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公開番号2025084517
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198476
出願日2023-11-22
発明の名称POPs含有土壌の清浄化方法
出願人前田建設工業株式会社
代理人弁理士法人はるか国際特許事務所
主分類B09C 1/02 20060101AFI20250527BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】POPs含有土壌を清浄化するにあたり、使用する水量を低減するとともに短期間で実行できる高効率な清浄化方法を提供すること。
【解決手段】平面視において、POPs含有土壌を含む区画を囲繞する遮水壁を埋設設置する工程と、前記区画内に揚水井及び注水井を設置する工程と、前記注水井より洗浄水を注水する工程と、前記揚水井より、取水深度を変更しながら、前記POPs含有土壌中の地下水を揚水する工程と、を有するPOPs含有土壌の清浄化方法。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
平面視において、POPs含有土壌を含む区画を囲繞する遮水壁を埋設設置する工程と、
前記区画内に揚水井及び注水井を設置する工程と、
前記注水井より洗浄水を注水する工程と、
前記揚水井より、取水深度を変更しながら、前記POPs含有土壌中の地下水を揚水する工程と、
を有するPOPs含有土壌の清浄化方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記注水井は、平面視において、前記揚水井を囲繞するように設置される、
請求項1に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項3】
前記区画内の地表面に気密処理を施す工程を有する、
請求項2に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項4】
前記区画内の地表面に水を満たす工程を有する、
請求項2に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項5】
前記取水深度は、地表付近から、地下水位深度に向かって、深度を下げるように変更される、
請求項2に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項6】
前記注水井は地表付近の深度に前記洗浄水を注水するものである、
請求項5に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項7】
前記注水井より前記洗浄水を注水する注水深度は、前記取水深度に従って変更される、
請求項5に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項8】
前記遮水壁は、不透水層又は難透水層まで到達するものであり、
前記注水井は、地下水位深度より深い深度に前記洗浄水を注水するものである、
請求項1に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項9】
前記取水深度は、地下水位深度から、地表付近に向かって、深度を上げるように変更される、
請求項8に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
【請求項10】
前記洗浄水に、ナノバブルを添加する工程を有する、
請求項1~9のいずれか1項に記載のPOPs含有土壌の清浄化方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、POPs含有土壌の清浄化方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
環境中に放出されたPOPs(残留性有機汚染物質)と称される化合物群が土壌や地下水に残留することによる汚染の問題が関心を集めている。多くの化合物がPOPsとしてふるまう可能性が指摘されているが、その中で近年特に注目されているものとして、PFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物)と称される一群の有機フッ素化合物がある。
【0003】
PFASは、難分解性であり長期にわたり残留するため環境問題を引き起こす原因物質であると指摘されており、環境中に放出され、土壌中或いは地下水中に残留するものを除去する要請がある。土壌表層付近に拡散したPFASは、表層土を採掘し、洗浄処理をすることによりその清浄化を行うことができる。しかしながら、中~深層土壌中に蓄積されたPFASについては、かかる土壌を全て採掘し清浄化を行うことは現実的ではない。
【0004】
PFASは界面活性を有する可溶性の分子であるため、地下土壌中の地下水位以下に拡散したものについては、PFASが溶解した地下水を組み上げ、PFASを除去することによりこれを浄化することが可能である。しかしながら、地下水位より上層の土壌中に拡散したPFASは、自身の界面活性に起因して、土壌中の粘土やシルトの表面及び、土壌中の間隙水と空隙との気液界面に吸着され滞留する。
【0005】
図1は、地下水位より上層の土壌、すなわち、不飽和帯中に拡散したPFAS分子の様子を模式的に示す図である。土壌を構成する泥粒P(粘土及びシルト粒子)は複数集まり塊を形成し、泥粒Pの塊同士が空隙を開けて隣接している(図1には、泥粒Pの塊を2のみ示しているが、同様の塊が互いに接触しつつ、空隙のある立体的なネットワークを形成する)。泥粒Pの塊は間隙水Wにより覆われ、空隙部分には空気が充填されている。
【0006】
かかる状況下において、PFAS分子Sは、その一部は、分子中に含まれる疎水基を泥粒Pに向け、親水基を間隙水Wに向けて、泥粒Pの表面に吸着している。また残りの大部分は、親水基を間隙水Wに向け、疎水基を間隙に向けて、間隙水Wの気液界面に吸着されていると考えられる。図1では、PFAS分子の疎水基を黒丸で、親水基を黒の太線で示している。また、図示が煩雑となることを避けるため、符号は一部のものについてのみ付している。
【0007】
この状態で単に、例えば揚水ポンプを用いて吸引をすると、間隙水Wを汲み上げることはできるものの、土壌中のPFASの回収はあまり期待できない。なぜなら、土壌の不飽和帯中の気泡は土壌粒子への親和性が強く、土壌粒子間にメニスカスを形成し、間隙水Wの流れに抗してその場に留まり続ける傾向が強く、間隙水Wを汲み上げても土壌中の気泡はあまり除去できず、土壌中に形成された気液界面は残り続けること、さらに、PFAS分子Sは、その界面活性により気液界面に強固に吸着されることから、土壌中の間隙水Wを汲み上げたところで、土壌中の気液界面が残り続ける限りは、かかる気液界面に吸着されたPFAS分子はその場に残り続けると考えられるからである。すなわち、単に揚水ポンプを用いて間隙水Wを汲み上げても、それによっては、土壌中の気泡を消滅させ、あるいは有意に除去できず、気液界面に吸着したPFASの回収は覚束ない。かかる状況は、必ずしもPFASについてのみ生じるものではなく、界面活性を有するPOPs全般について共通に生じると考えられる。したがって、以降、本明細書では、PFAS及び、PFAS類似の界面活性を有するPOPsをその対象とする。
【0008】
上記事情に鑑みて、注水井戸及び揚水井戸を設けて、土壌中に洗浄水を注入し、その土壌間隙が水に満たされた状態としてから地下水を汲み上げることにより、土壌の清浄化及び土壌中の汚染物質の回収をすることが提案されている。
【0009】
特許文献1には、汚染物質が分布する汚染領域を取り囲むように又は挟み込むように汚染土壌内に埋設された遮水壁を構築し、該遮水壁に取り囲まれ又は挟み込まれた汚染土壌の地表面を気密材で覆い、揚水井及び注水井を気密状態で貫通設置し、前記遮水壁の下端を非透水層又は難透水層の上面から隔離させ、注水井を介して透水層に注水し、揚水井に接続された吸引ポンプで水を揚水する汚染土壌の通水洗浄方法が記載されている。
【0010】
特許文献2には、地盤に揚水孔と注水孔を掘削し、揚水孔から地下水を揚水し、汚染物質回収装置により汚染物質を回収した後、注水孔に注水する循環方式の汚染土壌の清浄化方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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