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公開番号
2025091105
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-18
出願番号
2023206111
出願日
2023-12-06
発明の名称
熱伝導性シリコーン複合シート
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
B32B
25/20 20060101AFI20250611BHJP(積層体)
要約
【課題】高硬度熱伝導性シリコーン層と低硬度熱伝導性シリコーン層が良好な密着状態で積層された熱伝導性シリコーン複合シートの提供。
【解決手段】
支持体層(X)、高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)及び低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)をこの順に積層した熱伝導性シリコーン複合シートであって、
支持体層(X)は、網目状補強材を熱伝導性組成物の硬化物で目止めしてなるものであり、
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)及び低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)は、それぞれ付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である、熱伝導性シリコーン複合シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
支持体層(X)、高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)及び低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)をこの順に積層した熱伝導性シリコーン複合シートであって、
支持体層(X)は、網目状補強材を熱伝導性組成物の硬化物で目止めしてなるものであり、
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)及び低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)は、それぞれ付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物であり、前記高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)のJIS K6253-1:2012に記載の方法で測定したショアA硬度計による硬さが50~97であり、かつ前記低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)のJIS K7312:1996に記載の方法で測定したアスカーC硬度計による硬さが2~30である熱伝導性シリコーン複合シート。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
網目状補強材が、ガラスクロスである請求項1に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
【請求項3】
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)が、下記(A1)~(D1)を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である請求項1に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
(A1)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、平均重合度が100~20,000であるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B1)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A1)成分中のアルケニル基のモル数に対する(B1)成分中のヒドロシリル基のモル数の比が1.0~3.5である量
(C1)白金族金属系触媒:白金族金属の質量換算で0.1~1,000ppm
(D1)熱伝導性充填材:300~4,000質量部
【請求項4】
付加硬化型シリコーンゴム組成物に、(E1)表面処理剤として下記式(2)
TIFF
2025091105000013.tif
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134
(式中、R
5
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは4~100の数である。)で表される分子鎖片末端がトリアルコキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンを含む請求項3に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
【請求項5】
(X)層を構成する熱伝導性材料が、前記高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)を構成する熱伝導性シリコーンゴム組成物と同じである請求項1記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
【請求項6】
低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)が、下記(A2)~(E2)を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である請求項1に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
(A2)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、平均重合度が100~2,000であるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B2)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A2)成分中のアルケニル基のモル数に対する(B2)成分中のヒドロシリル基のモル数の比が0.5~1.5である量
(C2)白金族金属系触媒:白金族金属の質量換算で0.1~1,000ppm
(D2)熱伝導性充填材:500~4,000質量部
(E2)表面処理剤として下記式(2)で表される分子鎖片末端がトリアルコキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン:10~300質量部
TIFF
2025091105000014.tif
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(式中、R
5
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは4~100の数である。)
【請求項7】
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)の厚さが0.15~0.5mmであり、かつ前記熱伝導性シリコーン複合シート全体の厚さが0.3~10mmである請求項1に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
【請求項8】
支持体層(X)の厚さが0.03~0.10mmである請求項1に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性シリコーン複合シートに関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
電子部品等の放熱を目的とする材料として、高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(高硬度層)と低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(低硬度層)を有する熱伝導性シリコーン複合シートがある。高硬度層は、取り扱いには優れるが、発熱部材と冷却部材の間に固定される際に、高い応力が発生する点が問題であった。一方、低硬度層は、発熱体に高い応力がかからず、密着性も良好なので接触熱抵抗が低い。しかし、低硬度であるがゆえに取り扱いが難しく、すぐに変形してしまう。これらを積層することで、取り扱いに優れ、かつ発熱部材に応力がかかりにくい複合シートとなる。さらに高硬度層をガラスクロスなどで補強することで、より取り扱い性や強度が向上することも知られている(特許文献1)。
しかし、前記高硬度層は過酸化物加硫系で形成され、前記低硬度層は付加加硫系で形成されるため、両者の親和性は乏しい。それゆえに、両者の密着性を改善するために多量のプライマー処理が必要であり、両者の密着性が改善しても、前記低硬度層からオイルがブリードするなど、その信頼性に問題があった。
その対策として、未硬化の高硬度層の上に、未硬化の低硬度層を塗布し、両者を同時に硬化させる方法がある。こうすることで、プライマーで処理しなくても、両者の十分な密着性を得る方法も知られている(特許文献2)。しかし、高硬度層を形成する際は、基材として離型処理された樹脂フィルムが必要である。成型後はこの基材を剥がす工程が必要であり、離型性に優れたフッ素系剥離処理剤は、近年の環境規制の観点から、使用が制限されつつある。さらに、前記基材の表面が鏡面状態であるため、高硬度層が硬化後にタックが残ってしまう。そうなると、高硬度層と低硬度層の両者にタックがある熱伝導性シリコーン複合シートとなるため、使用時に位置合わせ等の作業性が低下するおそれがある。
