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公開番号2025087986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202350
出願日2023-11-30
発明の名称封止シート及び、樹脂組成物層を有するディスプレイ
出願人artience株式会社
代理人
主分類C09K 3/10 20060101AFI20250604BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
マイクロLEDを光源とするディスプレイのマイクロLEDの封止に適用した場合において、埋め込み性とダイシフトの抑制に優れる封止シートを提供することを課題とする。
【解決手段】
第一フィルムと樹脂組成物層と第二フィルムがこの順に配置されており、前記第一フィルムは前記樹脂組成物層と対向する面に剥離層を有しており、記樹脂組成物層の厚さTaが2~100μmであり、前記第二フィルムの厚さThが12~188μmであり、TaとThが0.1≦Ta/Th≦2の関係式を満たし、前記樹脂組成物層の動的粘弾性測定により得られる損失正接の-50~80℃の範囲における最大値(tanδ最大値)が0.6~2.2であり、マイクロLEDを光源とするディスプレイに使用するマイクロLEDを封止するための封止シート。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
マイクロLEDを光源とするディスプレイに使用するマイクロLEDを封止するための封止シートであって、
前記封止シートは、第一フィルムと樹脂組成物層と第二フィルムとがこの順に配置されており、
前記第一フィルムは、前記樹脂組成物層と対向する面に剥離層を有しており、
前記樹脂組成物層の厚さTaは、2~100μmであり、
前記第二フィルムの厚さThは、12~188μmであり、
TaとThは、式(1)を満たし、
前記樹脂組成物層の動的粘弾性測定により得られる損失正接の-50~80℃の範囲における最大値が0.6~2.2である封止シート。
式(1) 0.1≦Ta/Th≦2
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記第二フィルムのヤング率は、1~6GPaである請求項1に記載の封止シート。
【請求項3】
前記第一フィルムの前記樹脂組成物層と接する面におけるISO 25178で規定された二乗平均平方根高さSqの、前記樹脂組成物層の厚さTaに対する割合が30%以下である請求項1に記載の封止シート。
【請求項4】
前記樹脂組成物層の鉛筆硬度が5B~2Hである請求項1に記載の封止シート。
【請求項5】
前記樹脂組成物層は、樹脂(A)を含み、
前記樹脂(A)は、アクリル樹脂(a1)、ウレタン樹脂(a2)および、エポキシ樹脂(a3)からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1~4いずれかに記載の封止シート。
【請求項6】
前記樹脂組成物層が着色剤(B)を含む、請求項5に記載の封止シート。
【請求項7】
前記樹脂組成物層が重合開始剤(C)を含む、請求項6に記載の封止シート。
【請求項8】
請求項5に記載の封止シートの樹脂組成物層を有するマイクロLEDを光源とするディスプレイ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、封止シートに関するものであり、詳しくはマイクロLEDを光源とするディスプレイに使用するマイクロLEDを封止するための樹脂組成物層を含む封止シート並びに前記樹脂組成物層が搭載されたディスプレイに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイはさらなる高性能化に向け、様々な発光素子を用いた開発が盛んに行われている。
具体的には、液晶や量子ドットなどを用いたバックライト式ディスプレイ、ミニ/マイクロLEDや有機ELなど自発光素子を用いたディスプレイ、プラズマディスプレイ、電気泳動ディスプレイなど、様々なディスプレイ仕様が研究されており、サイネージやテレビなどの大型ディスプレイ用途から、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブル機器等の小型サイズまで幅広く活用が検討されている。特に、LEDを用いたディスプレイ開発は、日増しに進められており、特許文献1、2にはLED素子を封止する熱硬化性樹脂組成物が記載されている。特許文献3には、バリア層を加圧することで変形させ、マイクロLEDを封止するマイクロLED発光装置の製造方法が記載されている。次世代ディスプレイ技術として最も注目されているのがマイクロLEDディスプレイである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-12051号公報
国際公開第2021/200035号
特開2021-111774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年小型化が進んでいるLED素子においては、LED素子間の間隔や基板との距離がより狭くなりっており、特許文献1、2に記載される光半導体素子を封止するための樹脂シートは、耐熱性や取り扱い性に優れる一方で、樹脂の流動性が不足しており、マイクロサイズのLED素子に追従して空域を埋めること(埋め込み性)が十分ではない。LED素子と封止用樹脂組成物との間に空隙がある場合、空隙部にて光が屈折・反射し、光が混合することによってディスプレイの視認性に悪影響を及ぼす。
