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公開番号2025090131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205169
出願日2023-12-05
発明の名称透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイス
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 35/44 20060101AFI20250610BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】 可視から近赤外にかけて散乱源が少なく、レーザー損傷の起こりにくい、真に透明である透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスを提供する。
【解決手段】 透明セラミックスは、その両端の光学面の表面粗さRaが1nm以下である円筒形であり、そのサンプル長が20mmで、黒色の背景の上にサンプルの光学面を静置し、256階調のグレースケールで光学面の画像を取得した際、画像において、背景部分のグレースケール値をGB、最も高いグレースケール値をGH、上記光学面の直径の20~80%の中心領域のグレースケール平均値をGTと定義し、下記式(1)を満たす。
(GT-GB)/(GH-GB)×100≦30% ・・・ (1)
磁気光学デバイスは、上記透明セラミックスをファラデー回転子110として備える光アイソレータである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
その両端の光学面の表面粗さRaが1nm以下である円筒形の透明セラミックスであって、そのサンプル長が20mmで、黒色の背景の上にサンプルの光学面を静置し、256階調のグレースケールで上記光学面の画像を取得した際、上記画像において、上記背景部分のグレースケール値をG

、最も高いグレースケール値をG

、上記光学面の直径の20~80%の中心領域のグレースケール平均値をG

と定義し、下記式(1)を満たす透明セラミックス。
(G

-G

)/(G

-G

)×100≦30% ・・・ (1)
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
上記透明セラミックスの結晶構造が、ガーネット、C型希土類のいずれかである請求項1に記載の透明セラミックス。
【請求項3】
上記透明セラミックスの組成が下記式(3)で表されるものである請求項1又は2に記載の透明セラミックス。
(R
1-x
Sc



(Al
1-z
Sc




12
・・・ (3)
(式中、0≦x≦0.04、0≦z≦0.04、0≦x+z<0.045、RはY及び原子番号65~71のいずれか一種類以上の元素を含む。)
【請求項4】
上記透明セラミックスは、上記式(3)中のRがTbである請求項3に記載の透明セラミックス。
【請求項5】
消光比が40dB以上である請求項1又は2に記載の透明セラミックス。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の透明セラミックスを磁気光学材料として用いて構成される磁気光学デバイス。
【請求項7】
上記透明セラミックスをファラデー回転子として備え、上記ファラデー回転子の光軸上の前後に偏光材料を備えた波長0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項6に記載の磁気光学デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスに関し、より詳しくは可視および赤外域において透光性を有し、特に光学用途において蛍光体、光学レンズ、磁気光学素子として利用される透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
セラミックスは古くはタイルや陶磁器、近年では圧電素子や超電導素子、透明セラミックス体といったファインセラミックスまで幅広く製造され、様々な産業、実生活において重要な材料である。
【0003】
種々あるセラミックスの中で、透明セラミックスは1990年代にレーザー発振が報告されて以来、開発が加速されるようになった。透明セラミックスの主な用途は、レーザー材料、光学レンズ、蛍光体、光学磁気素子などである。透明セラミックスに求められる特性は、高い透過率を有すること、目に見える気泡などの光学欠陥が存在しないことである。特に前者の高い透過率を達成するためには、(1)吸収要因となる元素や欠陥を含まないこと、(2)2μm以下の微小気泡が含まないこと、(3)粒間屈折率差を最小限にすること、が挙げられ、製造工程トータルでの厳しい管理が求められる。
【0004】
微小気泡に関しては、特許文献1(国際公開第2022/054595号)や特許文献2(国際公開第2019/187287号)のように、焼結の制御によって気泡を減らし、低ロス化が可能であると開示されている。しかし、両特許文献ともに、1064nm帯の挿入損失値で評価されている。一般的に、2μm以下、特に使用波長よりも小さい気泡は、レイリー散乱がメインとなり、短波長ほど散乱が強くなる傾向がある。よって、1064nm帯の損失係数値だけでは真に透明なセラミックスであるとは限らず、より短波での光散乱の度合いを評価しなければならない。
【0005】
透明セラミックスの中でも特に磁気光学素子に関しては、損失係数のみならず、レーザー損傷という重要なパラメータも存在する。レーザー損傷は、研磨面の精度、結晶/透明セラミックス内部の欠陥、または吸収などによって発生する。中でも欠陥は、1μm以下の微小な気泡も含まれており、それらを極力減らさない限り結晶/透明セラミックス内部でレーザー損傷が生じてしまう。前述と同じように、可視から近赤外にかけて真に透明な透明セラミックス磁気光学素子が求められている。なお、透明セラミックスとレーザー損傷について、特許文献3(特開2023-128125号公報)、特許文献4(国際公開第2022/054592号)、特許文献5(国際公開第2022/054596号)が既に公知となっているが、それぞれ、研磨面精度とレーザー損傷の関係、吸収係数とレーザー損傷の関係、1064nm帯の損失係数とレーザー損傷の関係であり、本発明のように可視から近赤外へかけての散乱とレーザー損傷を考察している公知文献は存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/054595号
国際公開第2019/187287号
特開2023-128125号公報
国際公開第2022/054592号
国際公開第2022/054596号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献3、特許文献4、特許文献5は、それぞれ、研磨面精度とレーザー損傷の関係、吸収係数とレーザー損傷の関係、1064nm帯の損失係数とレーザー損傷の関係であり、これら特許文献は、可視から近赤外へかけての散乱とレーザー損傷について何ら示唆していない。
【0008】
そこで本発明は、上記事情に鑑み、可視から近赤外にかけて散乱源が少なく、レーザー損傷の起こりにくい、真に透明である透明セラミックス及びそれを用いた磁気光学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目標を達成するために、本発明は、その一態様として、その両端の光学面の表面粗さRaが1nm以下である円筒形の透明セラミックスであって、そのサンプル長は20mmで、黒色の背景の上にサンプルの光学面を静置し、256階調のグレースケールで上記光学面の画像を取得した際、上記画像において、上記背景部分のグレースケール値をG

、最も高いグレースケール値をG

、上記光学面の直径の20~80%の中心領域のグレースケール平均値をG

と定義し、下記式(1)を満たすものである。
(G

-G

)/(G

-G

)×100≦30% ・・・ (1)
【0010】
上記透明セラミックスの結晶構造は、ガーネット、C型希土類のいずれかであることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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