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公開番号2025092146
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023207840
出願日2023-12-08
発明の名称熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及び熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 83/04 20060101AFI20250612BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】加熱硬化した際に貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が短く、かつ25℃における保存性が良好な熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン、(B)不定形の窒化アルミニウム粉末と不定形の酸化亜鉛粉末を含む熱伝導性充填剤、(C)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)白金族金属触媒、(E)下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン、及び(F)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤を含むものであることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
【選択図】なし



特許請求の範囲【請求項1】
熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であって、
(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm
2
/sであるオルガノポリシロキサン:組成物全体に対し1.5~90質量%となる量、
(B)不定形の窒化アルミニウム粉末と不定形の酸化亜鉛粉末を含む熱伝導性充填剤:組成物全体に対し8~96質量%となる量、
(C)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(C)成分中のSi-H基の個数が0.5~10となる量、
(D)白金族金属触媒:有効量、
(E)下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン:組成物全体に対し0.5~10質量%となる量、
TIFF
2025092146000015.tif
28
104
(式中、R
1
は、炭素数1~18の1価炭化水素基であって、置換基を有していてもよく、脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基を表し、それぞれのR
1
は同一であっても異なっていてもよい。mは5~100の整数である。)
(F)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤:有効量
を含むものであることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記(C)成分が1分子中に2個のエポキシ環含有有機基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項3】
前記熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、
ずり弾性が測定可能な粘弾性測定装置を用い、25℃から150℃まで5℃/分で昇温した後、150℃で7,200秒維持しつつ、前記熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G’’を測定した場合に、前記貯蔵弾性率G’が前記損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が500秒以下であり、かつ前記熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を25℃で保存した際に粘度が1,000Pa・sを上回るまで5日間以上を要するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項4】
(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm
2
/sであるオルガノポリシロキサン:組成物全体に対し1.5~90質量%となる量、
(B)不定形の窒化アルミニウム粉末と不定形の酸化亜鉛粉末を含む熱伝導性充填剤:組成物全体に対し8~96質量%となる量、
(C)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(C)成分中のSi-H基の個数が0.5~10となる量、
(D)白金族金属触媒:有効量
(E)下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン:組成物全体に対し0.5~10質量%となる量、
TIFF
2025092146000016.tif
29
104
(式中、R
1
は、炭素数1~18の1価炭化水素基であって、置換基を有していてもよく、脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基を表し、それぞれのR
1
は同一であっても異なっていてもよい。mは5~100の整数である。)
(F)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤:有効量
の各成分を準備する工程と、
上記(A)~(F)成分を40~170℃で加熱しながら混合する工程、
とを含むことを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の製造方法。
【請求項5】
前記熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の製造方法により、
ずり弾性が測定可能な粘弾性測定装置を用い、25℃から150℃まで5℃/分で昇温した後、150℃で7,200秒維持しつつ、前記熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G’’を測定した場合に、前記貯蔵弾性率G’が前記損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が500秒以下であり、かつ前記熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を25℃で保存した際に粘度が1,000Pa・sを上回るまで5日間以上を要するものを得ることを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電子部品パッケージやパワーモジュールに共通する課題として、動作中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として様々な放熱技術が用いられている。とりわけ、発熱部の付近に冷却部材を配置して両者を密接させたうえで、冷却部材から効率的に除熱することにより放熱する技術が一般的である。
【0003】
その際、発熱部と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導率の悪い空気が介在することにより伝熱性が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような空気の介在を防ぎ、熱伝導を向上させるため、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている。
【0004】
実際の電子部品パッケージやパワーモジュールの熱対策としては、薄く圧縮可能であり発熱部と冷却部材との隙間への侵入性に優れる放熱グリースが、放熱性能の観点から好適である。さらに所望の厚みに圧縮後に加熱硬化させることで、発熱部の発熱と冷却を反復する熱履歴による膨張・収縮に起因する放熱グリースの流れ出し(ポンピングアウト)を発生しづらくし、電子部品パッケージやパワーモジュールの信頼性を高めることができる、付加硬化型の放熱グリースがとりわけ有用である(例えば、特許文献1)。
【0005】
近年、電子部品パッケージやパワーモジュールの大面積化の進展や構造の複雑化に伴い、電子部品パッケージやパワーモジュールに非常に大きい反りが発生する場合がある。反りの大きい電子部品パッケージやパワーモジュールにおいては、付加硬化型放熱グリースの硬化性を厳密に制御することが重要であり、具体的には加熱硬化した際に貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が短いほうが好ましい。一般的には白金族金属触媒を増量することでこれを達成することが可能となるが、背反として25℃における保存性が悪化することで可使時間が短くなることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-053140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すなわち、加熱硬化した際に貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が短く、かつ25℃における保存性が良好な熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物が求められている。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、加熱硬化した際に貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が短く、かつ25℃における保存性が良好な熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物であって、
(A)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm
2
/sであるオルガノポリシロキサン:組成物全体に対し1.5~90質量%となる量、
(B)不定形の窒化アルミニウム粉末と不定形の酸化亜鉛粉末を含む熱伝導性充填剤:組成物全体に対し8~96質量%となる量、
(C)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(C)成分中のSi-H基の個数が0.5~10となる量、
(D)白金族金属触媒:有効量、
(E)下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン:組成物全体に対し0.5~10質量%となる量、
TIFF
2025092146000001.tif
28
104
(式中、R
1
は、炭素数1~18の1価炭化水素基であって、置換基を有していてもよく、脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基を表し、それぞれのR
1
は同一であっても異なっていてもよい。mは5~100の整数である。)
(F)アセチレン化合物、窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物及び有機クロロ化合物からなる群より選択される1種以上の付加硬化反応制御剤:有効量
を含むものであることを特徴とする熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
【0010】
このような熱伝導性付加硬化型シリコーン組成物は、加熱硬化した際に貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回るのに要する時間が短く、かつ25℃における保存性が良好なものである。
(【0011】以降は省略されています)

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