へトラバースさせてガラス微粒子を堆積している。バーナ5bおよび5cが堆積しているのは製品となる有効部だが、バーナ5aが堆積しているのは最終的に製品にならない非有効部である。非有効部を堆積している状態のバーナ5aへのガス供給を停止することにより非有効部を短くできるが、その際に製品になる有効部を堆積しているバーナ5bおよび5cへのガス供給量を変動させてしまうと有効部が短くなってしまう可能性がある。つまり有効部の長さを保ったまま非有効部を短くするためには、特定のバーナ(図2の場合はバーナ5a)へのガス供給のみを停止し、その際にその他のバーナ(図2の場合はバーナ5bおよび5c)へのガス供給量は保持することができるガス流量制御機能が必要となる。
【0008】
他のバーナへのガス供給量に影響を与えることなく特定のバーナへのガス供給のみを停止するガス流量制御を行う場合、最も単純な方法として各バーナへ供給される全ての種類のガスにおいてそれぞれ専用のマスフローコントローラ(ガス流量制御装置)を設けガス流量制御を独立させる方法がある。
【0009】
図3に各バーナ専用のマスフローコントローラを設けてガス流量制御を独立させた配管例を示す。使用するバーナは5a、5b、5cの3本で各バーナへは「原料ガス101とキャリアガス102の原料混合ガス」「水素ガス103」「酸素ガス104」の3系列のガス供給配管が接続され、使用される4種類全てのガスにおいてガスヘッダ8で分岐され各バーナへ接続されるガス供給配管に各バーナ専用のマスフローコントローラ9を設けている。
【0010】
各バーナへ供給される全ての種類のガスの流量制御が独立しているため単にマスフローコントローラによりガス流量を調整するだけで、他のバーナへのガス供給量に全く影響を与えることなく、特定のバーナへのガス供給のみを停止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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