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公開番号2025082720
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023196242
出願日2023-11-17
発明の名称車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社,株式会社アイシン
代理人個人,個人
主分類F16H 61/04 20060101AFI20250522BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】油室からのエア排出を適切に行いつつ、変速タイミングの乖離の抑制と変速ショックの悪化の抑制とを実現することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】油室からオイルが排出された状態とされ、且つ、クラッチドラムが回転している状態とされている所定クラッチに対して、所定クラッチの係合によって形成される所定ギヤ段へ切り替えられる前に、エア排出制御が行われる。これにより、油室へのエア混入が予測される所定クラッチに対してエア排出制御が行われると共に、クラッチドラムの回転によって遠心力によるエア排出効果が期待される。又、所定クラッチが関与する所定ギヤ段への変速が行われるときに、所定クラッチの油室からエアを排出する作動を行わなくても、油室へのエア混入が抑えられた状態で所定クラッチの係合状態への切り替えを行うことができる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
動力源と、前記動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた、複数の係合装置のうちの何れかの係合によって複数のギヤ段のうちの何れかが形成される自動変速機と、前記係合装置を作動させる為の調圧したオイルを供給する油圧制御回路と、を備え、前記係合装置は、プレート、クラッチドラム、前記プレートを押圧するピストン、及び前記クラッチドラムと前記ピストンとの間に形成された、前記オイルが供給される油室を有して、前記ピストンにより前記プレートが押圧されることで係合状態へ切り替えられる複数のクラッチを含んでいる車両の、制御装置であって、
前記クラッチのうちの、前記油室から前記オイルが排出された状態とされ、且つ、前記クラッチドラムが回転している状態とされている所定クラッチに対して、前記ギヤ段のうちの、前記所定クラッチの係合によって形成される所定ギヤ段へ切り替えられる前に、前記ピストンが前記プレートを押圧しない範囲で前記油室を前記オイルで充填する充填用油圧に調圧された前記オイルを前記油室に供給して前記油室からエアを排出するエア排出制御を行う排出制御部を含むことを特徴とする車両の制御装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記クラッチを係合状態へ切り替えるときには、前記クラッチにトルク容量を発生させることに先立って、前記クラッチをパッククリアランスが詰められたパック詰め完了状態とするパック詰め用油圧に調圧された前記オイルを前記油室に供給するパック詰め制御を行う変速機制御部を更に含むものであり、
前記変速機制御部は、前記所定ギヤ段へ切り替える際には、前記所定クラッチの前記パック詰め制御において、前記排出制御部によって行われた前記エア排出制御の実施時間が短い場合は長い場合と比べて、前記オイルの供給量を多くすること、及び、前記オイルの供給速度を速くすること、のうちの少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記パック詰め用油圧は、前記クラッチにトルク容量を発生させない状態且つ前記クラッチを前記パック詰め完了状態に維持する定圧待機用油圧と、前記定圧待機用油圧に先立って供給される前記定圧待機用油圧よりも高い急速供給用油圧と、を含んでおり、
前記変速機制御部は、前記パック詰め制御において、前記定圧待機用油圧を供給する時間を長くすることで前記オイルの供給量を多くするものであり、又、前記定圧待機用油圧を高くすることで前記オイルの供給速度を速くするものであることを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記排出制御部は、前記自動変速機の変速過渡中には、前記エア排出制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記油室から前記オイルが排出された状態は、前記油室から前記オイルが排出される予め定められた所定時間以内に前記所定クラッチが係合状態とされた履歴がない状態であり、
前記クラッチドラムが回転している状態は、前記クラッチドラムの回転速度が遠心力による前記油室内からの前記エアの排出効果が得られ易い予め定められた所定回転速度以上とされている状態であり、
前記充填用油圧は、前記ピストンが前記プレート側への移動を開始しない範囲で最大の油圧であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有段式の自動変速機を備えた車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