一方、特許文献3に記載の封止シートを用いてマイクロLEDを埋め込む場合、樹脂の不均一な流動によりマイクロLEDの一方向に応力がかかり、マイクロLEDが基板から動いてしまう位置ずれ(ダイシフト)が発生する。ダイシフトが発生した場合、マイクロLEDは発光不良となり、不良部分をリペアする工程が必要になるため、生産時間とコストが増加することが問題となっている。
【0005】
本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、マイクロLEDを光源とするディスプレイに適用した場合においても、埋め込み性とダイシフトの抑制(ダイシフト性)に優れる封止シート及び樹脂組成物層を有するディスプレイを提供することを課題とする。
また、更なる課題として、光の屈折・反射によってディスプレイの視認性低下を防ぐために光制御性に優れる封止シート及び樹脂組成物層を有するディスプレイの提供が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意検討した結果、以下に示す封止シートにより上記課題を解決できることを見出し、下記[1]~[8]の本発明を完成するに至った。
[1]:マイクロLEDを光源とするディスプレイに使用するマイクロLEDを封止するための封止シートであって、前記封止シートは、第一フィルムと樹脂組成物層と第二フィルムとがこの順に配置されており、前記第一フィルムは、前記樹脂組成物層と対向する面に剥離層を有しており、前記樹脂組成物層の厚さTaは、2~100μmであり、前記第二フィルムの厚さThは、12~188μmであり、TaとThは、式(1)を満たし、前記樹脂組成物層の動的粘弾性測定により得られる損失正接の-50~80℃の範囲における最大値が0.6~2.2である封止シート。
式(1) 0.1≦Ta/Th≦2
[2]: 前記第二フィルムのヤング率は、1~6GPaである[1]に記載の封止シート。
[3]:前記第一フィルムの前記樹脂組成物層と接する面におけるISO 25178で規定された二乗平均平方根高さSqの、前記樹脂組成物層の厚さTaに対する割合が30%以下である[1]に記載の封止シート。
[4]:前記樹脂組成物層の鉛筆硬度が5B~2Hである[1]に記載の封止シート。
[5]: 前記樹脂組成物層は、樹脂(A)を含み、
前記樹脂(A)は、アクリル樹脂(a1)、ウレタン樹脂(a2)、エポキシ樹脂(a3)からなる群より選択される少なくとも1つを含む[1]~[4]いずれかに記載の封止シート。
[6]:前記樹脂組成物層が着色剤(B)を含む、[5]に記載の封止シート。
[7]:前記樹脂組成物層が重合開始剤(C)を含む、[6]に記載の封止シート。
[8]:[5]に記載の封止シートの樹脂組成物層を有するマイクロLEDを光源とするディスプレイ。
【発明の効果】
【0007】
本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、マイクロLEDを光源とするディスプレイに適用した場合においても、埋め込み性とダイシフトの抑制に優れる封止シート及び樹脂組成物層を有するディスプレイを提供することが可能となった。
また、本開示により、上記に加え、光の屈折・反射によってディスプレイの視認性低下を防ぐために光制御性に優れる封止シート及び樹脂組成物層を有するディスプレイの提供することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
封止シートの積層構成例を示す模式的断面図。
発光素子を有する基板上の発光素子を封止する工程を示す模式的断面図。
マイクロLEDの基板を模した試験基板の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の一例を説明するものである。本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を変更しない範囲において実施される変形例も含まれる。
本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値、および上限値の範囲として含むものとする。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸をいう。また、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に1種単独でも2種以上を併用してもよい。なお、2種以上を併用する場合、含有率は合計値を用いる。
【0010】
[封止シートの形態]
本開示の封止シートは、図1に示すように、は第一フィルムと樹脂組成物層と第二フィルムがこの順に配置されている。樹脂組成物層は複数設けることができる。図1に示す3層構造をとる場合、第二フィルムに樹脂組成物層を形成した後、第一フィルムを貼り合わせる製造方法が好ましい。
封止シートを製造後、または封止シートを製造しながら、巻芯に封止シートをロール状に巻回することにより封止シートロールが得られる。巻き取りの長さは用途により設計し得る。生産性を高める観点からは50m以上であることが好ましく、100m以上であることがさらに好ましい。巻き取りの長さは、製造歩留まりの観点から10000m以下とすることが好ましい。封止シートをロール形態とする場合には、第一フィルム巻外側に設けることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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