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公開番号2025089883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204829
出願日2023-12-04
発明の名称回転工具
出願人株式会社マキタ
代理人弁理士法人勇智国際特許事務所
主分類B25F 5/00 20060101AFI20250609BHJP(手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレータ)
要約【課題】回転工具における緩み止め構造に関する改良を提供する。
【解決手段】回転工具は、スピンドルと、雌ネジ部材と、緩み止め部材とを備える。スピンドルは、雄ネジ部として構成された下端部と、雄ネジ部の上方でスピンドルの径方向外側に突出するフランジ部とを有する。雌ネジ部材は、雄ネジ部に取り外し可能に螺合されている。緩み止め部材は、雄ネジ部よりも上方でスピンドルの周囲に嵌め込まれている。スピンドルのフランジ部の下面は、駆動軸周りの周方向に延在し、第1方向に向かうにつれて下方へ傾斜する第1傾斜面を含む。緩み止め部材は、フランジ部の第1傾斜面に摺動可能に当接する第2傾斜面を有する環状のベース部と、ベース部の外縁部に沿って上方に突出し、スピンドルの回転時にフランジ部の側面に当接して回転駆動力を受ける周壁部とを含む。周壁部は、ベース部の外縁部の一部にのみ設けられている。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
回転工具であって、
前記回転工具の上下方向を規定する駆動軸周りの第1方向に回転駆動されるように構成されたスピンドルであって、雄ネジ部として構成された下端部と、前記雄ネジ部の上方で前記スピンドルの径方向外側に突出するフランジ部とを有するスピンドルと、
前記雄ネジ部に取り外し可能に螺合された雌ネジ部材と、
前記雄ネジ部よりも上方で前記スピンドルの周囲に嵌め込まれた環状の緩み止め部材であって、前記スピンドルの前記第1方向への回転時には前記スピンドルと一体的に回転し、前記スピンドルの回転停止に応じて、前記スピンドルに対して前記第1方向に回動しながら下方へ変位することで、前記雌ネジ部材の緩みを抑制するように構成された緩み止め部材とを備え、
前記フランジ部の下面は、前記駆動軸周りの周方向に延在し、前記第1方向に向かうにつれて下方へ傾斜する第1傾斜面を含み、
前記緩み止め部材は、
前記フランジ部の下側に配置されたベース部であって、前記フランジ部の前記第1傾斜面に摺動可能に当接する第2傾斜面を有する環状のベース部と、
前記ベース部の外縁部に沿って上方に突出し、前記スピンドルの回転時に前記フランジ部の側面に当接して回転駆動力を受けるように構成された周壁部とを含み、
前記周壁部は、前記ベース部の前記外縁部の一部にのみ設けられていることを特徴とする回転工具。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の回転工具であって、
前記ベース部は、前記フランジ部の下方で前記ベース部の径方向内側の端から径方向外側の端まで延びる通路を有することを特徴とする回転工具。
【請求項3】
請求項2に記載の回転工具であって、
前記通路は、前記第2傾斜面のうち、前記周方向において前記第1方向とは逆側の端に隣接して設けられていることを特徴とする回転工具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1つに記載の回転工具であって、
前記上下方向において、前記緩み止め部材の前記周壁部の上端は、前記スピンドルの前記フランジ部の上端よりも下方にあることを特徴とする回転工具。
【請求項5】
請求項4に記載の回転工具であって、
前記周壁部の上端は、前記フランジ部の前記上下方向の中心と同じ位置又は下方にあることを特徴とする回転工具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の回転工具であって、
前記周壁部は、
前記スピンドルから前記回転駆動力を受けるように構成された回転伝達面を有する回転伝達部と、
前記フランジ部よりも径方向外側において、前記回転伝達部のうち、前記第1方向とは逆の第2方向側の端から前記第2方向に延びる延出部とを含むことを特徴とする回転工具。
【請求項7】
請求項6に記載の回転工具であって、
前記周壁部は、前記緩み止め部材が前記スピンドルに対して前記第1方向に回動したときに、前記フランジ部の前記側面に当接して前記緩み止め部材の回動を規制するように構成されたストッパ面を有するストッパ部を更に含み、
前記延出部は、前記ベースの前記外縁部に沿って、少なくとも、前記回転伝達面を含む仮想的な第1平面から前記ストッパ面を含む仮想的な第2平面まで延びていることを特徴とする回転工具。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の回転工具であって、
前記緩み止め部材と前記雄ネジ部との間で前記スピンドルの周囲に取り外し可能に配置された環状部材を更に備え、
前記環状部材は、前記緩み止め部材と係合して前記緩み止め部材と一体的に回転するように構成されており、
前記ベース部のうち、前記回動伝達部の下方部分には、前記環状部材と係合する凹部が形成されており、
