特許ウォッチ

公開番号2025090195
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205277
出願日2023-12-05
発明の名称車両用灯具
出願人株式会社小糸製作所
代理人個人
主分類F21S 41/39 20180101AFI20250610BHJP(照明)
要約【課題】成形が容易な構成部品で構成されても、配光を高精度に制御することが可能なエイミング機構を備えた車両用灯具を提供する。
【解決手段】ランプボディ11(ランプハウジング1)に内装されたランプユニット3を傾動してランプユニット3の照射光軸を調整するエイミング機構5を備える車両用ランプである。エイミング機構5は、ランプユニット3とランプボディ11の一方に設けられた規制片54(凸端部541)と、他方に設けられて規制片54に係合される規制体56(規制凹部561)を備える。規制片54と規制体56はランプユニット3の傾動支点となるエイミング軸Exの軸上において当接されており、ランプユニット3の傾動時に規制体56と規制片54との当接位置が位置規制され、エイミング軸Exの軸位置が保持される。
【選択図】図8

特許請求の範囲【請求項１】
ランプハウジングに内装されたランプユニットを傾動して当該ランプユニットの照射光軸を調整するエイミング機構を備える車両用ランプであって、前記エイミング機構は、前記ランプユニットと前記ランプハウジングの一方に設けられた規制片と、他方に設けられて前記規制片に係合される規制体を備え、前記規制片と前記規制体は前記ランプユニットの傾動支点となるエイミング軸の軸上において当接されており、前記ランプユニットの傾動時に前記規制体と前記規制片との当接位置が位置規制される構成であることを特徴とする車両用灯具。
続きを表示（約 800 文字）【請求項２】
前記規制体は前記規制片の凸端部が内挿される規制凹部を備えており、当該規制凹部の内底面が前記エイミング軸の軸線上に配置され、前記前記規制片の前記凸端部が当該内底面に当接されている請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項３】
前記規制凹部は内部がテーパ状に形成され、ランプユニットの傾動時に前記規制片の前記凸端部が前記規制凹部の内底面に当接された状態が保持される請求項２に記載の車両用灯具。
【請求項４】
前記規制片は前記ランプユニットに設けられ、前記規制体は前記ランプハウジングに設けられる請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項５】
前記ランプユニットは２つのボールジョイントを介して前記ランプハウジングに支持されており、前記エイミング軸はこれら２つのボールジョイントを結ぶ線に一致されている請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項６】
前記ボールジョイントは前記ランプユニットまたは前記ランプハウジングの一方に設けられたボールスタッドと、他方に設けられたボールソケットで構成されており、少なくとも前記ボールソケットが樹脂で形成されている請求項５に記載の車両用灯具。
【請求項７】
前記ランプユニットは、光源と、この光源から出射された光を反射するリフレクタを備え、前記エイミング機構は当該リフレクタを傾動する構成である請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項８】
前記リフレクタは複数のリフレクタを一体に有するマルチリフレクタとして構成されており、一部のリフレクタはロービーム配光の光照射を行なうリフレクタとして構成されている請求項７に記載の車両用灯具。
【請求項９】
請求項１ないし８のいずれかに記載の車両用灯具であって、鞍乗型車両のヘッドランプとして構成される車両用灯具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明はランプの光照射方向、すなわちランプ光軸の方向を調整するためのエイミング機構を備える車両用灯具に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
自動車のヘッドランプ等の照明用ランプでは、他車両を幻惑することなく好適な照明を実現するために、ランプ光軸の方向を調整するためのエイミング機構が備えられる。このようなエイミング機構として、例えば特許文献１のような光源の光を反射して所要の配光で光を照射するリフレクタ型のランプでは、リフレクタの２箇所にエイミング軸を構成するための支点部を設け、他の１箇所にエイミングスクリューを有する調整部を設けたエイミング機構がある。このエイミング機構は、エイミングスクリューを調整することによりリフレクタをエイミング軸の回りに傾動させ、照射する光の光軸方向を調整する。
【０００３】
このようなエイミング機構においては、支点部を構成するための部品と、調整部を構成するためのエイミングスクリューを含む部品が必要であり、部品点数が多く、ランプの小型化や軽量化を図る上での課題が生じる。特に、小型四輪自動車や二輪自動車等においては、エイミング機構の小型化、軽量化の要請から、このような課題を無視することは難しい。そこで、エイミング機構を構成する部品に樹脂成形品を利用することが考えられる。特許文献１においては、エイミングスクリューに螺合されるエイミングナットにかかわる部材を樹脂成形品で構成しているが、支点部としてのボールジョイントを構成するボールソケットを樹脂成形品で構成することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２１－１８０１１４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
このようにエイミング機構を構成する部品を樹脂成形品で構成した場合、樹脂成形品における成形の容易性と機械的な強度のバランスが課題となる。例えばボールソケットを樹脂成形するに際し、金型を簡易化しかつ成形を容易に行なうために、成形品を金型から強制離型（無理抜き）するようにした場合には、ある程度の変形が可能な樹脂素材が採用される。そのため、このような樹脂素材で形成されたボールソケットは、エイミング時に外力が加えられたときに変形され、支点位置が変位されてしまうことがある。したがって、エイミング調整を高精度に行なうことが難しくなり、配光精度の高いランプが得られなくなるという課題が生じる。
【０００６】
本発明の目的は、成形が容易な構成部品を備える一方で配光を高精度に制御することが可能なエイミング機構を備えた車両用灯具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、ランプハウジングに内装されたランプユニットを傾動して当該ランプユニットの照射光軸を調整するエイミング機構を備える車両用ランプであり、エイミング機構は、ランプユニットとランプハウジングの一方に設けられた規制片と、他方に設けられて規制片に係合される規制体を備える。そして、規制片と規制体はランプユニットの傾動支点となるエイミング軸の軸上において当接されており、ランプユニットの傾動時に規制体と規制片との当接位置が位置規制される構成である。
【０００８】
例えば、規制体は規制片が内挿される規制凹部を備えており、規制凹部の内底面がエイミング軸の軸線上に配置され、規制片の凸端部が当該内底面に当接される。また、規制凹部は内部がテーパ状に形成され、ランプユニットの傾動時に規制片の凸端部が規制凹部の内底面に当接された状態が保持される。この場合において、規制片はランプユニットに設けられ、規制体はランプハウジングに設けられることが好ましい。
【０００９】
本発明においては、エイミング機構の構成として、ランプユニットは２つのボールジョイントを介してランプハウジングに支持されており、エイミング軸はこれら２つのボールジョイントを結ぶ線に一致される構成とされることが好ましい。この場合において、ボールジョイントはランプユニットまたはランプハウジングの一方に設けられたボールスタッドと、他方に設けられたボールソケットで構成されており、少なくともボールソケットが樹脂で形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、ランプユニットの傾動支点となるエイミング軸の軸上において当接されている規制体と規制片は、ランプユニットの傾動時に当接位置が位置規制される構成であるので、傾動時に支点部を構成する部品が変形される場合においてもエイミング軸の軸位置を保持することができる。これにより、成形が容易な構成部品を備えたエイミング機構においても、ランプ配光を高精度に制御することが可能な車両用灯具が提供できる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許