公開番号2025081701 公報種別公開特許公報(A) 公開日2025-05-27 出願番号2025030054,2022571983 出願日2025-02-27,2021-11-22 発明の名称たばこ用の組成物 出願人日本たばこ産業株式会社 代理人個人,個人,個人,個人 主分類A24B 15/30 20060101AFI20250520BHJP(たばこ;葉巻たばこ;紙巻たばこ;喫煙具) 要約【課題】たばこ用の組成物、たばこ用の組成物を含むeリキッド及びたばこ製品を提供する。 【解決手段】たばこ用の組成物は、スクラロース以外の甘味料を含む。 【選択図】なし 特許請求の範囲【請求項1】 スクラロース以外の甘味料を含む、たばこ用の組成物。 続きを表示(約 760 文字)【請求項2】 ハロゲン元素を含まない甘味料を含む、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 甘味料が、ペプチド誘導体、フラボノイド配糖体、テルペン配糖体、スルファミド、スルファミン酸塩及びタンパク質からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。 【請求項4】 甘味料が、ペプチド誘導体である、請求項1-3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項5】 甘味料が、フラボノイド配糖体である、請求項1-3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項6】 甘味料が、ネオヘスペリジン派生物である、請求項1-3及び5のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項7】 甘味料が、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの甘味度の0.5以上の甘味度を有するネオヘスペリジン派生物である、請求項1-3及び6のいずれか1項に記載の成物。 【請求項8】 甘味料が、モネリン、ソーマチン、グリチルリチン、ステビオシド若しくはステビア抽出物、サッカリン、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、ネオテーム、アスパルテーム及びネオヘスペリジンジヒドロカルコンからなるグループから選択される、請求項1-3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項9】 甘味料が、グリチルリチン、ステビオシド若しくはステビア抽出物、サッカリン、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、ネオテーム及びネオヘスペリジンジヒドロカルコンからなるグループから選択される、請求項1-3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項10】 甘味料がアドバンテームである、請求項1-4及び8-9のいずれか1項に記載の組成物。 (【請求項11】以降は省略されています) 発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、たばこ用の組成物に関する。本発明はまた、たばこ用の組成物を含む、e-リキッド又はたばこ製品に関する。 続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】 【0002】 一般的な電子たばこ用リキッド(通称e-リキッド(e-liquid)やe-ジュースと呼ばれる)は、プロピレングリコール(PG)、グリセリン(GL)、ニコチン、および香料から構成される。 【0003】 電子たばこの魅力の一つとして、多種多様な香喫味を手軽に楽しめるという点が挙げられる。e-リキッドの香喫味を特徴づける上で、非常に重要な機能を果たしているのが香料である。人間が香喫味を感じ取る際、五感のうち嗅覚と味覚の寄与する割合が大部分を占めるという考え方が一般的である。e-リキッドにおける香料の役割は主に嗅覚に作用して様々な香りを人間に感じさせることであり、商品の魅力を構成する上で最も重要な要素であるといえるだろう。現に、多種多様なタイプの香料を配合したe-リキッドが市販されており、香料の良し悪しがその商品の魅力を大きく左右しているといえる。 【0004】 一方、近年のe-リキッドでは味覚に対するアプローチを企図した商品、即ち何らかの呈味を有するものが登場してきており、最も多い味質としては甘味である。電子たばこの香料にはコーヒー様、バニラ様、フルーツ様といった甘味と相性の良いフレーバーを配合したものが多く、甘味を付与することによって、より消費者の香喫味満足度を向上させることを目的としていると考えられる。 【0005】 甘味を有する物質(「甘味料」)の最も典型的な例としては糖類が挙げられる。しかしながら、e-リキッドの主な溶媒であるPGやGLに溶解させられる糖類の量は限られており、通常の電子たばこの使用形態において十分な甘味を実現させるだけの量の糖類をe-リキッドに配合することは困難な場合が多い。また、電子たばこのデバイスとして最も一般的な加熱式デバイスにおいては、多量の糖類を配合したe-リキッドを加熱することによって、加熱部位周辺に糖類の焦げ付きなどの不具合が発生し、デバイス故障の原因となる場合がある。このような理由から、甘味の発現を目的としてe-リキッドに糖類を配合するという手法の効果は限定的であるといえるだろう。 【0006】 近年では糖類以外の甘味料を配合したe-リキッドが登場してきている。甘味料の中には糖類よりも強い甘味を発現するもの、すなわち甘味度が高いものが多数存在する。高甘味度甘味料は、糖類と同程度の甘味を発現するための必要量が糖類よりも少なく済むと考えられるため、e-リキッドに使用した場合、糖類では問題となるような加熱部位周辺での焦げ付きなどを起こしにくいという利点がある。近年、e-リキッドにおいて最も使用されている甘味料の一つに、スクラロース(Sucralose)が挙げられる。予めスクラロースを配合している商品や、消費者が自分で他のリキッドと配合して使用する目的でスクラロースの希釈液が販売されている。 【0007】 スクラロースはスクロース(Sucrose)のヒドロキシル基を塩素置換した分子構造をしており、スクロースと比較して320-1000倍の甘味度を持つと言われている人口甘味料である(非特許文献1)。現在までに、米国、欧州、日本など多くの国で食品添加物として使用を認められている。しかしながら、スクラロースが高温に加熱されると有害な有機塩素化合物が生成するという研究結果が近年報告されている(非特許文献2)。ドイツの連邦リスク評価研究所(BfR)からもスクラロースが加熱された場合のリスクに関する意見書(非特許文献3)を公表するという事態になっている。 【0008】 また、スクラロースが含まれるe-リキッドを加熱式電子たばこデバイスで使用した場合に生成する分解物についての研究も、近年いくつか報告されている(非特許文献4-5)。非特許文献4によると、e-リキッドの溶媒であるPGやGLの分解物であるカルボニル類の生成をスクラロースが促進し、またスクラロース自体の分解物として含塩素有機化合物や塩素が生成することが示されている。カルボニル類や含塩素有機化合物、塩素はいずれも人体に対する有害性が懸念されている。さらに非特許文献5によると、スクラロースを配合したe-リキッドを加熱して生成されたエアロゾル中から、3-モノクロロ-1,2-プロパンジオールや1,3-ジクロロプロパノールといった塩化プロパノール化合物が検出されている。これらの化合物は、発がん性や遺伝毒性が指摘されている成分である。 【0009】 以上のように、加熱式電子たばこデバイスにおいてスクラロースを配合したe-リキッドを使用することには健康上のリスクが存在すると言わざるを得ない。 e-リキッド等のたばこ製品に配合可能な甘味料であって、糖類と同程度の十分な甘みを有し、かつ安全な甘味料の開発が希求されている。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0010】 Food and Drug Administration, “Food Additives Permitted for Direct Addition to Food for Human Consumption; Sucralose”, Federal Register: 21 CFR Part 172, Docket No. 87F-0086 (1998) Diogo N. de Oliveira et al., Scientific Reports, 5, Article number: 9598 (2015) Bundesinstitut fur Risikobewertung, “Harmful compounds might be formed when foods containing the sweetener Sucralose are heated”, BfR opinion No 012/2019 of 9 April 2019 Anna K. 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