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公開番号2025082978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196577
出願日2023-11-20
発明の名称分離方法及び分離装置
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類B09B 5/00 20060101AFI20250523BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】集電体と電極合材とをより効率よく分離する。
【解決手段】分離方法は、集電体52と集電体上に形成され結着材を含む電極合材54とを備えた処理対象電極50を、結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液に浸漬させ、超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理を行い、集電体と前記電極合材とを分離する分離工程を含む。分離装置10は、集電体と集電体上に形成され結着材を含む電極合材とを備えた処理対象電極を、結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液に浸漬させて超音波処理を行い、集電体と電極合材とを分離する分離部22と、超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理を行うように分離部を制御する制御部15とを備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
集電体と前記集電体上に形成され結着材を含む電極合材とを備えた処理対象電極を、前記結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり前記水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液に浸漬させ、超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理を行い、前記集電体と前記電極合材とを分離する分離工程を含む、
分離方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記水溶性有機溶剤は、前記結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が5以下である、請求項1に記載の分離方法。
【請求項3】
前記処理液は、前記水溶性有機溶剤を5体積%以上50体積%以下の範囲で含む、請求項1に記載の分離方法。
【請求項4】
前記結着材は、溶剤系結着材である、請求項1~3のいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項5】
前記結着材は、ポリフッ化ビニリデンであり、前記水溶性有機溶剤は、アセトン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、リン酸トリメチル、2-ピロリドンのうちの1以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項6】
前記分離工程では、5分以内の範囲で前記超音波処理を行い、前記電極合材を40体積%以上除去する、請求項1~3のいずれか1項に記載の分離方法。
【請求項7】
集電体と前記集電体上に形成され結着材を含む電極合材とを備えた処理対象電極を、前記結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり前記水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液に浸漬させて超音波処理を行い、前記集電体と前記電極合材とを分離する分離部と、
超音波の周波数をスイープさせながら前記超音波処理を行うように前記分離部を制御する制御部と、
を備えた分離装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、分離方法及び分離装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電池のリサイクルにあたり集電体と電極合材とを分離させる手法として、電極に対して水中で超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法では、有機溶剤や水溶液の化学的作用ではなく、超音波のキャビテーション効果を用いた物理的作用を利用している。そして、水を用い、超音波の周波数をスイープさせることで、集電体と電極合材とを効率よく高精度に分離できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-102744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した手法では、電極合材層が厚い電極や高密度な電極を処理する場合などに、集電体と電極合材との分離に時間がかかることがあり、集電体と電極合材とをより効率よく分離することが望まれていた。
【0005】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、集電体と電極合材とをより効率よく分離することができる分離方法及び分離装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明者らは、結着材を含む電極合材を有する電極に対して、結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液中で、超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理を行うと、集電体と電極合材とをより効率よく分離できることを見いだし、本開示を完成するに至った。
【0007】
即ち、本開示の分離方法は、
集電体と前記集電体上に形成され結着材を含む電極合材とを備えた処理対象電極を、前記結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり前記水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液に浸漬させ、超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理を行い、前記集電体と前記電極合材とを分離する分離工程を含むものである。
【0008】
また、本開示の分離装置は、
集電体と前記集電体上に形成され結着材を含む電極合材とを備えた処理対象電極を、前記結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下である水溶性有機溶剤と水との混合物であり前記水溶性有機溶剤を3体積%以上含む処理液に浸漬させて超音波処理を行い、前記集電体と前記電極合材とを分離する分離部と、
超音波の周波数をスイープさせながら前記超音波処理を行うように前記分離部を制御する制御部と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の分離方法及び分離装置では、集電体と電極合材とを、より効率よく分離することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。この分離方法及び分離装置では、超音波処理を行う際に、水溶性有機溶剤と水とを含む処理液を用いる。水溶性有機溶剤は、電極合材に含まれる結着材とのハンセン溶解度パラメータの距離が8以下であり、その化学的作用によって結着材を溶解させまたは結着材の結着力を弱める効果を有する。水は表面張力が大きく、有機溶剤よりもキャビテーション効果を発生しやすいため、キャビテーション効果による物理的作用によって電極合材を集電体から効率よく剥離する効果を有する。本開示では、処理液中の水溶性有機溶剤を3体積%以上とすることで、水溶性有機溶剤による化学的作用と水による物理的作用との相乗効果により、集電体と電極合材とを効率よく分離することができる。また、超音波の周波数をスイープさせながら超音波処理を行うため、エネルギー分布が好適になり、集電体と電極合材とをより効率よく分離できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
スイープ及びスイープサイクルの説明図。
スイープ幅の説明図。
超音波処理前の分離装置10の構成の概略を示す説明図。
超音波処理後の分離装置10の構成の概略を示す説明図。
分離方法の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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