動力源と、前記動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた、複数の係合装置のうちの何れかの係合によって複数のギヤ段のうちの何れかが形成される自動変速機と、前記係合装置を作動させる為の調圧したオイルを供給する油圧制御回路と、を備え、前記係合装置は、プレート、クラッチドラム、前記プレートを押圧するピストン、及び前記クラッチドラムと前記ピストンとの間に形成された、前記オイルが供給される油室を有して、前記ピストンにより前記プレートが押圧されることで係合状態へ切り替えられる複数のクラッチを含んでいる車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された自動変速機の制御装置がそれである。この特許文献1には、クラッチの油圧特性値の学習設定に先立って、クラッチへの油圧を制御可能な最小圧に引き上げつつ、油路内の残留エアを排出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-16673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クラッチの油室に油圧を印加しない状態が続くと、油室からオイルが抜けて油室にエアが混入する。油室にエアが混入した状態からクラッチを係合させる場合、クラッチは、エアがオイルによって完全に押し出された後にピストンがプレート側へ移動させられてトルク容量を発生する。その為、油室にエアの混入が有る場合は、無い場合に比べてトルク容量の発生が遅くなり、変速応答性が悪化するおそれがある。これに対して、クラッチを係合する際に、油室をオイルで充填し、ピストンが動くのを待ったり、又は、パック詰め時間を延ばしたり、又は、パック詰め時の油圧を高めてパック詰めを促進したりすることが考えられる。しかしながら、油室からのオイルの抜け具合の推定が難しく、適切に制御できないおそれがある。又、パック詰め時間を延ばす場合は、変速タイミングがパック詰め時間を延ばさない通常時と乖離し、違和感を生じさせるおそれがある。又、パック詰め時の油圧を高めると、変速ショックが発生するおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、油室からのエア排出を適切に行いつつ、変速タイミングの乖離の抑制と変速ショックの悪化の抑制とを実現することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)動力源と、前記動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた、複数の係合装置のうちの何れかの係合によって複数のギヤ段のうちの何れかが形成される自動変速機と、前記係合装置を作動させる為の調圧したオイルを供給する油圧制御回路と、を備え、前記係合装置は、プレート、クラッチドラム、前記プレートを押圧するピストン、及び前記クラッチドラムと前記ピストンとの間に形成された、前記オイルが供給される油室を有して、前記ピストンにより前記プレートが押圧されることで係合状態へ切り替えられる複数のクラッチを含んでいる車両の、制御装置であって、(b)前記クラッチのうちの、前記油室から前記オイルが排出された状態とされ、且つ、前記クラッチドラムが回転している状態とされている所定クラッチに対して、前記ギヤ段のうちの、前記所定クラッチの係合によって形成される所定ギヤ段へ切り替えられる前に、前記ピストンが前記プレートを押圧しない範囲で前記油室を前記オイルで充填する充填用油圧に調圧された前記オイルを前記油室に供給して前記油室からエアを排出するエア排出制御を行う排出制御部を含むことにある。
【発明の効果】
【0007】
前記第1の発明によれば、油室からオイルが排出された状態とされ、且つ、クラッチドラムが回転している状態とされている所定クラッチに対して、所定クラッチの係合によって形成される所定ギヤ段へ切り替えられる前に、エア排出制御が行われる。エア排出制御は、ピストンがプレートを押圧しない範囲で油室をオイルで充填する充填用油圧に調圧されたオイルを油室に供給して油室からエアを排出する制御である。これにより、油室へのエア混入が予測される所定クラッチに対してエア排出制御が行われると共に、クラッチドラムの回転によって遠心力によるエア排出効果が期待される。又、所定クラッチが関与する所定ギヤ段への変速が行われるときに、所定クラッチの油室からエアを排出する作動を行わなくても、油室へのエア混入が抑えられた状態で所定クラッチの係合状態への切り替えを行うことができる。よって、油室からのエア排出を適切に行いつつ、変速タイミングの乖離の抑制と変速ショックの悪化の抑制とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
自動変速機等の一例を説明する骨子図である。
自動変速機の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する係合作動表である。
クラッチの一例を示す部分断面図である。
電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、油室からのエア排出を適切に行いつつ変速タイミングの乖離の抑制と変速ショックの悪化の抑制とを実現する為の制御作動を説明するフローチャートである。
図5のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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