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公開番号
2025082090
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-28
出願番号
2023195326
出願日
2023-11-16
発明の名称
アルミニウム合金箔及びその製造方法
出願人
株式会社UACJ
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
C22C
21/00 20060101AFI20250521BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】硬質箔として十分な強度を備え、加熱後の強度及び伸びの低下を抑制することができるアルミニウム合金箔及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金箔は、Fe:0.30質量%以上2.0質量%以下、Si:0.20質量%以上0.50質量%未満を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有している。Feの固溶量が0.020質量%以下である。Siの固溶量が0.0010質量%以上である。液体窒素中において測定した比抵抗が0.30μΩ・cm以上0.45μΩ・cm以下である。引張強さが160MPa以上260MPa以下である。伸びが4.0%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Fe:0.30質量%以上2.0質量%以下、Si:0.20質量%以上0.50質量%未満を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有し、
Feの固溶量が0.020質量%以下であり、
Siの固溶量が0.0010質量%以上であり、
液体窒素中において測定した比抵抗が0.30μΩ・cm以上0.45μΩ・cm以下であり、
引張強さが160MPa以上260MPa以下であり、
伸びが4.0%以上である、アルミニウム合金箔。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記アルミニウム合金箔は、さらに、Cu:0.001質量%以上0.1質量%以下、Mn:0.001質量%以上0.1質量%以下、Cr:0.001質量%以上0.1質量%以下、Mg:0質量%超え0.03質量%以下、Ti:0質量%超え0.1質量%以下及びB:0質量%超え0.1質量%以下からなる群より選択される1種または2種以上の元素を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項3】
前記アルミニウム合金箔に含まれるサブグレインの平均粒径が0.3μm以上3.0μm以下である、請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項4】
前記アルミニウム合金箔を100℃以上180℃以下の温度で5秒以上60秒以下加熱した際の、前記加熱による前記アルミニウム合金箔の引張強さの低下率が10%以下であり、前記加熱後の前記アルミニウム合金箔の伸びが4.0%以上である、請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金箔の製造方法であって、
前記化学成分を有する鋳塊を400℃以上600℃以下の温度で加熱して均質化処理を行い、
前記均質化処理が施された前記鋳塊に、圧延終了温度が200℃以上300℃未満となる条件で熱間圧延を行うことにより、1.8mm以上3.0mm以下の厚みを有する圧延板を作製し、
前記圧延板に冷間圧延を行うことにより、10μm以上50μm以下の厚みを有する前記アルミニウム合金箔を作製する、アルミニウム合金箔の製造方法。
【請求項6】
前記冷間圧延は複数回の圧延パスを有しており、複数回の前記圧延パスのうち、いずれかの前記圧延パスと、当該圧延パスの次の圧延パスとの間に、バッチ式焼鈍炉を用いて前記圧延板を300℃未満の温度で加熱する中間焼鈍を行う、請求項5に記載のアルミニウム合金箔の製造方法。
【請求項7】
前記鋳塊の厚みが300mm以上600mm以下である、請求項6に記載のアルミニウム合金箔の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金箔及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスにおける電極の集電体などとして、アルミニウム合金硬質箔が使用されている。例えば、リチウムイオン二次電池用の正極を作製するに当たっては、集電体としてのアルミニウム合金硬質箔の表面に活物質を含む合材ペーストを塗布した後、合材ペーストを乾燥させることによりアルミニウム合金硬質箔の表面に活物質層を形成する。その後、活物質層を圧縮して密度を高めるプレス加工や、正極の湾曲を矯正する矯正加工等を施すことにより正極が得られる。
【0003】
近年、蓄電デバイスの容量の向上や小型化が強く望まれており、これらの目的を達成するために、集電体として用いられるアルミニウム合金硬質箔の強度を維持しつつ、厚みをより薄くすることが求められている。例えば特許文献1には、Fe含有量が1.2質量%以上1.6質量%以下、Si含有量が0.5質量%以上0.9質量%以下、FeとSi含有量の合計が1.8質量%以上、Cu含有量が0.02質量%未満であって、残部がAlと不可避不純物からなり、硬質時の引張強度が170N/mm
2
以上215N/mm
2
以下、伸びが4.0%以上であり、120℃で熱処理後の引張強度が150N/mm
2
以上、伸びが6.0%以上である、アルミニウム合金箔が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-132993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のアルミニウム合金箔は、箔の製造過程において、ピンホールや金属組織の欠陥の原因となる粗大なAl-Fe-Si系金属間化合物が形成されやすいという問題がある。
【0006】
粗大なAl-Fe-Si系金属間化合物の形成を抑制するためには、単純には、アルミニウム合金箔中のSiの含有量を低減する方法が考えられる。しかし、アルミニウム合金箔中のSiの含有量を少なくすると、電極の製造過程において熱が加わった際にアルミニウム合金箔の伸びが低下しやすくなる。アルミニウム合金箔の伸びが低下すると、電極の製造過程において加わる張力によってアルミニウム合金箔が破断しやすくなる。
【0007】
特に、近年では、電極の生産効率を高めるため、合材ペーストをアルミニウム合金箔に塗布した後の乾燥工程において、より低温かつ短時間の加熱により合材ペーストの乾燥が行われている。しかし、このような低温かつ短時間での加熱を行うと、アルミニウム合金箔の伸びがより低下しやすくなる。さらに、蓄電デバイスの容量を大きくするために、プレス加工において乾燥後の活物質層を圧縮する際の圧力も高くなっているため、電極の寸法精度の低下や、電極の製造過程におけるアルミニウム合金箔の破断がより起こりやすくなっている。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、硬質箔として十分な強度を備え、加熱後の強度及び伸びの低下を抑制することができるアルミニウム合金箔及びその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、Fe(鉄):0.30質量%以上2.0質量%以下、Si(シリコン):0.20質量%以上0.50質量%未満を含有し、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなる化学成分を有し、
Feの固溶量が0.020質量%以下であり、
Siの固溶量が0.0010質量%以上であり、
液体窒素中において測定した比抵抗が0.30μΩ・cm以上0.45μΩ・cm以下であり、
引張強さが160MPa以上260MPa以下であり、
伸びが4.0%以上である、アルミニウム合金箔にある。
【0010】
また、本発明の他の態様は、前記の態様のアルミニウム合金箔の製造方法であって、
前記化学成分を有する鋳塊を400℃以上600℃以下の温度で加熱して均質化処理を行い、
前記均質化処理が施された前記鋳塊に、圧延終了温度が200℃以上300℃未満となる条件で熱間圧延を行うことにより、1.8mm以上3.0mm以下の厚みを有する圧延板を作製し、
前記圧延板に冷間圧延を行うことにより、10μm以上50μm以下の厚みを有する前記アルミニウム合金箔を作製する、アルミニウム合金箔の製造方法にある。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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