TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025083064
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-30
出願番号
2023196731
出願日
2023-11-20
発明の名称
ガスシールドアーク溶接用ワイヤ、ガスシールドアーク溶接方法及び溶接金属の製造方法
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
B23K
35/30 20060101AFI20250523BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】引張強さと低温での靱性が良好である溶接金属が得られるガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供する。
【解決手段】ワイヤ全質量に対して、C含有量が0.040質量%以上0.090質量%以下であり、Si、Mn、Ti、Ni、Fe、Cr、Mo及びCuの含有量が規定されているとともに、ワイヤ全質量に対するそれぞれの元素の含有量を質量%で[C]、[Si]、[Mn]、[Ti]、[Ni]、[Cr]、[Mo]、[Cu]と表す場合に、下記式(1)により算出される値A1:4.05以上であるとともに、下記式(2)により算出される値A2:0.45以上である、ガスシールドアーク溶接用ワイヤ。ただし、式(1):A1=[Mn]+[Ni]、式(2):A2=-[C]+[Si]/7+[Mn]/7+[Ti]/4+[Ni]/38+[Cr]/8+[Mo]/5+[Cu]/15である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ワイヤ全質量に対して、
C:0.040質量%以上0.090質量%以下、
Si:0.40質量%以上0.90質量%以下、
Mn:1.35質量%以上2.80質量%以下、
Ti:0.05質量%以上0.40質量%以下、
Ni:1.80質量%以上3.70質量%以下、及び、
Fe:88.0質量%以上、を含有し、
Cr:0.60質量%以下(0質量%を含む)、
Mo:0.90質量%以下(0質量%を含む)、
Cu:0.50質量%以下(0質量%を含む)、であり、
ワイヤ全質量に対するC含有量を質量%で[C]、ワイヤ全質量に対するSi含有量を質量%で[Si]、ワイヤ全質量に対するMn含有量を質量%で[Mn]、ワイヤ全質量に対するTi含有量を質量%で[Ti]、ワイヤ全質量に対するNi含有量を質量%で[Ni]、ワイヤ全質量に対するCr含有量を質量%で[Cr]、ワイヤ全質量に対するMo含有量を質量%で[Mo]、ワイヤ全質量に対するCu含有量を質量%で[Cu]と表す場合に、
下記式(1)により算出される値A1:4.05以上であるとともに、
下記式(2)により算出される値A2:0.45以上であることを特徴とする、ガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
A1=[Mn]+[Ni] ・・・式(1)
A2=-[C]+[Si]/7+[Mn]/7+[Ti]/4+[Ni]/38+[Cr]/8+[Mo]/5+[Cu]/15 ・・・式(2)
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
下記式(3)により算出される値A3:5.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
A3=[Ti]/[C] ・・・式(3)
【請求項3】
下記式(4)により算出される値A4:28.5以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
A4=52.8×[C]+26.3×[Si]+0.5×[Mn]+13.4×[Ti]+1.1×[Ni]+2.1×[Cr]+0.9×[Mo]+1.5×[Cu] ・・・式(4)
【請求項4】
下記式(3)により算出される値A3:5.0以下であるとともに、
下記式(4)により算出される値A4:28.5以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
A3=[Ti]/[C] ・・・式(3)
A4=52.8×[C]+26.3×[Si]+0.5×[Mn]+13.4×[Ti]+1.1×[Ni]+2.1×[Cr]+0.9×[Mo]+1.5×[Cu] ・・・式(4)
【請求項5】
さらに、Na、K及びLiから選択された少なくとも1種を含有し、
ワイヤ全質量に対するNa含有量を質量%で[Na]、ワイヤ全質量に対するK含有量を質量%で[K]、ワイヤ全質量に対するLi含有量を質量%で[Li]と表す場合に、
下記式(5)により算出される値A5:0.80以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
A5:[Na]+[K]+[Li] ・・・式(5)
【請求項6】
さらに、
F:0.30質量%以下、を含有することを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤを用いて溶接することを特徴とする、ガスシールドアーク溶接方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤを用いて、溶接金属を製造することを特徴とする、溶接金属の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高張力鋼のアーク溶接に使用されるガスシールドアーク溶接用ワイヤ、該溶接用ワイヤを用いたガスシールドアーク溶接方法、及び該溶接用ワイヤを用いた溶接金属の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
石油・ガスの掘削・生産や洋上風力発電に使用される海洋構造物及び石油・ガスの輸送に使用されるパイプライン等の溶接構造物は、設備の大型化や寒冷地での稼働が増加している。したがって、これらの溶接構造物に使用される鋼板については、高強度化が進められており、これに伴って、使用される溶接材料についても、高強度かつ低温での靱性に優れた特性が求められる。
【0003】