前記延出部は、前記凹部のうち、前記第2方向側の端よりも前記第2方向に延びていることを特徴とする回転工具。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1つに記載の回転工具であって、
前記スピンドルの外周面に形成された環状の溝に装着された環状の弾性体を更に備え、
前記緩み止め部材は、前記弾性体によって、前記スピンドルに対し、前記駆動軸の周りに回動可能、且つ、前記弾性体の弾性変形に伴って前記上下方向に移動可能に保持されていることを特徴とする回転工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、先端工具を回転駆動するように構成された回転工具に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
回転工具(例えば、グラインダ)は、スピンドルに取り外し可能に保持された先端工具を回転駆動する。先端工具は、例えば、スピンドルにナットを締め付けることで、スピンドルに固定される。ナットは、スピンドルの回転が急に停止されたときに緩む場合がある。この問題に対処するために、特許文献1に開示されているグラインダは、緩み止め部材を備えている。緩み止め部材は、スピンドルの回転が急に停止されたときに、スピンドルのフランジ部及び緩み止め部材に夫々設けられた傾斜面(カム面)の作用により、先端工具側へ移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-200794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のグラインダでは、スピンドルのフランジ部は、緩み止め部材に設けられた嵌合凹部に、遊びをもった状態で嵌め込まれている。スピンドルのフランジ部の下面は傾斜面であって、嵌合凹部の底面の傾斜面と当接する。このような構成では、嵌合凹部に粉塵が堆積することで、傾斜面による緩み止め部材の移動が不十分となり、十分な緩み止め効果を発揮できなくなる可能性がある。
【0005】
上述の状況に鑑み、本開示は、回転工具における緩み止め構造に関する改良を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の非限定的な1つの態様によれば、スピンドルと、雌ネジ部材と、緩み止め部材とを備えた回転工具が提供される。スピンドルは、回転工具の上下方向を規定する駆動軸周りの第1方向に回転駆動されるように構成されている。スピンドルは、雄ネジ部として形成された下端部と、雄ネジ部の上方でスピンドルの径方向外側に突出するフランジ部とを有する。雌ネジ部材は、雄ネジ部に取り外し可能に螺合されている。緩み止め部材は、環状であって、雄ネジ部よりも上方でスピンドルの周囲に嵌め込まれている。緩み止め部材は、スピンドルの第1方向への回転時にはスピンドルと一体的に回転し、スピンドルの回転停止に応じて、スピンドルに対して第1方向に回動しながら下方へ変位することで、雌ネジ部材の緩みを抑制するように構成されている。
【0007】
スピンドルのフランジ部の下面は、第1傾斜面を含む。第1傾斜面は、駆動軸周りの周方向に延在し、第1方向に向かうにつれて下方へ傾斜している。緩み止め部材は、ベース部と、周壁部とを含む。ベース部は、環状であって、フランジ部の下側に配置されている。また、ベース部は、フランジ部の第1傾斜面に摺動可能に当接する第2傾斜面を有する。周壁部は、ベース部の外縁部に沿って上方に突出している。周壁部は、スピンドルの回転時にフランジ部の側面に当接して回転駆動力を受けるように構成されている。また、周壁部は、ベース部の外縁部の一部にのみ設けられている。
【0008】
本態様の回転工具では、第1方向に回転していたスピンドルが回転を停止すると、スピンドルのフランジ部の第1傾斜面と緩み止め部材の第2傾斜面の作用により、緩み止め部材がスピンドルに対して第1方向に回動しつつ下方に変位する。これにより、雌ネジ部材に対し、雌ネジ部材を下方に押さえつける力が作用することで、雌ネジ部材の緩みが抑制される。
【0009】
また、緩み止め部材には、スピンドルから回転駆動力の伝達を受けるために、ベース部から上方に突出する周壁部が設けられている。但し、周壁部は、ベース部の外縁部の全周に亘ってではなく、一部にのみ設けられている。つまり、フランジ部の径方向外側に、周壁部のない開口部(間隙、空間)が存在する。このため、周壁部がベース部の外縁部の全周に亘って設けられる構成に比べ、周壁部の径方向内側の領域(空間)に粉塵が堆積しにくい。また、この領域に粉塵が進入しても、緩み止め部材がスピンドルと一体的に回転するときに、間隙を通じて遠心力により粉塵を効果的に排出することができる。これにより、第1傾斜面と第2傾斜面の間に粉塵が進入し、緩み止め部材の変位が妨げられ、緩み止めの効果が落ちる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
グラインダの断面図である。
図1の部分拡大図である。
スピンドル及び緩み止め部材の分解斜視図である。
スピンドル及び緩み止め部材の別の分解斜視図である。
スピンドル、緩み止め部材、及びインナフランジの斜視図である。
緩み止め部材の平面図である。
スピンドルのフランジ部と緩み止め部材の配置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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