【0003】
一方、高硬度層と低硬度層との間に、熱伝導性材料で目止めされた網目状補強材を介在させ、このアンカー効果により密着性が改善された熱伝導性シリコーン複合シートを得る方法がある(特許文献3)。しかし、低硬度層の熱伝導性充填材の配合量を増やしていくと、低硬度層の柔軟性が損なわれるため、低硬度層と高硬度層との良好な密着性が得づらかった。さらに、低硬度層の厚さが、0.015~0.2mmと薄膜であることから、圧縮応力が高くなり、高圧縮して用いることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平06-155517号公報
特開2021-089908号公報
特開2014-193598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、高硬度熱伝導性シリコーン層と低硬度熱伝導性シリコーン層が良好な密着状態で積層された熱伝導性シリコーン複合シートを提供することを目的とする。また、この複合シートにおいて、シートからのオイルブリードを抑えることも目的とする。さらに、シート状シリコーンを成型する際に必要な樹脂フィルムが不要となることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記の熱伝導性シリコーン複合シートが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の熱伝導性シリコーン複合シートを提供するものである。
【0007】
[1]
支持体層(X)、高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)及び低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)をこの順に積層した熱伝導性シリコーン複合シートであって、
支持体層(X)は、網目状補強材を熱伝導性組成物の硬化物で目止めしてなるものであり、
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)及び低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)は、それぞれ付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物であり、前記高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)のJIS K6253-1:2012に記載の方法で測定したショアA硬度計による硬さが50~97であり、かつ前記低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)のJIS K7312:1996に記載の方法で測定したアスカーC硬度計による硬さが2~30である熱伝導性シリコーン複合シート。
[2]
網目状補強材が、ガラスクロスである[1]に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
[3]
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)が、下記(A1)~(D1)を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である[1]又は[2]に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
(A1)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、平均重合度が100~20,000であるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B1)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A1)成分中のアルケニル基のモル数に対する(B1)成分中のヒドロシリル基のモル数の比が1.0~3.5である量
(C1)白金族金属系触媒:白金族金属の質量換算で0.1~1,000ppm
(D1)熱伝導性充填材:300~4,000質量部
[4]
付加硬化型シリコーンゴム組成物に、(E1)表面処理剤として下記式(2)
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(式中、R
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は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは4~100の数である。)で表される分子鎖片末端がトリアルコキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンを含む[3]に記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
[5]
(X)層を構成する熱伝導性材料が、前記高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)を構成する熱伝導性シリコーンゴム組成物と同じである[1]~[4]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
[6]
低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)が、下記(A2)~(E2)を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である[1]~[5]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
(A2)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、平均重合度が100~2,000であるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B2)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A2)成分中のアルケニル基のモル数に対する(B2)成分中のヒドロシリル基のモル数の比が0.5~1.5である量
(C2)白金族金属系触媒:白金族金属の質量換算で0.1~1,000ppm
(D2)熱伝導性充填材:500~4,000質量部
(E2)表面処理剤として下記式(2)で表される分子鎖片末端がトリアルコキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン:10~300質量部
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(式中、R
5
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは4~100の数である。)
[7]
高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)の厚さが0.15~0.5mmであり、かつ前記熱伝導性シリコーン複合シート全体の厚さが0.3~10mmである[1]~[6]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
[8]
支持体層(X)の厚さが0.03~0.10mmである[1]~[6]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン複合シート。
【発明の効果】
【0008】
本発明の熱伝導性シリコーン複合シートは、簡便かつ安定的に、熱伝導性シリコーン複合シートの高硬度熱伝導性シリコーンゴム層と低硬度熱伝導性シリコーンゴム層を良好な密着状態で積層させ、製造することができる。また、高硬度熱伝導性シリコーンゴム層を熱伝導性材料で目止めした支持体層上に塗布させるため、基材となる離型処理した樹脂フィルムが不要であり、ユーザーにおける基材の剥離工程を削減できる。さらに、高硬度熱伝導性シリコーンゴム層は、付加硬化により硬化させることでタック力を低減可能であり、低硬度熱伝導性シリコーン層を積層させる前に、コート面を離型処理した樹脂フィルムでカバーせずに保管することも可能である。
加えて、低硬度熱伝導性シリコーン層を密着させた後に、低硬度熱伝導性シリコーンゴム層からオイルブリードが発生した際、網目状構造をもつ支持体層が包容可能であるため、従来の熱伝導性シリコーン複合シートと比較し、耐オイルブリード性に優れる。
したがって、本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、軽量化が求められる電気自動車、モバイル機器・ウェラブル機器用の放熱材料として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0010】
<熱伝導性シリコーン複合シート>
本発明は、網目状補強材を熱伝導性材料の硬化物で目止めした支持体層(X)に、積層した高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)を有し、該高硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Y)に、低硬度熱伝導性シリコーンゴム層(Z)を積層した熱伝導性シリコーン複合シートであって、前記高硬度シリコーンゴム層(Y)の硬さが前記低硬度シリコーンゴム層(Z)の硬さよりも硬いことを特徴とする熱伝導性シリコーン複合シートである。
(【0011】以降は省略されています)
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