また、上記のような溶接構造物を製造する際に、近年では、溶接作業の効率化のために、高電流及び大入熱の溶接条件で、溶接が実施される傾向にある。このような大入熱の条件下においては、溶接金属の強度が低下するとともに衝撃特性も劣化する。このため、厳しい溶接条件下で溶接を実施した場合においても、優れた特性を有する溶接部を得るための技術に対する要求が高まっており、特に、溶接部の特性を向上させることができる溶接材料の必要性が高くなっている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ワイヤ全質量に対するC、Si、Mn、S及びPの含有量を規定するとともに、フラックス中の金属フッ化物、Na酸化物及びK酸化物の換算値を規定したメタル系フラックス入りワイヤが提案されている。上記特許文献1には、上記各成分を限定することにより、溶接作業性に優れ、かつ、耐気候欠陥性及び耐割れ性に優れ、溶着金属の機械的性質が良好な溶接用メタル系フラックス入りワイヤを得ることができることが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、ワイヤ全重量に対して、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb及びTiを含有し、P、S、Al、N、Oを制限し、Ca、Mg及びAsの合計量を規制した高張力鋼用ガスメタルアーク溶接用ワイヤが開示されている。上記特許文献2によると、耐力及び靱性が、母材とする高張力鋼と同等以上で、硫化物による欠陥が無く、作業性が良好なワイヤを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-114400号公報
特開平8-267273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載のフラックス入りワイヤを使用して溶接を実施した場合に、溶着金属の引張強さは540~680MPaであり、十分な引張強さを得ることができない。また、上記特許文献2に記載のガスメタルアーク溶接用ワイヤは、強度及び耐力向上のために、所定量のNb及びVを含み、Crも多く含有するため、引張強さが高くなりすぎて高温割れの懸念が生じるとともに、十分な靱性を有する溶着金属を得ることが難しい。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、高張力鋼のガスシールドアーク溶接に好適に使用され、引張強さと低温での靱性が良好である溶接金属が得られるガスシールドアーク溶接用ワイヤ、該溶接用ワイヤを用いたガスシールドアーク溶接方法、及び該溶接用ワイヤを用いた溶接金属の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、ガスシールドアーク溶接用ワイヤに係る下記[1]の構成により達成される。
【0010】
[1] ワイヤ全質量に対して、
C:0.040質量%以上0.090質量%以下、
Si:0.40質量%以上0.90質量%以下、
Mn:1.35質量%以上2.80質量%以下、
Ti:0.05質量%以上0.40質量%以下、
Ni:1.80質量%以上3.70質量%以下、及び、
Fe:88.0質量%以上、を含有し、
Cr:0.60質量%以下(0質量%を含む)、
Mo:0.90質量%以下(0質量%を含む)、
Cu:0.50質量%以下(0質量%を含む)、であり、
ワイヤ全質量に対するC含有量を質量%で[C]、ワイヤ全質量に対するSi含有量を質量%で[Si]、ワイヤ全質量に対するMn含有量を質量%で[Mn]、ワイヤ全質量に対するTi含有量を質量%で[Ti]、ワイヤ全質量に対するNi含有量を質量%で[Ni]、ワイヤ全質量に対するCr含有量を質量%で[Cr]、ワイヤ全質量に対するMo含有量を質量%で[Mo]、ワイヤ全質量に対するCu含有量を質量%で[Cu]と表す場合に、
下記式(1)により算出される値A1:4.05以上であるとともに、
下記式(2)により算出される値A2:0.45以上であることを特徴とする、ガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
A1=[Mn]+[Ni] ・・・式(1)
A2=-[C]+[Si]/7+[Mn]/7+[Ti]/4+[Ni]/38+[Cr]/8+[Mo]/5+[Cu]/15 ・・・式(2)
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社神戸製鋼所
ターボ圧縮機
3日前
株式会社神戸製鋼所
積層型熱交換器
9日前
株式会社神戸製鋼所
音速厚さ測定方法および該装置
11日前
株式会社神戸製鋼所
学習済みモデルの生成方法、溶接システム、溶接支援方法、及びプログラム
6日前
株式会社神戸製鋼所
ガスシールドアーク溶接用ワイヤ、ガスシールドアーク溶接方法及び溶接金属の製造方法
2日前
株式会社神戸製鋼所
車両運行システム、自動運転車両、及びプログラム
12日前
個人
タップ
24日前
個人
加工機
18日前
麗豊実業股フン有限公司
ラクトバチルス・パラカセイNB23菌株及びそれを筋肉量の増加や抗メタボリック症候群に用いる用途
11日前
株式会社不二越
ドリル
1か月前
日東精工株式会社
ねじ締め機
3日前
日東精工株式会社
ねじ締め機
1か月前
株式会社不二越
ドリル
17日前
日東精工株式会社
多軸ねじ締め機
1か月前
株式会社FUJI
工作機械
1か月前
株式会社アンド
半田付け方法
17日前
日進工具株式会社
エンドミル
1か月前
エフ・ピー・ツール株式会社
リーマ
1か月前
株式会社アンド
半田付け方法
17日前
株式会社ダイヘン
多層盛り溶接方法
1か月前
村田機械株式会社
レーザ加工機
4日前
株式会社トヨコー
被膜除去方法
5日前
村田機械株式会社
レーザ加工機
4日前
ブラザー工業株式会社
工作機械
1か月前
株式会社FUJI
チャック装置
2か月前
ブラザー工業株式会社
工作機械
1か月前
トヨタ自動車株式会社
接合方法
1か月前
株式会社プロテリアル
金属箔の溶接方法
1か月前
株式会社ダイヘン
溶接装置
1か月前
株式会社不二越
管用テーパタップ
1か月前
株式会社コスメック
クランプ装置
2か月前
ビアメカニクス株式会社
レーザ加工装置
1か月前
株式会社不二越
超硬合金製ドリル
1か月前
大肯精密株式会社
自動送り穿孔機
1か月前
株式会社不二越
通り穴加工用タップ
1か月前
日東精工株式会社
はんだこて先の製造方法
19日前
続きを見る
他の特許を見る